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Like a rolling bean (new) 出来事録
http://ameblo.jp/garbanzo05/day-20090216.html
2009-02-16
【追記あり・会計士は都の天下り】 豊洲移転で膠着する築地仲卸(東卸)の全理事解任請求、経緯と背景
ひとつ前のエントリーで、「チャンピオンクラスの」汚染地域である豊洲東京ガス跡地への移転是非で二つに票が割れている、築地の東卸組合の理事会が2月17日に行われると書きました。
それと関連して、こうしたニュースがあります。
毎日
築地市場移転:反対派業者、東卸の全理事解任・改選を請求 /東京
http://mainichi.jp/area/tokyo/news/20090213ddlk13010296000c.html築地市場(中央区)の水産仲卸業者でつくる「東京魚市場卸協同組合」(東卸、伊藤宏之理事長)で市場移転の是非をめぐり新理事長が決まっていない問題で、移転反対派の業者が12日、東卸に対し現在の理事30人全員の解任と改選を求める請求書を提出した。組合執行部側は新理事長を決める17日の理事会で、取り扱いを検討する。
協同組合の設立などを定めた「中小企業等協同組合法」では、総組合員の5分の1以上の連署があれば役員の改選請求ができると定めており、今回は約760の全組合員のうち約190が署名した。移転反対派の業者は「次回投票しても結果は同数になる可能性が高いので、理事長を選出する理事を改選するしかない」と請求理由を語った。
新理事長を決める理事会は今月2回開かれ計3回投票されたが、移転賛成派の伊藤理事長と、反対派で「市場を考える会」の山崎治雄代表幹事がいずれも15対15で同数票だった。
同組合の理事長は理事30人が互選で選ぶ仕組み。現在の理事は先月30日の臨時総代会で選出されていた。【江畑佳明】
(毎日新聞 2009年2月13日) 地方版
東京新聞
築地移転 仲卸組合トップ選び混迷 取扱量減 危機感も
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2009021502000043.html
2009年2月15日 朝刊東京・築地市場(中央区)の移転問題をめぐり、約七百七十の水産仲卸業者でつくる場内最大の業界団体「東京魚市場卸協同組合(東卸)」のトップ選びが混迷している。三たびの投票が行われたが、いずれも移転「容認」「反対」の二候補が同数という異例の展開。組合を二分するつばぜり合いの背景には移転予定地の土壌汚染とともに、経営環境の変化に対する危機感がある。 (石川修巳)
「『ツキジ』はいまや国際的ブランド。その文化も捨てて、汚染された場所へ行けと言う。許せますか」。十四日に都内で開かれた集会で、移転反対の仲卸業者でつくる「市場を考える会」幹部が訴えた。「だから理事長選は負けられない」
東卸の理事長選には「考える会」代表幹事の山崎治雄氏(70)と、移転容認の立場で、現職の伊藤宏之氏(70)が立候補。任期満了日の今月五日、理事三十人が二度投票したが、一五対一五。同九日の再々投票も同じだった。「投票する理事を選び直すしかない」と、反対派は全理事改選を求めた。
伊藤氏は「築地での再整備は物理的に無理。可能と言うなら、根拠を示すべきだ」と強調する。移転後の市場跡地は売却予定だが、再整備ならその収入がないことにも着目。「その分が自分たちの施設使用料に跳ね返り、経営が圧迫される」と懸念する。
都によると、築地市場の二〇〇七年の水産物取扱量は五十六万トン。五年間で一割減った。市場を経由せず、産地と直接行う取引の増加が一因だ。
ある水産仲卸は「もともと仲卸は経営基盤が弱い」と打ち明ける。「『築地ブランド』こそが命綱」との声もある。
「このままではしぼむだけ。新たな土俵が必要だ。弱小な業者でも一緒に移転できるよう、都の対応を引き出したい」と伊藤氏。反対派の山崎氏は「(予定地は)消費者に不安を与える」と訴える。
都は「どちらになっても移転計画に変更はなく、調整を進める」としている。
上の毎日新聞の記事にあるように、膠着状態を続けることはまったく好ましいことではないですから、組合の定款にのっとって今回の全理事解任請求(それに伴う、完全なやり直し選挙)が行われることは重要で、そのための選択肢のひとつとしてこの手段が採られたものだと聞いています。
上の記事を読んでいて思うことがあります。豊洲への移転推進を主張する現理事長が、組合の置かれた財務状況が問題だとするのはあくまで、豊洲移転の時期から現在側に逆引きした期日感が前提にあるからではないのかという点です。つまり期日は決まっている、だから(もともともっと長い期限だった借金を)前倒し返済するべきだ、もしもそれが払えないならやはり移転しなくちゃならないだろう・・・
やはりこれは結局骨も肉も切らせるという説明にわたしには見えてしまいます。
それに経営的に厳しいとしたら、それは豊洲に行けば改善されるのでしょうか?
