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【週刊東洋経済】ガンダム生みの親、富野由悠季が語る若者論:「無残な大人たちに物言う資格なし、消費をしないニュータイプは正しい」
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http://japanimate.com/Entry/661/
ガンダム生みの親、富野由悠季が語る若者論
「無残な大人たちに物言う資格なし、消費をしないニュータイプは正しい」
(週刊東洋経済2009年1月10日号
「特集 若者危機」から拾い読み、
意訳。全文は本誌参照。)
-今の若者世代の問題点は?
40、50代の考える力が衰えていて、これが若い世代に波及している。一般教養や学識を束ねられなくなった大人たちが第一の問題で、若者の責任は二番目。
バブル景気までにそれまでの道徳観や価値観を捨ててしまった我々の世代が、新しい価値観を生み出せていない事こそが問題。若い世代に「お前らはだめだ」と僕は言わない。
あの程度の政治家、自己権益を守る官僚、高額年収の経営者、金融ファンドを実業だと言う大人、自衛隊にクーデターの芽が育っていても大人たちはその危機感すら持っていない。
-若者は冒険、消費をしないという傾向があるが?
若者が温室の中で飢えることの無いシステムを作ったのは我々。その指摘はマスコミの表層的なデータ論に過ぎない。若者を喚起する言葉を今の中年世代が発信していない事の方が問題。
その中年世代は技術革新だIT革命だと言うけれど、所詮は携帯を2-3年毎に買い換えさせているだけ。ビジネスモデルの都合だけの消費活動は15年後には成立しない。
僕は小学校の頃から広告が嫌で、なぜ欲望を喚起しなくてはならないのか理解できない。そこまでして消費を奨励する事は欺瞞行為だと思う。
今の若い人たちはそれに気付いて、世間に警鐘を鳴らしているのではないか。今回の経済危機をきっかけに消費を拡大しない経済システムを構築する時代に入ったのではないか。
-若い人に日ごろから厳しい発言をしているが?
温室育ちにはブレ幅を大きくしてあげないといけない。違う視点もあると伝える努力をしているつもり。でも厳しい言い方をしても彼らはショックを受けていない。言葉に不感症なんです。叱られた経験が無く痛みも感じない。子供のご機嫌取りの大人がこうしてしまった。国家百年の計をこの子達が担うと想像できる大人がどれだけいることか。
才能に民主主義は無い。才能を見つけ、それにすがるしかない。才能に年は関係ない。
僕が若い人に厳しいように見えるのは、目の前の20人、50人の中に次の才能に気がつく人がいて欲しいと思うから。
-若者自身が自分の才能に気付けと?
大器晩成型もいるから、モチベーション喚起の必要性も感じます。しかし現実的には30代以上の家庭を持った大人たちは思考回路をチェンジできない。20代も後半になったらほとんどだめ。自己改革するなら22歳以下しかない。
-30〜40代では変革できない?
僕自身は30代、40代でそれほどチェンジできなかったので、変われるのは勉強している22歳以下だと思う。それ以後は、よほどの才能、よほどの危機感を持った人でないと自己改革の希望は持てない。
-中年以上の世代が若い人にしてあげられることは?
自分が死んでもこの社会が維持して欲しいと思うのが国家百年の計。「自分が死んだらおしまい」ではないと思えばやるべきことは見つかる。学校の通学路の補助員でもいい、それをしていくのが我々の世代の使命。
特に僕と同世代の人には「年金を手に入れて最低限の暮らしが保証されているのなら、その気力、体力を世間に向けて全部投げ出せ」と言いたい。
(週刊東洋経済2009年1月10日号より)
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