10. 2011年3月19日 13:12:18: MiKEdq2F3Q
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Q 放射線の単位・シーベルト(Sv)の意味がよくわかりません。
A シーベルトとは、放射線が人体に及ぼす影響を含めた線量です。
単位としては、シーベルト単独よりその1,000分の1を意味するミリシーベルト(mSv)、 100万分の1を意味するマイクロシーベルト(μSv)が通常よく使われます。 ※1ミリシーベルト(mSv)=1000マイクロシーベルト(μSv) _______
Q 放射線の強さは距離に関係ありますか? A 測定対象物から離れれば離れるほど、測定数値は小さくなります。 (およそ放射線量は距離の2乗に反比例します)
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Q放射線検知器では、1時間あたりの線量で表されており、1年間当たりの線量では表されていません。なぜですか? A私たちが日常浴びている放射線の量を表す場合、 "1年間あたりどれくらいか"で表すことが多いようです。 これは放射線の人体や環境への影響を考える時に便利なためです。
しかしながら、私たちは実際に1年間同じ場所にいることはないので(厳密には、同じ場所でも年間を通して放射線の強さが全く同じわけではありません)、一般に放射線測定では、その場所の放射線の強さを短時間で測る測定器にとって、年間の放射線量で表示することは余り適当ではありません。 このため、一般に用いられている放射線測定器(サーベイメータ等)は、1時間当りの線量、すなわち、マイクロシーベルト毎時(μSv/h)またはミリシーベルト毎時(mSv/h)で表示されているのです。 測定値を年間の値に換算するためには、[1年間の放射線量]=[測定値]×[8760時間(24時間×365日)]となります。 _______
Q私たちは、年間どれだけの自然放射線を受けているのですか? A大地や食物の中には、昔からラジウムやカリウムなどの天然の放射性物 質があり、それから絶えず放射線が出ています。また宇宙から地上に降りそそぐ放射線もあります。 この自然放射線は、世界平均で、1年間に2.4ミリシーベルト/(1人あたり)となっております
内訳:大地から0.46,食物から0.24,宇宙から0.38,空気中のラドンから1.3) この数値は、地質が地域によって異なるために、地域により差があります。 日本人の場合は最近の原子力安全研究協会の調査では一年間で1.5ミリシーベルトと報告されています。ちなみにブラジルのガラパリ市街地では10ミリシーベルト(年間)ほどあります。 _______
Q場所によって自然放射線はどれくらい違いがあるのですか? Aあくまで参考値ですが、
トンネルの中(約0.055μSv/h)、 市街地(大阪0.052μSv/h)、 タワー(0.040μSv/h)、 市街地(東京0.038μSv/h)、 海・河川(0.030μSv/h) あたりが計測されます。 _______
Q医療ではどのくらい放射線を浴びるものでしょう? A私たちは自然放射線以外に、医療のために放射線を受けることがあります。例えば、
胸部のエックス線コンピュータ断層撮影検査では約6.9ミリシーベルト、 胃のエックス線検診1回で約0.6ミリシーベルト で、平均すると日本では年間2ミリシーベルト程度の「医療被ばく」を受けています。 _______
Q放射線量が高くなる場合は一般的にどんな時ですか? A温泉水の中には、含まれている放射性物質の濃度が高い放射能温泉があります。 放射能温泉で高い値が測定されるのは、放射能温泉水の沈積物の上で測定した場合で、沈積物中に放射性物質(主としてラジウムやその壊れてできた放射性物質)が多く含まれている場合です。測定値は大小さまざまですが、高い場合は国内の温泉で通常の100倍位の値が測定されることがあります。
