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2008年12月26日
内部留保論争ふたたび
12月26日の産経新聞に来年の春闘は労使の厳しい対立が予想されるという記事があった。 私もまったくそう思う。
正規、非正規を問わず雇用問題は待ったなしだ。それに加えて賃上げ要求も先鋭化する。雇用か賃金かという状態を通り越して雇用も賃金も同時に満たされないと生活は出来ない、そこまで労働者の生活は追い込まれているのだ。
しかし企業も生き残らなければならない。
必然的にこの労使対立の核心は、昨日のブログで指摘した大企業の内部留保の分配問題になる。
年明け早々にもこの問題が連日のようにメディアで取り上げられる事になるだろう。それを予兆させるような記事が12月26日の毎日新聞「論点」に掲載されていた。
政府への正しい政策を提案する大竹文雄阪大教授は次のように述べている。
「・・・02年以降の景気回復期に企業収益が増加し続け株価が高騰したにもかかわらず、労働者の賃金は上昇しなかった事を忘れてはならない。好況期に積み上げた内部留保を使って企業が雇用を維持するのが筋であろう・・・(企業側が)内部留保では、雇用や賃金を維持できないというのであれば政府の出番である。好況期の過大な内部留保から便益を受けた資本家や高所得層への課税を強化し低所得層へ所得を再分配するか、公的支出を増やして、職を失った人たちを雇用すべきである・・・」
労働者、とくに非正規労働者側を代表して関根秀一郎派遣ユニオン書記長は次のように労働者派遣法の抜本改正を主張する。
「・・・不況はたんなるきっかけに過ぎない。いつでも雇用調整可能な労働力として派遣労働を拡大したのだから、ひとたび解雇の弁を開けばいつでも大量の失業者が生み出される労働市場が形成されていたのだ・・・(それはあたかも)部品の在庫を置かずに必要な時に必要なだけ部品を取り寄せる「ジャスト・イン・タイム」と同様の事態を招いた・・・しかし労働者は部品ではない。余剰だからといって切り捨てられたら生きていくことができない・・・(急がれるのは)労働者派遣法の抜本的な改革である・・・」
これらに対し川本裕康日本経団連常務理事は次のように語る。
「・・・(各企業には、労働者の諸権利確保を定めた法令上のルールを遵守し、雇用確保に向けて可能な限りの努力をお願いしたいが、)経営環境が危機的状況に陥っている企業では、その努力にも限界がある。そこで官民が協力して雇用のセーフティネットの充実を急がなければならない・・・一刻も早い景気回復こそが最大の雇用対策である・・・」
この議論はそのまま春闘交渉に直結する議論である。
重要な事は湯浅誠がその著書「反貧困」で言っているごとく、相手を引きずり下ろす競争ではないということだ。
そして、これが最も重要な点であるが、これから本格的に襲ってくる金融危機の影響は、従来の考え方を革命的に変えていかなければ対応できないほど深刻であるという事だ。
もはや皆が助け合って行かなければ共倒れになる、そういう共生の認識こそ必要ではないのか。
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