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『建築家が眺望するニッポン』−文化から見る日本人の底力−2008.12.26.
メールマガジン『まぐまぐ』http://archive.mag2.com/0000150178/index.html
自民党の53年間など、世界や日本の歴史の中ではほんの一瞬でしょう。
しかし変化のスピードが有史以来これほど速かったことはないことを考慮すれば、53年はとてつもなく長い時間だと言うこともできるかもしれません。
その長かった自民党の一党独裁が終わろうとしています。
ローマ帝国の終焉や平家の滅亡、三国志の導入部に見られる後漢の衰亡など、私達は今、歴史の中に、ひとつの大きな権力が衰退していく経緯を見ることができます。
そういう時、国は乱れ、人々の倫理観が失われ、権力の中枢にいるものたちは暗愚に落ちて、最後の瞬間まで危機意識を持つことがありません。
絶対的権力が崩れ去ろうとしているとき、価値観が揺らいで倫理が崩壊してゆく過程は想像がつきますが、権力者が信じられないほど愚かになるという歴史を読んでも、今ひとつぴんと来ませんでした。少なくとも権力の座に付くものは最低限の教育を受けているはずだからです。
ところが今私達はその暗愚をリアルタイムで見ることができます。
自民党本体が沈みつつある中で危機意識のかけらもなくお祭り騒ぎで繰り広げた総裁選。その結果名前ばかりの総理大臣になって、形だけの内閣に君臨して日本のトップに上り詰めたと勘違いし、祖父の吉田茂と母校の学習院大学の顔をつぶした(漢字や歴史を知らないでも合格可能な大学)にもかかわらず、自分は祖父や母校の誉れであると勝手に思い込み、医者には非常識な人が多いとか、たらたら飲んで食って病気になった人の医療費を何で俺が払わなくてはならないのかなどと考えられない非常識を露呈する実力を持っていない名目だけの権力者。
麻生首相は3年後の消費税の引き上げを公明党や自民党内の反対を押し切って通そうとしているようですが、その理由は彼が打ち出した政策の中で、消費税率の引き上げが各種世論調査で唯一支持率が高かったからでしょう。ついでに指摘され続けている指導力のなさをも否定して見せているつもりかもしれませんが、消費税についての世論調査が行われた時点と今では経済状況が全く違います。ここまで急激に景気が悪化した今の時点では、世論調査結果は正反対になるでしょう。内需が極端に冷え切っていることが連日報道されている今、増税の話を持ち出すことは風邪を引いた患者を冬の湖に突き落とすようなものです。
腹の中を簡単に見透かされるだけでなく、判断を迫られたとき、わざわざ悪いほう悪いほうを選択し続けているのが今の麻生首相です。
絵に描いたような信じられない暗愚です。
暗愚は総理大臣ばかりではありません。閣僚は暴言や失言を繰り返し、自衛隊幕僚長はシビリアンコントロールを根本から覆す言動をしれっとした顔で繰り返します。
義務教育を終え、一通り社会に出れば誰でも身に付くはずの一般的な知性と常識を持たない人間がどうして、最もそれらを求められる職につくことができるのでしょうか。
最高学府を優秀な成績で卒業したはずの官僚の非常識も同様です。その姿は後漢末期に自己保身のために危機を皇帝の目から覆い隠し、私腹を肥やし続けた宦官を思わせます。
権力の中枢及び周辺が暗愚であふれています。それは歴史を見る限り権力崩壊の間接的な証拠なのかもしれません。
権力構造が組み変わるとき、その抗争の中で踏みにじられ蹴散らされるのは民衆です。
1年で終了する抗争もあれば、100年続いた抗争もありました。
ひとつの絶対的権力の崩壊するさまを歴史の証人としてまじかに見ることのできる特権は、同時に、塗炭の苦しみを国民として共有することと同義です。
覚悟を決めなければならないのかもしれません。
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