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(回答先: 映画 震える舌 1980年 松竹 投稿者 中川隆 日時 2016 年 4 月 28 日 23:42:49)
【ホラーサスペンス】緋い記憶 - YouTube 動画
https://www.youtube.com/watch?v=H4gzHEBGe9A
記憶がテーマのホラー・ミステリー高橋克彦さんの「緋い記憶」
http://www1.imaibooks.co.jp/book/mystery/?p=1540
子どもの頃の記憶ってほとんどあいまい。
同じ場面にいたのに、自分の記憶と他の人の記憶が違うってことがよくあるし、
忘れていた記憶が甦ることもある。
この「緋い記憶」(高橋克彦著)もそんな話から始まる。
忘れていた記憶が甦ってくる瞬間の感動、恐怖、おぞましさ・・・
そういうものを描いた、7編(「緋い記憶」「ねじれた記憶」
「言えない記憶」「遠い記憶」「膚の記憶」「霧の記憶」「冥い記憶」)
の短編を収録。
ずっと前に読んでものすごく印象に残っていて、
この度、再読したらやっぱりとても面白かった!
緋い記憶
強烈な印象なのは、やはり、表題の「緋い記憶」。
旧い住宅地図コレクターの友人から、昔の故郷の町が載っている
住宅地図を借りた男。記憶を頼りに子どものころ遊んだ
女の子の家を探すが、どこをどう探しても見つからない。
不審に思った男は、帰郷した際、友人とともにその家を
探すのだが・・・。怖いけど、凄く切ない記憶が甦る。
「言えない記憶」は、サスペンス。
東京で成功した男が、講演会のために故郷に戻ってきた。
講演会では、昔話で会場を沸かせた。
その後は同級生たちが男のために宴席を設けていた。
そこで、こどものころガキ大将だった、上級生も出席。
その上級生は、男に妙なことを訪ねた・・・・
缶けりして遊んだ日の事、嵐の日のこと。
その嵐の日、上級生の妹が行方不明になっていた。
上級生は、妹が行方不明になった日はお前と一緒だったと・・・
男はあらためて、記憶をたどった・・・・。
じわじわとおぞましい記憶が甦る過程がリアル・・・。
ある真相に行きついた時、男は・・・・?
「遠い記憶」は本当に究極のサスペンス。
女の情念があまりにも恐ろしい。
小説家がしばらく東北の方へ取材に行くことになった。
岩手の新聞で情報を得、盛岡にいくことなったのだ。
岩手の新聞に小説など載せたことはないが・・・
小説家はそこが気になった。
だが、編集と盛岡をめぐる内に、妙に懐かしさを
感じ、やがて幼いころに見た景色が甦ってきた。
盛岡はまさに、小説家の故郷だったのだ・・・。
だが小説家は不審を抱く・・・・。
母はなぜかたくなに盛岡を避けたのか・・?
自分が4歳だったとはいえ、なぜ盛岡の全ての記憶を喪失していたのか?
その衝撃の真相とは!
短編ですが、7編すべて読みごたえがあり、大変面白かったです。
でも特にこの3篇が凄く面白く、忘れられなかった作品。
『緋い記憶』
著者:高橋克彦
出版社:文藝春秋(文庫)
価格:¥543(税別)
https://www.amazon.co.jp/%E3%81%82%E3%81%8B-%E3%81%84%E8%A8%98%E6%86%B6-%E6%96%87%E6%98%A5%E6%96%87%E5%BA%AB-%E9%AB%98%E6%A9%8B-%E5%85%8B%E5%BD%A6/dp/4167164051
82年制作の映画「ブレードランナー」は、都市論や物語論などに多くの革新的イメージを与えたものだが、人間てのは記憶のことだというまったく新しい人間観も作り出してしまった。当時の人たちにとってこれは衝撃的だった。我々人間は、自分という確かな個を持っていて、個人として現実の中に生きているのだという考え方があらゆることの根底だったのに、そうではなく、なにを憶えているかが「私」にほかならないといわれてしまったのだ。もし間違った記憶をもたされたなら、その偽りこそが「私」なのだ。立っている地面が突然なくなったみたいなものだ。
99年に「緋い記憶」で直木賞を取った高橋克彦は、こうした、人の存在を脅かす、記憶というものの恐ろしいメカニズムを薬籠中のものとして、かずかずのホラーを作り出してみせた。
子供のころ住んでいた街に、確かにあった廃屋のような家、そこで遊んだ少女、久しぶりに訪れた主人公が訪れてみるとそんな家ははじめからないといわれ…
ひなびた温泉宿に泊まる主人公は、同宿の女性と親しくなる。彼女には小さな子供がいて、自分の子供時代をなんなく思い出すが、次第に記憶は混乱してまるで時間がねじれていくような感覚が襲いかかってくる。
記憶はおうおうにして間違って刻み込まれている。それは思い出すにはつらすぎる本当の記憶を隠すためで、その真の記憶がよみがえるとき変形するのは世界のほうではなく自分という存在だ。そうしてその恐怖は私たち読み手がこの現実世界で知らず知らずのうちに自分をごまかしながら呼吸している毎日そのものだ。
高橋克彦の記憶をめぐる短編は、どれも本当にこわい。
もう目次からしてちょっと恐い
細部は不確かだが忘れられない記憶に主人公は悩まされている
記憶のでティールが次第に明らかになると、なぜか怯えも募ってくる
トラウマだったほどのあの思い出がまるでなかったことのように… (C)高橋克彦/文藝春秋
http://www1.imaibooks.co.jp/book/mystery/?p=1540
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