カリウム、ウラン、トリウムを含む放射性鉱物があるところでは測定値は高くなります。 しかし、日本ではこれらの鉱石はそれほど多く産出せず、また多くは地中にあって地上に露出している場合は少ないためあまり高い測定値は今までに寄せられておりません。 高い値でも0.5μSv/h程度です。 ジェット機内では宇宙線が強くなるために、数千メートル以上では高い値が測定されます。 この宇宙線の強さは緯度で異なりますが、 ジェット機内での測定値は高度1万メートルでは0.1〜0.35μSv/h位となります。 _______
Q放射線が人体へ影響するのはどのような形ですか? A放射線の人体への影響は下記3つに大別されます。
・表面汚染:体の表面に放射性物質が付着することで、そこから放射される放射線をあびることで障害がおきます。 ・内部被爆:放射性物質を呼吸時・飲食時に口や鼻からまた傷口等から体内に取り込んでしまうことにより体の内部から放射線をあびることにより起こります。(温泉等もこれの一種です) ・外部被爆:放射線を身体の外部から受けることで、この場合透過力の大きいX線、ガンマ線、中性子線は、身体組織全体に影響を与えますが、ベータ線は、透過力が小さいため、皮膚及び眼球への影響が主となります。 _______
Qどの程度の放射線を浴びると死亡しますか? A受ける量に応じて必ず起こる影響(確定的影響)、
1000ミリシーベルトの放射線を全身に一度に受けた場合、吐き気や倦怠感が出てきます。 3000ミリシーベルトの放射線を全身に一度に受けた場合、約半数の人が死亡。 7000ミリシーベルトの放射線を全身に一度に受けた場合、すべての人が死亡すると言われています。」 部分的な被爆の場合、3000ミリシーベルトで毛が抜け、5000ミリシーベルト皮膚に赤い斑点できます。
受ける量が多ければ発生する確率が高くなる影響(確率的影響)について述べますと、 200ミリシーベルト以上で放射線を受ける量が増えるとガンにかかり易くなることがわかっております。 ※200ミリシーベルト以下ですと、データに傾向が見られず、自然に発生するガンとは見分けがつきません。
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Q放射線はどれくらいまで浴びて大丈夫ですか? A相対的な安全を目標とし比較的安全の確保を保証する線量
国際放射線防護委員会(ICRP.1977年・1990年勧告)は、放射線被爆による線量限 度と言われる線量の上限値を定めています。 放射線を取り扱う職業人で5年間で100ミリシーベルト (年間平均で20ミリシーベルト、さらにどの1年についても50ミリシーベルトを越えてはならない) 一般の人で年間1ミリシーベルトまでとされています。 なお、この線量限度には、自然放射線による被ばくと医療行為による被ばくは含まれていません。 _______
Q原子力発電所等の災害対策はどうなっていますか? A国の原子力災害対策特別措置法では、
事故発生の初動体制(通報義務等)が生じる事態を 「施設の敷地境界付近の放射線量が1時間当たり5マイクロシーベルト」 と定めており、政府はこの時点で関係省庁連絡会議を開きます。しかしながら、北海道、宮城、滋賀、京都、愛媛、福井、島根などの地方自治体は、これより低い放射線レベル(0.15〜1マイクロシーベルト)で警戒配備などの初動体制を取り始めております。 _______ Qチェルノブィリ事故、JCOの事故では住民はどのくらい被ばくしたのですか? 広島・長崎の原爆は、どのくらいの線量だったのですか? A ・チェルノブイリ
住民の放射線量は放射線測定器を用いた測定結果などに基づき評価されており、主に30km圏内から避難した住民(11.6万人)が受けた放射線の量は、平均約33mSv(外部被ばく20mSv、内部被ばく13mSv)でした。 ・JCO
JCO施設周辺に住んでいる大部分の方が受けた放射線の量は、1ミリシーベルト未満でした。 最大の方でも21ミリシーベルトと評価されています。 ・広島原爆の場合、その線量は
爆心から500mの地点で約95シーベルト、 2kmの地点で約0.07シーベルトと推定されています。 _______
Q「放射能」とよく言いますが、「放射線」とは違うのですか? A「放射線」とは「電磁波や高速の粒子」のことで、「放射能」とは放射線を出す能力」のことです。
