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2009年01月15日
イスラエルを正しく理解するためには努力が必要である
ガザで暮らしてガザの実情を知っている者は皆イスラエルの暴挙に怒りを覚えている。
イスラエルと結びついて利益を得ている者は皆イスラエルを擁護する。
しかしこのブログを読んでいる読者の多くはそうではないだろう。
だからイスラエルのガザ攻撃が連日ニュースで流されても、世界で止む事のない戦争の一つでしかないと思っているのかもしれない。
どのように残虐な事が繰り広げられても、戦争に犠牲はつきものだ、攻撃を止めないイスラエルとパレスチナの双方の指導者が悪い、と思っているのかもしれない。
しかし、そんな読者であっても、イスラエルのやっている事は、いくらなんでも酷すぎるのではないか、と思う者が多いだろう。
そして、ふつうはこれだけの残虐な事が行なわれていれば、国際社会が介入して停戦に持ち込まれるはずなのに、なぜイスラエルのガザ侵攻だけは誰も止められないのか、止めようとしないのか、と感じるだろう。
そう思う人はすでにイスラエルという国を正しく理解できる資格がある。その疑問からすべてがスタートする。そこから自分の頭で考えて自分なりの答えをだせばいい。
しかしそれには真実を知る努力が少しばかり必要だ。その参考のためにこのブログを書いている。
杉原千畝という外交官がいた。日本政府の訓令に反して迫害ユダヤ人に亡命ビザを発給して6000人ほどのユダヤ人の命を救った外交官だ。
先日なくなられた杉原夫人は生前に、「うちの主人がユダヤ人の命を救った事が果たして正しかったのでしょうか」と知人にもらしていたという話を、私はこのあいだ人づてに聞いた。ナチに虐待されたユダヤ人が、今度は同じ事をパレスチナ人に繰り返している、それを知って心を痛めていたというのだ。
もちろんユダヤ人の命を救った事は正しい。しかしそのユダヤ人たちによってつくられたイスラエルという国が、パレスチナ人を虐待している、この矛盾が杉原夫人を苦しめたのだ。もちろんそれは今回のガザ攻撃が始まる前の話である。今回のガザ攻撃はこれまで休む事無く続けられてきたイスラエルのパレスチナ弾圧政策の延長に過ぎないという事である。
イラク戦争に反対して外務省を首になった私は、講演先などでよく、あなたは杉原千畝さんを思い起こさせてくれる、と言われる。
そのたびに私は内心いささかの困惑を覚える。その理由は、杉原氏はその行為で6000人ものユダヤ人の命を救ったという現実の功績がある。それにくらべ私は「小泉バカヤロー」と言っただけだ。その意義において比べものにならない。
しかし困惑するもう一つに理由は杉原氏の美談がイスラエル政府により作為的につくられ、日本において過度に美化されている事を私は知っているからだ。もっとはっきり言えば杉原氏という善良な外交官の行為を日本国民への情報操作の具にしているということだ。
もちろんこれは杉原氏の責任ではない。イスラエル政府の責任を私は言っている。
私がイスラエルを正しく知るためには努力が必要だ、と言ったのはこの事である。
外から与えられる情報を、ぼけっ、としてそのまま信じてしまうと、とんだ勘違いを起こす事になる。
1月15日の朝日新聞は、イスラエル政府が外国報道陣のガザ立ち入りを拒否し続けていると報道している。これでどうして我々は今ガザで何が起きているか知ることができるだろうか。いままで日本のメディアが流してきた報道や映像は、嘘とは言わないまでもイスラエルの都合のいい偏った情報であるということだ。
真実はガザにいる被害者たちがインターネットなどで発する声の中にある。それを知ると見方が一変する。悲惨さが圧倒的になる。
1月15日の日経新聞は、イスラエルの政治家が語ったという次の言葉をスクープしている。
「米国が第二次大戦中に日本に対して行なったのと同じように、我々もハマスとの戦いを続けなければならない」。
つまり無差別爆撃と原爆投下で無条件降伏するまで叩きのめす、と言っているのだ。
これがガザ攻撃であり、これがイスラエルという国である。
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