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http://www.excite.co.jp/News/society/20081225/20081225M70.135.html
政治を報じる記者として私が極力、避けようと心がけているのは「与野党、どっちもどっち」という評価だ。与野党双方を批判するのは一見、公平・中立であるように見えるが、「政治なんてだれがやってもダメ」という政治不信を助長するばかりではないかと思うからだ。
しかし、民主党などが提出した雇用対策関連法案をめぐる国会終盤の与野党攻防には「どっちもどっちだなあ」と思わずため息をついてしまった。
「政局よりも政策」と言いながら、第2次補正予算案の提出を先送りした麻生太郎首相や与党の対応はまったく筋が通らない。雇用対策は待ったなしだ。野党の法案は政府の対策と共通している点が多く、与党が反対する理由も乏しい。
だが、民主党が参院で強行採決したのはいただけなかった。法案は24日、衆院で否決。民主党は元々、否決を見越していたはずだ。いや、与党に否決させて、「けしからん」と非難するのが目的だったと思う。
そんな見え透いたことをするより、小沢一郎代表が麻生首相との党首討論に臨み、理詰めで雇用対策の緊急性を説いた方がどれだけ国民の理解を得られたことか。日ごろ批判している強行採決に自ら手を染めたことで「一体、与野党は何をしているのか」となってしまった。
自民党の渡辺喜美氏の造反で、年明け国会は激動の予感。それでも、民主党はいきなり審議拒否といった策をろうするのではなく、地道に自らの主張を訴えていくことだ。「駆け引き」やら「思惑」やら、私たち政治記者がつい使ってしまう常とう句が政治記事から消える。そんな国会を見たい。
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