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株式日記と経済展望
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日本は一夜にして「軍事弱国」になり、米国は、日本の行うありと
あらゆる国際政策に対し、なんだかんだと難癖をつけるようになります。
2011年6月13日 月曜日
◆航空戦艦「伊勢」と「日向」の物語 2月6日 ねずきちのひとりごと
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そして世界はまさに「力」が支配していた時代です。
「力」の強い欧米列強は、「力」を持たない黄色人種や黒人を支配し収奪し、国家ごと植民地として支配下に置いていた、そういう時代です。
植民地支配された有色人種には、もはや「人権」はありません。
殺されても収奪されても文句をいうことはできない。
そして植民地からの奪うことが、欧米列強の「富」の源泉であり、彼らの「力」をますます強大なものとしていた。そういう時代です。
そんな中で、明治維新後、国力を増した日本は、明治38(1905)年、日本海海戦において、世界最強と言われたロシアのバルチック艦隊を撃破します。
これによって日本は、黄色人種としては唯一、世界の三大強国の仲間入りをすることになった。
つまり、世界の三大強国は、日、英、米の三カ国となったのです。
そして日本は、有色人種唯一の、白人支配に対抗できる強国として、世界の期待を一身に担う国家となった。
実際には、日露戦争は辛勝であり、戦争に勝利したとはいってもロシアからの賠償金はもらえず、国家財政は極めて厳しい状況に置かれていたのだけれど、白人支配に苦しめられている国々からみたら、日本は、まさに夢のような武士の国、であったわけです。
しかもその日本は、世界最強の植民地国家である大英帝国と同盟関係にあった。
つまり、世界から見れば、世界第一位の強国と、それに並ぶ強国の2カ国が同盟関係にあったことになる。
これは、のちのちの世でいえば、全盛期のソ連と冷戦時代のアメリカが、同盟国となったようなものです。
この同盟に勝てる国は、世界広しといえども、どこにもない。(中略)
日本おそるに足らずと見た米国は、大正11(1922)年に、米国の首都ワシントンで軍縮会議開催を呼びかけます。
そして、日、英、米の保有艦の総排水比率を、3:5:5と決めてしまいます。
しかもこの会議に出席した日本政府の代表は、これで軍事予算を軽減できて財政が潤った、世界が軍縮に向かって、良かったよかった、と小躍りして喜んだ。
しかも、なんと、陛下の勅許さえ得ないで独断でこれを決めてきてしまった。
こういうことは、幕末に井伊直弼が、天皇の勅許を待たずに独断で日米和親条約を締結し、その結果、日本の金(gold)が大量に米国に流出し、日本から金(gold)がなくなってしまったのと同じで、とかく日本の政府が陛下を軽んじると、のちろくなことが起こらない。
日本国内では、政府の勝手なワシントン条約批准に、これは陛下の統帥権を干犯した大問題である、との抗議運動が起こって内政は大混乱します。
かたや世界では、日本がこの条約を飲むやいなや、翌年8月には日英同盟が失効してしまう。継続は、なしです。
変わって米英が同盟国となった。
つまり、世界の三強国(日、英、米)は、それまでの、
(日5+英5)対、米5
という関係だったものが、なんと一夜にして、
日3、対(英5+米5)
という、状態になったのです。
軍事バランスが変わった。
米英の10に対して、日本3では勝ち目がありません。
それまでの米英日の軍事バランスは、これで完全に崩れ去ったのです。
日本は一夜にして「軍事弱国」になってしまったのです。
こうなると、あとは日本の力を削ぐだけです。
米国は、日本の行うありとあらゆる国際政策に対し、なんだかんだと難癖をつけるようになります。
そしてついには、中国内にいる不良武装集団である軍閥に、英国と手を組んで武器弾薬や糧食を裏から渡し、外地にいる日本人を殺害したり、拉致したり、日本人婦女を強姦したりと、あくどい戦争挑発行為を行いはじめます。
そしてついには、日本に対してハルノートを突き付け、日本が戦争に踏み切らざるを得ないように挑発した。
要するに、日本が支那事変や大東亜戦争に向かわざるを得なくなったその遠因を手繰り寄せれば、それは、英国が「トレッドノート」を建艦し、日本が扶桑級4隻の軍艦建造を「財政上の理由」から「渋った」ことが、遠因である、ということです。
こうした切り口での解説には、保守系の方でも、詳しい方なら詳しい方ほど、いろいろなご説はあろうかと思います。
けれども、国際情勢の中で、やるべきときにはやらなければならないこと、いかに財政上の苦労があろうが、軍事バランスを常に「強者」に置いておく努力がなければ、国家は他国に軽んじられるのだ、という事実は、ちゃんと記憶しておく必要があるものと思います。
軍隊というものは、戦争をするためのものではありません。
軍隊は、戦争を未然に防ぐのが、最大の役割なのです。
そこを間違えると、財政上の理由でケチった何百倍ものツケを払うことになり、国の経済は傾き、国民の生命も財産も失うハメになる。
これが現実となったのが、大正2年の軍艦建造反対の国会の動きだったのです。(後略)
(私のコメント)
戦前においては日米英が三大軍事大国であり、ドイツやロシアが軍事大国といっても大陸国であり、海軍力は小さかった。当時は戦略爆撃機も戦略ミサイルも実用化されていなかったから、戦艦こそが勝敗を決める切り札だった。大正時代の頃は英国が世界最大の海軍国家であり、日英同盟によって二大海軍国家が同盟を組んでいた。それに一番脅威を感じていたのが国力を増して来たアメリカであり、日英同盟の解消を図るのは当然の動きだろう。
