★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK57 > 273.html
 ★阿修羅♪
原田武夫   自民党再編―――「富と繁栄」を巡る本当の対立軸とは?
http://www.asyura2.com/09/senkyo57/msg/273.html
投稿者 新世紀人 日時 2008 年 12 月 31 日 11:04:19: uj2zhYZWUUp16
 

http://blog.goo.ne.jp/shiome

自民党再編―――「富と繁栄」を巡る本当の対立軸とは?

IISIAが読み解くマーケットと国内外情勢 / 2008-12-30 17:00:00

今、自民党が揺れている。去る24日に行われた衆院本会議で渡辺喜美・元行革担当相が野党・民主党提出の衆院解散決議案に“賛成”と投票、その後、離反に向け大きく舵を切り始めている。そのような中、今度は加藤紘一・元幹事長と山崎拓・前副総裁らが次期衆院選前の新党結成を視野に、来る1月にも新たな勉強会を発足させる動きを見せ始めている。

党内においてこうした激震が続く背景には、年末に入ってから露呈した麻生太郎内閣の支持率急落が背景にあるとの分析が一般的だ。国会議員たるもの、誰しもが狙うのが内閣総理大臣の座。それを巡るレースが始まったとなれば、それまで安定していたはずの政権与党ですら、大揺れに揺れることになるのはこれまでの自民党の歴史が物語っているとおりだ。

だが、現在生じている分派争いについて、そうした「いつもの構図」だけで分析するのでは本当の“潮目”を見誤ることになるであろう。なぜなら、上記2つの分派活動の背景にはマーケットで生じている潮流がありありと見てとれるからである。

第二次世界大戦後、日本を含むアジア・マーケットが主たる顧客として輸出を増やしてきたのは米国であった。特に1990年代後半に入ってから時に過剰とも言える旺盛な個人消費が米国においては顕著となり、これに大量輸出で応じ、巨額の米ドルを対価として得てきたのがアジア勢だったのである。アジア勢はさらにこれを極超低金利の米国債購入へとまわし、米政府はそのようにしてファイナンスを行った資金を国内企業へ低金利で融通。これら米系企業が今度はとりわけ東アジアへの直接投資(FDI)や有価証券投資を熱心に行うことで、日本、そして中国におけるここ数年間の株高が生じてきたのである。

その際、米国勢による投資対象として最も好まれたのが、アジア各国の政府が握っていた“規制”“公共事業体”を民営化・市場化し、そこに先行投資しておくことで、莫大な利益を獲得するという手法だったのである。「構造改革」という名の“破壊ビジネス”は正にそのために行われてきたにすぎない。構造改革派は自らの主張を補強すべく様々に論じるが、結局はこうした米国勢による対日・対アジア投資の一局面を支えてきたにすぎないのだ。

政界では渡辺喜美・元行革担当相とその周辺がその熱心な推進者であり、財界では経済同友会がその主たる原動力となってきた経緯がある。しかし、今、この米国を起点とする「富と繁栄のサイクル」に歴史的な転機が訪れている。なぜなら、サブプライム問題のきっかけとなった住宅価格の下落に顕著な様に、米国マーケットでは今、消費意欲の減退が著しいのである。そうである以上、上記の「富と繁栄のサイクル」の最末端で他ならぬ米国勢から日本勢に求められていたはずの「構造改革」の呼び声も、徐々に聞かれなくなる。だが、これを日本で生業としてきた勢力にとっては正に死活問題なのであって、あくまでも「構造改革のさらなる推進」を求め、活動を展開することになる。もちろんそうした動きは上記の「富と繁栄のサイクル」が事実上フェードアウトしつつある中で目立ちこそすれど、実効力を持つことはますます乏しくなりつつある。―――だからこそ、“離反” “分派”というわけである。正に理にかなった政治行動といえよう。

一方で米国を起点とした「富と繁栄のサイクル」がもはや回らないということなれば、代替となるサイクルを探す必要がある。そこで考えられるのがあくまでも国内におけるサイクルを作り出そうとする「内需」派と、それでは規模が小さいとして近隣諸国との地域統合を求める「東アジア」派という二つの選択肢なのだ。自民党の加藤紘一・元幹事長と山崎拓・前総裁はいずれも永田町きっての中国通だ。今回の動きの中で両者は「行き過ぎた市場原理主義の是正」を旗印に掲げているとの情報もある。その行く先が、結局は米国を起点とした「富と繁栄のサイクル」、そしてその末端に位置していた日本における「構造改革」という名の“破壊ビジネス”の除去にあることは間違いない。なぜなら、「東アジア」で回す「富と繁栄のミニ・サイクル」においては、おのずからこれまでとは全く違った仕組み・構造が求められることになるからだ。

もっとも、こうした「富と繁栄のミニ・サイクル」がただでさえ国内不況に悩む中国を巻き込む形でほどなく成立し得るのかについては未だ大きな疑問が残るのも事実だ。2009年の新春を迎えるにあたり、日本の最大与党・自民党が果たしてどのような形で新たな「富と繁栄のサイクル」を構築することを有権者に対しアピールすることになるのか。ますます注目に値しよう。

goo | コメント ( 0 ) | Trackback ( 0)


 2 81 +−  

  拍手はせず、拍手一覧を見る

 次へ  前へ

▲このページのTOPへ      HOME > 政治・選挙・NHK57掲示板

フォローアップ:

このページに返信するときは、このボタンを押してください。投稿フォームが開きます。

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。