http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/546.html
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前回、
次回は、
「解糖系の亢進」について説明すると書きましたが、
誠に申し訳ございません、
急きょ、予定変更で、
そもそも、「解糖系とは何か?ミトコンドリアとは何か?」
にテーマを変更させていただきます。
理由は、
解糖系とは、
そもそも、何なのか?
を理解せずして、
先へは、進めないからです。
今まで、
何度も、
「解糖系は、
酸素があるのに、
酸素を利用せず、
糖を代謝して、
乳酸を産み出す。」
所謂、「嫌気性解糖」について書いてきました。
そして、この「嫌気性解糖」という営みを行っているのが、
「癌細胞」であることも書きました。
そこで、皆さん、この「嫌気性解糖」の内容に、
何か、疑問を感じなかったでしょうか?
なんで、酸素を何よりも必要とする人間の細胞の中に、
重要な酸素があっても、
その重要な酸素を、わざわ利用しないで、
エネルギーをつくる器官(装置)があることに、
何か、疑問または、不自然さを感じなかったでしょうか?
私は、オットーの研究を調べていて、
なんで、
我々の体内(細胞の中)に酸素を利用しない器官があるのだろう?
と、率直な疑問と不自然さを感じました。
安保徹先生の著書に、
それに対する答えが書いてありました。
そこから引用するのではなく、
私なりの理解と解釈を以下に記します。
話は、まず、地球上の生命の起源に遡ります。
なんだ、そんな話かあ〜と思わずに、
これは、とてつもなく重要な内容なので、
面倒がらずに、読んでください。
いかなるものも、
ルーツを遡らなければ、
その本質に辿りつくことは到底無理です。
まず、地球上のすべての生命の共通の祖先がいた。
という理解は、
世界中の研究者が認めるところです。
しかし、今のところ、その共通の祖先は何か?
その解明はできていません。
しかし、
その共通の祖先の次の段階の生物は、
わかっていますし、現在も存在してもいます。
それは、「原核生物」と呼ばれるものです。
たとえば、「大腸菌」なんかが、
よく知られた、原核生物ですが、
とにかく、具体的な生物として、
最初に産声を上げたのが、
「原核生物」と言われています。
「原核生物」は、
酸素のない環境で、
深海の熱水吐出口あたりで、
生まれたのではないだろうか?
というのが、
研究者達の共通の認識です。
原核生物のまわりの環境は、
酸素がまったくなく、
弱酸性で、
海水温が32℃くらいで、
糖の元祖ともいうべき、
ホルムアルデヒドが、
多く存在しており、
原核生物は、
そのホルムアルデヒドを、
摂取して、
生き延びてきたのです。
原核生物は、
ホルムアルデヒド(糖の元祖)を、
摂取して、
解糖系を用いて、
生きていました。
そんな時、
暗黒だった、
地球に、
太陽の陽がさしはじめました。
そうすると、
太陽の陽を利用する。
あらたな原核生物が産まれました。
シアノバクテリアの登場です。
シアノバクテリアは、光合成を行い、
酸素を産出しました。
酸素は、原核生物にとっては、
猛毒でした。
多くの原核生物が、
酸素で、
絶滅しましたが、
酸素の環境に適応した
原核生物は、
疲弊しながらも生き延びたのでした。
そんな時、
酸素を利用する
新たな生物が産まれました。
ミトコンドリアの登場です。
酸素を利用し膨大な量のエネルギーをつくり出す、
ミトコンドリアは、
青色吐息の原核生物に取り入り、寄生し、
その、酸素を利用して莫大なエネルギーを
つくりだすパワーを拠り所に、
原核生物に取り入り、寄生するだけではなく、
生物としての意思を乗っ取りました。
「真核生物」の誕生です。
真核生物は、酸素と脂質とタンパク質を摂取し、
やがて、多細胞生物に進化して、有性生殖を開始し、
巨大化と多様化を推進し、ますます、酸素を活用し、
進化繁栄をしていきました。
それが、我々人類なのです。
何十億年の生命の進化の歴史を、
何行かで説明しましたが、
皆さんなら、なぜ、この説明が必要だったのか?
ご理解いただけたと思います。
まとめますと、
我々は、原核生物(解糖系)とミトコンドリアが合体した、真核生物であり、それが多細胞生物となり、さらには、変化する環境に適応するために、有性生殖を取り入れ、それによって、ゆるやかに進化し、多様性を育んできた。
それが我々人類なのです。
詳しくは、後で説明しますが、
まとめると、
酸素の影響で、弱体化し、
青色吐息の原核生物は、
その細胞質(解糖系)を、
ミトコンドリアに乗っ取られ、
生存に関するイニシャチブをミトコンドリアに奪われ、
休眠状態で、細胞質をなんとか、維持してきた。
そして、原核生物の特徴になかった、
酸素の取り込み、
有性生殖等の採用を生存の為、
許容し、
ミトコンドリア支配の軍門に下った。
しかし、
低酸素、
糖の過剰な摂取、
弱酸性、
低体温等が、
中長期に渡り、
ミトコンドリアが疲弊し、
弱体化し、
反対に、
原核生物(解糖系)が、
刺激され、台頭し、
亢進すると。
イニシャチブが、
ミトコンドリアから原核生物(解糖系)に移り、
解糖系の亢進がさらに進行すると。
「嫌気性解糖」、
すなわち、癌の発症となるのである。
我々人類は、
原核生物(解糖系)と、
ミトコンドリアの微妙な鬩ぎ合い(攻防)の中で、
微妙なバランスの中で、
生存しているのである。
次回は、これらについて、
もう少し、突っ込んで説明しようと思う。
(つづく)
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