また、これまでの移転協議会では東京都は現理事長しか検討に招いていないのですから、圧倒的に情報量が違う相手候補(山崎さん側)に、それを争点にしてはっきりさせろと迫るのは、どうも客観的に見て筋違いに思えます。
〜〜〜
【ここから重要な追記】
そもそも財務問題の取り上げられ方そのものに、とても大きな疑念があります。
なぜかというと、この組合=東卸の会計士として東京都のOBが「天下り」で送られているからです。
その証拠を示します。
東洋経済online
石原都政に新たな火種 過去最悪の土壌汚染で揺れる築地移転問題(2) - 08/08/08 | 12:30
https://www.toyokeizai.net/business/industrial/detail/AC/32385a4042b86391691d413ccde64ee5/page/2/
(略)東卸には、都が債務を肩代わりしたとの疑惑もある。05年に農林中央金庫が持つ東卸向け債権9億7500万円を、大和証券SMBCと都が出資する「東京チャレンジファンド」が買い取った。これを東卸が4500万円で買い戻し、差し引き9億3000万円が帳消しになった。東卸は「手続きに沿ったもので問題ない」と説明する。が、一連の取引を参議院財政金融委員会で追及した大塚耕平議員(民主党)は「債務をかぶったのは農林中金か大和証券か、それとも都なのか、明らかでない。債務超過ではない東卸の債務を、なぜ肩代わりする必要があったのか」と問題視する。東卸は否定するが、「都が移転に絡んで便宜を図ったのでは」との声がくすぶる。東卸の会計士が都庁OBとの事実もある。
(略)
大塚議員の見解について、2008年11月13日の参議院財政金融委員会のメモから再掲します:
大塚議員: 「月刊東卸」517号にこのような記載がありました。
「農林中金との関係、決済資金借入先である農林中金との関係は、ある顧問会計士の力添え、東京都の支援も頂き、『一件落着しました』」。一番下には、その 61ページには、「事前に顧問会計士が折衝した結果、コンプライアンス上の問題があることから、東京チャレンジファンド事業有限責任組合経由での債権買戻しを行い、同行、つまり農林中金に対する借り入れ金全額を清算した」と、そうなっていますね。
つまり、憶測でも何でもなく、この選挙戦には、東京都がお金の情報を一元化して握っている可能性がきわめて高い、ということに注意を払うべきだと思います。
こうした組合を規定する「中小企業等協同組合法」によれば、データにアクセスする権利は、組合員が十分持ち合わせているはずで、これまであったように「拒否」などはできないはずです。個人情報を言うのなら、その部分だけを匿名にすればいいはずです。
中小企業等協同組合法
(会計帳簿等の作成等)
第四十一条 組合は、主務省令で定めるところにより、適時に、正確な会計帳簿を作成しなければならない。
2 組合は、会計帳簿の閉鎖の時から十年間、その会計帳簿及びその事業に関する重要な資料を保存しなければならない。
3 組合員は、総組合員の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあつては、その割合)以上の同意を得て、組合に対して、その業務取扱時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。この場合においては、組合は、正当な理由がないのにこれを拒んではならない。
一 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもつて作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求
二 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもつて作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を主務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
【ここまで重要な追記】
〜〜〜
現理事長側が「新市場予定地を安全だと言ってもらいたい」という前に考えていただきたいこと、それは消費者不在への反省、という点です。
短期的に無理をして豊洲移転を正当化させるのではなく、長期的に見て何が一番望ましいかを思えば、行き着く先は食の安全と安心の確保であって、何も大家さんであるお東京都様(あるいはその上にある農水省など)の公共事業(あるいは電子商取引による投機化)を助けることではないと思います。
理事長選のこれまでの概略をまとめると(外からお聞きした範囲です)、
・市場の仲卸のうちには豊洲を不安視する意見が大半。これまでは市場を考える会の方々が説明をしても、「だってまさか東京都が嘘をつかないでしょう」と仰っていた方もいらっしゃったそうですが、新聞に実態が報道されるに至って、ことの深刻さが伝わったそうです。
