http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/685.html
Tweet |
(書評)「満州国の遺産―歪められた日本近代史の精神」
黄 文雄 (著)
http://www.amazon.co.jp/%E6%BA%80%E5%B7%9E%E5%9B%BD%E3%81%AE%E9%81%BA%E7%94%A3%E2%80%95%E6%AD%AA%E3%82%81%E3%82%89%E3%82%8C%E3%81%9F%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%BF%91%E4%BB%A3%E5%8F%B2%E3%81%AE%E7%B2%BE%E7%A5%9E-%E9%BB%84-%E6%96%87%E9%9B%84/dp/433497306X/ref=cm_cr-mr-title
10 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
或るロシア人歴史家の言葉−−「対日参戦で、ロシアは大きな国益を失った」 2006/8/13
By 西岡昌紀
7、8年前の事であるが、日本の現代史を専門とする、或るロシア人の歴史研究者が、第二次世界大戦に関する彼の見解として、こんな事を言ふのを聞いた事が有る。私の記憶に基いて、彼の考えをそのまま書くので、驚かないで、読んで欲しい。−−「私は、ロシア(ソ連)が、日本に宣戦した事は、ロシア(ソ連)の国益を損なふ選択だったと思ひます。スターリンは、戦後、中国が経済的に発展すると考え、戦後のパートナーとして、中国を重視した為に、日本に宣戦し、満州を中国に与えたのだと思ひます。しかし、中国は、戦後、発展しなかった。それに対して、日本は、経済的に大発展した。ところが、スターリンが日本に宣戦した為に、戦後半世紀、ロシア(ソ連)と日本の関係は悪く、その結果、ロシア(ソ連)は、大きく国益を損なひました。私は、ロシア(ソ連)の国益と言ふ立場から、スターリンの決断(日本に対する宣戦)は、誤りだったと考えます。」−−幾分つたない日本語でこう語ったこのロシア人の言葉に、私は、目から鱗(うろこ)が落ちる思ひがした。彼のこの言葉を、別の視点から解釈すれば、ソ連は、満州で日本人を殺戮し、多くの日本人をシベリアに連れて行きながら、何も得なかったと言ふ事だろう。当のロシア人が、こんな事を言ひ出して居るのである。それなのに、戦後61年が経って、今だに、満州国の歴史的意味を理解出来無い日本人が数多く居る事を、私は、情けなく思ふ。−−上のロシア人歴史家の言葉は、見方を変えれば、ロシアにとって、満州の地政学的重要性は、変はって居ないと言ふ事でもある。−−私は、近い将来、満州問題は、ロシアを軸に、再燃すると思ふ。
(西岡昌紀・内科医/戦後61年目の夏に)
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。