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中田秀夫 『女優霊』 1996年
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/643.html
投稿者 中川隆 日時 2016 年 6 月 02 日 07:41:05: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: 映画 震える舌 1980年 松竹 投稿者 中川隆 日時 2016 年 4 月 28 日 23:42:49)


中田秀夫 『女優霊』 1996年
http://www.bilibili.com/video/av1632550/
http://muryoueiga.com/blog-entry-7512.html


監督・原案:中田秀夫
脚本:高橋洋

キャスト

村井俊男:柳ユーレイ
黒川ひとみ:白島靖代
村上沙織:石橋けい
フィルムの女:李丹


村井監督は初監督となる作品を撮影していて、劇中劇は2人の姉妹が中心で、舞台は戦時中という設定です。

姉役は黒川ひとみ(演 白鳥靖代)という女優、妹役はまだ十代で演技にも不慣れな沙織ちゃん(演 石橋けい)。

しかし撮影を始めて、その後、関係者たちで試写を見ていると、まったく関係ない映像が映っています。これは未現像のフイルムに重ねて撮影してしまったと判明しますが、村井はこの映像作品を子供の頃にテレビで見た、と思い出します。

それで、試写では音声がまったく入ってないので誰も指摘しないのですが、着物姿の女優が一人で長台詞を言っている時に、後ろに髪の長い女がいて、焦点は合ってないけれど、やたら大笑いをしているのです。

この髪の長い女の幽霊が、のちのち何度も出てきて、村井が撮ったフイルムにも写り込んだりします。この幽霊が貞子の原形になったと言われていますが、貞子と違い、前髪ぱっつんで顔が見えており、よく笑います。

まあ重ねて撮影してしまった件は、記憶のある村井だけは釈然としないものの、撮影はどんどん進んで、屋外でのロケもあります。そこでも村井一人が、誰もいないはずのロケバスの中に、あの黒髪女を見たりします。

また、姉を演じるひとみも、スタジオの廊下で台詞の練習をしていたら、女の声がかぶさってきてビックリ、でも誰もいない。また、黒川ひとみは移籍問題を抱えて事務所の女社長(演 根岸季衣)ともめているのですが、スタジオに女社長が乗り込んで来るや、どうやら彼女は霊感があったようで、目を見開いてぎょっとし、移籍についての話は一切せずに「あんた、何の映画を撮ってるの」と言って突然鞄からお守りを取り出して「これを持ってなさい、離すんじゃないわよ」と言い捨てて、スタジオから逃げ去ってしまいます。

そして最初はぎこちなかった沙織ちゃんもスタッフや共演者と慣れてきて、「監督ーっ」とあの天井近くの通路に登って手を振ります。村井は思わず二度見。最初見た時、沙織から少し離れた所に黒髪女が見えたのです。しかし二度見したらもう見えず、撮影を始めたところで事件が。

沙織が転落したのです。スタッフが言葉を失い、一瞬みんなで固まってしまう中、不自然に足を曲げて、微かに口をぱくぱくさせている沙織。

沙織ちゃんの死は、桟敷通路には「他に誰もいなかった」ため、本人の不注意による事故ということになり、ラストのシーンの撮影が始まりますが、本番中に黒川ひとみは沙織の幽霊を見て演技が途中で止まって恐怖で固まってしまい、沙織の代わりに吹き替えとして配役された女優はいきなり大笑いしはじめて、即カット。吹き替えさんはスタッフに駆け寄られると、自分が何をしたかもわかっていない様子。

そうして映画はラストに向かいます。村井がかつて見たという未現像フィルムの作品は、女優が転落死したため撮影中止になり、村井が子供時代に見たというのはあり得ない、という事実を葉山は調べてきます。

そしてその作品のストーリーは、

母と息子が、二階には知らない女が住んでいる、という設定を作って遊んでいたが(それが黒髪女)、そのうち母親には恋人が出来、息子を邪魔に思うようになる。そして母親は人格が分裂していき、実際はいないその架空の女になりすまして息子を殺そうとする、

というものでした。しかし撮影が進むにつれて、変な噂が囁かれるようになりました。その架空の女が実際に現れるようになった、というものです。

この映画はやめよう、と勧める葉山。しかし村井は「もう遅い」と聞き入れません。そんな彼は一人でスタジオに行き、そして黒髪女に襲われます。

で、村井はそれきり行方不明。あの世に持っていかれたんでしょうが、死体も見つからないので、黒川ひとみと撮影スタッフが一人、村井のマンションを訪れます。

「書き置きなどはないだろうか」と手がかりを探しつつ、ひとみは洗面所の鏡を見つけ、実はそこには黒髪女がしっかり映ってますが、ひとみは気づかず、うっかり振り向いたところでギクリ。その瞬間、エンディングとなります。

村井監督が撮っていた映画のストーリーが、なんか気になります。

その、戦時中が舞台で、姉妹が中心の物語。
二人は東京から田舎に疎開してきたという設定。

そして母親はすでに死んでいて、死因は川での水死でした。

妹は母の顔も覚えてないほど昔の出来事ですが、実は母親は姉が殺していたのです。
そして幼い妹に母親の真似をしたりして、母親代わりを務めてきたので、妹は姉を心から慕い、頼りにしています。

ところで姉は、日本人の脱走兵を二階にこっそり匿っていて、食事などの世話をしています。妹は、バレたら自分や姉も非国民として迫害を受けるし、何より姉と脱走兵が恋に落ちているのでは、そうすれば姉を取られて自分は一人ぼっちになるのでは、と心配しているんですね。

ところが姉は、その脱走兵の食事に毒物を仕込んで殺害。……
この姉は一体、なんなんでしょう。快楽殺人者か何かですか? そこが妙に気になりました。
http://blog.livedoor.jp/yuzu_yui/archives/4531336.html  

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コメント
 
1. 中川隆[2713] koaQ7Jey 2016年6月02日 15:05:07 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[2984]

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2. 中田秀夫の映画 2


『劇場霊』 2015年 松竹
http://www.bilibili.com/video/av4258433/
http://muryoueiga.com/blog-entry-11403.html


監督 - 中田秀夫
脚本 - 加藤淳也、三宅隆太

キャスト
水樹沙羅 - 島崎遥香(AKB48)
野村香織 - 足立梨花
篠原葵 - 高田里穂
和泉浩司 - 町田啓太(劇団EXILE)
児島敬一 - 中村育二
錦野豪太 - 小市慢太郎

劇場霊、2015年の日本映画です。

中田秀夫監督作品ということで、期待していたのですが、最近、忘れっぽくなったのか、記憶から抹消したかったのか、「女優霊」や「リング」、映画ではないですが、「霊ビデオ」等、とても印象に残って、好きな映画ばかり思い浮かんでいて、「クロユリ団地」とかを作ったことをすっかり忘れてました。

「女優霊」はとても好きな作品でした。さりげなく映り込む霊の姿、新人女優の悲惨な死に様とか、徐々に恐怖に浸食されていく感じがとても良かった。

でも、この「劇場霊」、はっきり言って、怖くなかった。出演していたアイドル達の演技も力はいりすぎて、もうすこし方の力を抜けばと思いました。「クロユリ団地」での前田敦子の時も思いましたが、無理してるような感じがして、自然な演技に感じられず、まずそこが興醒め。

この映画の要でもある人形、これがまた怖くない。

話の関係上、登場する人物に似せなくてはいけなかったにせよ、もうすこし怖く見える様作って欲しかった。人形と言えば、最近では「アナベル」のアナベル人形、こちらは存在そのものが怖かった。あのぐらい不気味にしても良かったんじゃないのかなぁ。見る角度や光の当たり具合で、すごく不気味に見えるとか。あまりに人間に近すぎるのに表情が変わらなくて、最近の○○ドール(18禁)を思い起こさせて、なんだかなぁ〜な気分でした。

嵐の夜、人形作家児島の家で等身大の人形に彼の2人の娘が殺される。児島は逆上し、人形を鉈でバラバラにして、油をかけて火をつけようとする。が、駆けつけた警官に阻まれ、逮捕されてしまう。

時は流れ、女優を目指す沙羅は、役に恵まれず、怪奇動画の殺される役などを演じていた。所属事務所では5年も経ってこんな調子なので、暗に向いていないようなことを言われる始末。そんなとき、とある舞台のオーデションを受けることになった。主役は同じ事務所の知名度の高い葵に決まるが、沙羅も端役で出演が決まった。沙羅と同じ怪奇物のビデオシリーズに出演していた香織も侍女の役に選ばれた。

舞台は「鮮血の呼び声」という、中世ヨーロッパに実在した、若さと美を保つために若い女性達の生き血を浴びていたという実在の女性、エリザベート伯爵夫人を題材にしたものだった。

沙羅はエリザベートに生け贄にされる農民の娘の役をもらう。沙羅は本来の真面目な性格故、自分の台詞だけでなく、他の役者の台詞まで覚え、演技に役立てていた。

舞台にはエリザベートの美しさの象徴として、等身大の人形が用意される。スタッフが人形を捜し、人形の首を発見する。それは、人形作家にバラバラにされたあの人形の首だった。女性スタッフは操られるようにその首を持ち帰る。

舞台の稽古が始まるが、エリザベートを演じる葵は、知名度は高いが、台詞を覚えられず、監督の期待に応えられない。監督の個人的な誘いを受け、主役を続ける。

そんな中、深夜、一人作業をしていた女性スタッフが変死する。一夜で屍蝋化するというあり得ない死に方をしていた。

スタッフが変死しても稽古は続けられる。舞台で葵が人形に対峙したとき、人形の目が動き、恐怖で芝居が続けられなくなる。主役を降ろされそうになった葵が一人楽屋にいるとき、あの人形が襲ってきた。屋上に逃げるが、逃げ場がなくなり、落下して意識不明になってしまう。

全員の台詞を覚えている沙羅にエリザベート役が割り当てられる。突然の幸運に喜ぶ沙羅。しかし、沙羅では役不足。真面目な沙羅には監督の誘いを受けることもできず、苦境に立たされる。なんとか頑張るが、舞台で人形が動くのを見てしまい、そのことを訴えるが、誰も本気にせず、沙羅も役から降ろされてしまう。エリザベートの役は志願した香織がやることになる。

人形が気になる沙羅は、人形担当の和泉と知り合い、人形のことを相談する。人形が意思を持つだったか感情を持つことがあるのかと尋ねると、和泉は、人形は人の形をした入れ物だから、何かが入り込むこともあると話す。

沙羅の話が気になった和泉は、人形の事を調べ、人形作家児島の過去の事件を知り、沙羅に伝え、二人は児島に会いに行く。

会おうとしない児島だったが、沙羅が人形が動いたことを伝えると、二人を家に招き入れ、人形にまつわる過去を話し始めた。

児島には3人の娘がいた。母親がいないため、下の2人の妹たちの面倒を見て、家の事をしてくれていた長女が、嵐の夜に崖崩れに巻き込まれ、車ごと押しつぶされ、無惨な死に方をしてしまった。

変わり果てた娘を哀れみ、せめて綺麗な姿で埋葬したいと、長女にそっくりな人形を作り、棺に入れ、明日は埋葬するという夜。激しい雨の降る中、人形が動き出した。妹たちを殺した人形を、児島は破壊し焼こうとするが警官に阻まれる。そして、人形は行方不明になってしまう。

なぜ、妹や女性を襲ったのか?、問う沙羅に、児島は、無惨な死に様ゆえ、若い女性が羨ましかったのではと告げた。

その夜は、舞台の公演に前にスコミを集めてのプレ公演の日だった。沙羅は気がつく。舞台が危ない。

監督に電話をするがまともに取り合ってもらえない。和泉と舞台に向かうが、間に合いそうにないため、以前名刺をもらっていた刑事に連絡し舞台に向かってもらった。

なんとか、クライマックスに間に合った沙羅は公演中の舞台に駆け上がり、進行を止める。しかし、人形の事を話しても誰も信じない。香織は、沙羅が主役を降ろされた恨みで舞台の進行を邪魔したと非難する。

そして、人形が動き出した。次々と、男は殺し、女は唇から生気を吸い取っていく。生気を吸われた者は屍蝋化して死んでしまう。

香織も餌食となり、最後に、沙羅に役を奪った事を謝罪し、死んでしまう。

生気を吸い取るごとに人形は人の体を得ていく。人形の肌が割れると、顔にはもう筋肉まで形成されていた。

和泉と逃げる沙羅。舞台に追い詰められるが、大道具の鉄の処女もどきの檻の中に入り、難を逃れた。和泉が檻をつり上げ、人形から引き離すが、檻の下の開閉式の底が開いてしまい、沙羅は人形の上に落ちてしまう。「ちょうだい」と言いながらすがりついてくる人形。沙羅は壊れた檻の鉄の棘で「ちょうだい、ちょうだいって、あげないんだから」と叫び、人形を突き刺した。

惨劇の夜が明け、生き残ったのは沙羅と和泉だけだった。沙羅は、その後、悲劇の体験を乗り越えて人気女優となった。

ある日、川の側で撮影していると、川にあの人形の首が落ちていた。沙羅は人形と目が合うが、自信に満ちた表情で振り向きもせず、歩き出した。


人形がなぜ動き出して女性を襲い生気を奪うのか?

生気を奪うごとに人の体が形成されていくようなので、また人として蘇りたいという思いだったのでしょうか?

