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英紙報道:米国がアフガン政策をチェンジへ (ヤマボウシのオリジナル投稿)
http://www.asyura2.com/09/senkyo58/msg/1243.html
投稿者 ヤマボウシ 日時 2009 年 2 月 17 日 08:15:42: WlgZY.vL1Urv.
 

英紙報道:米国がアフガン政策をチェンジへ (ヤマボウシのオリジナル投稿)

 9日付の英「インデペンデント」(Wikiによれば「既存の新聞の中ではもっとも新しいイギリスの高級紙」)電子版に次のような記事がありました。筆者は同紙の論説主幹・コラムニストであるメアリー・デジェフスキー (Mary Dejevsky)氏です。

http://www.independent.co.uk/news/world/politics/mary-dejevsky-america-to-change-policy-in-afghanistan-1604608.html

----[翻訳開始]-------------------------------------

メアリー・デジェフスキー:米国がアフガン政策をチェンジへ

2009年2月9日(月)

 オバマ政権は、アフガニスタンに対する取り組み方の全面的な見直しを図っている。新しい方針の一番目に挙げられるのは、「住民を保護し、住民の役に立つよう努めること」である。

テロ問題は、ブッシュ政権下ではこの地域に対する政策の最優先課題であったが、今やアフガニスタンが不安定である原因とも産物ともみなされている。

長期の方針としては国民和解が達成課題となるはずである。こうした一連の新しい優先事項を昨日ミュンヘンで各国の指導者や軍事専門家に対して発表したのが、イラク戦争における「一時的増派」策を計画して広く支持を受けたデイヴィッド・ペトレイアス将軍である。

現在は米中央軍の最高司令官を務める同将軍は、オバマ大統領が就任直後に命じたアフガニスタン政策を60日間で再検討する作業の取りまとめに当たっている。現地の指導者、ならびに英国を含む米国の同盟国の担当者が、今や多くの人々が失敗と認める軍事作戦において何が可能で何が課題かについて意見を求められている。

アフガニスタンのカルザイ大統領はペトレイアス将軍に先立って手短な演説を述べたが、事前に政策の転換を伝えられていたことは明らかで、テロを激しく批判する熱弁は大概に切り上げた後、より自己批判的で融和的な方針に賛同を表明した。

すなわち、同大統領はタリバーンがここ2、3カ月の間に著しく優勢となったことを認めたうえで、そのタリバーンの戦士たちが家族のもとでの「正常な生活」を望むならば8月の全国選挙に参加するよう促したのである。

一方、ペトレイアス将軍はイラク戦争流の「一時的増派」には言及しなかった。同将軍は、航空機から、ヘリコプター、車両、兵員、警察力、訓練要員、資金に至るまでのあらゆる物が増強される必要があると嘆きながらも、ミュンヘンを訪れた他の米政府高官に従った結果、NATO諸国に軍隊の増派を直接訴えることもしなかった。これは政策再検討の要点に、可能な事柄を確立することが含まれるためだったと理解される。米新政権が軍事的手段のみによる解決は実現不可能であるとして拒絶したことにともない、政策の重点であり要件となるのは、戦闘部隊から遠く離れて警察官の養成や社会基盤の建設事業へと向かう動きである可能性が高い。

そのためこうした場合、リスクを嫌うドイツよりもむしろ進んで戦闘部隊を送る英国のほうが、米国の政策再検討とはうまくいかない存在として現れるとみてさしつかえない。ジョン・ハットン国防相やデイヴィッド・ミリバンド外相などの英国の閣僚らが、「テロ対策」や、「実在する脅威」、「戦闘作戦」といった古い米国の言葉を今なお語っているのは印象的である。カルザイ流の素早い足さばきもいくらかはロンドンに求められよう。

-----------------------------------[翻訳終了]----

このような内容の報道は、日本はもとより、実は米本国のメディアでも今のところは見当たりません。これはおそらく公式的には「60日間の再検討」が進行中であるためということになると思われますが、実質的にはメディアが「古い米国の言葉を今なお語っている」ためと言えるでしょう。

しかし、断片的な報道としてはたとえば日本でも同日に時事通信が、バイデンがブッシュの外交政策から決別すると表明したと伝えています(http://www.jiji.com/jc/zc?key=%a5%d0%a5%a4%a5%c7%a5%f3%20%b3%b0%b8%f2%20%b7%e8%ca%cc&k=200902/2009020800001)。これにはアフガニスタンは言及されていませんが(実は取り上げていないだけ)、バイデンがブッシュの外交政策から決別すると表明したこと自体が重要だと思います。なにしろバイデンは、自分はオバマ政権で最後まで結論を言わない人物でありたいという、解釈次第ではきわめて尊大な発言をしたことがあります。これはこれで問題ですが、別の機会に論じます。

一方。やはり8日付の英「サンデー・タイムズ」になると、オバマがアフガニスタンへの米軍増派にブレーキを掛けたという特ダネを流しています(http://www.timesonline.co.uk/tol/news/world/us_and_americas/article5683681.ece)。「サンデー・タイムズ」は「タイムズ」の日曜版ですが、いずれも世界の有力メディアでは平和問題に最も敏感で、先にも書いた無人機によるパキスタン人殺傷を「オバマが命令した」と報じた新聞です。ブレーキを掛けたのは、ペンタゴンが増派をどう使って、戦争をどう終わらせるかという問いにはっきり答えられなかったからだというのですが、これは重大です。

このペンタゴンとのやりとりがあったのは先月末らしいです。今のところ、この「サンデー・タイムズ」の記事を取り上げたのは米国の反戦団体のサイトだけなのですが、オバマの顔写真に"You're going to be very disappointed"というフレイズを並べたバナーを貼り付けているだけに、元記事の見出しに「?」を付けているのがちょっと笑えました。

その後、オバマが数日以内にアフガニスタン増派について決断するとゲイツが述べたということですが、その決断の選択肢にはいくつかあるとも言ったそうです(http://www.cnn.co.jp/usa/CNN200902110004.html)。わざわざそういう言い方をするということは、選挙中の公約からすればデフォルトのはずの増派がデフォルトではなくなったと考えられます。増派は皆無ではないかもしれないけれど、「サンデー・タイムズ」の報道や、ブッシュ外交からの決別を表明したバイデン演説のメディア報道からすれば、何らかのブレーキが掛かるのが「流れ」と言えるでしょう。そして、それ以上に踏み込んで報道したのが、上に訳した「インデペンデント」の記事だったというわけです。
 

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