主に、前者は、人が受けた放射線影響の度合いを表す単位のシーベルトを使い、後者は、放射能の強さを表す単位のベクレルを使います。「放射能」と「放射線」の関係は、電球と光の関係によく似ています。 電球の光にあたるものが 「放射線」とすれば、電球自身は放射能を出す「放射性物質」さらに電球が持つ光を出す能力(性質)が「放射能」となります。 また、放射線物質が、「放射線」を出すと放射性物質の「放射能」が弱くなっていきます。 この放射能(放射線を出す能力)が半分になるまでの時間を「半減期」といいます。 _______
Qラジウムとラドンって何が違うのでしょうか? Aラジウムは、地底の中で天然の放射線を出している 放射性鉱石であり、固体です。
このラジウムがアルファ壊変によって生成されたガス体(気体元素)をラドンと呼んでいます。 http://www.sawadaya.org/geigerQ&A.htm 低レベル人工放射能の体内蓄積による肉体破壊
英国科学者がイギリスのセラフィールド使用済核燃料再処理施設周辺でのガン・小児白血病の発病率の観察をもとに、低レベル放射能の体内蓄積について警告している記事を紹介します。 「JANJAN:『ガンと放射能 英国科学者が警告 2007/05/18』(桐生広人) 」より引用。 イギリスの科学者は「人工放射能による被ばくとガン発生の関係は明らかで、ガンは環境病である」と警告する。
●ガンは放射能汚染がもたらす環境病
「環境中に放出された低レベル放射能の健康影響は、政府の容認レベルよりも数百倍大きい、いくつもの証拠がある」、とする本『Wolves of Water(水の狼)』が、3月に英国で出版された。 http://www.llrc.org/wolvesindex.htm 著者であるイギリスの科学者クリス・バスビー博士は、「人工放射能による被ばくとガン発生の関係は明らかで、ガンは環境病である。低レベルの放射能で起こる影響の存在を政府は商業利益を理由に隠し、真実を攻撃している」と言うのだ。
●放射能とガンの関係はだれでも知っている
博士は1993年、イギリスのドーンレイ、セラフィールドの使用済核燃料再処理施設等の周辺でガン、特にセラフィールドのシースケールで高い小児白血病の発病率が観察された事から、これらの原因は核施設からの放射能である事を突き止めていた。
セラフィールド周辺のプルトニウムを含む放射能の環境汚染はよく知られており、高いガンの発病率も観察されたが、「白血病やガンを引き起こす放射能レベルからすると汚染のレベルはあまりに低い」、として保健当局は放射能が原因とする住民の主張を拒んできた。 ●子供たちのガンの高率な異常発生
しかしながら、2004年にセラフィールドから南に140km離れた、北ウェールズの海岸沿いに住む子供たちにガンの高率な異常発生があるとする、地元のローカルテレビ局HTVの番組をウェールズS4Cが放送した。 <中略>
●低レベル放射能の体内蓄積が白血病を起こす
実際、英国食品基準庁による放射能測定では、プルトニウム、セシウム、ストロンチウムなどが海岸の泥から検出され、これらの放射能はセラフィールドから来たことがわかっているが、そのレベルは非常に低い。
低い放射能レベルとガンの関係について、「波しぶきに含まれた放射能が風に乗り、人がそれを吸入して体内で濃縮する。わずかな放射能でも細胞の被ばくは大きく、特に小児は大きな影響を受ける」からだとバスビー博士は説明する。 ●放射能の影響は政府の容認レベルよりもかなり大きい
ウエールズの保健当局は過剰な白血病発病率を認めたものの、一時的な現象としてその重大性と放射能との関係を否定した。