母親代わりに家の事を一挙に引き受け、妹たちの世話をしていた出来た娘さんでしたが、無惨な死に方をしたため、なんで自分だけ、というような負の念が人形に宿ったということのようですが、娘のためを思って父親があんなに綺麗に作ってくれたのに、やさしい娘さんがそんな風になってしまうと言うのは、ちょっと違和感がありました。長女の霊が憑いたというのは不自然な気がします。

もっとなにか得体の知れない”もの”が取り憑いたという設定のほうが良かったのに。
長女の霊なのだとしたら、人形の最後を、できれは作った児島が出てきて、一緒に燃えるとかしてくれれは、もうすこし、おもしろくなったんじゃないかな。


人形が女性を襲うにしても、自由に動けるのに、なんで、舞台のクライマックスまで一人しか襲わなかったのか。どうせ、無差別なら、もっと早くに襲っても良かったのに。そこが一番気になりました。最初から動けたから、自由に動けるようになるのを待ってたと考えるのは不自然だし。後、首が180度回転するのは止めて欲しかった。月並みすぎて。

和泉さんが殺されなかったのは、自分をお世話してくれた人だったから?
恋心を抱いていたとか設定でも良かったかも。

後、筋肉まで出来てきてたんだから、最後は顔の皮を剥ぎ取るぐらいしてくれれば楽しかったのに。そういえば、こういう映画、なんかあったなぁ。ヘル・レイザーだったかな。肉体を得るために人間を襲ってたとか。

最後、人形が血を吹き出すんだから、やっぱり生気を吸い取るとかじゃなくて、エリザベートみたいに血を浴びるとかしてもよかったんじゃあ…。

沙羅が、香織のエリザベートを見て、女優として自分に足りなかったものがわかった、というような台詞がありましたが、はっきり言って、それほどの何を感じたのか全くわかりません。主役を得るためなら、友人をも押しのけて自己主張をするとか?沙羅にはそんな気概がなかったってことなんでしょうか。どうもそういったところの描かれ方が中途半端、伝わってきませんでした。

というような感じで、私的には怖くはないし、中途半端だし、とても残念な映画でした。やはり「女優霊」を越えることはできなかったんだなぁ。

鑑賞中、とても気になったけど、すっかり忘れてたこと。どうでもいいことなんだろうけど、詐欺の報道で思い出したこと。和泉が電話をしてきたとき、「オレ」って最初に言ったのと、沙羅が監督に電話したとき、「私です」って言ってた。その後、名前も名乗ったけど、今時の人達は、電話の第一声がリアルで「オレ」とか「私」とかなのかと驚いた。
http://angelique-collet.cocolog-nifty.com/blog/2015/11/post-10ce.html


2. 中川隆[2718] koaQ7Jey 2016年6月03日 08:44:54 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[2990]

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3. 中田秀夫の映画 3

中田秀夫 『クロユリ団地』 2013年 松竹
http://video.fc2.com/flv2.swf?i=20140109ESGyZMPX&d=6380&movie_stop=off&no_progressive=1&otag=1&sj=43000&rel=1&tk=TWpFMU5UUTJNak09
http://mhometheater.com/2013/07/horror/17710.html
http://anitown.web.fc2.com/japan_movie/the-complex-movie.html


監督 - 中田秀夫
脚本 - 加藤淳也、三宅隆太

キャスト

二宮明日香 - 前田敦子(少女期:鹿野結芽菜)
介護士を目指している女性。家族と一緒にクロユリ団地に引っ越してきた。

笹原忍 - 成宮寛貴
特殊清掃員の男性。

二宮勲 - 勝村政信
明日香の父親。

二宮佐智子 - 西田尚美
明日香の母親。

二宮聡 - 佐藤瑠生亮
明日香の弟。新年度から小学生になる。明日香と一緒にクロユリ団地に引っ越してきた。

ミノル / 木下稔 - 田中奏生
本編の13年前、友達とかくれんぼして遊んでいる。

篠崎老人 - 高橋昌也
明日香の隣人。

野々村早苗 - 手塚理美
忍の知り合いの霊媒師。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%A6%E3%83%AA%E5%9B%A3%E5%9C%B0


ヒロインの明日香は家族と一緒に黒百合団地(作中の公式名称はクロユリ部分が漢字)の402号に越してきました。
古くて、階段の蛍光灯が切れて点滅してるのに、一向に取り替える気配のない団地です。

明日香は介護を学んでいる学生。友達から、あの団地はいわくつき、と教えられます。

そして向かいの部屋の様子が変。
目覚まし時計が鳴りっぱなしだったりで気になる。そんなのが続いて、明日香は鍵が開いていたのでお隣の部屋に声をかけつつ恐る恐る入ってみると、住人であるお年寄りが孤独死していたではないですか。

ショックを受けた明日香。でも出入りしていた遺品整理の清掃会社に勤める青年、笹原と知り合いになります。

今回、貞子や伽椰子のように祟っているのは、稔くんという男の子です(演 田中奏生。この子、演技が超うまい)。来年、小学校に入学予定という年齢ですが、当然死者です。
明日香は何も知らず、砂場で遊んでいる稔と友達になってしまいます。


しかし明日香はお向かいの亡くなったお爺さんの霊に「お前、死ぬ」と言われてパニック。
家に帰れば家族は誰もいなくてまたパニック。
笹原くんに来てもらいます。

そこで実は、明日香の少女時代に家族旅行のバスが事故を起こして、両親も弟の聡も死んでいて、今まで一緒に暮らしていたのは幻だとわかる。
そんな明日香は何も知らずに、訪ねてきた稔くんを部屋に入れて遊ぶのでした。


稔の死因は、かくれんぼをしていて団地の可燃ゴミを入れるダストボックスに隠れて出られなくなり、気付かれずにそのまま焼死したというもの。
稔は黒百合団地に住んでいた母子家庭の一人っ子。母親は彼氏に夢中で、稔は邪魔だし別れた元旦那に似てると邪険にしてました。(母親は後にこの彼氏と再婚、ゆかりという異父妹を産みます)

実際には、稔はダストボックスから自力でなんとか脱出します。しかし遅く帰ったことを母親に怒られて、謝りながら抱きついた稔を母親が乱暴に振り払ったら、稔は後ろに突き飛ばされて頭を打ち死亡。彼氏が稔の死体を黒いゴミ袋(懐かしい)に入れて、ダストボックスに捨てたのです。

新聞記事によるとこれが平成11年のこと。今はダイオキシンがどうのと、学校や団地に焼却炉はなくなりましたが、この頃はまだあったのでしょう。(そうでなきゃ、まずは収集車で圧死した事件になるはず)


笹原くんの知り合いには霊能者(演 手塚理美)がいて、お爺さんは遺体を見つけてもらって感謝していること、本当に取り憑いているのは稔少年であり、お爺さんはそれを警告してたのだ、と伝えます。

霊能者は計7名でお祓いをすることになりました。でもそれは違う場所で。
明日香が住んでる402号室には明日香と笹原くんだけがいて、稔が来ても決してドアを開けてはならない、ということになっています。

これ、どうやらドアさえ開けなければいいらしいんだけど、序章では団地の外でもどんどん祟り殺していた稔くん、なんで相手がドアを開けてくれない限り入ってこられないのでしょう? お祓いの効果なんですかね?

しかし明日香も笹原も……ダメダメだぁ。稔だとわかっているのに、明日香は亡くなった両親や弟の声がするとためらいなくドアを開けようとして、笹原に止められる。
ところが笹原には植物状態の恋人がいて、その娘の声がすると開けちゃう。
立ってるのはもちろん稔。怖いメイクした稔くんの登場。

稔くんの場合、序章でもそうでしたが、上から相手を押す、という技がありまして、これをやると相手はみんな床や地面に埋まってそのまま消えてしまうのです。ちょうど映画「スペル」のラストシーンでヒロインが地面に飲み込まれたような感じです。

で、笹原はそのまま床に沈んでしまい、明日香が駆け寄るともう床は元通り。
笹原くんは気の毒に、目を覚ますと焼却炉の中で、火あぶりにて死亡。

このように扉を開けたためお祓いは失敗。

明日香は義理両親になってくれてる伯父夫婦が迎えに来ますが、精神が退行し、ちょうど家族旅行に行く前のことを一人でぶつぶつと、亡き両親や弟の聡について話しかけているのでした。 
http://blog.livedoor.jp/yuzu_yui/tag/%E4%B8%AD%E7%94%B0%E7%A7%80%E5%A4%AB


3. 中川隆[2727] koaQ7Jey 2016年6月03日 18:04:00 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[2999]

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4. 中田秀夫の映画 4

中田秀夫 『怪談』 2007年 松竹
http://www.bilibili.com/video/av3907940/
http://yume551.com/japanesefilm/3674.html

監督 中田秀夫
脚本 奥寺佐渡子
原作 三遊亭円朝 『真景累ヶ淵』

キャスト

深見新吉:尾上菊之助
豊志賀:黒木瞳
お久:井上真央
お累:麻生久美子
お園:木村多江
お賤:瀬戸朝香
三蔵:津川雅彦
深見新左衛門:榎木孝明

若く美しい男、煙草売りの新吉。艶やかで凛とした三味線の師匠、豊志賀(とよしが)。

江戸の街で出会い、燃えるような恋に落ちたふたりは、実は親の代から続く不思議な縁で固く結ばれていたのだった。

ところがある日、若い弟子・お久と新吉の目配せをみた瞬間、豊志賀の心に嫉妬の炎が点り始め、新吉と言い争ううちに美しい顔に傷を負ってしまう。
傷は治らず大きく腫れ上がり、やがてかわり果てた姿で豊志賀はあの世へ一人寂しく旅立ってしまう。

新吉に残されたのは「この後女房を持てば必ずやとり殺すからそう思え」と怨みのこもった遺書だった。


江戸の情緒と女の情念

 三遊亭円朝の『真景塁ケ淵』を原作に、『リング』の中田秀夫が監督を務めた作品。

 時代物なので、江戸の情景と人々の情緒を細やかに描いている。
たとえば、雨宿りをしながら話す新吉と豊志賀。雨が雪に変わると、新吉は去ってしまう。
あるいは、三味線の稽古中。庭に咲く紫陽花を、新吉が一輪切り取り、お久に渡そうとする。
さらに、新吉とお久が花火を見るシーンでは、カメラが上昇して、江戸の街を見下ろす。詩的な情景だ。

前半にホラーシーンはほとんどなく、もっぱら江戸情緒と色恋沙汰が描かれる。
これには、ホラーはホラーに徹底して欲しいとか、時代劇はテレビでも流しているから要らない、といった意見もあるかもしれない。 しかし、個人的には満足した。江戸の描写に成功していたからだ。

セットや美術も良かったし、演技面では尾上菊之助(五代目)が特に良かった。
歌舞伎役者だけあって、立ち居振る舞いが素晴らしい。「粋(いき)」な雰囲気が漂っている。その演技の「艶」は、女優陣より勝っていると感じた。

尾上菊之助は顔立ちも浮世絵のようで、まるで江戸に生きているようだ。
たんに和服を着てかつらをかぶる、というだけではない。身体動作のひとつひとつが洗練されていて、一挙手一投足で江戸を感じさせるのだ。

 ホラー色が強まる後半、豊志賀の幽霊よりも、蛇が見えるといった新吉の幻覚が、恐怖シーンの中心になる。
『リング』ほど強烈ではないが、真綿で首を絞めるような、恐ろしいイメージが印象に残った。たとえば、お久と羽生へ向かう途中、橋の下から見上げると、豊志賀の視線が橋げたの隙間からかいま見えるシーン。

 たとえば『リング』の貞子と違い、豊志賀は新吉に対して、憎しみだけではなく、愛憎の感情を抱いている。間接的な恐怖を主にしているのは、そのためだろう。新吉の女房か女房になりそうな女を、新吉自身の手で殺させる、という殺し方が2回も現れる。

 これには、新吉の恐怖心もあるが、豊志賀の嫉妬心の現れでもある。
豊志賀の倒錯的な欲望が、新吉を通じて実現されているのだ。というのもたとえば、新吉のいない間に、豊志賀が女房を直接殺しても、話の辻褄は合う。しかし、それだと、肉体的に死んでも、精神的には新吉の恋人のままである。

 そうではなく、新吉に自ら殺させることで、恋愛関係が破綻することを、新吉に思い知らせるのだ。さらに、少し違った角度で見てみよう。「この後女房を持てば必ずやとり殺すからそう思え」という恨みのこもった遺書にしても、「とり殺す」で終わっていても意味は通じる。

 「そう思え」と付け加えるのは、思うことに力点が置かれているからだ。たとえば、それくらい自分は恨んでいるのだとか、新しい女房を持とうなどと考えずに諦めろとか、ネガティブなものであれ、思いを伝えようとしている。このあたりに、女の情念がにじみ出ている。

 登場人物を殺したり、怖がらせたりすることだけに気を取られて、人間の心理を表現することを忘れてはいけない。たとえば、本作においては、羽生に向かう途中の「(豊志賀が)ついてきてる」という台詞に、豊志賀の執着心が表現されていた。

 広い意味で、時代物は人情話がベースになる。その人情の過剰な部分が笑いなら落語になるし、怖さなら怪談になるだろう。これがたとえばSFなら、感情のないロボットが襲ってきても成立する。しかし、時代設定が固定されている時代物においては、人間をどう描くかという部分が重要になるのだ。

 終盤、大立ち回りの殺陣が出てきたのは意外だったが、迫力がある。全体的に丁寧に撮られていて、良作だと感じた。Jホラーで時代劇というのはわりと珍しい。ジャンルの幅を広げる貴重な一作だろう。
http://d.hatena.ne.jp/sirouto2/20110623/p1


4. 中川隆[2728] koaQ7Jey 2016年6月03日 21:20:58 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[3000]

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5. 中田秀夫の映画 5

中田秀夫 『ラストシーン』(LAST SCENE) 2002年 オズ / オムロ
http://www.bilibili.com/video/av3569594/
http://yume551.com/japanesefilm/28236.html
http://tadaeiga.com/2016/01/13/%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%88%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%80%80%E7%84%A1%E6%96%99%E5%8B%95%E7%94%BB/


監督:中田秀夫
原案:一瀬隆重
脚本:中村義洋、鈴木謙一


キャスト

三原健:西島秀俊・ジョニー吉長
三原千鶴:若村麻由美
吉野恵子:麻生祐未
三原健:ジョニー吉長
ミオ:麻生久美子


1965年。皇太子ご成婚、東京オリンピックにより加速したテレビというメディアが、日本映画界に陰を落とし始めた頃のこと。とある映画撮影所では、主演女優・吉野恵子 の引退記者会見が行われていた。

恵子が結婚・引退を選ぶ一方、共演のスター俳優・ 三原健は、次作を若手にさらわれ、荒れていた。

酒でうっぷんを晴らす彼を優しく諭す妻をも、彼はつらく当たり追い返す。
その直後、スタジオに千鶴の訃報が届く。


2000年。同じスタジオ。

テレビ・ディレクターが人気番組の映画化『ドクター鮫島 THE MOVIE』 を撮影中。
映画の現場に不慣れな監督に、周囲は違和感を感じている。

小道具のアシスタント、ミオも、不条理な現実に、意欲を喪失気味だ。

そんなとき、ひとりの老人が、小さな役の代役と してやってくる。
それは、かつてのスター三原健だった。

酒に溺れ、仕事を失い、世間からも忘れられた彼が撮影所に現れた理由は。
スター時代の三原を知らないミオは、不思議な老人に次第に心を動かされていく・・・
http://www1.kcn.ne.jp/~pop/spcpm/j19r/last_scene.html


