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(書評)
ドイツを焼いた戦略爆撃 1940-1945 [単行本]
イェルク・フリードリヒ (著), 香月 恵里 (翻訳)
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E3%82%92%E7%84%BC%E3%81%84%E3%81%9F%E6%88%A6%E7%95%A5%E7%88%86%E6%92%83-1940-1945-%E3%82%A4%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%92/dp/4622075512/ref=cm_cr-mr-title
5つ星のうち 5.0
日本人には、この本を読む義務が有る。, 2012/2/13
By 西岡昌紀 -(2012年2月13日)
私の母は、東京大空襲(1945年3月10日)の生き残りである。空襲の中、飼って居た犬と生き別れに成った事を、母は、戦後もずっと悲しみ続けて居た。だが、母の家族は、誰ひとりとして、あの空襲の中で命を落とさなかった。それを思へば、母は、何と幸運だったのだろうと、思はざるを得ない。だが、毎年、3月10日が来ると、私は、あの夜、燃え盛る火の中で命を落とした人々と動物たちの事を思はずには居ない。
そんな日本の一般市民の戦争体験をドイツ人達が、いかに熱い眼差しで見つめて来たかを、日本人は知らない。毎年8月が来ると、ドイツの週刊誌が、広島と長崎を取り上げる特集記事のページ数には驚くべき物が有る。又、ドイツのテレビ局が制作した広島を舞台にしたドラマを偶然目にして、ドイツ人が、日本人の戦争体験にどれほど熱い視線を注いで居るかに驚かされた事も有った。それに対して、私たち日本人は、大戦中、ドイツの民衆が体験した悲惨について、どれだけ知って居るだろうか?
この本は、そのドイツの民衆が体験した連合軍によるドイツへの無差別爆撃をドイツ人歴史家が詳述した驚くべき一書である。ドイツには、戦後、あの大戦について、私たち日本人が享受して来た様な言論の自由は存在しなかった。1990年代に、アメリカのユダヤ系ジャーナリスト、ジョン・サック氏が、戦後ポーランドにおける残留ドイツ人の悲惨な運命を調査し、発表した本(John Sack “An Eye for an Eye”(「目には目を」本邦未訳))も、何と、ドイツでは発禁扱ひに成った様に、戦後、ドイツにおいては、ドイツ人が体験した戦争被害を語る事は、法律と自主規制によって、厳しく抑圧されて来たのである。ところが、その厳しい言論規制が続いて来たドイツにおいて、2002年に出版され、ベストセラーに成ったのが、本書である。500ページに近い大著であるが、私は、日本人には、この本を読む義務が有ると思ふ。それが、私たち日本人が体験したあの戦争中の出来事に対してドイツ人が戦後注ぎ続けて来た眼差しに対する、私達の返礼だと思ふからである。特に、若い日本人に、この本を薦める。
(西岡昌紀・内科医/ドレスデン爆撃から67年目の夜に)
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