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「『後期高齢者医療制度』は廃止しかない」/【第43回】吉田万三さん(「後期高齢者医療制度の廃止を求める東京連絡会」代表)
http://www.asyura2.com/09/senkyo57/msg/208.html
投稿者 gataro 日時 2008 年 12 月 26 日 23:58:16: KbIx4LOvH6Ccw
 

以下は「医療介護・ひととともに CBニュース」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/19867.html)から転載。

「『後期高齢者医療制度』は廃止しかない」
【第43回】
吉田万三さん(「後期高齢者医療制度の廃止を求める東京連絡会」代表)

 野党4党が提出し、参院での可決後、衆院に送付されていた「後期高齢者医療制度廃止法案」が継続審議となり、来年の通常国会へ持ち越されることになった。同法案をめぐっては、政府・与党が「見直し」の姿勢を変えず、野党が「廃止」の一点で共闘する構えを見せており、与野党が対立を深めている。こうした中、35を超える各種団体で構成する「後期高齢者医療制度の廃止を求める東京連絡会」が12月14日、東京・日比谷野外音楽堂で「12・14 後期高齢者医療制度の廃止を求める東京大集会」を開いた。当日は肌寒く、あいにくの雨模様だったが、都内各地から5000人以上が参加し、「同制度は、見直しではなく廃止しかない」とのアピールを採択するとともに、この一点で今後も共闘する方針を確認した。同連絡会代表の吉田万三さんに運動の意義などを聞いた。(山田利和)

−同制度に反対する運動が広がっています。
 同制度は、2006年の通常国会で自民、公明の与党が、野党の反対を押し切って強行採決した「医療制度改革関連法」の柱の一つです。中身が非常に問題であり、何とかしなければならないという気持ちでした。そんな中、関係団体が集まり、昨年12月、「東京連絡会」を結成したのです。同制度の施行を目前にした今年3月、参加者が1万人を超える大規模な集会を初めて開いたのですが、これ以降、都内全域で運動が広がっています。

−特に、同制度の当事者である高齢者が頑張っているようですね。
 各地域にある老人クラブの有志が「地域連絡会」というものをつくっていますが、今では28か所に広がっています。この「地域連絡会」が協力して署名活動に取り組みました。同制度の廃止を求め、75歳以上の都民の過半数の署名を獲得する活動だったのですが、署名は半数を超える63万3000人余りに達しています。また、同制度への「不服審査請求」を申し立てた人が全国で1万人を超えていますが、東京都では1000人以上に上っています。さらに、都内62市区町村の8割を超える51市区町村で、同制度の廃止や見直しを求める意見書が採択されています。高齢者の怒りを中心にした運動と世論が大きな力になっていると思います。

−そのような中での「12・14東京大集会」でしたが、手応えはどうですか。
 4月に同制度が施行され、マスコミなども盛んに報道するようになりました。保険料の年金からの天引きが始まり、全国各地で「不服審査請求」を申し立てる動きも起こりました。怒りは収まるどころか、さらに強まっているのですが、政府・与党は「見直し」で、何とか制度の骨格だけは残そうとしています。こうなると、衆院を解散するかと思えば、解散しないでずるずるとしている今の政局と同じで、いつの間にか、うやむやにされる可能性もあります。
 これではいけないということで、3月の集会に続き、あらためて世論や運動を盛り上げようと、12月14日に2度目の集会を開いたのです。雨だけは予定外でしたが、悪天候にもかかわらず、予定していた5000人を超える参加者が集まってくれました。わたしたちは「同制度はいったん廃止しないと駄目」の一点で集まっているのですが、集会を通じて廃止に向けての意思統一を図ることができたと思います。「廃止法案」は継続審議になっていますから、まだ廃止の“ゴール”には達していません。しかし、今後につながる集会になったことは確実です。とにかく、「廃止まで頑張るぞ」ということです。

−運動が広がる背景には、同制度が抱える問題点が深くかかわっていると思います。
 同制度は、さまざまな問題を抱えていると思います。その中で、みんなに最も分かりやすいという意味では、75歳という年齢で医療を差別すること、このやり方そのものに怒っている人が非常に多いと思います。“うば捨て山”ではないかと。同制度は、高齢者人口が増えて、医療費が増えると、自動的に保険料も上がる仕組みだから、高齢者が今後ますます増えることを考えると、負担がどんどん高まっていきます。ですから、根本的に考え方を切り替えないといけないのではないかと思っています。
 根本的な問題を挙げるとすれば、社会保障削減という流れが基本にあります。この基本の“レール”は維持しながら部分的に手直しするという、いわば「冷房と暖房を一緒にかけている」ようなものですが、この“レール”の上で同制度が出てきたのです。そろそろ国の形を切り替えないといけない時期に来ていると思います。

−これまでのような「改革」では駄目ということですか。
 社会保障費がどんどん膨らんで無限に大きくなるというような宣伝もありますが、果たしてそうなのでしょうか。欧州では、社会保障をさらに充実させようとしていますが、既に日本より社会保障を充実させている欧州で財政が破綻(はたん)しているでしょうか、そんなことはないのです。これまでの社会の基本構造を前提にして、このままでいくと財政が大変だという議論がよくあります。しかし、実は基本の構造そのものを転換する時期に来ているのではないでしょうか。予算の組み方や配分の仕方を根本的に切り替えることを前提に、では財源をどうするという議論が必要だと思うのです。

−「廃止法案」が継続審議になりました。目が離せませんね。
 予断を許しません。大きな世論と運動の成果として今の状況がありますから、へたなことはできないでしょうが、国会は解散・総選挙をにらんだ政局絡みの様相です。国民からの“プレッシャー”が弱まると、解散・総選挙や政界再編などでうやむやになってしまうことがあり得ます。流動的な要素をはらむ中、大切なのは、どのような事態になっても、高齢者に対するとんでもない制度(後期高齢者医療制度)をやめるかどうかです。それが試金石の一つになると思います。06年の「医療改革」では、後期高齢者医療制度がクローズアップされていますが、問題はほかにもあります。肝心なのは、「改悪」と言った方がいい「医療改革」に基づく制度をやめるかどうか。延長線上には、国民に負担を押し付けるだけの社会保障の削減などにストップを掛けることができるかどうかということがあります。とにかく、「後期高齢者医療制度」は、以前の「老人保健制度」が完全に破綻してどうしようもなくなったからということではなくて、国は「今までの制度でこのままいくと大変だから、『後期高齢者医療制度』をつくった」という言い方をしています。ですから、同制度を廃止して元に戻しても、すぐに立ち行かなくなることはないのです。元に戻して、落ち着いて本来あるべき医療をきちんと論議することは可能ではないでしょうか。
 今、米国発の金融危機に端を発した世界的な景気悪化に見舞われ、外需一辺倒だった日本経済を内需型へという話が政府からも出ていますが、この場合にも注意が必要です。内需型への転換の中心に据えるべきは社会保障であり、これからの日本経済を立て直すカギになると思います。ダムとか高速道路など大型の公共事業ではなくて、住宅や高齢者施設など整備すべきことがたくさんあります。これまでの枠組みでは優先順位が「下」だったものを逆転させ、社会保障など国民生活を充実させる仕組みに変えていく必要に迫られていると思います。


 

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