5. 中川隆[2740] koaQ7Jey 2016年6月04日 18:55:19 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[3012]

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6. 中田秀夫の映画 6

中田秀夫『カオス』 2000年
http://www.veoh.com/watch/v15840695DhDGe5wa
http://tadaeiga.com/2016/04/22/%E3%82%AB%E3%82%AA%E3%82%B9%E3%80%80%E7%84%A1%E6%96%99%E5%8B%95%E7%94%BB-2/

監督:中田秀夫
原作:歌野晶午
脚本:斎藤久志


出演

萩原聖人:便利屋・黒田五郎
中谷美紀:津島さと美
光石研:小宮山隆幸

大会社を経営する小宮山。
ある日の昼、妻と二人でランチを食べ終え、彼は会計に・・・。

ところが、小宮山が外に出てみると妻・佐織里の姿はありませんでした。
昼一で重要な会議があった小宮山はそのまま会社へ。

しばらくすると謎の男から「お前の妻を預かった。三千万用意しろ。」と電話が! 
小宮山はすぐに警察に通報。
次の日の正午、犯人から受け渡しの連絡が入り小宮山は指定された場所へ。
事件真っ只中のその頃、小宮山の姉の自宅に、犯人から連絡が入り姉は単独で500万を渡してしまいます。

犯人からの連絡が途絶え、不安になる小宮山。

しかし、この事件、実は・・・佐織里が夫の愛を確かめたいが為の“狂言誘拐”。
佐織里に雇われた“何でも屋”黒田が犯人役を演じていました。

身代金引渡しの指定をした日の夜、黒田が佐織里を匿っている部屋へもどってみると〜 そこには佐織里の絞殺遺体が!!
http://blog.goo.ne.jp/sora_tuki719/e/420f97bed139c084fef5081892b524fb

黒田はニセモノ佐緒里に「部屋に痕跡を残さないように」と注意しているが、指紋をベタベタと残している。

そこまでの完全犯罪をやり遂げるだけのオツムは無かったのだと解釈しておこう。
ラスト近く、黒田が携帯で小宮山に電話を掛けた直後に刑事が乗り込むようにして死体を発見させているのは、携帯の着信記録が残るから マズいような気がするが、それもオツムが回らなかったのだと解釈しておこう(もしくは携帯が本人名義じゃないのだと解釈しておこう)。

萩原聖人はスクリーン・サイズの芝居(ここではスケール感のある芝居とか大仰な芝居という意味ではない)が出来る人だし、適役だと思う。

一方、中谷美紀は、普通っぽさがあるので「黒田を普通の主婦として騙す」という部分ではいいのだが、男を誘い込むファム・ファタール としての妖艶さは感じない。

ただ、これは撮り方にも問題があると思う。

中田秀夫監督ってロマンポルノ出身なのに、エロスを出そうという意識は薄いのね。

エロスよりもラブに重点を置いてしまったということなんだろうか。

所々、何を表現しようとしているのかが分かりにくいシーンがある。

例えば黒田が部屋で死体を発見するシーン。萩原の驚く芝居で「ああ、死んでいるんだな」と推測できるが、転がっている女は引いた絵 だし、良く分からない。
そりゃあアップで映すと別人なのが観客に分かるから、仕方が無い部分もあるんだろうけどさ。

あと、死体を掘り起こすシーンでは、すぐに黒田が嘔吐してしまうので、そこで女が別人だと彼が気付いたのかどうかが分かりにくい。

黒田が死体を発見したり、電話で死体を捨てるよう命じられたりする辺りは、本当ならスリリングなモノになっているべきなんだろうが、 怖さがあまり伝わってこない。

中田監督はホラー映画における「得体の知れない不気味さ」を表現するのは得意でも、サスペンスとしての恐怖描写は不得手なんだろうか。

というか、そもそも「殺人事件に巻き込まれる」というサスペンスへの興味が薄そうなんだよな。前述した死体処理の場面でも、描写が 淡白だもんな。

首を絞める小宮山を手伝うさと美の顔が佐緒里の持つ包丁に映るカットとか、幾つかホラー的に光るカットはある。

しかし、暗転によってシークエンスを区切り、時間軸を遡って種明かしをしていくという構成が、ミステリーとしては厳しいものとなって いる。というのも、種明かしに入っていく最初の段階で、これから明かされる内容の大半が分かるようになっているのだ。

残り30分ぐらいで、さと美が黒田に狂言誘拐を依頼する場面に遡るのだが、これは構成としては上手くない。

「そんなこと、今さら描かなくても、ほとんど分かっていることだぞ」と思ってしまう。新しい情報としては、せいぜい「なぜ狂言誘拐を 頼むのかを説明する際にさと美が語った内容」ぐらいだ。そんなの、どうだっていいようなことだ。

どうやら中田監督は、恋愛要素を多く含んだサスペンスとして描いたつもりのようだ。

で、黒田に発見されたさと美は、「私のことを見つけると思っていた」「また会いたかった」などと言い出す。

だが、それを男女の駆け引きとして成立させるには、そこまでにもさと美が黒田を翻弄するとか、黒田がさと美に引き込まれるとか、 そういった描写を少なくとも1回は入れておくべきだろう。

さと美が黒田に次第に惹かれていくのではなく揺れ動いているなら、それでもいいから、その揺れ動きを描写してくれないと困る。

さと美の心理の移り変わりを全く描いていないから、ただのキテレツな女にしか見えない。

ホラーの殺人鬼なら得体の知れない存在でもいいけど、ラブ・サスペンスのヒロインがそれじゃダメだろ。

心理が見えないから、黒田に見つかって必死に逃げたさと美が公園で捕まると急に笑い出すのは、ただのキチガイにしか見えない。

最後にさと美が泣き喚いて車を飛び出し、黒田に「一緒に行こう」と呼び掛けて崖から飛び降りるのも、ただ気が触れたようにしか見えない。

あと、飛び降りる直前、急に雨が降り出す演出には参った。
怖いシーンで雷を鳴らすのと同じぐらい古臭い演出だな。

大体、ラブ・サスペンスっぽくなるのって、もう終盤に入ってからだしなあ。

そこまでに、例えば黒田がさと美を探す理由の中に「もう一度会いたい」という気持ちが含まれているという描写があるでもなし、さと美 が小宮山と会っている時に黒田のことを気にする素振りを見せるようなことがあるでもなし、ラブ・サスペンスのテイスト、恋愛の 駆け引きのドラマって皆無だったぞ。

もしかすると中田監督は、『リング』で終わっちゃったのかもしれない(いや大半は脚本が悪いんだけどさ)。
http://www1.kcn.ne.jp/~pop/spcpm/j12k/chaos.html


6. 中川隆[2745] koaQ7Jey 2016年6月04日 23:22:05 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[3019]

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7. 中田秀夫の映画 7

中田秀夫 『ガラスの脳』 2000年 日活
http://www.bilibili.com/video/av448155/index_1.html
http://www.bilibili.com/video/av448155/index_2.html
http://www.bilibili.com/video/av448155/index_3.html
http://www.bilibili.com/video/av448155/index_4.html
http://www.bilibili.com/video/av448155/index_5.html

http://yume551.com/japanesefilm/8995.html
http://movie0yen.com/archives/17726


監督 中田秀夫
脚本 小中千昭
原作 手塚治虫


出演者

長沢雄一:小原裕貴、大高力也(幼少時)
飯田由美:後藤理沙、吉谷彩子(幼少時)
溝口恵子:林知花
福原みつ:河合美智子
長沢律子:名取裕子
斐川広明:榎木孝明


ある少女が、病院のベッドで、何年も眠り続けていた。

少女の母親は、電車の転落事故で亡くなり、その直後に、少女は産まれたのだ。
ところが、脈拍は正常なものの、産まれた時から、昏睡状態が続き、泣き声一つ立てないのだ。

そうして、少女は、生まれた時から、ずっと眠り続けているのだが、同じ病院に入院した少年が、

「まるで、眠り姫みたいだね。だったら、ぼくのキスで目が覚めないかしら?ほら、眠り姫は王子様のキスで目を覚ますでしょう?」

そう言って、毎日、少女にキスをするようになった。

やがて、少年は退院するのだが、日曜日毎に病院を訪れ、何年もキスし続けた。

いつしか、七年の月日が流れた。

それは、少女が十七歳になった嵐の夜に起きた。

叩きつけるような強い雨と、すさまじい雷鳴と稲光の中で、少年が少女にキスをした時、少女の目が、突然開いたのだ。

やった!
ついに、意識を取り戻したぞ!


それから、少女は失われた時間を取り戻すかのように、言葉や文字など、あらゆる知識を、猛スピードで吸収しだした。

そして、目を覚まして、三日目、少女の実際の年齢に、心が追いつき、少女は少年に、初めて恥ずかしい素振りを見せた。
思春期にたどり着いたのだ。

二人は公園の池で会話をする。

「十七年も眠ってたなんて、自分でもあきれちゃうわ。
人生って、何かしら?

何のために、人間って、生まれて、死ぬのでしょうね?

私ね、・・・五日しか生きられないの。
五日だけ時間をもらったの。
もっとほしかったけど、それで充分だって言われたの。」


驚いた少年は、思わず聞いた。

「誰に、誰に言われたんだい?」


「ううん、わからない。自分で思いこんでいるだけかも知れないし・・・

ねぇ、愛するって難しい?

私、誰かを愛したいの」

その時、少女は、入院先の院長の名前を告げるのだが、院長は少女が眠り続けていた時、からだをもてあそんでいた事が分かり、少年は、かっとなり、院長をなぐってしまう。

そして、少女を連れて、自宅のある東京に向かうのだ。

ああ、今日で、五日目だ。

二人は不安な五日目の朝を少年の自宅で迎えた。

その日、二人は結婚の契りを交わし、ベッドでかたく抱き合い、愛の炎を燃やした。

「由美、ふるえているのかい?」


「ええ、最高にしあわせで恐いの・・・

雄一さん、眠らないでね。
私も眠らないから・・・

愛してる、愛してる。
あなただけを、ずっと愛してる・・・」


そうやって何度も二人は抱きしめあって、熱いキスをするのだ。

しかし、時計の針が、夜中の十二時を指し、鐘の音が鳴り響く中、少女は再び永遠の眠りに・・・


少女は五日間だけで幸せになれたのか?

幸せとは、何なのか?


雄一は、由美と過ごした五日間の思い出だけを胸に、その後の生涯を生きたのであった。
http://blog.goo.ne.jp/fuwafu-wa/e/c1a6f96cd0133721e744e8e8cd84d16a


手塚治虫の『ガラスの脳』は、老妻の最期を看取ったばかりの老人が手記をしたためる場面から始まる。

妻の由美は、列車の脱線事故に遭った母から生まれた。

母は由美を出産した直後に亡くなり、助かった由美は昏睡から覚めないまま、病院で育てられる。そこへ風邪をこじらせた幼い雄一が入院してくる。

雄一は眠り続ける由美を起こそうと、童話で見た通り由美にキスをする。退院しても高校生になっても病院に通いキスを続ける雄一。するとある日、そのキスによって由美は十七年の眠りから突然目を覚ました……。


奇跡的に目覚めた由美は、二時間で一歳ずつ急激に成長する。
肉体的には十七歳の女性なのだが、頭脳は生まれたばかりなのだ。

目を覚ました日は、言葉も喋れずヨチヨチ歩き。でも、次の日には会話が出来るようになり、公園で少女のように遊び回る。天真爛漫に雄一にじゃれついていた由美は三日目になって、急に恥じらいを見せる。

さらには、五日目の夜、雄一と由美は恋人として結ばれる。ページの半分を使って描かれたベッドの上の二人。裸のまま目を閉じて互いに抱き合っている。腰から下は白いシーツで見えないが、上半身は何も纏っていない。その抱き合い方やむつみ方は、激しい交感のあと静かに山頂から二人して下ってくる心地良い余韻の愉しみを表している。

五日目の深夜十二時、由美は雄一に抱かれながら再び昏睡状態に陥る。

自分がまた眠りに落ちてしまうことを由美は知っていた。目を覚ますことのない由美を雄一は一生の伴侶として添い遂げる。

亡くなった由美を解剖すると、その脳はガラスのように美しく透明に輝いていたのだった。


十七歳の女性が突然に目覚めてわずか五日間の人生を送る。手塚がさらに天才性を発揮するのは、その五日間に深淵なエロティシズムを潜ませたことだ。

メルヘンの裏側にぴったりとくっついているエロティックへの偏向性。それは手塚作品に共通する重大なエレメントである。

四日目、由美は雄一に好きな男性を告白する。相手は病院の院長先生。

しかし、由美を暖かく見守っていたはずの院長は、目を覚まさないまま成長する由美の身体を夜な夜な秘かに弄んでいたのだった。看護師からその事実を聞かされた雄一は院長を叩きのめし、由美との結婚を決意する。


さきのベッドシーンで、深夜十二時直前に二人がキスを交わすコマには、顎の下の方から見上げるように由美の顔が描かれている。そのアングルは、身体をまさぐりながらその反応を確かめるために男が女の表情を見上げる視線に似ている。

そんな意図をもって、このメルヘンのクライマックスを描いていたとしたら、手塚治虫のエロ嗜好はもはや変態的と断言できるだろう。

同時に、このようは発想は禁じるべきであるものの、昏睡する由美と半生を共にした雄一に、ネクロフィリア的なダークサイドがないとは言い切れないのでもある。
http://winterdream.seesaa.net/article/431764543.html

映画の原作との相違点

事故の詳細(原作では列車だが、映画では旅客機)

由美の父親の動向

雄一が由美にキスをし始める年齢(原作では10歳だが、映画では7歳)

斐川医師の人間性(原作では単なる卑劣漢だが、映画では由美を目覚めさせようとする気持ちがこじれた末に道を外れた実直過ぎる人物)

由美が自殺しようとした方法(原作では線路の飛び出しで、映画では海岸からの飛び降り)

由美が再び永遠の眠りに入る場所
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AC%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%81%AE%E8%84%B3

 映画『ガラスの脳』(1999年日本〜日活、中田秀夫監督)は、手塚治虫が1971年に発表した作品ですが、俺がそれと出会ったのはミニコミを出すちょっと前、復刻されたライオンブックス1巻のなかに収録されたものとして読んだのです。

