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派遣切りと「政治災害」(紀伊民報)
島崎藤村の大河小説「夜明け前」に、ことあるたびに「前代未聞」と騒ぐ人物が登場する。明治維新の激動期、変革を求める時代の波は、江戸や京都から遠く離れた木曽山中の宿場町にまで及んだ。
▼「100年に一度」といわれる経済危機の中、前代未聞のことが東京・霞ヶ関で起きた。企業から派遣契約を打ち切られ、仕事と住居を失った人たちの宿舎に、厚生労働省が講堂を提供したのだ。目の前にある日比谷公園に民間の支援団体が設営した「年越し派遣村」に救いを求めた人のうち、約250人がここで毛布にくるまり、正月を過ごした。
▼派遣契約を切られ、食も住まいも失った人がこの正月、テントと食事を提供する「派遣村」に駆け込んだ。その数約500人。同じような支援活動をしている横浜市の寿町には前年の1・5倍の人が集まったという。人材の切り捨てを容易にした国の雇用政策が生んだ「災害」の被災者ともいえよう。
▼こういう事態をよそに、この国の首相は、のんびりと正月を過ごされたようだ。新聞の「首相動静」欄を見ると、朝は自宅周辺の散歩、夜は後援会長の自宅や高級ホテルでの会食が続いている。年頭の記者会見では、ある哲学者の言葉を引いて「悲観主義は気分によるものである」とのたまわった。
▼その想像力の欠如。事実を直視できない鈍感さ。この人に国のかじ取りを任せておいて本当に大丈夫かと、心が寒くなる年明けである。 (石)
http://www.agara.co.jp/modules/colum/article.php?storyid=159929
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