これに対しバスビー博士は、当局の疫学研究には信じ難い間違いがあり、住民数を過剰に仮定し発病率を過小評価していると批判した。そして、放射能とガンとの関係を覆い隠す組織的な企みがあり、このたくらみが一般社会の「小児白血病は放射能が原因」という認識に対して、原子力産業を管理する公的機関がその関係性を否定する大きな原因となっている、と指摘する。 http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=156430 http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=156443 汚染される海と空と、そして人! 原発周辺の海域で、ウインドサーフィンに興じる若者たち。 浜岡原発で事故が発生した場合には、特に地盤の弱さが指摘されている5号機1基だけで、300万人近いガン患者が生み出されると想定されている。そして、避難を強いられる人の数は3千万人に及ぶとも、3500万人に及ぶとも考えられている。しかし、事故によって多量の放射能が我々が暮らす社会に放出される以外にも、日常的に放射能はばら撒かれていて、原発周辺で暮らす者は絶えず吸い込んでいるのである。最近、環境中に放出された低レベル放射能の影響が問題視されている。その量はごく微量であり、人体や環境への悪影響はないと中電や静岡県がいくら説明しても、実際に影響がないわけがなかった。 3、4年ほど前に、イギリスの科学者クリス・バスビー博士は、「人口放射能による被ばくとガン発生の関係は明らかで、ガンは環境病である。低レベルの放射能で起こる影響の存在を政府は商業利益を理由に隠し、真実を攻撃している」と警告している。環境中に放出された低レベル放射能の人体への影響、健康への影響とはどのようなものなのだろうか? 中部電力は地域の住民に対して、「浜岡原発は放射能をいっさい排出していません。だから、ご安心ください」と事実の隠蔽に終始してきたが、排気塔から日常的に低レベルの放射能を排出しているのを、最近ではほとんどの住民が知っている。原発のある町で生活している住民がもっとも知りたがっているのは、低レベル放射能が人体に及ぼす影響とはどの程度のものなのか、まさにこのことではないだろうか。 「JanJanニュース」では、海外の住民被害の例をいくつか紹介していた。その一つの例として、イギリス第二の都市、バーミンガムの西約200キロに位置するスノードニア国立公園内にある原発のことが詳しく書かれていた。その原発は、北ウエールズ地方のスノードニア国立公園内にあるトローズネイズ湖のほとりに建っており、1965年の操業以来、運転に必要な冷却水に湖の水を使ってきた。イギリス国内の、その他の原発は日本同様に海岸線に建てられていて、唯一、内陸部に建てられ湖に冷却水を捨て続けてきた原発であった。 2006年、湖周辺で暮らす住民が異常に多くガンになった疑惑がテレビ局の調査で明らかにされた。たとえ放射能の排出は行なわれていても、海に捨てていればよほどのことがない限り国民に知られることはない。しかし、湖という限定された区域内に排出し続けたため拡散することはなく、おびただしい量の放射能を湖の泥土の中に蓄積することとなったのだ。 老朽化と国立公園内にあることを理由に、1991年に運転を停止したトローズネイズ原発では運転中の大きな事故はなかったそうだが、冷却水の水源用として使用されていた湖は発電所から出る放射能の沈殿池となった。1988年の報告では、湖の底の厚さ30センチまでの中にはプルトニウム、セシウム、ストロンチウムなどの放射能が1トンの堆積物に平均で400万ペクレムも含まれていた。それは、イギリスの法律により管理されるように命じられている低レベル放射性廃棄物の10倍以上の濃度であった。放射能汚染された湖で遊んだり、魚を食べた近隣の住民がガンを発症したり、運転中の全期間を通じて放射能が排出されていたから、大気中に放出された放射能を吸って風下の住人らが被ばくしたのだった。
現地では、湖の周辺と原発の風下地域でガンにより亡くなる住民が増えた、という噂がずいぶん前から広がっていたらしい。テレビ局のディレクターが、ウエールズの保健機関にガンの発生率について聞いても、患者の個人情報を勝手に見せるわけにはいかないとして情報公開を拒まれた、といったことが記載されていた。だからそのテレビ局は、2005年から戸別訪問して詳しく調べることにしたのであった。 その結果、40から50代で病気で亡くなった約半数がガンによって死亡したという驚くべき事実が明らかになった。最近の2、3年は白血病になる子供が増え、16歳で喉頭ガンになった若者もいる。ある主婦は夫と子供をガンで失い、43歳で亡くなった娘は白血病だったという。他の一家は、妻が3年前に乳ガンと診断され、翌年には夫が前立腺ガンと診断されたのだという。 