 戦後間もないころ、ある飛行機事故で身重の女性が遭難します。母親は助からず、産まれた赤ちゃんはそのままこんこんと眠りつづける“眠り姫”となり、6年後、おなじ病院に入院している、少女とは同い年の少年が病室を訪ねて少女を知ります。それからは、ひたすら少女の目覚めを祈って少年は日参することになります。

 「眠り姫なら王子様の口づけで目覚めるはず」と、「ぼくが王子様だよ」と少年は少女の耳元にそっとささやきながら、口づけします。子どものことだからと誰も最初は問題にしませんが、少年にしてみれば真剣そのもので、来る日も来る日もひたすら祈りつづけ、少女に呼びかけ、口づけをくり返すのです。

 その間、父親は八方手を尽くしたあげく、行方をくらましますが、その理由は不明です。しかし、原作では寝たきりで反応のないわが子に愛想をつかし、さっさと新しい奥さんを迎える冷たい父親として描かれています。どうも、このあたりからイヤな予感を覚えました。

 少年は少女を見舞いつづけ、高校生になったある嵐の夜、念願かなって少女が目覚めます。それから先は不思議なことに、目覚めたその日にハイハイをし、2日目にはもう言葉を話し、3日目には年齢相応の思春期を迎えます。そうなるとマスコミはほっときませんが、少年はマスコミ攻勢から少女を救い、そのまま街へと飛び出します。

 公園の恋人連れを見ては微笑み、遊園地の人混みでは、はちきれんばかりの笑顔をふりまき、その他いろいろな場所に行って遊び、過ぎ去った歳月を一瞬で取り戻しているように、つまり生き急ぎつつ豊かな表情を見せていた少女が、不意に哀しい顔になって思いがけないことをつぶやくのです。

 「神様から、5日だけ時間をもらってきたの。
あさっての夜には、今のわたしはまた〈落ちる〉のよ」と。

その言葉に少年は愕然として、少女の言ったことがウソであることを念じつづけます。

4日目、少女は恋の感情を表し、好きな人がいると告白しますが、てっきりその対象が自分だと思い込んでいた少年は、少女の口から出た相手が自分の担当でもあった主治医と知り、さらに深い闇に突き落とされた気になります。

 少年は主治医に面と向かって少女の気持ちを伝えますが、医者は少女のことなど患者としてしか見ていません。そればかりか、やめた看護婦からその医者の不埒な行いを聞きつけ、憤怒に燃えます。医者をなぐりつけて非難しますが、おりあしく訪ねてきた少女に話を聞かれてしまい、少女はいま少しで失意のあまりの自殺を遂げるところでした。

 少女にも自分を心底愛する者が誰なのかがわかり、お互いの気持ちはようやく通じ合い、二人は結婚することになります。そうして少女が言った通り5日目の夜、新婚旅行に旅立つ汽車のなかでそのまま眠りに落ちてしまったのです。

 この「超純愛物語」を見ながら、手塚治虫の原作本をはじめて見たときにも抱いた感動は、じつはここまでのストーリーではないのです。映画でも描かれていますが、列車のなかで眠りに落ちた少女が(原作では新婚初夜でということがわかる描写になっています。したがって、それだけでも映画が原作には遥かにおよばないということがおわかりでしょうが)、長い長い眠りのあとの後日談が描かれている点です。

 何十年後、少年は医学者となって日夜顕微鏡に向かっています。その夜も遅くなって仕事を終え、妻の待つ我が家へとたどり着きます。

「ただいま、今日は雨が凄かっただろう」

と話しかけ、その日会った人や起きた出来事を聞かせます。

彼が話しかける妻というのは、新婚旅行へと向かう途中以来ずっとベッドに眠りつづける、あの少女の老いた日の姿だったのです。

 俺が真底感動したのは、映画の行間、原作の行間に流れる、何十年にもおよぶ別のドラマを想像したからです。それゆえ、手塚治虫作『ガラスの脳』は永遠の名作となり得たのです。

 原作に反して、映画は別の思いを抱かせました。きわめて飛躍した発想ですが、そこに「そうか、障害者が生きていく理想の社会とは、こういうことだったのか」という、もちろん皮肉を込めた、ある結論に帰結したからです。

 まず、出てくる登場人物がみんなそろってイイ人ばかりです。理由もいわず行方をくらました父親を筆頭に、少年に思いを寄せるクラスメートの少女さえ、怨みがましいことの一言も言わず身を引きます。そして職権を利用し、少女にいたずらした憎むべき医師の行為すら、「すべては少女を眠りから救うため」という動機を発端として、人間の弱さが招いた心の迷いというぐあいに薄められています。そしてこれらの人々すべてが二人の結婚式にうちそろい、そのことによって映画は彼らの罪に対しても許しをあたえているのです。

 この映画には人間の心の奥の“悪”も“差別”も、ついに登場しません。差別を排除したという点では、こんな場面もあります。少年が少女を連れ歩く遊園地での一場面です。

 『ローマの休日』という映画で、新聞記者役のグレゴリー・ペックが、アン王女役のオードリー・ヘプバーンに、「真実の口」に手を入れて驚かす場面がありますね。半人半魚の海の神トリトンが口を開けている大理石のお面で、ウソを言った者が手を入れると、噛みちぎられて出てくるというものです。ペックは悲鳴をあげて手を抜きだし、袖から先の手首がないのを見てヘプバーンが驚くという場面です。もちろんこれは、背広の袖に手首を隠したペックのイタズラでした。

 『ガラスの脳』では少年がこれとおなじイタズラをしかけながら、手首がなくなるという落ちにはなっていないのが『ローマの休日』とは決定的に違う点です。

「片手落ち」という放送禁止語を意識した結果でしょう。原作にはある、植物人間への差別につながる父親の言葉を排除し、名画からの引用も改変して差別も偏見もない独特の世界観を展開する。純粋培養、無菌社会。まさに見事な統制といわざるを得ません。

 この映画の監督、中田秀夫は、生まれが1961年とありました。いまから20年前には、彼は大学生の年齢です。

 中田監督が大学生のころ、俺はあるボランティア合宿に参加し、その晩、宿で開かれた飲み会のなかでのゲームで驚くことがありました。大学生の彼ら、彼女らのなかから、「差別語のしりとりをしよう」という提案がなされたからです。もちろん差別語でしりとりをすることのユニークさに驚いたのではなく、こともあろうに障害者の前で、健常者である自分たちの口から差別語を、それもゲームで茶化して堂々と言おうという発想に驚いたのです。

 ゲームは不発でした。俺が呆れて注意したのでも、彼らが自主的に取りやめたのでもなく、しりとり自体が続かなかったのです。カタワと言ったら、「わ」ではじまる差別語がいくつありますか? メクラのあとの「ら」ではさらに難しくなります。

 彼らに、「君たちには差別するという行為、差別される者の気持ちがわからないのか」と差別観をたずねました。すると、「学校は福祉の専門で、障害者のことはよく知っているから、自分たちに差別する意識はまったくない」と紋切り型に言い切りました。それに対し、俺は差別語のしりとりをしようと言われたとき以上のショックを隠し切れませんでした。

 別の話として、ある重症心身障害者施設に長年勤める職員の友人が、「いまの若い人は新人研修で来てもボランティアで入っても、障害者を見る眼がいたって冷静なんでかえって驚くわ」と言った感想が忘れられません。

 おそらくその場の大学生諸君も、重症心身障害者施設を訪ね、よだれを垂らし、言葉にもならない奇声を発し、体のひん曲がった障害者の姿を見ても驚かないでしょう。「それがプロ意識だ」といわんばかりに。しかし、そのプロ意識はどこから来ているのでしょう。教科書からのマニュアルにもとづくものでしかないとしたら、あまりにも寂しい心の伴わないものではありませんか。

 たとえば先述した元彼女や、彼女とおなじ施設に勤めた知人の話の頃には、重症心身障害児・者施設の職員となってきた新人の多くは、初めて障害者と接することのあまりのショックに吐き気をもよおし、しばらくは食事もノドを通らなかったと言います。それが人間としての自然な感情であり、そこから悩み、この子たちを、この重い障害の大人たちをどう見て、どう接すればいいのかと考え考えしながら、ほんとうの“目”を養っていくのではないでしょうか。

 一方、『ガラスの脳』を撮ったおなじ1960年代生まれの監督は、悪人のいない、差別も存在しない超純愛映画をつくり、一世代あとにつづく若者になにを訴えたかったのでしょう。俺はそこに、うわべだけをとりつくろったエセユートピアを感じ、ウソ寒い感動にうち震えるばかりです。

そして、こういう世界を作る一翼を担ったある勢力、はっきりいえば行き過ぎた差別糾弾闘争に邁進し、マスコミに、多くの創作家の“建設的創作”意欲を萎縮させるに至った部落解放運動とそれに列する左翼勢力に対し、俺は次なるメッセージを送りたいと思います。

――四半世紀あまりも差別語狩りをつづけてきた人々よ、いま、あなた方の成果がこうして着実に実を結んでいます。健常者にとって耳ざわりの良いことばを駆使した超ベストセラーが生まれ、同時に有名若手タレントと伍しても引けを取らない障害者タレントも生まれ、そして映画や文学の世界からは差別や差別語は消えていき、あなたがたが目指した理想郷=ユートピアが生まれようとしています。


 中田秀夫といえば、『リング』『リング2』『仄暗い水の底から』といったホラー専門監督として有名です。

願わくは彼の属するジャンルの若手映画人とやらが、こぞって親の因果を無意識のうちに引き継ぎ、差別語狩りで手痛くやられた応報のしっぺ返しとして、人間の心や体を破壊し尽くすホラーに血道を上げているのでないことを祈るばかりです。
http://www4.famille.ne.jp/~aikoh/sineigaron-001.html


7. 中川隆[2751] koaQ7Jey 2016年6月05日 12:24:19 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[3025]

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8. 中田秀夫の映画 8


中田秀夫 世にも奇妙な物語(2015年、フジテレビ) 「事故物件」
https://www.youtube.com/watch?v=JBhnBHi73gY
https://www.youtube.com/watch?v=iGhhxaf75AI


脚本 加藤淳也 三宅隆太
演出 中田秀夫

キャスト

早瀬由希子 中谷美紀
早瀬朱理  新井美羽.
早瀬真一  高橋和也

由希子は娘の朱理と二人で暮らしていました。由希子と娘は新しい部屋に引っ越したばかりでした。

引っ越しした夜、0時13分になると由希子の携帯がなります。電話に出ても何も話します。電話を切ると娘は「ママ、助けて!!」と泣き叫びます。夜泣きのようでしたが、娘は次の日の朝にはケロっとして泣いたことも忘れていました。

次の日、娘を学校へ送り出した由希子は、部屋に女性の姿を見ます。そして気づくとその姿が見えませんでした。

そしてその夜、深夜0時13分になるとまた携帯電話がなり、出ても何もしゃべりません。そして部屋にまた女性が姿を現します。びっくりしていると、また娘が「ママ、助けて」と叫ぶのでした。

娘のところに駆けつけて抱きしめると「あなたのせいよ!」と声がします。びっくりして娘から離れると娘は「ママ、どうしたの?」と不思議そうに見ます。


8. 中川隆[2753] koaQ7Jey 2016年6月05日 13:39:15 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[3027]

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9. 中田秀夫の映画 9


劇場霊からの招待状 第1話「埋葬」

監督 - 中田秀夫
脚本 - 加藤淳也、三宅隆太

香坂 里緒 - 横山由依(AKB48)
間宮 祥子 - 島ゆいか
沖田 悠美 - 飛鳥凛
ゼミ教授 - 川屋せっちん
錦野 豪太 - 小市慢太郎
http://channel.pandora.tv/channel/video.ptv?ch_userid=sbs-tv&prgid=53005534
http://youtubetvdoramadouga.blog111.fc2.com/blog-entry-13510.html


9. 2016年6月05日 14:10:32 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[3028]

劇場霊からの招待状 「埋葬」 動画 追加
http://www.dailymotion.com/video/x39yuec

劇場霊からの招待状 動画
http://www.dailymotion.com/jp/relevance/universal/search/%E5%8A%87%E5%A0%B4%E9%9C%8A%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AE%E6%8B%9B%E5%BE%85%E7%8A%B6/1
http://search.pandora.tv/?&query=%E5%8A%87%E5%A0%B4%E9%9C%8A%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AE%E6%8B%9B%E5%BE%85%E7%8A%B6&sq=JP
http://youtubetvdoramadouga.blog111.fc2.com/blog-entry-13522.html


【キャスト】

第1話「埋葬」香坂 里緒 - 横山由依(AKB48)
間宮 祥子 - 島ゆいか
沖田 悠美 - 飛鳥凛
ゼミ教授 - 川屋せっちん
錦野 豪太 - 小市慢太郎

第2話「死期」檜山花音 - 岡田奈々(AKB48)
内村大輝 - 酒井亮和
謎の男 - 橋本まつり
錦野豪太 - 小市慢太郎

第3話「偶像」新堀可奈 - 入山杏奈(AKB48)
橘真里 - 森田望智
橘雄一 - 久松信美
仁科亜由美 - 星名利華
錦野豪太 - 小市慢太郎

第4話「腐敗」矢代涼香 - 加藤玲奈(AKB48)
葉山奈津美 - 前田聖来
堀内康介 - 町井祥真
錦野豪太 - 小市慢太郎
第5話「因果」石塚春香 - 古畑奈和(SKE48)
間宮倫子 - 椎名香織
野尻太郎 - 宇野祥平
錦野豪太 - 小市慢太郎

第6話「廃墟」三ノ宮忍 - 中野郁海(AKB48)
岸本舞 - 小栗有以(AKB48)
岸本祐美 - 八木さおり
岸本俊介 - 吉家章人
錦野豪太 - 小市慢太郎

第7話「幻聽」宇佐美アヤ - 北原里英(NGT48)
八木沼聡 - 岡村洋一
佐倉ユリ - 仁村紗和
カンダ - 宮田亜紀
錦野豪太 - 小市慢太郎

第8話「回帰」和泉繭 - 向井地美音(AKB48)
杖をついた少女 - 森田想
和泉さくら - 大庭愛未
柏木純一郎 - 水澤紳吾
錦野豪太 - 小市慢太郎

第9話「憧憬」悠木奈央 - 高橋朱里(AKB48)
林亜紀子 - 渡辺真起子
富樫亘 - 芦川誠
錦野豪太 - 小市慢太郎

第10話「永遠」秋山由梨 - 木アゆりあ(AKB48)
朝倉翔太 - 高村佳偉人
朝倉ハツ - 大方斐紗子
真鍋和也 - 落合モト
錦野豪太 - 小市慢太郎


第6話:廃墟>主演:中野郁海・小栗有以/八木さおり、吉家章人、小市慢太郎

第7話:幻聴>主演:北原里英/岡村洋一、仁村紗和、小市慢太郎

第8話:回帰>主演:向井地美音/森田想、大庭愛未、水澤紳吾、小市慢太郎

第9話:憧憬>主演:高橋朱里/渡辺真起子、芦川誠、小市慢太郎

第10話:永遠>主演:木アゆりあ/高村佳偉人、大方斐紗子、落合モトキ、小市慢太郎

スタッフ

企画 秋元康

第1&10話 監督>中田秀夫

第2&3&4話 監督>佐藤太

第5&7話 監督>佐々木浩久

第6&8話 監督>三宅隆太

第9話 監督>木ノ本豪


『廃墟』『幻聴』、なかなか秀作。
マセガキ暴走の『永遠』、爆笑!


