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2002年1月20日、ネヴァダ州出身のリチャード・マッキャスリン(37歳)がカリフォルニアにあるボヘミアン・グローブへの侵入罪で逮捕された。逮捕時のマッキャスリンは、襲撃用の散弾銃やピストル、クロスボー、ナイフ、刀剣、手榴弾投擲器を所持しており、単独行動だったと自白している。
マッキャスリンが警察に語ったところによれば、彼はボヘミアン・グローブで行なわれていると信じていた悪魔的な人身御供の実態を暴くために侵入し、全面的な対決や殺人も覚悟していたらしい。
マッキャスリンがこの地域で人身御供が行なわれていると信じ込むようになったのは、ラジオ番組のアレックス・ジョーンズの放送を聞いたからであった。アレックス・ジョーンズの番組やウェブ・サイトには、この別荘地で行なわれたという儀式殺人の証拠らしきものが掲載されていたらしい。
本来ならこれらの陰謀論も、ひとつの「陰謀論」として見ていればいいのだが、マッキャスリンにはとても笑い話で済まされるものではなかったようだ。
では、いったいこのボヘミアン・グローブとはなんなのであろうか。
これを、『最新アメリカの政治地図』園田義明 (著)、『ベクテルの秘密ファイル』レイトン・マッカートニー(著)、この2冊に説明してもらおう。
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ボヘミアン・クラブのメンバーは毎年7月になるとサンフランシスコから北へ110キロ程の距離にあるモンテ・リオの山村近くに集まる。世界的な巨木として知られるレッドウッドに囲まれた森林の中で、2週間にわたって行われるサマーキャンプに参加するためだ。
約700エーカーの広さを有するこの場所は「ボヘミアン・グローブ」と呼ばれており、ボヘミアン・クラブの私有地である。
1878年から行われてきたこのサマーキャンプには約2700名のクラブ会員と特別ゲスト以外は参加できない決まりとなっており、全米各地から大統領経験者を含めた大物政治家やフォーチュン500企業や大手金融機関のトップ、著名大学教授、芸術家、文化人などが一堂に集まる。そして、クラブのマスコット人形を焼く儀式によってこの2週間のキャンプがはじまる。
この森の生活は、遊びや楽しみばかりではない。
かつてアイゼンハワー陸軍大将が、やがて朝鮮で戦争が起こるだろうと警告したのも、この森でのスピーチだった。アイゼンハワーが大統領に就任してからは、CIA長官のアレン・ダレスが、共産主義の脅威について会員たちに警告した。4半世紀後には、“水爆の父”エドワード・テラーがやはりこの森で、ペルシャ湾情勢にからんで同じ警告を発した。
ボヘミアン・クラブのサマーキャンプに出席が許された日本人は、知られている限りでふたりいる。ひとりが外交評論家の高橋正武、そしてもうひとりがユニデンの設立者である藤本英朗である。
高橋によれば、ボヘミアン・グローブには、約120のユニット・キャンプがあり、レーガン元大統領は「ふくろうの巣」、ニクソン元大統領は「ケープ・マン」、そして高橋は「ドラゴン」と呼ばれる政財界人25名で構成される名門キャンプで時を過ごした。このユニット・キャンプの中で特に注目を集めるロッジは「マンダレー」である。
03年6月18日付のSF・ウィークリーに2001年のマンダレー・ロッジの宿泊名簿が掲載されたが、その顔ぶれは以下の通りである。
なお、ブッシュ(父)元大統領は、ラムズフェルド国防長官とともに「ヒルビリーズ」に宿泊していた。このメンバーに、マンダレー・ロッジやヒルビリーズにおける4名のホスト役の名前を加えると、同時多発テロの直前である2001年の夏の時点で何かがすでに動き始めていた可能性も無視できない。その4名も以下の通りである。
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★ 2001年マンダレー・ロッジ宿泊名簿
● コリン・L・パウエル現国務長官
● ヘンリー・A・キッシンジャー
