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穀物価格の高騰 相場水準底上げ、新たな段階に
世界有数の穀倉地帯である米国中西部の大干魃(かんばつ)で、今夏以降、世界の穀物価格が高騰した。トウモロコシや大豆は過去最高値を更新。最近は一時期より下落したものの、なお高値圏だ。食品の原料や畜産飼料など幅広い用途がある穀物の価格は、日々の暮らしと密接に絡む。ただ、その値動きは天候異変という短期的要因だけで決まるわけではない。中長期的にみても穀物は高騰する傾向を強めているという。その背景は何なのか。
■2000年代半ばから
今年に入ってからの穀物相場の動きをみると、大豆は年初から価格が高騰していた。南米での乾燥が響き、一大生産地のブラジルやアルゼンチンで大幅減産となったためだ。ただ、トウモロコシや小麦の価格は当初、比較的安定していた。
そんな状況が一変したのは、米国の干魃が顕在化し、穀物の作柄が悪化した6月以降のことだ。米国はトウモロコシや大豆の生産で世界の3〜4割を占める。大幅な収穫減となる影響は極めて大きく、価格は急騰した。米国以外でもロシアやウクライナなどが高温・乾燥に見舞われ、小麦の価格が上昇した。
では、中長期的に穀物相場をみるとどうなのか。もちろん、これまでも穀物相場は変動を繰り返しており、最近では2008年の食糧危機時の価格高騰も記憶に新しい。ここ数年は、世界的な金融緩和であふれた投機マネーが穀物市場に流入し、価格の乱高下も激しい。
見逃せないのは、00年代半ばから相場が全般的に押し上げられていることだ。資源・食糧問題研究所の柴田明夫代表は「需給構造が変化し、新しい需要と供給の均衡価格が模索されている。価格は中長期的に上ぶれしやすい状況だ」とした上で、世界の穀物相場は「新たなステージに入った」と指摘している。
■「爆食」中国の存在感
需給構造の変化を具体的にみると、需要面では、世界的な人口増で穀物消費が拡大したことがやはり大きい。特筆すべきことは、新興国の動きだ。例えば大豆は「爆食」ともいわれる中国の国際的な存在感が一段と高まっている。
中国は食糧安全保障上、最大の輸出国である米国に依存したくないトウモロコシのほか、主食のコメや小麦については自給を目指している。だが、大豆については海外に頼っている。この10年間で輸入量は3倍近くも増加。世界の大豆貿易に占める中国の輸入量は6割を占める。経済発展に伴う所得増加で食生活が改善し、大豆を原料とする食用油や飼料用の需要が増えていることがその背景にある。
バイオ燃料エタノールの需要が増えたことも大きい。米国ではトウモロコシ由来のエタノールをガソリンに一定割合混合することを義務づけており、米国のトウモロコシ生産の約4割がエタノール向けという状況だ。
一方、供給面では、干魃や洪水の発生頻度が高まっていることが大きな問題だ。ロシアでは2年前、猛暑による干魃で小麦生産に深刻な被害が出たため、小麦の輸出を禁止したが、生産国による禁輸や輸入国の買い占めが起これば需給はさらに逼迫(ひっぱく)する。工業化が進む新興国で農業用水の確保が難しくなってきたことも供給面の懸念材料だ。
こうした需給の変化に乗じて投機マネーが相場を動かしているのが現在の姿だ。
■天候異変なくても...
では、今後の相場はどうなるのか。短期的には「南米で今の時期から始まる大豆の作付けが焦点」(三井物産穀物物流部)だ。今年は天候異変の原因となるエルニーニョ現象が発生しており、作付けがうまくいかなければ大豆相場が一段と上がる恐れがある。
日米欧の金融当局が今月以降、相次いで実施した金融緩和策の影響にも留意する必要がある。現状では直接的な影響はそれほどみられていないというが、「今後、投機マネーがさらに商品先物市場に入ってくると、その動き次第で穀物相場が上がる可能性がある」(同)とみられている。
一方、中長期的にみても価格高騰はしばらく続くとの見方は多い。かつて穀物1ブッシェル当たりの平均価格は「大豆5ドル、小麦3ドル、トウモロコシ2ドル」とされた。それが今では3倍以上の値をつけるまでになったが、柴田氏は少なくとも4倍くらいになるとみている。天候異変とは関係なく「10年代半ばごろまでは穀物高騰の傾向が続く」というのが柴田氏の見立てだ。
日本では、最近の急激な円高が穀物輸入の割高感を和らげてきた面もある。だが、為替相場が円安へと急反転すれば、穀物高騰の影響はこれまで以上に深刻になる。穀物を海外に頼り切る日本にとっては死活問題となりかねない。【産経ニュース 07:56】
記事の最後のあるように、円高が輸入価格を抑え、比較的安価で食品も流通しているが、
一転円安となれば、私たちの食卓を直撃することになる。
中長期的にも穀物を中心とした食料価格が高騰する需給構造にもあり、
いずれ近い将来、円安どころか超円安、そしてハイパーインフレが襲い来る
事態となれば、私たちは食いつなぐことだけでも精一杯の生活へとおとしめられ、飢餓にあえぐ人々が溢れてこよう...。
http://eagle-hit.com/a/post-3783.html
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