映画『劇場霊』の1話完結のスピンオフ・ドラマ。

秋元康企画なので、主演はAKB娘もしくは系列メンバーのアイドルたち。
脚本は加藤淳也と三宅隆太。

深夜放送の30分作品、つまり寝る前に気軽に楽しめる系ドラマ(というより本作は怖がらせてくれないと困るんだけど)なんですが拾い物エピソードがあれば儲けもんやね、という肩の力を抜いた感じで視聴。

ストーリーがちゃんと作り込まれているか、演出で怖がらせてくれるか、または工夫されているか この2点が評価ポイントになるわけです。

各エピソードは、☆、◎、〇、△、'×の5段階で評価。

×' 第1話『埋葬』(横山由依:AKB48/演出:中田秀夫)

1発目は中田監督なのにこのクオリティでいいの?と心配になった。
拉致られてた女性が実は犯人だったという出オチにすらなってない
結末に拍子抜け。アラが多い話にもノレず、そもそもホラーじゃなくて
いきなりサイコパス・サスペンスってどーなのよ?

△ 第2話『死期』(岡田奈々:AKB48/演出:佐藤太)
撮った写真で他人の死期が分かってしまうヒロインのお話。
死神男の歩き方がちょっとマイケル・マイヤーズっぽいのが良かった。
でもドッキリにもなっていない演出にはワンパターン感が・・・。

△ 第3話『偶像』(入山杏奈:AKB48/演出:佐藤太)
友人の父親から引きこもりになった娘を元気づけてほしいと
頼まれたヒロイン。そのヒキコが見ていたブログの人気歌手が
自殺した場所に2人が向かうとエライコッチャ!というお話。
教訓、ヒキコを怒らせると怖いよ。(笑)

△ 第4話『腐敗』(加藤玲奈:AKB48/演出:佐藤太)
ウザいと避けてたクラスメイトを過って死なせてしまった女子高生が
ゾンビとなって甦った彼女に付きまとわれるコメディタッチの作品。
話はキライじゃないだけにゾンビ化したJKの腐敗描写が中途半端。
頭パッカーンを特殊メイクでちゃんと見せるとか、
グンニャリ曲がった首や足を『永遠に美しく・・・』のようなCGで見せるとか
それぐらい楽しませてほしかったなりよ。

〇 第5話『因果』(古畑奈和:SKE48/演出:佐々木浩久)
盗撮犯と間違えられた男の写真をSNSに投稿した女子高生が
恐怖に見舞われるお話。SNSに潜む落とし穴を心霊話に絡ませた脚本が
なかなか面白い。現実にも、事件とは無関係の人の写真を調子こいて
SNSにアップする愚か者がいるけど、そういう連中も
きちんと罰せられる世の中になってほしいとつくづく思う。

☆ 第6話『廃墟』(中野郁海:AKB48 小栗有以:AKB48/演出:三宅隆太)
コワいけどイイ! 6話目にしてやっとド直球なホラーが来た。
さすが三宅隆太監督、恐怖演出のツボを押さえているなあ。
POVスタイル演出はもう目新しくないし、怖がらせ方も
オーソドックスなんだけど、それでも何度かビクッとさせられた。
特に少女がこっちに向かってきたと思いきや、包帯女が・・・・の
不意を突いたシーンはガチブル。でも、こういうの、イイ!
振り向けば奴が後ろにいるよりも、向こうに佇んでいる何かが
全速力でこっちで走ってくるほうがずっと怖い。
映画の『劇場霊』よりもこの『廃墟』のほうが怖い、という声も。
ま、それはそれでどうかと思うのだが・・・・・。(笑)

〇 第7話『幻聴』(北原里英:NGT48/演出:佐々木浩久)
ラジオ局を舞台に悪霊が新人アイドルに襲ってくるというお話。
これも王道な恐怖演出を踏んでいて、なかなかの好編な仕上がり。
オチは途中で読めましたけど・・・・。

◎ 第8話『回帰』(向井地美音:AKB48/演出:三宅隆太)
三宅監督ってリピート恐怖演出がお好きよね。
スケールをめっちゃ小さくした『オール・ユー・ニード・イズ・キル』の
ホラー版という感じの作品なんだけどそこは三宅監督、
ただのホラーでは終わらせない。まさかの姉妹愛で締めくくる
ひと捻りある展開はさ・す・が。ちょっと切なくて、イイお話。

'△ 第9話『憧憬』(高橋朱里:AKB48/演出:木ノ本豪)
『劇場霊』なんだから“劇場”を舞台にしたエピソードがないとね。
ただ残念ながら、あまり怖くもなく、ストーリーの着地も今ひとつ。
警備員さんがなんの躊躇もなくフツーに霊話をしているのが一番不気味。
でも演出でもっともっと面白くできた気がする。

〇 第10話『永遠』(木'ゆりあ:AKB48/演出:中田秀夫)
もう爆笑、爆笑デスwwwwww。
『トワイライトゾーン/超次元の体験』で少年が女教師をモノにしようとする
第2話を思い出させるエピソード。しかしこっちのガキはもっと悪質。
最終回はまさかマセガキがゆりあちゃんを辱める話だったとは・・・。(°д°)
彼女の胸に顔をうずめ、「一緒にお風呂入ろ~」「僕と結婚しようよ!」
「じゃあ始めるか。結婚したんだからやることは決まってんだろ!」と
ズケズケと言い寄るエロガキに殺意を抱いたゆりあファンも多かったに違いない(笑)。
階段から落ちて死んだふりするエロガキのアヘ顔はもう爆笑必至!
まさにこれぞ怪演である。

ヒロインの恋人がなぜ串刺しになったのか何度見返しても分からないし、
話としても腹立つんだけど、エロガキが結構笑わせてくれたんでマル。

エピソードの出来不出来の差はあれど、
なんだかんだで楽しんでしまったかも。
http://www.amazon.co.jp/review/R28UGA2QAOYPEV/ref=cm_cr_dp_title?ie=UTF8&ASIN=B01A8CC1GU&channel=detail-glance&nodeID=561958&store=dvd


10. 中川隆[2757] koaQ7Jey 2016年6月06日 18:07:43 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[3032]

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10. 中田秀夫の映画 10


『クロユリ団地〜序章〜』 第1話, 第2話, 第11話, 第12話 TBS 2013年

総合監修 - 中田秀夫
脚本 - 加藤淳也、三宅隆太
監督 - 中田秀夫


http://www.pideo.net/search?q=%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%A6%E3%83%AA%E5%9B%A3%E5%9C%B0%EF%BD%9E%E5%BA%8F%E7%AB%A0%EF%BD%9E
http://www.acfun.tv/search/#query=%E3%80%90%E6%97%A5%E5%89%A7%E3%80%91%E9%BB%91%E7%99%BE%E5%90%88%E5%B0%8F%E5%8C%BA~%E5%BA%8F%E7%AB%A0;page=1
http://search.bilibili.com/all?keyword=%E6%97%A5%E5%89%A7%E3%80%91%E9%BB%91%E7%99%BE%E5%90%88%E5%B0%8F%E5%8C%BA%EF%BD%9E%E5%BA%8F%E7%AB%A0%EF%BD%9E


第1話
http://www.pideo.net/video/pandora/570d6f03e0ad765e/

第2話
http://www.bilibili.com/video/av566320/
http://www.bilibili.com/video/av566320/index_2.html

第3話
http://www.bilibili.com/video/av569059/
http://www.bilibili.com/video/av569059/index_2.html

第4話
http://www.acfun.tv/v/ac692777
http://www.acfun.tv/v/ac692777_2

第5話
http://www.pideo.net/video/pandora/cf2a678213cc78e6/

第6話
http://www.acfun.tv/v/ac745677
http://www.acfun.tv/v/ac745677_2

第7話
http://www.pideo.net/video/pandora/ef8ef6952c701b5d/

第8話
http://www.acfun.tv/v/ac762798_3
http://www.acfun.tv/v/ac762798_4

第9話
http://www.pideo.net/video/pandora/4d2519855643d3fd/
http://www.acfun.tv/v/ac762798_5
http://www.acfun.tv/v/ac762798_6

第10話
http://www.pideo.net/video/pandora/93f9c9a6601a4298/
http://www.acfun.tv/v/ac762798_7
http://www.acfun.tv/v/ac762798_8

第11話
http://www.pideo.net/video/pandora/3d4f41b033debbf3/

第12話
http://www.pideo.net/video/pandora/a13d64104037b836/


ホラー映画『クロユリ団地』に先駆けて放送されるスピンオフ作品です。


井村兄妹編 あらすじ

カメラマンの井村陽介は、妹の奈緒美が自殺したことを知らされる。住んでいた黒百合団地から飛び降りたのだ。奈緒美の同僚の葉子によると、数ヶ月前から奈緒美は様子がおかしくなったらしいが、部屋は特に変わったところもなく、遺書も見当たらない。

しかし井村は、奈緒美が残したデジカメに記録された一枚の写真に違和感をおぼえる。それは、無人の部屋の片隅を写したものだった……。

第1話

刺激的な表現に年々と消極的になっているような地上波で、どこまでやれるのか。いぶかしがりながら観た第1話は、地上波にしては頑張ってました。テレビドラマでここまで直球なホラーは、久しくなかったのでは?

基本は、日本のホラーならではのじわじわ不気味な感じ。無意味なお色気シーンがあったのは、海外ホラーへのオマージュか、はたまた中田秀夫監督の遊び心か。

キャストが地味目な俳優たちだから、画も地味でホラーに合ってます。映画版の前田敦子と成宮寛貴は、ホラーにしては華がありすぎる気がします。

とにかく、鑑賞後に微妙に不安な気持ちになるくらいの力はありました。なにぶん貴重なホラー連続ドラマなので、第2話も観てみよう。

物語はまだ先が見えてきません。奈緒美の部屋に訪れていた「なにか」が、どれだけ怖いものなのか、そして予定されている全12話の最後まで緊張感が保てるのか。中田秀夫監督のお手並み拝見です。

第2話

第1話のやたらと長いダイジェストから始まってうんざりしました。前回を観た視聴者への、軽い嫌がらせです。テレビ局の人は視聴率の低下を嘆いているようだけど、これじゃ録画して観るよね。海外ドラマの「前回までは」くらいの短さで十分です。

飛び降りた葉子が、奈緒美のときと同じ姿勢で倒れてるのは笑えました。恐怖と笑いは背中合わせですから、こういう演出はありですね。

前回から引っ張っていた、奈緒美の部屋に訪れていた存在は少年の霊(?)でした。個人的には、『呪怨』に出てくる白塗りでパンツ一丁の俊雄くんなど、少年の霊はどうにも怖くない。子役の限界でしょうか、表情から素が透けて見えるから、ただの子供にしか見えません。実際に遭遇したら怖いでしょうけど。

少年の霊よりも、蛍光灯がチカチカしている団地の廊下の方が恐怖を覚えます。点滅する蛍光灯は、ホラーの超定番ですね。なぜ怖いのか不思議です。

12話もどうやって話を続けるのかと思っていたら、井村兄妹編はこれで終わりのようです。前後編で6つのエピソードをやるっぽいですね。

第2話のピークは、団地の公園らしきところで光を放ちながら回転していた謎の球体です。もしかして、映画『キャビン』のような、既存のホラーを逆手に取った超展開を期待していい?「すべての謎の答えは映画版で!」みたいなオチが待っていそうですが。

宗形瑞穂編 あらすじ


女子高生の瑞穂は、ある日を境に突然様子がおかしくなってしまう。学校へも行かず部屋に閉じこもる瑞穂を心配した母親は、瑞穂の幼なじみ真美を自宅に招き、様子を見るように頼むが……。


第3話

第3話から、監督が中田秀夫から豊島圭介にバトンタッチ。遊び心やカメラの無駄な動きを削ぎ落とした、ぐっとタイトな演出になりました。そのぶん淡々としているけど、それでもこっちのほうが好きです。

今回の怖がらせ役は、様子がおかしい女子高生の瑞穂。これが、前回の少年の霊よりよっぽど怖い。よく言う「生きている人間が一番怖い」ですね。

瑞穂は、お約束の黒髪の長髪。『四谷怪談』のお岩さんから脈々と受け継がれる日本の伝統的な恐怖の記号です。もしも映画『リング』の貞子がミルクティー色のショートヘアだったら、あそこまで怖くなかったはず。

しかしなぜ黒髪の長髪が怖いのか。私が思うに髪の毛は、過去の想いの象徴なのかと。心機一転したいとき、髪をばっさり切ることが多いですよね。積もり積もった恨み辛みを連想させる力が髪の毛にはありあます。

登場人物が女子高生でさえガラケーを使っているのに引っかかりました。明示されていないけど、少し前の時代設定なのかな。この設定は今後活かされてくるのでしょうか。

前回登場した、光を放ちながら回転していた謎の球体は、どうやらジャングルジムだったようです。昼のシーンに映っていました。なぜジャングルジムが光を放っていたのか、謎が深まります。

第4話

ホラーは、恐怖体験が始まってからよりも、そこに至るまでの前フリのほうが緊張感があって怖かったりします。というわけで、瑞穂が大暴れする今回は、得体の知れない感じが前編より薄れてしまって、あまり怖くありませんでした。

また、瑞穂に復讐されるいじめっ子の恵理子と彩乃を演じた役者が、二人とも演技力が不足していたのも恐怖感が足りなかった理由の一つ。ホラー映画は、登場人物の恐怖が観客に伝わってこそ怖い。二人が怖がっているのは演技なのが見え見えだから、こちらの感情も動かないのです。

一方で瑞穂を演じた三浦由衣は、なかなかの怪演を見せています。集中力のある女優さんですね。顔芸的なシーンが多い役どころをやりきっていて好印象でした。

いじめや友達の裏切りなど、テーマが陰惨としてる割にはどろどろした感じが薄かったのは、少年ミノルくんを通してワンクッション置いているからか。

物語のほうは、このミノルくんがどうやらラスボスのようです。ミノルくん、今のところまったく怖くないのだけど、大丈夫なんでしょうか。ラスボスが恐怖感を薄めてしまうなんて、本末転倒ですよね。


柏木不動産編 あらすじ

いわくつき物件を多く取り扱う柏木不動産で働く山崎吾朗は、井村奈緒美が投身自殺した部屋も担当していた。新人の緒方みゆきの教育担当を任された山崎は、5歳になる息子の真一と二人で暮らす自宅に緒方を食事に誘う。

事故物件だという山崎の自宅に緒方は不吉なものを感じながらも、食事を共にしたことで山崎と打ち解ける。しかし、食後に山崎が咳き込んだまま倒れてしまい……。

第5話

事故物件で幽霊に出くわし腰を抜かした部下に「言ったじゃん、事故物件だって。早く慣れなきゃね」と主人公山崎がぶっきらぼうに言い放つオープニングエピソードが面白い。これまでとはちょっと違う物語を楽しめそうです。

しかし、せっかく秀逸なエピソードなのに、肝心の幽霊がただの変顔した女性だったせいで台無しに。鏡に幽霊が映った瞬間、思わず吹き出してしまいました。表情の作り方が中途半端で、笑わそうとしてるのかと。

恐怖と笑いは表裏一体なので珍しいことではないけれど、ここはきっちり恐怖を感じさせて欲しかった。ホラーは演技力が足りない演者だと、とたんにすべてが上滑りしてしまいます。

どうにも気になったのは、登場人物たちが深夜の山崎家で心霊現象に襲わたのに、次のシーンでは何事もなかったかのように爽やかに朝を向かえていること。いくらなんでも端折り過ぎです。あんな怖い目に遭ったのに、朝ごはん作って出社?

