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モンタナ・ジョー マフィアになった日本人 村上早人
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投稿者 五月晴郎 日時 2012 年 10 月 26 日 22:47:01: ulZUCBWYQe7Lk
 

大分県出身でアメリカへ移民した宣教師・衛藤衛の長男としてカリフォルニア州ストックトンで生まれる。14歳のときに父親と喧嘩をして家を飛び出し、2度と帰らなかった。その後、サンフランシスコなどに行き、いかさま賭博をしながら生活する。

1941年12月7日に太平洋戦争が始まると、日系人の強制収容命令によりアイダホ州のミニドカ収容センターに収容される。1942年には第442連隊戦闘団に志願して戦地へ行く。激戦をくぐり抜けた後アメリカに帰国。

1940年代にリトル・イタリーの賭博場で働くが、ある日、レイモンド・パトリアルカの部下から賭博パーティーでのディーラーの依頼を受ける。パーティーの後でカルロ・ガンビーノと会う機会があり、数日後ガンビーノ邸へ行き、そこでシカゴ・マフィアの大物ジョゼフ・アイウッパを紹介され、1950年2月にシカゴへ向かう。そこで、ヘンズ・マガディーノの指示に従いノースクラーク・ストリートの日本人街にポーカー・ゲームの賭博場を開く。ジョーの合理的なカジノ経営に加え、パトリアルカやアイウッパといった大物ボスの後ろ盾もあり、縄張りを拡大していった。ジョーは血統や人種に関係なく信頼がおける者は組織に加えていった。

この頃、ジョーはアイルランド系のシャノンというシンガーとアイウッパの誕生日パーティーで出会い、1951年に結婚した。

1953年にジョー率いるモンタナ・ファミリーはイタリア人が経営するスパゲティ・ハウスの地下に全米で開催される競馬のノミ屋を開いた。しかし、この賭博場はジェス・バンディーノの賭博場の近くでバンディーノを刺激することとなり、バンディーノ・ファミリーとの抗争が始まった。抗争を続けながらも3,4年で縄張りを約2倍に広げていった。1957年夏に仲間が暗殺されたため、ジョーはシカゴの大ボスのアイウッパに会い、バンディーノに困っていると伝えると、数週間後、バンディーノが突然いなくなり2度と現れなくなった。

バンディーノ・ファミリーという宿敵がいなくなった1960年代に勢力を伸ばし賭博ネットワークはシカゴ北地区全域を覆うほどになっていた。ジョー自身はマフィア上層部の会議に出席するほどの幹部へと出世した。1960年代半ばには活動拠点をラスベガスにも持つようになる。1970年代後半には秘密の賭博場を数十件所有し、レストランやナイトクラブの経営、不動産にも着手していた。

1980年8月にシカゴ郊外のメルローズパークのホテルで不法賭博を開帳中にFBIの手入れを受け逮捕され有罪になった。ついで1982年5月にモンテというカード賭博を開帳中に警察に踏み込まれクック郡大陪審によって起訴された。ジョーは1983年1月19日にシカゴ連邦地裁で有罪判決を受けた。保釈中だった2月10日にカポレジームでシカゴ北部のボス・ヴィンセント・ソラノ(Vincent Solano)から食事に誘われる。約束の場所にいくとソラノの2人の部下が待っていて銃で撃たれる。ジョーは軽傷ですんだが、自分と妻のシャノンの身を守るため当局にマフィアのことを告白する。ちなみに、ソラノの2人の部下は襲撃の5ヶ月後、絞殺体となって発見された。

1983年4月、当局への協力で刑が軽減されたのか、ジョーは不法賭博開帳の罪で5年の保護観察処分となった。FBIの証人保護プログラムによりアメリカ政府公認の匿名の存在となり、連邦保安官による最高度の警護を24時間態勢で受け、誰も知らない場所で暮らすことになる。1985年4月22日に大統領諮問委員会がシカゴで開いた公聴会に証人として呼ばれた。公聴会では自分の姿を隠すため目の部分をくり抜いた黒い頭巾をかぶり、黒のマントで全身を覆っていた。その際、自身が命を狙われた理由について「自分がイタリア人ではなかったから」と述べている。この公聴会の後、ジョーが公の場に現れることはなかった。その後のジョーの証言によって当時のシカゴ・マフィアは次々に摘発され、壊滅状態に追いやられた。なお、この事件は読売新聞シカゴ支局より東京本社へ送られて「日本人のマフィア」として記事になっている。

