1月6日、衆議院本会議で代表質問を行いました。 私の問いに、麻生総理は官僚答弁を繰り返すのみ。 そして「改革路線を変えない」と明言しました。 年頭の記者会見で「よい正月」「おめでたい年」「悲観主義は気分による」と繰り返した麻生総理、まったくいまの現実が見えていないのではないでしょうか。それにしても、自民党席からの野次のひどいこと。 派遣村の話をしたときには、「なんだあんなもの」「やらせ(?)じゃないか」 政治の失敗では、と政治責任を問うと「世界中そうじゃないか」 「改革なくして成長なし」というフレーズはむなしく聞こえないか、と問うと「そんなことない。改革をやめたからこうなったんだ」・・・などなど。 これからますます、「日本の貧困状況」は深刻さを増していきます。 政治の責任として、きちんととりくんでいく。 そういう決意を強くしました。 なお代表質問終了後、若い自治体議員から電話。「介護ヘルパーの職業訓練無料化をぜひ実現させてください」と要望でした。 しっかりと、そうした声を生かしていきたいと思います。
ーーーーーーーーーーーーーーー 第一七一回 国会における中川財務大臣の財政演説に対する代表質問 社会民主党 辻元清美 社民党の辻元清美です。 私は、社会民主党・市民連合を代表し、「今年度補正予算」について質問を いたします。 この年末年始、日比谷公園で「年越し派遣村」が開かれ、派遣切りされた 労働者が、食事と住むところを求め、長い列を作りました。 私は現地に行きましたが、政治に携わる者として、申し訳なく、恥ずかしくなりました。 私は、雇用政策の過ちによる「政治災害」だと考えます。 総理は、政治の失敗だという認識をおもちですか? 全国に広がるこのような悲惨な状況を引き起こした「責任」と「原因」は どこにあるとお考えですか? 「派遣村」は氷山の一角です。まず、政府に、一九六五年で途絶えている、貧困の全国実態調査を求めます。 私は、今こそ、政府と自治体、企業、労働組合、さらにNPOが一緒になって、総合的な「対策本部」を、早急に、立ち上げるべきと考えますが、いかがですか? 「改革なくして成長なし」と、叫び続けた総理大臣がいらっしゃいました。 今では、虚しく聞こえませんか。 この「改革」が、国際競争力を錦の御旗にし、外需頼みの、脆弱な、そして働く人を切り捨てる経済構造に、日本をしてしまったのではないでしょうか? 麻生総理の経済政策は、「改革」路線の延長なのか、それとも方向転換なのか。 基本姿勢を、はっきり、お示しいただきたいと思います。 さて、世論調査では、今回の「定額給付金」に、7割の人が反対です。 一万二千円を貰うより、医療や年金や子育ての充実、そして何よりも、 仕事が欲しい。 総理、こうした国民の声に、どう、お答えるつもりでしょうか? この事態で、私たちが目指すべきは、仕事を具体的に作ることです。 本日、私は、「ヒューマン・ニューディール」を提唱したいと思います。 「人を幸せにする仕事作りで、日本を救おう」という提案です。 具体的には、福祉、農業、教育、環境など、「人と未来に集中的に投資」をし、日本の社会構造を変えるのです。 私は、辞職中、介護ヘルパーの資格を取得して、介護現場で研修をしました。働く人たちが、志があっても食べていけない現状を、目の当たりにいたしました。 しかし、介護は、ますます必要になっていく分野です。 介護報酬の思い切った引き上げだけではなく、介護ヘルパーの職業訓練の無料化など、きめ細かな施策が必要だと思いますが、総理、いかがでしょうか? 誰でもいつかは介護を必要とする人となる。それまでは介護をする方にまわる。全ての人の「安心のための仕事づくり」です。 社民党では「田んぼの底力法案」をまとめました。 日本を、若者が農業で食べていける国に、生まれ変わらせたい。 減反政策で、農作物を作らないことにお金を使うのではなく、食べ物を作るために集中的に税金を使うのです。 その上にたって、減反政策の大転換を行うべきです。総理、いかがでしょうか? 自給率の向上、食の安全、環境保全、都市と地方の格差解消。 「一石四鳥の仕事づくり」です。 私は、この危機を、外需だのみの足腰の弱い経済から、地に足のついた、 身の丈にあった、内需中心の経済に転換するチャンスにできる、と考えています。 「人を切り捨てる経済」から「人を幸せにする経済」に転換し、日本を再生するのです。 そして、最後に申し上げたい。 仕事を無くした人、年とって不安な人、資金繰りに疲れはてた人。 孤立し、絶望に追いやるのではなく、「ひとりじゃない、一緒にがんばれる」と実感できる政治にしたい。 そのためには、「自分たちの手で選んだんだ」という、国民と政治との「絆」の回復が、「はじめの一歩」だと思います。 総理、堂々と、国民の皆さんに、選挙で「日本の未来」を選んでもらい ましょうよ。それが「はじめの一歩」です。みなさんいかがでしょうか。 そう訴え、私の代表質問を終わります。
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