真一くんは実は……、というのがばればれな伏線がありましたが、そのままひねりのない展開を見せるのか、もしくはどんでん返しがあるのか。また、あまり出番のなかった黒百合団地にどうつながってくるのか、後編がいろいろ楽しみです。

第6話

山崎の息子真一は、実は死んでいた。ここまでは予想どおりでしたが、まさか山崎の自宅に居たのは真一の霊ではなく、ミノルくんだったとは。

第2話で少しだけ映ったミノルくんの顔を覚えていた人や、映画版を先に観ていた人は、「ちょwwwミノルくんなにやってんのwww」みたいな感じで前編からばればれだったのですね。これは大胆なエピソードです、驚きました。

てっきり、ミノルくんは黒百合団地の地縛霊だと思っていたのですが、違うようです。自由に黒百合団地から離れられるどころか、完全に実体化しています。ここまでくると、普通に生きている少年と変わらないわけで、恐怖感をほとんど感じさせません。これでいいのでしょうか。

そんなわけで、今回のエピソードも前編の方が怖かったです。毎回『クロユリ団地〜序章〜』は、前編で自ら煽って挙げた恐怖感のハードルを後編で超えられていません。ミノルくんが出てくると、途端に恐怖感が薄れてしまうのが難点です。

そんな中で冴えていたのは、山崎の自宅で深夜に聞こえていた叫び声は、息子をひき殺してしまったときの山崎吾朗の叫び声だったということ。これはとても怪談的で、薄ら寒い話です。こういった要素が、もっと映像的に活きてくると怖くなるのだけど。

渡部夫妻編 あらすじ

黒百合団地に入居してきた渡部夫妻は、過去のある出来事をきっかけにお互い秘密を抱えていた。妻の小夜里は、ときおり部屋で物が燃えるような不吉な音がすることに怯えていた。そんなある日、小夜里は公園で一人で遊んでいる少年と出会う。ミノルと名乗る少年は、小夜里に懐いてくるが……。

第7話

渡部夫妻編の監督は久保朝洋。漫画『富江』が原作のホラー映画『富江 vs 富江』を監督した人らしいです。オーソドックスで、特に特徴のない演出です。そう考えると、井村兄妹編を担当した中田秀夫監督は、やはり個性がありました。

地上波の限界なのか、たいして怖くない『クロユリ団地〜序章〜』。過去3つのエピソードは尻すぼまりだったものの、まだ前編は緊張感がありました。今回は、ついに前編からまったく恐怖感も緊張感もありません。

だってミノルくんが普通の少年なんだもの。目の奥に影がない。少年を恐怖の対象として据え置くのは無理があります。おさない子供は本能的にかわいいと感じさせる存在だから、なかなか恐怖感につながりません。

たとえワンパターンだとしても、貞子の類型でよかったのでは?ホラー映画がセルフパロディにするほどパターンが決まっているのは、決して製作者の怠慢ではないのだから。

そんな中、興味をそそったのは、映画版のメインキャストである成宮寛貴さんが登場したこと。せっかく映画と同時期の放送なのだから、こういったクロスオーバーは、もっと盛り込んで欲しいですね。

ところで『クロユリ団地〜序章〜』の放送が終わる頃には、映画版の公開も終了してそうですが、どういう順番で観ることを制作側は想定しているのでしょうか。映画版も怖くないと評判なので、映画館へ行く気がしないのだけど。

第8話

いやー、脱力しました。主人公がミノルくんを追いかけちゃうんだもの。逆でしょ?主人公は恐怖に駆られて逃げるほうでしょ?主人公がミノルくんを怖がってないから、観ているこっちも恐怖にかられません。

『クロユリ団地〜序章〜』がまるで怖くないのは、少年がもたらす緊張感の緩和が原因だと思っていたけれど、脚本のせいなのかも。ビジュアルの怖さは一瞬だけど、良く出来た怪談話は思い出すたびに怖い。地上波の制限は、怖くない理由の言い訳にならないはず。

あまりにも怖くないから、「もしかして、そもそもホラーじゃないのかな?」と、思わず公式サイトを確認してしまったくらい。すると、映画版のトップには「戦慄ホラー」と記載されているけれど、テレビドラマ版のページにはホラーのホの字もありません。(執筆時)

あれ?本当にホラーじゃない?心霊現象を題材にした人間ドラマとでもいうのでしょうか。それにしては人間描写が浅いです。いったい『クロユリ団地〜序章〜』は、なにを目指して撮られているのでしょうか。

そんなこんなで白けつつ観ているとミノルくんが怨念をもった霊になった理由が遂に判明しました。ダストボックスに隠れていたミノルくんに気がつかず、そのまま回収、焼却してしまったというもの。事故か事件かは不明みたい。今後この設定は活かされるのか。

ところで、なぜ日本の映画やテレビの登場人物がネット検索するとき、架空のサイトを使うのでしょうか。海外ドラマだと普通にGoogleで検索するのに。Yahoo風やGoogle風のサイトが登場するたびに、なんだか冷めてしまいます。

しかも、今回主人公が検索に使っていた“Boogle”は、Googleのタイプミスを狙った思わしき正体不明のサイトが実際にドメインを取っています。ドラマ製作者が確認しなかったのでしょうね。ずさんです。

葉山一家編 あらすじ

人里離れた廃墟にやって来た葉山一家は、明るく、家族旅行のようだが、どこか様子がおかしい。誰もいないはずの廃墟で少年に遭遇する娘の麗奈。無人だと思っていた廃墟に一家以外にも誰かいると知った母親は、なぜか態度が一変する。揉める両親から逃げるように部屋を出た麗奈は、階下で物音がしたのに気がつき、階段を下りていくが……。


第9話

葉山一家編の監督は三宅隆太。なにを目指しているのかがぼやけていた渡部夫妻編と違って、ホラーの定番演出が多く、久しぶりに『クロユリ団地〜序章〜』がホラーしてました。

車にいつのまにか霊が乗っている。という定番エピソードが通常よりも怖くないのは、やはり昼間だからか。そいういえば『クロユリ団地〜序章〜』は昼間のシーンが多いな、と思い返して、はたと気がついた。子役は基本的には21時以降の仕事が禁止されているから、ミノルくんが出演するロケのシーンは明るい時間が多いのかも。

そんなわけで、冒頭の霊能者のエピソードは、完全にすべってるし、いらなかったんじゃね?と観ていたら、再登場して話がつながりました。けれど、スーツの上着を脱いで見た目の感じが変わっていたため、ロッカーに隠れていたのが霊能者だと分かり辛い。ながら見していた視聴者は、「誰これ?」状態だったのではないでしょうか。

相変わらずミノルくんは、怖いどころか場を和ませています。でも、今回は主人公たち葉山一家の目的が分からないサスペンスの要素を盛り込んだため、緊張感がありました。葉山佑介を追い詰めるのがミノルくんではなく、葉山佑介のドッペルゲンガーなのも「怖い話」的でよかった。

散々な出来栄えだった前回の渡部夫妻編よりも大分楽しめました。葉山一家の目的は、おそらく一家心中のようですが、なぜそこに至ったのか。霊能者はどうなるのか。舞台の廃墟と黒百合団地はどう関係するのか。これらが後編でうまく展開できれば、『クロユリ団地〜序章〜』で一番のエピソードになりそうです。

第10話

「なぜ、ミノルくんがこの廃墟にいるのか?」という、前編で気になった疑問の答えが、「霊能者の車に乗ってきた」とは……。しかも、ラストで歩いて黒百合団地に帰っていくミノルくん。歩いて⁉いくら恐怖と笑いは紙一重とはいえ、これじゃあ笑いしか起きません。

おまけにミノルくんは、部屋のドアを閉められると中に入れない有様です。たしかに、中にいる人間に入口を開けさせるため、怨霊があの手この手で化かしてくる、という怪談は昔からあります。けれどもそれらは、神社などの聖域や、結界の張られたお堂などの話。なんの変哲もない廃墟の部屋にドアを閉められただけで入れないなんて……。

それなのに、ドアの閉じた車には自由に出入りできる。まったく整合性が取れていません。怪談からテキトーに使えそうな話を持ってきただけ、ずさん極まりない脚本です。

一家心中の理由も取って付けたようなものだし、母親が夫の死を目にしても平然としている理由付けも弱い。恐慌状態だった霊能者が次のシーンでは落ち着きを取り戻していて、主人公に説教しだしたりと、人物描写もいい加減。

母親の過干渉に苦しんだ人が、自分の子供にも同じことを繰り返す、という負の連鎖も、なんで脚本に盛り込んだのか分からないくらい活かされていませんでした。

毎度のことですが、『クロユリ団地〜序章〜』は、前編の緊張感を後編で台無しにしてしまうのが好きですね。

最終章 あらすじ

ある朝、小林とも江が目を覚ますと夫と娘が見当たらない。家の中を探して回ったとも江が目にしたものは、トイレで首を吊った夫の死体だった。いったいなにが起こったのか。心療内科で娘の記憶を催眠療法を使って呼び覚ますと……。


第11話

最終章の第11・12話は、『クロユリ団地〜序章〜』の総合監修を務める中田秀夫が直々に監督しています。同じく中田監督が手がけた第1・2話でも感じたのだけど、この人の演出は泥臭いというか、古臭いというか……。まさに「ケレン味たっぷり」といった感じで、はったりが利いています。

そのせいか、相変わらず冴えない脚本だったにもかかわらず、30分あっという間に観れました。「ケレン味がある」とは、必ずしも褒め言葉ではありません。でも、ホラーに限っていえば、こういったケレン味は大事ですね。

さて、なぜ第1・2話のあらすじから始まるのかと思っていたら、なんと井村陽介が再登場しました。第2話が放送されたのは2ヶ月以上前で、井村陽介が最後にどうなったのか覚えてなかったけど、生きていたのですね。

妹の死の真相を追ってミノルくんにたどり着いた井村陽介。でも髪型をきっちりスタイリングしているから悲壮感がありません。意味もなく小奇麗にヘアメイクするなんて、ホラーらしからなくて興ざめです。プライムタイムの恋愛ドラマじゃないんだから。

遂にミノルくんの母親が登場した以外は進展なし。最終回への前振りのみに終わった回でした。ミノルママを演じる女優さんの演技がくさくて、期待より不安が上回ります。

第12話

最終回となる第12話では、ミノルくんの死の真相が明らかになりました。とはいえ、その真相を知りたくなるような仕掛けが、第11話までにほとんど施されてきていません。そういうわけで「( ´_ゝ`) フーン」てな感じです。伏線なき真相にはドラマ性がありませんから。

ミノルくんこと木下稔の死の真相は、「母親に突き飛ばされたときに後頭部を強打して死亡。その遺体をダストボックスに捨てて焼却させ、事故死に偽装した」というもの。

母親に突き飛ばされたミノルくんが、後頭部をぶつけて死亡するシーンのリアリティのなさには驚きました。いくらなんでも衝撃が弱すぎる。あの程度で即死だなんて無理がありすぎです。

おそらく、子供に対する暴力描写は規制が厳しいのでしょう。そういった規制は理解できます。なので、そもそも恐怖の対象を子供にするべきではなかった。視覚的な恐怖感も弱く、表現に制限がかかるのでは、ホラーとして成立させるのは難しい。

また、今まで信じられていた「焼却炉で生きたまま焼かれてしまった」という表向きの理由よりも、真相のほうが怖くないってホラーとしていかがなものか。母親に明確な殺意はなく、過失致死だったわけですし。

ただ、真相のほうが悲しい。今まで観ていて何度か思ったとおり、『クロユリ団地〜序章〜』はホラーではなくて、心霊現象を題材にした人間ドラマにしたかったのでしょうかね。人間描写がもっときっちりしていれば、それはそれでありなのだけれど。

エピローグでは、前田敦子さんが演じる映画版の主人公である二宮明日香が登場。これは本当におまけ程度でした。せっかく映画版に興味を持たせるチャンスなのに、ドラマ性はほぼゼロで、ただ登場するだけ。最後まで空回りし続けたドラマでした。

総評

『クロユリ団地〜序章〜』を観始めたのは、地上波の連続ドラマでホラーをやるというのが物珍しかったから。早い時点で「面白くないな」と感じたけれど、2話完結だったこともあって、「次こそは」と惰性で最後まで観てしまいました。