現在の英国も日本も、かつての面影はありませんが、アメリカが仕掛けた日英同盟解消が原因と言えるのではないだろうか? アメリカから見れば、英国が弱体であればヨーロッパでアメリカの影響力が大きくなれるし、日本が弱体化すればアメリカはアジアで好き勝手なことが出来る。アメリカが世界覇権を取れたのも第二次世界大戦で日英両国が弱体化したためだ。
このアメリカからの視点に立てば、日本が経済大国になり軍事大国になる事は、アメリカのアジアにおける利権を失うことになるから好ましくない。中国市場を独占するには日本を徹底的に弱体化しなければならないとアメリカの戦略家が考えてもおかしくはない。ブレジンスキーやキッシンジャーがそうですが、ソ連の共産主義が猛威を振るっていた頃は、アメリカは日本や英国を援助してソ連と対抗しようとした。
ソ連から見れば、日本と英国の存在は海への出口を塞がれる事であり、中国から見ても日本の存在は海への出口を塞ぐことでは同じ戦略的な価値を持つ。しかし中国の海軍力は今のところアメリカにとっては取るに足らないから、日本を弱体化したままでもいいのだろう。つまりアメリカが世界の覇権国家として強大である内は英国や日本は弱体化させておかなければならない。それがアメリカの戦略だ。
株式日記には、英国の読者もいるようですが、英国人はこのようなアメリカの戦略が分かっているのだろうか? 英国は日本と手を切りアメリカと手を組むことでアメリカの術中にはまり、ドイツ人の反英意識をくすぐって二度にわたる世界大戦を仕掛けさせた。アメリカはアジアに対しても中国人の反日意識をくすぐって、トラブルをけしかけて日中戦争を起こさせた。
このようにアメリカは、ヨーロッパやアジアに戦争を起こさせることが戦略であり、英国や日本を弱体化させて西ヨーロッパや東アジアの支配力を強めた。アメリカは敵の敵と手を組むことで勝利してきましたが、敵の敵とはドイツであり中国だ。英国にとってはドイツが目の前の脅威であり、二度の世界大戦によって大英帝国はただの英国になった。日本も中国が一番の脅威であり、中国に深入りしすぎて後ろからアメリカにばっさりとやられた。
日本も英国も、アメリカに対しては死んだ振り戦略で、アメリカの好きなようにさせておくしか手はないのであり、ロシアや中国と直接対峙させてアメリカ人に真の味方はどちらかを見極めさせることが大事だろう。地政学的に見ても強大な海軍力を持つ条件を持っているのは日本と英国とアメリカだけであり、ロシアも中国もドイツも強大な海軍力を持てても陸軍力も強化しないと国家が維持できない。
昨日はアメリカの経済危機について書きましたが、経済力が弱体化すれば金のかかる海軍力も削減しなければなりません。原子力空母は金食い虫であり一隻につき建造費が5000億円で年間400億円も維持費用がかかる。それを11隻も運用しているのだから軍事予算も巨額になる。しかし国債をデフォルトするとアメリカ国債を買う人がいなくなり、国家予算も組めなくなる。
ソ連の崩壊はCIAも予知することが出来ないほど急速な出来事であり、アメリカの崩壊も予知することが出来ないほど急速に進むかもしれない。そうなると世界の警察官がいない状態となり、世界の海は海賊や国籍不明の潜水艦が出没して海上交通は遮断される。日本も自前で中東のオイルル−トを維持しなければなりませんが、アメリカに任せっぱなしだ。日本は死んだ振りをしていなければならないからそうなる。
アメリカはドイツを援助することで英国を弱体化させ、中国と手を組んで日本を敗北させた。英国や日本国内にはアメリカの軍事基地が出来て日英は死んだも同然となった。日本も英国も島国だから死んだふりも出来ますが、アメリカの基本戦略は、英国と欧州大陸を対立させ、日本と中国と対立させることにある。以前にもバランスオブパワー戦略を書いた事がありますが、アメリカの衰退化するにつれて戦略を変えてくる必要があるだろう。
中国やロシアが強大化して海軍力を増強してくればアメリカにとっても脅威となりアメリカ一国では対抗できない状況になるかもしれない。アメリカの西海岸や東海岸にロシアや中国の潜水艦が出没するようになればアメリカは北アメリカ大陸に封じ込められることになる。同盟国である英国や日本は頼りにならず英国は本当に死んでしまうかもしれない。だから分裂してスコットランドも独立しようとしている。
このようになった始まりは、大正時代のアメリカの日英同盟に対する脅威であり、日英の二大海軍国に挟まれる事はアメリカが封じ込められる可能性があった。ワシントン条約の締結と日英同盟の解消はアメリカ外交の成果であり、大英帝国の没落の始まりでもあった。日英同盟の解消が英国のアジアの植民地を失う結果となりアメリカがその後のアジア市場を獲得した。中国の共産化は誤算だったが日本を一時的に強化してソ連崩壊に繋げて中国の市場開放化を促した。
オバマ大統領は「米中関係が世界のどの2国間関係より重要」と演説しましたが、90年代から米中は「戦略的パートナー」と言われてきた。ソ連が既に崩壊しているのだから共通の敵は日本しかないのであり、日本に対しては1ドル=80円の円高にする反面では中国に対しては人民元安を認めて日本を弱体化することに成功した。1921年のワシントン条約の戦略が90年後の今でもアメリカの戦略として息づいているのだ。
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