元国務長官(ニクソン、フォード政権)、元国家安全保障問題担当大統領補佐官(ニクソン政権)
ビルダーバーグ会議メンバー
● マイケル・H・アーマコスト
元国務省内国政担当次官、元駐比米国大使、元駐日米国大使
ビルダーバーグ会議メンバー
● フレデリック・N・ブレイディ
元財務長官(レーガン、ブッシュ父政権)
ディロン・リード元会長
ビルダーバーグ会議メンバー
● ピーター・M・フラニガン
元大統領補佐官(ニクソン政権)
● アンドリュー・ルイス
元運輸長官(レーガン政権)
ビルダーバーグ会議メンバー
● カール・E・ライチャート
フォード副会長、ウェルズ・ファーゴ元会長、HSBCホールディングス元取締役
● ジョージ・P・シュルツ
元労働長官、元予算管理局長、元財務長官(ニクソン政権)
元国務長官(レーガン政権)
★ 4名のリスト(ベクテル関係者)
● ステファン・D・ベクテル・ジュニア(スティーブ)
ベクテル・グループ名誉会長、フリーモント・グループ名誉会長、ベクテル・グループ元会長兼CEO
パシフィック・ユニオンメンバー
● ライリー・P・ベクテル
ブッシュ大統領・輸出諮問委員会メンバー(2003年2月任命)
ベクテル・グループ会長兼CEO、フリーモント・グループ会長兼CEO、セクオイア・ベンチャーズ取締役、JPモルガン・チェース取締役
● ゲイリー・H・ベクテル
ベクテル・シビル副社長
● アラン・ダックス(ライリー・P・ベクテルの義兄弟)
フリーモント・グループ社長兼CEO、セクオイア・ベンチャーズ社長兼CEO、ベクテル・グループ取締役、ベクテル・エンタープライズ取締役
ブルッキング研究所、カンファレンス・ボード各理事
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このマンダレー・ロッジは、まさしくベクテル・グループのためのベクテル・ロッジであり、イラクの初期復興事業で最大の総額6億8000万ドルを受注したことから、イラク占領における連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)と呼ぶこともできるかもしれない。
こうした友人のおかげで、“無名”のスティーブ・ベクテルはこの森のなかで堂々たる存在として君臨し、歩いているだけで畏敬と賞賛のささやきが湧き起こるほどだった。この男は丘の中腹のマンダレー・ロッジに泊まっていたが、そこは、森にある127のキャンプ場で最高の敬意が払われている。このロッジの会員名簿と来客リストには、スティーブ・ベクテルのほかに次のような顔ぶれが見られる。
父ステファン・ベクテル、ヘンリー・キッシンジャー、元ベクテル・グループ社長で国務長官のジョージ・シュルツ(この年には、西ドイツのシュミット首相を個人的な客として同伴した)、元IBM会長でソ連駐在アメリカ大使のトマス・ワトソンJr.、元CIA長官ジョン・マコーン、法務長官ウィリアム・スミス、実業家エドガー・カイザーJr.、ニクソンのブレーンだったピーター・フラニガン、パン・アメリカン航空の元社長ナジーブ・ハラビー、ウェルズ・ファーゴ銀行頭取リチャード・クーリー、ゼネラル・エレクトリックの元会長フィリップ・リード、南カリフォルニア・エジソン会長ジャック・ホートン、ユタ・インターナショナル会長エドムンド・リトルフィールド、ディロン・リードの元社長ニコラス・ブレーディー、ファイアストーン・タイヤ&ゴムの後継者レナード・ファイアストーン、元大統領ジェラルド・フォード……
スティーブ・ベクテルは、このような人間に囲まれても、気楽にくつろぐことができた。ほとんどすべてが友人で、仕事仲間だったからだ。
ベクテル・グループはその好意に報いるため、海外で国務長官の外交使節の役割を果たし、CIAに“隠れ家”や極秘情報を提供してきたのである。