第2話でジャングルジムが光を放ちながら回転するように歪む映像を観たときは、「もしやこれは映画『キャビン』的な超展開が待ってる⁉」と胸がときめいたのに、これぞというサプライズがないまま終わってしまいました。いったいあのSF的な演出は、なんだったのでしょうか。

そんなこんなで全12話を振り返っても、これといって書くことがないのが『クロユリ団地〜序章〜』のすべてを表しているかと。
http://marsconnector.com/entertainment/tv/kuroyuri-danchi.html

【ネタバレ有】真の死者は中田秀夫。映画「クロユリ団地」


秋元康が凝りもせずまたホラー映画を手掛けると聞いて おそらくこんなもんだろうと思いながらそれでも観に行く自分が嫌になる。

映画「クロユリ団地」は「着信アリ」「伝染歌」の秋元康が企画を担当し「リング」の中田秀夫を監督に迎えて製作されたホラー映画である。

元AKB48の前田敦子と「逆転裁判」の成宮寛貴のW主演で共演は勝村政信、西田尚美、岩松了、手塚理美。

「着信アリ」(1のみ)では三池崇史を、「伝染歌」では原田眞人を監督に迎えながら評判がさっぱりだったのは、ストーリーの辻褄だの演出だの以前に恐怖の連鎖を生み出した「リング」の亜流から離れられない秋元康のプロットに問題があったと私は考えている。

「全8章仕立てだ」と壮大な構想を発表しながら3作であっさり打ち切った「着信アリ」の後にブレイク前の AKBメンバーを使って「伝染歌」を作りこれも失敗。

「●●を使って恐怖が連鎖する」ことに限界を感じたのか今作では本家「リング」を撮った中田秀夫の力を借りて、「仄暗い水の底から」の亜流を仕掛けてきた。

根本のアイディアが手垢に塗れた二番煎じでも、中田秀夫が撮っていれば本家の血筋であるかのように見せかけられると思ったのだろう。

しかし、ここで秋元はひとつ大きな読み間違いを犯してしまった。
肝心の中田秀夫の源泉がすっかり涸れていたのである。

ストーリーは、古い団地に引っ越してきた主人公・二宮明日香(前田敦子)が次々と怪現象に見舞われるJホラーの定番。

ドラマ「クロユリ団地 序章」は明日香の越してきた団地でこれまでにどのような事件が起こってきたのか(要するにミノル君の悪行三昧)を2話1エピソードの形式で描いているが、ドラマと映画がクロスする部分は少なく、ドラマを観ていなくても
映画単体で楽しめるようになっている。

だが、団地内で起こる怪奇現象や恐怖演出のほぼ全てが既視感の強いものばかりで、はっきり言って恐怖はほぼゼロに近い。

「インシテミル 7日間のデス・ゲーム」というこれまた既視感の強い作品を押し付けられた中田監督はもう引き出しの中を覗き込むことも、アイディアを絞り出すことも止めしまったように思える。

『「リング」の中田秀夫』という看板さえあればあとは惰性でも仕事は来るし、喰ってもいけると思っているようにしか見えない。

「リング」で生まれた貞子は、中田監督のもとを離れて今や始球式に登場したり、写真集を出したりと完全に女子高生のおもちゃと化しているが、過去の栄光に頼ることなく新たな道を切り拓いているだけずっとマシだ。

放送中の「序章」と比較しても、エピソードによってはドラマの方が面白いぐらいでこれでは劇場版を任された中田監督も立つ瀬がないだろう。

1話あたり30分、2話で1エピソードが完結するドラマ版と映画版のストーリーがほぼ同じ情報量しかないため 2時間も尺がある映画版に水増し感が出るのは仕方ない面もあるのだが ホラー映画はココ一番のシーンに辿り着くまでの引っ張り方が腕の見せどころ。

何も起きない時間の長さが、観客の緊張感を高めることなくそのまま間延びに繋がっているのは、やはり演出に問題がある。

縮み上がるような恐怖も、あっと驚くどんでん返しもない。

ドラマ版でひた隠しにしている「ミノル君が必殺技を出すシーン」もわざわざ隠す必要があったのかというほどそのまんまで、何の感慨もなかった。

こうなると、もうシナリオのバカバカしさを笑うしか楽しむ手段がなくなってしまうのである。

手塚理美演じる女性霊媒師が経を読み上げる際の滑稽さでクスクス、

「しっかりしろ!あれはお前の家族じゃない!」と前田に思いっきり平手打ちを入れた直後に、今度は自分の恋人の声色をされあっさりドアを開けてしまう成宮の驚くべき間抜けさにクスクス、

極めつけは、ミノル君が何故死んでしまったのかの理由。

友達とかくれんぼをしていて、ミノル君が「ここに決めた」のが焼却炉。

ところが、うっかり鍵がかかってしまい、いくら叩いても出られない。

ミノル君はそのまま収集員にゴミとして回収されてしまい燃やされてしまったのでした。顔に火傷の跡があるのはそのせいだったんですね。

OH、可哀想に。

ってちょっと待て。

いくら子どもとはいえ、人間ひとり持ち上げて気付かない収集員などいるのか。
眠っていたとしても、ゴミ袋に入れてるわけでもない生身の子どもを何のためらいもなく裁断機に向かって放り投げたのか。

仮にそうだとしたら、ミノル君の亡霊は火傷跡どころの見た目じゃないと思うが。

貞子にしろ伽倻子にしろ、襲う理由が理不尽なのは構わない。
無差別に撒き散らす怨念こそが、Jホラーを世界的に有名にしたからだ。

しかし悲劇の根本をぞんざいにしてはいけない。

劇中で女性霊媒師がこんな台詞を吐く。

「いい?死んだ人の時間は止まってるの。だから死んだ人とは関わっちゃ駄目」

中田秀夫の時間は「仄暗い水の底から」を撮った2001年で止まっている。

真の死者はミノル君ではなく中田秀夫だったのである。

ヒットにこそ結びついていないが、「ラビットホラー」などで何とか新味を出そうと苦心している清水崇に比べて何という体たらくか。

しかも、「貞子3D」に続き本作も大ヒット中というWの悲劇。

あれほどもてはやされた Jホラーが世界の市場から見向きもされなくなったのは何故なのか。
関係者は今いちど考え直してみる必要があるのでは。
http://ameblo.jp/sinobi/entry-11534945886.html


11. 中川隆[2766] koaQ7Jey 2016年6月06日 22:10:22 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[3041]

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11. 中田秀夫の映画 11


『怪奇大作戦 セカンドファイル』第3話「人喰い樹」 2007年 NHK・円谷プロダクション
http://www.dailymotion.com/video/xwhnev_tv-sf-%E3%82%BB%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB-ep%EF%BC%93-%E4%BA%BA%E5%96%B0%E3%81%84%E6%A8%B9_shortfilms
http://www.pideo.net/search?q=%E6%80%AA%E5%A5%87%E5%A4%A7%E4%BD%9C%E6%88%A6%20%E3%82%BB%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB
http://video.weblio.jp/content/%E6%80%AA%E5%A5%87%E5%A4%A7%E4%BD%9C%E6%88%A6+%E3%82%BB%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB


脚本 小林雄次
演出 中田秀夫

黒崎楓:木村多江
河野菜月:天川美穂
榛名誠:眞島秀和
榛名誠の父:高橋長英
秋吉教授:中丸新将


東京近郊の温泉に来ていたSRIのさおりは、連れ立って出かけた女友達の変死事件に巻き込まれる。その遺体からは赤血球が残らず消失し、血管は植物の根状に変異していた。 SRIは、人間の体内に侵入し自己増殖する新種の殺人花粉の存在を突き止めるが・・・。

『怪奇大作戦』は1968年に、円谷プロダクションが『ウルトラセブン』の後番組として制作、放送した特撮犯罪ドラマ(制作:円谷プロダクション、TBS)である。

それまでの怪獣もの特撮ドラマからイメージを一新し、怪奇犯罪とその謎解きの面白さはもちろん、事件の背後に隠された人の心の闇にこそ真の“怪奇”が潜むという社会派のスタンスが大人のファンも巻き込み、平均視聴率22%の人気番組となった。

 '69年3月の放送終了から38年。今なお多くのファンを惹きつけている『怪奇大作戦』が待望の復活! 

オリジナルの基本設定を引き継ぎつつ、その上で現代的にアレンジした『怪奇大作戦 セカンドファイル』全3話がNHK、円谷プロによって制作され、'07年4月にNHK BS hiにて、5月にはNHK BS2で放送された。

このリメイク版『怪奇大作戦』は、旧作を手がけた監督のひとりで、昨年急逝した実相寺昭雄監督が長年温めてきた、まさに悲願の企画。

今回実相寺監督は、シリーズ構成を担当するなど中心的役割を果たし、うち1作で脚本も手がけている。

注目すべきは、そんな実相寺監督の遺志を継いで、今回の3話の演出を担当した気鋭の映像作家たち。

「ゼウスの銃爪(ひきがね)」は『呪怨』でハリウッド進出も果たした清水崇監督

「昭和幻燈小路(げんとうこうじ)」は実相寺監督の愛弟子である北浦嗣巳監督

そして「人喰い樹(じゅ)」は『リング』でジャパニーズ・ホラー・ブームを巻き起こした中田秀夫監督。

世界を相手に活躍する監督陣の競演も大きな見どころと言えよう。

 奇想天外な事件の謎を卓越した科学力と鋭い洞察力を駆使して解き明かすSRI(特殊科学捜査研究所)のメンバーたち。そして迎える意外な結末……。
http://www.vap.co.jp/kaiki/


全然期待していなかったが……ホントにダメだった(笑)。


森林を伐採する都市開発に対する反対運動の中心となっていた男が、他の住民が次々に離反、最後のひとりとなったことに失望して首吊り自殺。

 その男と結婚を前提に交際していた女科学者が復讐のため、人間を植物に変えてしまう花粉をバラまく。

 人間が姿を消せば自然破壊はとまり、地上は愛する彼が夢見ていた理想郷となるのだ……


なんちゅう陳腐なネタ……高度経済成長がかげりを見せた70年代初めならともかく、女科学者がしつこく繰り返す文明批判と人類批判には失笑の連続……平成ウルトラ作品で散々やらかし、視聴者を辟易させたエコ・テーマをこうも飽きずに繰り返すとは……学習能力がなさすぎる。


科学犯罪を捜査する特殊チーム・SRIの活躍を描き、人間の心の奥に潜む狂気をあぶり出していた『怪奇大作戦』(68年)であるが、この十数年ほどの間に現実の世界が空想世界をとうに超越してしまっている。

 つまり、科学を悪用するまでもない一般の犯罪の中において、我々は人間の狂気を散々見せつけられてきた。そうした中で『怪奇大作戦』をリメイクするのは実に難しい作業であろう。


しかしこれではねえ……ビデオテープや携帯電話のメールを見たり、ノートに名前を書かれたら死ぬなんていう、あまりに「ナンセンス!」(好きな人々には申し訳ないのだが、筆者は幼少のころから「ホラー」というジャンルに「偏見」を持っている)な作品群が、「ジャパニーズホラー」なる立派な位置づけをされ、海外でもヒットを飛ばしているご時世において、こんな辛気臭いノリが通用するとでも思っているのだろうか?


 大体「G線上のアリア」を流したら花粉から毒性が消えるなんて、全然科学的と違うやないか!(笑) 中途半端やなあ……


「怪獣番組」だった『ウルトラQ』(66年)を、「SFアンソロジー」にしてしまった『ウルトラQ 〜dark fantasy〜』(04年)よりイタイなあ……


BSだけならともかく、NHKもよくこういうのを地上波で流す気になったものだ。
http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20071111/p1


12. 中川隆[2768] koaQ7Jey 2016年6月06日 23:34:40 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[3043]

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12. 中田秀夫の映画 12

学校の怪談f(1997年、関西テレビ) 「霊ビデオ」
http://www.nicovideo.jp/watch/sm17205500
http://www.pideo.net/video/nicovideo/8b18ec6185add8ee/


監督 中田秀夫
脚本 小中千昭

増田裕子
馬渕英里何
松尾れい子
葉山恵里
菊地百合子
有坂来瞳

ある女子高校生が友人達とビデオ片手に霊が出ると噂される廃屋に行く計画を立てるのですが霊感が強いと言う友人に反対される。

反対を振り切って廃屋に行くが何も起こらず、屋内でつまずいて転ぶくらいだった。

しかし、帰宅してビデオを見てみると、転んだシーンでフレームの端に何かが映っていた・・・。


13. 中川隆[2769] koaQ7Jey 2016年6月06日 23:51:56 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[3044]

学校の怪談f(1997年、関西テレビ) 「保健室」
http://www.nicovideo.jp/watch/sm20517296


監督 中田秀夫
脚本 小中千昭


14. 中川隆[2778] koaQ7Jey 2016年6月07日 12:14:39 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[3053]

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13. 中田秀夫の映画 13

本当にあった怖い話(1992年、テレビ朝日) 「幽霊の棲む旅館」
https://www.youtube.com/watch?v=8MdEueO-xVs
http://www.veoh.com/watch/v35518859QmFa63x9
http://www.nicovideo.jp/watch/sm16905585
http://www.nicovideo.jp/watch/sm16905690


監督: 中田秀夫
脚本: 高橋洋/塩田明彦

白島靖代、中村由真、水野美紀、江波杏子

古い屋敷を改装した日本旅館の一室に棲んでいる少女の幽霊が、部屋に置かれた三面鏡に残された赤いマニキュアを通して似た境遇のユカリ(水野美紀)に取り憑こうとする。

鶴田法男「霊のうごめく家」と並んでJホラー模索期の重要作。

放送順からすると高橋洋とはじめて組んだ作品で、中田秀夫の監督デビュー作。

デビュー作で気合いが入っていたのか、さまざまな恐怖描写が試されていて、ホームビデオを通した映像や幽霊描写などそれぞれのアイデアは今観ても十分に怖いけれど、詰め込みすぎでストーリー的には散漫に感じてしまう。
http://mochiya.hatenablog.com/entry/2015/03/13/005457


15. 中川隆[2785] koaQ7Jey 2016年6月07日 15:10:50 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[3060]

本当にあった怖い話(1992年、テレビ朝日) 「幽霊の棲む旅館」
http://www.nicovideo.jp/watch/sm16905239
http://www.nicovideo.jp/watch/sm16905311

