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(ヤマボウシのオリジナル論考)
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イスラエル、停戦を拒否=国際社会の調停活発化−ガザ戦闘
http://www.jiji.com/jc/c?g=int&k=2008123100321
【エルサレム31日時事】イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザのイスラム原理主義組織ハマス掃討作戦は31日で5日目を迎えたが、なお戦闘終結へのめどは立たない。こうした中、国際社会による停戦に向けた調停努力がようやく活発化しているが、イスラエル政府は31日の治安閣議で、現状での停戦を拒否し、予定通り掃討作戦を継続することを決定した。
AFP通信などによると、国際社会からこれまでに幾つかの停戦に関する提案がイスラエルにあり、閣議ではこうした案も議題となった。しかし、閣議はハマスのロケット弾攻撃停止という目的達成まで作戦を継続すると結論。オルメルト首相は「(今後)機が熟し、南部の治安を保証するような解決案が提示されるなら検討する」と述べ、現時点での停戦を否定した。
これより先の30日、フランスは人道援助物資をガザに搬入するため48時間の停戦を実施する案をイスラエル側に提示したが、外務省報道官は31日、「ハマスのロケット弾発射停止が保証されておらず非現実的」として同案を退けた。(2008/12/31-23:46)
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こういう報道を読むと、イスラエル側とパレスティナ側があたかも互角に戦っているかのような印象を受けます。しかし、BBCによれば、先週土曜日以来ガザ地区から発射されたロケット弾で死亡したイスラエル人の数は4人である一方、イスラエルの空爆によるパレスティナ人の死者数は374人に達しています(http://news.bbc.co.uk/1/hi/world/middle_east/7805834.stm)。国連の発表では、パレスティナ人の死者数のうち少なくとも4分の1は民間人だということです(http://news.antiwar.com/2008/12/31/un-at-least-a-quarter-of-slain-gazans-are-civilians/)。またBBCによれば、パレスティナ人の死者数には、瓦礫の下敷きになっている可能性のある人は含まれません。
若干差し障りのある表現をあえてすれば、秋葉原事件で1人の男が殺した数にも満たない人々のために、イスラエルは戦闘爆撃機を使ってその100倍近いパレスティナ人を殺害していることになります。この異常な非対称性を維持するならば、攻撃の理由は言いがかりにすぎないということです。そして、異常な非対称性を指摘しない報道は、知性または良心のいずれかもしくは両方が欠如していると言わざるを得ません。
一方、イスラエルはインターネットが「もう1つの戦域 Another War Zone」であると宣言しました(http://news.antiwar.com/2008/12/30/israeli-military-declares-online-media-another-war-zone/)。つまり、世界の主流メディアがパレスティナ人に同情し始めた(日本除く?)一方、ガザ周辺の取材を禁じているので、ネットでのパレスティナ側からの情報が注目されているからなわけです。そこで、イスラエルはYouTubeでパレスティナ人がいかに敵対的であるかという映像を流し始めたのですが、当然そこには就寝中に殺された5人姉妹のことなどは出てこないわけで、勝敗は明らかでしょう。
最新の情報によれば、イスラエル最高裁がイスラエル政府の選定する記者数人をガザへ入れる命令を出したそうですが、当然この条件では訴えた側の外国報道協会は承服しません(http://news.antiwar.com/2008/12/31/israeli-court-urges-govt-to-allow-handful-of-reporters-into-gaza-to-cover-war/)。
いずれにしても、上記のように異常な非対称性を指摘しない報道は「もう1つの戦域」でのイスラエルの味方ということになります。その報道を読むわれわれは「もう1つの戦域」での戦争に巻き込まれていることにもなります。
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