1992年2月16日、ジョーの父・衛は109歳で死去。訃報はロスの日本語新聞で伝えられたが、そこには喪主としてジョーの名があった。しかし、葬儀ではジョーの姿は確認できなかったという。

2004年1月23日、ジョーはジョージア州で死去したと報じられた。晩年は、アトランタ・ブレーブスの試合を観戦したり、釣りをするなど穏やかであったという。

2006年秋、下記の村上早人の著書を原作とした映画『モンタナ・ジョー』が製作開始。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%8A%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%BC

イタリア系の純血を重んじる

イタリアン・マフィアの世界で、

日本人(日系2世)として唯一人、

自らのファミリーを持ち

大幹部に登り詰めた男。

モンタナ・ジョーこと本名・衛藤健(えとう けん)。

彼とそのファミリーの壮絶な物語。

事実を淡々と描くのではなく

物語として書かれていますので、

とても読みやすく

波乱万丈な人生に引き込まれる一冊です。

モンタナ・ジョーこと衛藤健は、

日本からアメリカへと移住した

日本人の両親・衛藤衛(えとう まもる)とキクの間に、

1919年カリフォルニア州ストックトンに

長男として生を受ける。

14歳の時に父と喧嘩をし、

家を飛び出し二度と家に戻ることはなかった・・・。

モンタナ・ジョーはその後、

イカサマのテクニックと巧みな話術を磨き、

すご腕のギャンブラーとして

生計を立てるようになっていく。

そして戦争もアメリカ軍の日系2世部隊として体験する。

戦後、賭博場のディーラーとして名を上げたモンタナ・ジョーの名は、

イタリアン・マフィアの耳にも届くようになり、

ディーラーとしての腕を見込まれ

マフィアの世界で生きていくことになる。

モンタナ・ジョーをファミリーの一員として迎え入れた人物は、

後年「ゴッド・ファーザー」のモデルになったカルロ・ガンビーノです。

この本には有名所のマフィアの紹介が随所にあり、

アメリカにおけるマフィアの歴史についても書かれています。

当時の暗黒街の犯罪メニューという16種の価格表も載っています。

例えば・・・

○あごの骨を叩き折る〜50ドル、

○足を撃つ〜400ドル、

○殺す〜700ドル、

なんとも凄い価格表だ・・・。

マフィアになり30年を過ぎ、

モンタナ・ジョーはついに

不法賭博で有罪判決を受けます。

そして巻頭の写真の説明にもありますが、

保釈中の1983年2月、

組織による口封じのため

至近距離から後頭部に3発の銃弾を受けます。

しかし奇跡的に助かり、

司法取引をしてFBIの証人保護下に入ります。

著者の村上早人(むらかみ はやと)さんが、

なぜモンタナ・ジョーの本を書くことになったのか・・・

村上さんがモンタナ・ジョーを初めて見たのは、

アメリカ・シカゴに密航していた1958年12月。

ちょっとした偶然から、

モンタナ・ジョーの経営する店で掃除係として働く。

日本に強制送還されるまでの半年間ではあったが、

モンタナ・ファミリーに可愛がられた村上さん。

それから30年間近くもの長い間、

モンタナ・ジョーを忘れることができずにいた村上さんは、

アメリカに戻り彼の足跡を辿り

関係者に取材して回り、

この本を書き上げます。

アメリカでの貧しい生活、

そして差別や排斥の中で生まれ育った

隠された日本人移民の歴史。

あとがきで村上さんは、

この本のテーマは”家族”だと書いています。

(以下略)

http://pub.ne.jp/honey_white/?entry_id=3590314  

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