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ジョージ・シュルツは、ベクテル家のステファン、ライリー、アラン・ダックスの3名が取締役会に名を連ねるベクテル所有のプライベート・インベストメント・ファーム、フリーモント・グループの取締役にも就任しており、ベクテル・グループの陰の総裁である。また古くからベクテル・グループと関係の深いJ・P・モルガンの取締役、そして現在のJPモルガン・チェース国際委員会会長として、メンバーであるキッシンジャー元国務長官やデビッド・ロックフェラー元チェース・マンハッタン銀行会長を率いる立場にある。
世界的な建設業界の不況が続く中で、ベクテル・グループも業績が安定しているとは言えない。ベクテル社副社長であったキャスパー・ワインバーガー元国防長官が会長を務める『フォーブス』誌の非公開企業の売上高ランキングでは、1999年の売上151億ドル(全米5位)をピークに2001年には134億ドル(全米6位)と低迷している。ここにイラク戦争を利用せざるを得なかった要因のひとつがある。
世界的な論調として、ベクテル・グループやチェイニー副大統領が会長を務めたハリバートンのイラク利権に関わる記事が溢れているが、2社が手にする利益は氷山の一角に過ぎず、マンダレー・ロッジやマンダレー・ロッジ以外のボヘミアン・クラブ・メンバーの経歴に記された企業名と戦後復興事業との関わりを調べていけば興味深いことがわかる。
日本でも知人の多いマイケル・H・アーマコスト元駐日米国大使は穀物メジャーであるカーギルの取締役である。
ベクテル・グループと同様にカーギルも非公開企業のため詳しい業績は入手できないが、『フォーブス』誌の非公開企業売上高ランキングでは20年近く首位の座を守っており、2001年の売上高は508億ドルでベクテルとの差は歴然としている。そして、このカーギルと関係の深い企業に、成長神話に陰りの見えてきたマクドナルドがある。現在のマクドナルドはイラク進出に向けて本格的に動き始めており、海外メディアでは04年中にもバクダッドに1号店がオープンするとの報道もある。日本同様にイラクにマクドナルドの店舗を象徴する「M」の看板が立ち並ぶ日が来るのだろうか。
なお、フレデリック・N・ブレイディ元財務長官とピーター・M・フラニガン元大統領補佐官の関係するディロン・リードは、名門投資銀行として多くの政府高官を輩出し、古くはアイゼンハワー政権(共和党)で国務次官、ケネディ、ジョンソン政権(民主党)で財務長官を務めたダグラス・ディロンも会長を務めていた。しかし、1980年代に入って、トラベラーズに買収され、81年にはベクテル・グループの投資子会社セクオイア・ベンチャーズ傘下となり、91年にはベアリングの資本参加を受け入れる。97年6月にはスイス銀行の投資部門であるSBCウォーバーグに買収され、社名をSBCウォーバーグ・ディロン・リードに変更するが、同年12月には親会社であるスイス銀行がスイス・ユニオン銀行(USB)と対等合併し、ユナイテッド・バンク・オブ・スイス(新UBS)となり、UBSの投資子会社としてウォーバーグ・ディロン・リードに再び社名変更される。
つまり、かつての名門投資銀行ディロン・リードは、度重なる買収の標的にされ、社名変更を繰り返しながら、現在はスイス最大の銀行UBSの傘下にある。
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以上です。
最後は話がずれてしまいましたが、その辺はご勘弁を。
ついでに、
ブッシュ政権は、ロッキード・マーティンやノースロップ・グラマン、レイセオン、ボーイングなどの国防企業と、ランド研究所、戦略国際問題研究所、アメリカン・エンタープライズ研究所、ネオコン系の「新しいアメリカの世紀のためのプロジェクト」、CSP、国家公共政策研究所、そしてネオコンとイスラエルをつなぐ軍事系の国家安全保障問題ユダヤ研究所などのシンクタンクと回転ドアで繋がる強固な軍産インナー・サークルを構成している。
そんなブッシュ政権の軍産インナー・サークルが一体となって推し進めてきたのがミサイル防衛システムである。
http://plaza.rakuten.co.jp/heat666/diary/200410130000/
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