総代(選挙人)選挙で、豊洲への移転反対が過半数を取得しました。
(開票作業にあたり投票箱が現理事長側のメンバーで行われそうになりましたがそれは防止)
→1/30に理事選あり、くじ引きあり移転反対の2名がはずれくじとなる。
豊洲移転反対と賛成はおおむね16対14程度で移転反対の意思を持つ側が優位に立った。
同票の方がいて人数が2名分オーバーしたため、定款にあるように「くじ引き」をしたところ、ちょうど豊洲移転反対の方が、開始早々に2人とも「はずれくじ」を引いたとのことです。
(箱に入れて紙を取るやり方だそうで、伺ったところでは外部の選挙管理委員はいません)
→その後、理事による理事長選投票を行ったところ、3回とも15対15で拮抗(2/5と2/9)
この間に、「中小企業等協同組合法」による上記記事にある解任請求を持参したものの、受領拒否などあり。
2月12日に持参し、公式の受理だとすれば規定による日数を経て解任が実効となるはずです。
(それを記事でも触れていないのはどうしたことかなあと思いますが)
→これ以上の投票をしても「恥ずかしいから」(現理事長側からのお話のようです)ということで、17日の理事会に検討=話し合いの場を移すことに。
主な主張は、現理事長伊藤さん(移転賛成)が財務問題、市場を考える会の山崎さん(移転反対)が豊洲汚染問題と現在地再整備について、と、それぞれが理事会向けにマニフェストを発行することになったそうです。
(理事は両候補の主張はもう分かっているはずなのですから、これは全員に配布されないと意味がないように思います)
<関連する法律や制度>
「中小企業等協同組合法」
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S24/S24HO181.html
上に基づき、各都道府県の中小企業団体中央会が指導をするようです。
(中央会)http://www.chuokai.or.jp/
なお、この法は、一昨年法改正があったようです。
http://www2.chuokai.or.jp/hotinfo/j-070401kaiseikumiaihou.htm
そのため、東卸の場合、東京都に加え、農水省との関係が生じています。
http://www.maff.go.jp/sogo_shokuryo/data/050sangyou_kikaku/3seido/chusyokigyo-kumiaikankeihou-gaiyo.htm
〜〜〜
このように、仲卸の選挙動向に固唾をのみながらわたしは心から山崎さんの勝利を応援しているのですが、そうは言っても、たった750の事業者からなる業界ですから、お仕事の上での取引などは、イシハラ都政が繰り出した「豊洲」以外には当たり前のように存在し、そういった状況の中、豊洲強行移転(官製地上げ)阻止を仲卸の方々だけに委ねて、市場関係者以外のわたし達は、食の安全のために何もできないわけではないと思います。
もっとわたし達自身が行政に異議申し立てをしなくてはなりません。
ずっとそうした気持ちでいますが、この局面に来て改めてそう強く思います。
これからはもっと消費者としての、あるいは生産・販売者として、自分たちが作り運び口にするものの安全が、行政の恣意的なもくろみで危険にさらされることに異議を申し立てる必要があると思います。
先日kimeraさんが書いてくださったように、組合に意見を出すということも一つの重要なアクションだと思います。
また、日本環境学会と日本科学者会議の委員会の共同声明文を紹介した14日のシンポジウムでは、市民の署名のアピールがなされました。
そちらもまもなく公開されると思います。
2月18日からは都議会が始まります。
国政・都政の場でも、与野党の良識的な方々からの発信により、十分な論議(そもそも豊洲移転は撤回すべきという意味で)がなされることを心から期待します。
〜〜〜
そして今さらですが、何もわたしもなんとなく怖いから嫌だなどと、「情緒的に反対」をしているのではないという点を(口がすっぱくなってしまいますが)ここでもお伝えします。
詳しくは、豊洲新市場予定地に大変な問題があることはひとつ前のエントリーでもアップしましたので、お読みください。
安全性是非を検討する余地のないほどの激烈な汚染と液状化地域に対して、結局まともな検討結果が出されませんでした。
それに、豊洲東京ガス跡地では汚染と液状化がセットになっているいのがまずい、ということもたびたび書いてきました(汚染がなければ採用しうる液状化対策や、汚染が軽微なら使える処理工法が一切使えません)。
詳しくはシンポジウム資料から随意書いていければと思います。
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