監督: 中田秀夫
脚本: 高橋洋

出演:羽田美智子、赤座美代子、川上麻衣子、秋山菜津子

主人公(羽田美智子)が幼い頃に火事で亡くした姉の霊が市松人形に憑依する。

人形の特撮や声など一見チープなところもありながら、顔に影がかかって歯列矯正器具をつけた口元しかうつらない姉の幽霊はぞっとするし、最後のお焚き上げ供養のシーンなど何か不吉なことが起きているという空気が全体に満ちている。

その後の中田秀夫作品同様、怪異現象だけでなく、人間の情念(ここでは劇団の配役争い)をしっかりと描いているのもポイント。
http://mochiya.nu/blog/date/2012/04


 女の子の腕を掴む白い手。ズームやクロース・アップ、強烈なサウンドで強調することなく安定した画面に映る女の子の姿と背後に浮かび上がる人形。
何気ない画面の中に突如入り込んでくる幽霊。

それはまるで心霊写真や心霊ビデオを目撃してしまったかのような不気味さを痛感させられ、後味が残ること請負である。

 また一体の人形に対する眼差しが「気味の悪い人形」から「死んだ姉の情念が宿った形見の人形」となり「冥界へと引きずり込もうとする呪いの人形」へと変わっていくといった脚本上の理論≠ェ、積み重ねられた「暗闇の恐怖演出」によって観念≠ヨと変貌していくから巧い。

だからこそ観客は主人公の女性と共に人形に対する想いを強めることができ、物語りに引き込まれるのではないだろうか。

 中田監督はホラー演出ばかり注目される傾向にあるが、実は女性に対して感情移入させる演出に長けているように思えるのだ。
http://blog.goo.ne.jp/1553231/e/028532cdf2799e9b7b2086d81e528035


16. 2016年6月07日 15:12:09 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[3061]
>>15
誤記訂正

本当にあった怖い話(1992年、テレビ朝日) 「呪われた人形」



17. 中川隆[2786] koaQ7Jey 2016年6月07日 17:00:57 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[3062]


本当にあった怖い話(1992年、テレビ朝日) 「死霊の滝」
http://www.nicovideo.jp/watch/sm16905403
http://www.nicovideo.jp/watch/sm16905481

監督: 中田秀夫
脚本: 塩田明彦

出演
丘みつ子、金久美子、三上真一郎、山村美智子、滝口秀嗣、藤田大助、永田絢子、門脇三郎

川で子供を事故死させたことを苦にして自殺した母親の霊が、年格好の近い少年を引きずり込もうと襲いかかる、という親子愛をベースにしたお話し。

ホラー演出自体はオーソドックスで正直リアルではなく、実話系のJホラーというよりフィクショナルで、のちの『怪談』につながる系譜の作品。
朽ち果てた行方不明者さがしの看板は不気味で良かった。
http://mochiya.nu/blog/date/2012/04

怪異現象を突き止めていく中で、人間の異常な内面が浮き彫りになってくるという裏テーマは『リング』『リング2』『リング0 バースデイ』(00)や『仄暗い水の底から』の脚本を務めたJ・ホラーの創始の一人でもある高橋洋の好みではあることは承知の上だったが、(本作の脚本は塩田明彦だが)本作を見れば中田監督自身も母性愛のホラーに強い関心を抱いていることがわかる。なぜならそうした母親や人間どもの妬み≠竍狂気的な執着≠ノ強烈な説得力を持たせているのは紛れもなく中田監督の演出であるように思えたからだ。

 と言うのも本作を見て『リング』で松嶋菜々子演じる浅川が息子を必死に守ろうと奮闘する母親として活躍していたことや『リング2』で水野美紀が浅川の子を必死に守ろうとしていたこと、そして『仄暗い水の底から』で魅せた怖しき母性愛と自己犠牲を思い出さずにはいられなかったからなのである。

 本作でも夫を失い、自分が父親の代わりとなって息子を守ろうとする母親像が登場し、狂気じみた演技を見せているのが本作の一つの魅力である。異常にも見える母親の過保護な執念は怨霊と並ぶ狂気的な執着と言える。そうした熱狂的な母親像が中田監督の一つの持ち味であり、観客を恐怖へと陥れる中田監督の演出の巧さではないだろうか。

 恐怖演出においてはダイナミックでありながらも奇想天外な『東海道四谷怪談』の演出が紛れ込んでいるのが傑作。

テントに幽霊が入り込んできて眼球だけを母親に向ける怖しさは怪談映画の要素がある一方で水の恐怖≠強く感じさせてくれる中田スタイルであり、人々の日常生活に、つまりは経験(一度は誰でも水への恐怖を味わったことがあるだろう)に基づくホラーであるように思えるのだ。

そうした日常性に訴える恐怖演出と女性の強さを魅せる演出が、従来の高橋洋の脚本とマッチし、情念に溢れたホラーを創り出してきたのではないか。本作は高橋洋がいなくとも情念のホラーをやってのける力量があることを示してくれる逸品であった。
http://blog.goo.ne.jp/1553231/e/028532cdf2799e9b7b2086d81e528035


18. 中川隆[2789] koaQ7Jey 2016年6月07日 17:18:51 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[3065]

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14. 中田秀夫の映画 14

映画『仄暗い水の底から』 2002 東宝
Dark Water - Japanese Horror Film (Sub English)
https://www.youtube.com/watch?v=ZZQxY3jIJ0I
http://kimamaniyoutube.blog78.fc2.com/blog-entry-3041.html


監督 中田秀夫
原作 鈴木光司 『浮遊する水』
脚本 中村義洋 鈴木謙一


出演者

黒木瞳
小日向文世
菅野莉央
水川あさみ

娘を守る、それ以外は何も望まない。

高校生になった私(イクコ)は
たまたま友達と
小さい頃に住んでいた土地を訪れた。

昔通っていた幼稚園は
今も当時の面影を
そっくりそのまま残していた。

実は私には
幼稚園に居た頃の記憶は
ほとんどない。

あるのは母と二人でこの土地に移り、
短い間だけ母と二人だけで生活していたという
わずかな記憶があるだけだ。

私はなんとなく、
当時、母と住んでいたマンションを訪れてみた。

現在のマンションは廃墟となり、
所々がボロボロで
とても人が住めるような環境ではない。

「ここかな?」と
母と住んでいた部屋の前に立った。

部屋の玄関前の表札は今もそのまま。
私と母の名前がはっきりと残されていた。

私がここに来るのは10年ぶりのはずだ。

しかし何故だろう、私は知っている。

この玄関の扉の鍵が開いている事を。

そしてこの扉の奥で
私が来るのを
待っている人がいる事を。

私を・・・。
命をかけて守ってくれた
大切な人がいる事を。

これは私が幼い頃に母と体験した出来事。
そしてそれを思い出すまでの物語。
http://ameblo.jp/king1191985/entry-12055650625.html


19. 中川隆[2791] koaQ7Jey 2016年6月07日 17:35:38 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[3067]

15. 中田秀夫の映画 15

『リング』 1998年 東宝
http://www.veoh.com/watch/v18119348GhJsNmHA
https://www.youtube.com/watch?v=991giYx37Wk

http://dramaview.blog112.fc2.com/blog-entry-7382.html
http://muryoueiga.com/blog-entry-878.html


監督 中田秀夫
脚本 高橋洋
原作 鈴木光司


出演者

松嶋菜々子
真田広之
中谷美紀


20. 中川隆[2793] koaQ7Jey 2016年6月08日 10:57:17 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[3070]

『リング2』 1999年 東宝
https://www.youtube.com/watch?v=lnSPikQr160
https://www.youtube.com/watch?v=UYjzlIEJFg4&feature=youtu.be
http://videonavi.blog66.fc2.com/blog-asyuracom-224.html

監督 中田秀夫
脚本 高橋洋
原作 鈴木光司


出演者

中谷美紀
佐藤仁美
深田恭子
松嶋菜々子
真田広之

映画版『リング』の続編で映画版オリジナル。『リング』には原作、映画版ともに正規の続編『らせん』が存在するが、本作は『らせん』とは異なる展開を見せる一種のパラレルワールド的な作品である。


「リング」の大ヒットを受け、評判が良くなかった正統続編「らせん」をなかったコトにしてもう一本行こうぜ!
・・・と意気込んでみたらコケまして「なかったことにされました」という怪作。

誤解のないように言えば、当時の邦画陣の中でも決して見劣りしないクオリティーに達しているとは思います。
が、前作比でグレードダウン著しい出演者(と予算)、安直で突っ込みどころの多いストーリー・・・etc

さらなる続編の作りようもなく、「なかったこと」にされても致し方なしと言えましょうか。

一言で言えば「呪いを科学的(と登場人物たちが言い張る)手法で解明・解決しようとする物語」なんですが・・・
科学的とは程遠い思いつきの行動やテンポの悪い展開・・・etc 「なぜそこでそうなるそうする??」の連続。

当時劇場で鑑賞したのですが、ホントに客席から失笑が漏れてましたもの。
「ホラーだよねこれ?(ヒソヒソ)」と。

10年以上経って私の記憶が改ざんされたのかと思ってDVDを見なおしたわけなんですが、やっぱり何度見ても間違いなくあの「怪作」でした。

中田秀夫作品だけあって、特有の「ジメジメ感」は漂うものの、前作の圧倒的恐怖感と絶望感には到底及びません。

主人公は「らせん」で死亡することになる高野舞(中谷美紀)が配されていますが、前半一時間は大きな見せ場もなく、柳ユーレイが主役級の扱いで物語を引っ張ります。
(私はこの映画の主役は柳ユーレイだと思っていますし、事実作中でもそのような扱いです)

舞は前作主人公である浅川玲子の息子・陽一を守るため、小日向文世演じる妙な精神科医に言われるままに変な実験を開始して皆大変なことに・・・という、サイエンス・ドタバタ・サバイバル・ホラー(?)の様相を呈します。

プールサイドで頭にヘッドギアを付けて脳波計(?)で分析されてるらしい中谷美紀と、傍らで不可解な言動を繰り返す小日向文世。

もう、見てるだけで不安。すっごい不安。登場する科学的(?)な装置や実験の根拠についての言及一切なし。「なんか水に関係するっぽいヨ」「じゃぁプールで実験しようゼ」なノリ。

あれ、間違えて『テラ戦士ΨBOY』か『少年ドラマシリーズ』観てるのかな・・・? 感に襲われました(ある意味ホラー)

見どころは・・・女子高生役・深田恭子の末路・・・かなぁ。

貞子何回か登場しますけど怖くないです。いや、貞子が怖くなかったらそりゃダメだよぉ・・・
「わっ泥人形?? あ、なんだ貞子か・・・」みたいな。

大人気シリーズの一片を成す作品でありますから、異論・反論おありかとは思います。
が、これだけは事実としてお伝えしたい。

この映画はどうかしてる!
http://www.amazon.co.jp/review/R1T87FJJT5JK8Y/ref=cm_cr_dp_title?ie=UTF8&ASIN=B00005FX2P&channel=detail-glance&nodeID=561958&store=dvd



21. 中川隆[2794] koaQ7Jey 2016年6月08日 11:32:32 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[3071]

『The Ring Two』2005年 ドリームワークス
https://www.youtube.com/watch?v=YD9z3lTw808
http://video.weblio.jp/content/The+Ring+2
http://www.hanouz.com/%E6%B4%8B%E7%94%BB/%E3%81%95-%E6%B4%8B%E7%94%BB/%E3%82%B6%E3%83%BB%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B02-%E5%AE%8C%E5%85%A8%E7%89%88.html


監督 中田秀夫
脚本 アーレン・クルーガー
原作 鈴木光司

キャスト

ナオミ・ワッツ
サイモン・ベイカー
デヴィッド・ドーフマン
ダヴェイ・チェイス
シシー・スペイセク


あの恐怖から六ヵ月後−忌まわしい記憶から逃れるべく、シアトルから片田舎アストリアへと引越しをしたレイチェルとエイダン親子。
平和な生活を送るはずが、エイダンの体に異変が起きる。
息子に一体何が起きたのか?
謎を追って再び旅に出るレイチェル。
呪いを解くためには、愛する息子を殺さねばならない…?
究極の選択を迫られたレイチェルが下した決断とは…?

『The Ring Two』はアメリカ合衆国のホラー映画で、『The Ring』の続編作品
前作『The Ring』は日本映画版『リング』のリメイク作品だったが、本作はあくまでアメリカ版映画の続編であり、日本のどの『リング』作品(原作小説および映画)とも異なる独自の展開になっている。

監督は、前作のゴア・ヴァービンスキーに代わり、オリジナルを監督した中田秀夫が担当。

『The Ring Two』20点(100点満点中)

なかった事にしてもらいたい

ハリウッド版『リング』である『The Ring』の続編。日本に存在する続編とは無関係で、ハリウッドによる完全オリジナルストーリー。
主演は前作同様ナオミ・ワッツ、監督は日本のオリジナル版と同じ中田秀夫だ。
ちなみに本作は彼にとっての監督全米デビュー作となる。

前作のラストから数ヶ月、小さな田舎町でひっそりと暮らす新聞記者(N・ワッツ)とその息子だが、ある変死事件の被害者の顔が恐怖にゆがんでいたと聞いて、サマラの呪いが復活したことを知る。

脚本がひどい、どうしようもない。

まず、ハリウッド版、日本版いずれにしても、『リング』は簡単に続きが作れるような話でないのはご承知のとおり。
もっとはっきりいってしまえば、続けようのないストーリーだ。
それほどに完成度が高いともいえる。

それなのにこんな駄作をつなげて続編を名乗らせるとは……名作リングの名前を汚すだけだから、もうやめたほうが良いのではないか。

ご存知のとおり「リング」では、優秀な登場人物たちが呪いに対し考えられるあらゆる対抗策を試し、その結果あのような結末になった。それを、いまさらこんな下らない方法で対抗するなんて、前作の(というよりオリジナル版の)価値を下げるだけではないか。こういう企画を今、臆面もなく行うというのは、まさしく米国人らしい傲慢さといえる。

中田監督は、さすが各所の恐怖描写にはハッとさせる部分もあるが、映画の骨組みである脚本が幼稚すぎる以上、どうにもできなかったと見える。これが全米デビューとはあまりにも悲しい。いかに技巧を施そうが、これでは暗い映像と音がドロドロしているだけとしか見られないだろう。

内容が二番煎じだから、怖さもない。まあ、場末のお化け屋敷に入っていると思えばなんとか許せるといったところか。ホラー映画としては間違いなく二流以下である。まして「リング」の続きとしては、これはもう、無かった事にしてもらいたい。
http://movie.maeda-y.com/movie/00543.htm


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