★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK58 > 1112.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
独立外交官に未来の夢を託したい(天木直人のブログ)
http://www.asyura2.com/09/senkyo58/msg/1112.html
投稿者 クマのプーさん 日時 2009 年 2 月 13 日 17:59:22: twUjz/PjYItws
 

http://www.amakiblog.com/archives/2009/02/13/#001357

2009年02月13日
 独立外交官


 以下は私のメールマガジン2月13日号に掲載した文章である。その反応のあまりの大きさに、ブログの読者にも読んでもらおうと思って配信する。

 何かが動き出す予感がする。


天木直人のメールマガジン
 ―反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

  2009年2月13日発行 第0052号


 独立外交官に未来の夢を託したい


 英治出版というところから「独立外交官」という著書が贈られてきた。
米国のイラク攻撃に反対して外務省を追われた私に是非それを読んでもらい
たいという。その本の著者もまた、米国の戦争に加担した英国の外交に幻滅
して、04年9月に外務省を辞したカーン・ロスという英国の元外交官である。

 私は早速それを読んだ。そして、大袈裟に言えば、わが人生で最も感動
しながらこの本を読み終えた。これほど勇気づけられた本はなかった。
こんな外交官が世の中にいたのだ。私など足元にも及ばない立派な
独立外交官である。

 カーン・ロスは、米国がイラク攻撃の根拠と強弁したあの有名な安保理決議
1441号成立時(02年11月8日)に、英国国連代表部の安保理担当の
外交官だった。つまりイラク攻撃の裏で繰り広げられた開戦前夜の主要国外交を
知り尽くした当事者の一人だ。

 そのカーン・ロスが、「国益」に縛られた外交に正義は実現できない、と
見限って外務省を辞職する。そして2007年にINDEPENDENT 
DIPLOMATという本を出版して自らの理想の外交を語る。その邦訳が
今年の2月20日付で英治出版から日本国民の前に提供されることになった。

 すばらしい事だ。日本の若い外交官にとって必読の書である。いや、
これから外交官を志そうとする日本の若者の一人でも多くに、この本を
読んでもらいたい。そう願いながらこのメールマガジンを書いている。

 この本「独立外交官」は、あの米国のイラク攻撃がいかに間違っていたか
を証明する歴史的記録である。あの米国のイラク攻撃が嘘の情報に基づいて
行なわれた戦争であった事は、すでに様々な関係者の証言で明らかになっている。
しかしこの本は、それに加え、「はじめに攻撃ありき」の戦争であった事を
あらためて我々に教えてくれる本である。あの時サダムフセインがあらゆる
査察に応じたとしても、米国に攻撃を止める意思はなかった、と証言する
カーン・ロスの言葉は重い。

 しかしこの「独立外交官」という言葉は、米国のイラク攻撃の不当さを教えて
くれる彼の本を意味するだけではない。「独立外交官」という言葉は、
カーン・ロス自身を示す言葉でもあるのだ。

 彼は、15年間の英国の輝かしいキャリア外交官の経験を通して、国家が
行なう外交の限界を悟った。彼は言う。国家が繰り広げる外交では、人類に
普遍的な道徳外交、倫理外交は出来ない、と。平和とか地球環境とか人権と
いった普遍的価値は守れない、だからそのような「国益」に縛られた外交から
独立した外交官にならなければならない、と。それを信じて、カーン・ロスは
エリート外交官の地位を捨てた。

 彼はイラク攻撃を批判したあのロビン・クック元外相のスピーチライターを
つとめたほどの男である。文字通りエリート外交官であった。その彼が、
「イギリス外務省で実践した従来の外交で、僕は道徳観を失い、信条も意義も
見失った。僕が手を貸したシステムは、世界の現実からも、僕が大切にしている
ものからも、外れていた。つくりごとに過ぎなかった仕事に、意味も価値も
見出せなかった」と言って外務省を辞したのである。

 「国家を代弁する外交官は自分自身の道徳観の放棄を迫られる。ながく外交官
をしているうちに、国家の論理が個人としての倫理感を覆い隠してしまいがち
になる」と言って外務省を辞したのである。

 「ガンジーからマンデラまで、根本的な変化を実現した政治指導者はみんな、
(万人の心を揺さぶる)道徳的な力に注意を払っていた」と言って外務省を
辞したのである。

 正義と道徳を唯一の指針とし、自立した外交を目指した見事な「独立外交官」
ではないか。

 しかし、私がカール・ロスに最も圧倒されたのは、自らの独立外交を実現する
ために、英国外務省を辞した04年に直ちに「独立外交官」という
外交コンサルティングの非営利組織を立ち上げたことだ。

 「一握りの有力国と、そのほかの国には圧倒的な格差がある。
(大国の横暴によって)苦しんでいる人たちがいるのに、なぜ僕は、
一国の国益のために人生を捧げようとしているのか・・・」。この疑問に
自ら答えを出して、コソボ、ソマリランド、西サハラのポリサリオ運動など、
国際政治の場で虐げられている政治集団に外交上の支援を提供しようと
決意したのだ。その熱意は多くの賛同と支持を得た。あのジョージ・ソロス
財団からも支援を得ることができた。2009年1月現在、ロンドン、
ニューヨーク、ワシントン、ブリュッセル、アジスアベバの5拠点で
活動をするに至っているという。

 支援の対象基準が、「民主的で、国際法と人権を尊重していること」という
ところがまた素晴らしい。世界の多くの外交官がその活動に賛同し、
「必要性はこんなに明白なのに、なぜこうした組織がもっと前にできなかった
のだろう」と言っているという事実にも驚かされる。

 こう書いてきた私は、ある衝動に駆られた。カール・ロスと直ちに連絡をとり、
「独立外交官」のアジアの拠点を日本につくるべきではないか。アジアの
民主化のため、独立外交官の一員としてその活動に参加させてもらうべきでは
ないのか。

 ミャンマーの民主化やチベット問題など、アジアで独立外交官に期待される
外交は多い。
 何よりも私は沖縄を日本から独立させて見たい。沖縄を世界に誇る永世中立の
平和国家にしてみたい。それが私の夢である。
 独立外交官に賛同する日本の若者と一緒になってこの見果てぬ夢を実現する。
なんと素晴らしいことではないか。

 最後にカーン・ロスの次の言葉を紹介してこのメール・マガジンを終える
事にする。その言葉に私が100%共鳴する事はいうまでもない。

「・・・私が見出した問題点や欠陥はイギリス外交に特有のものというより、
世界中の外交につきものだ・・・どうしたらいいのか。職業外交官というものは
もはや不要なものであって、近い将来、絶滅するだろう。これからわれわれが
直面するもっとも重要な課題や問題、つまり戦争、テロ、気候変動といった
問題を、政府と外交官にだけ任せるのは無責任である。我々の手に外交を
取り戻し、われわれ市民が外交を担うべきである。誰もが外交官なのだ・・・」。
 独立外交官万歳!


 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

 次へ  前へ

▲このページのTOPへ      HOME > 政治・選挙・NHK58掲示板

フォローアップ:

このページに返信するときは、このボタンを押してください。投稿フォームが開きます。

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。