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(回答先: 「派遣村」から生活保護申請(NHK) 投稿者 クマのプーさん 日時 2009 年 1 月 03 日 19:48:08)
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2009010190074230.html
<日本の選択点>ネットカフェ住民 安全網『雇用』か『福祉』か
2009年1月1日 07時49分
「百年に一度の」「未曾有の」という枕詞(まくらことば)がついた二〇〇八年が暮れ、〇九年が明けた。そして、突きつけられた問題は積み残しのまま。日本は「百年に一度」の岐路に立っている。しかし、私たちは傍観者ではいられない。今年は政権選択の選挙・衆院選が行われる。日本の針路を選ぶのは有権者である国民だ。新春にあたり、今年、日本が直面する問題をテーマに、日本の将来を選ぶ点「選択点」を考えたい。
埼玉県蕨市にあるインターネットカフェは大みそかも満席だった。しめ飾りも、鏡もちもない。正月を想像させる華やかさはどこにもない。
安田雅樹さん(48)=仮名=は、ここで九月から生活している。二〇〇七年ごろ「ネットカフェ難民」という言葉が生まれたが、今は定住する「カフェ住民」が大量にいる。実際、ここでは住民登録している人もいる。一・三畳の「自室」にはカップめんや衣類がすき間なく並ぶ。今は、さいたま市の工場で派遣の仕事があるが、三月に期限が切れる。
「不安でたまらない。新年早々にここで住民票を取って、動きだしたい」
だが安田さんが見つめる小型テレビからは明るいニュースは流れてこない。
石山弘さん(33)=同=は、同県川越市のカフェを「定宿」にしていた。年末に仕事を求めて上京。だが、仕事にはありつけず、大みそかは「カフェに泊まるカネも底をついた」と言い、街へ消えた。
カフェ住民たちの願いは仕事の確保。だが、正社員の道は遠く、昨年秋以降、派遣の仕事も滞りがちだ。
カフェの長期滞在者は全国で約五千四百人。ほとんどは雇用保険の安全網(セーフティーネット)から抜け落ちている。
その一方で、生活保護も受けていない。一因は、行政が「まずハローワークに」などと言って申請を断念させる「水際作戦」にある。厚生労働省は「面談の意思確認は、マニュアルを通じて指導している」と説明するが、相談に来た人の半数以上は、申請断念に追い込まれている。
福井市の高川智一さん(48)=同=は昨年夏解雇され、カフェや公園で生活を続けた。所持金が数百円になった十一月のある日、意を決して生活保護を申請。雪が降っていた。だが窓口で「住み込みの仕事を見つけなさい」と言われた。支援組織の仲介で年末、保護決定が出て市営住宅に入ることができたが、危うく路上生活やカフェ住民に逆戻りしていたかもしれない。
昨年、小林多喜二の「蟹(かに)工船」がブームになった。航海法も工場法も適用されない蟹工船で重労働を強いられる者たちが描かれている。雇用政策からはじかれ、生活保護も受けられずハウジング・プア(住の貧困)にさらされたカフェ生活者は、まさに「平成の蟹工船」だ。
厚労省は彼らを「住宅喪失不安定就労者」と分類する。ホームレスは自立支援特措法の対象だが、ホームレスの定義は「公園、道路などに故なく居住する人」。カフェ生活者は「故なく」といえないので、ホームレスが受ける安全網さえない。
生活保護申請を支援する反貧困ネットワークの湯浅誠事務局長は「今年は働く者の安全網充実元年に」と呼びかける。だが、国や自治体は生活保護の扶助水準引き下げを検討している。「福祉依存は就業意欲をそぐ」という考えが背景にある。
カフェ住民ら困窮者に対し、政治は生活保護のような福祉の安全網を充実させるのか。就労支援で自立を促す雇用対策を優先するか。憲法二五条が保障する「健康で文化的な最低限度の生活」を国民が享受できるのはどちらの道か。日本の根幹を決める選択点だ。
新年企画ホームページアドレス:http://www.tokyo-np.co.jp/feature/09newyear/
(東京新聞)
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