テレビ局の調査員は、トローズネイズ原発の影響があったと考えられている対象地域の402世帯を訪ねて情報を集め、88%の住民から回答を得たという。その結果、恐ろしいレベルのガン発生率を見いだした。その調査結果を前出のバスビー博士が分析すると、 2005年までの過去10年間の発ガン率は、すべてのガンで全国平均の2倍になることが明らかになったのだ。 それから、2003年から05年までの3年間は特に50歳以下の女性が大きな影響を受け、乳ガンは全国平均の15倍。60歳以下では4〜5倍だった。 その他には、白血病は全国平均の8倍。 すい臓ガンは5倍。 男性の前立腺ガンは2倍という報告がなされた。 湖の魚を食べた人に乳ガンが多く、それに魚を食べた人は、食べなかった人の2倍以上ガン発生率が高かったのだ。 ここで発生するガンはあらゆる種類が見られ、急速に進行するタイプのガンが多いのが特徴とのことだった。 イギリス南部のヒンクリーポイント原発の風下地域で、乳幼児の死亡率が高い時期があった。原発の風下にあたるスパーン川の河口にある7つの村や町の乳幼児死亡率が、内陸部の町に比べて3倍ほど高かったのだという。原発から危険な放射能が美しいヒンクリーの空と海に放出され、風下の住人がそれを摂取した結果だという報告が出されている。
わずかな放射能でも細胞に対する被ばくは大きく、特に乳幼児にとっての影響は計り知れないほど大きなものがあり、異常なほどの死亡率の高さに繋がったのだ。それから、2000年にはこの原発の周辺住民の乳ガンの異常な増加も報告されている。「海が危険な低レベル放射能を運ぶ」とクリス・バスビー博士は警告している。 市役所の近くに建つ「静岡県環境放射線監視センター」 海が危険な放射能を運ぶとは穏やかではない。わが町にある浜岡原発でも、遠州灘に多量の温排水を放出している。それがために周辺の水温は7度も上昇し、海の生態系も大きく変わったと聞いている。排水口付近で奇形魚が釣れたという報告もあり、見慣れない魚がたくさん集まってきているという噂だ。クリス・バスビー博士の話は続く。 「乾燥した暑い日は、海岸に近づかないこと。放射能を含む土ぼこりが風で飛び、呼吸を通じて肺に入るから・・・・」 ヒンクリーポイント原発周辺の小児ガンの発生率の分布は、住居が海岸に近いほど高くなると言われている。 トローズネイズ湖のように、海底に堆積している泥土が放射能汚染しているのだ。浜岡原発が冷却水を常時放出している海域周辺は年間を通じて風が強く、暑い季節だけでなく冬場だってサーファーで賑わうサーフィンのメッカだ。博士の説だと、健康的にスポーツを楽しんでいる彼らが、もっとも低レベル放射能を浴びる確率が高いということになる。 「原発に近いリゾート地は最悪のガンの群発発生地」というタイトルのレポートでも、「ヒンクリーポイント原発に近接しているサマーセットの町におけるガン発生率は平均の6倍に達する高さである」と述べられている。 調査チームは、ヒンクリーポイント原発から海洋へ排出される放射性廃棄物が海底に堆積され、引き潮によって干潟が露出する際、放射性の粒子が風によって舞い散り、住民によって吸入されるのだと考えている。リバプール大学の上級講師であり、人体組織における毒素の影響についての専門家であるヴィヴィアン・ハワード博士は、「1960年代から私たちは、放射性の粒子が陸地へとやって来るメカニズムを知っている。そして私たちは、今後数百年間この問題について悩むことだろう」とこのレポートで述べている。 ドイツ政府の最近行なった研究では、原発の立地周辺で5歳以下の子どもが白血病にかかるリスクは、原発と居住地の距離が近いほど増加することを初めて科学的に立証した。研究者らは、小児のガンと白血病の相関関係のはっきりとした証拠が原発の近くで発見されたことを認めたのである。 浜岡原発の立地する町でも、原発の周辺では白血病の子供が生まれる確立が高いという話が長い間囁かれてきました。原発のある町で生まれ、その土地で20年余り暮らしていたからという理由で、結婚を断られた女性も実際にいます。結婚相手の親が息子に懇願したと聞いている。白血病を病んだ孫の顔を見たくないから、結婚相手の女性は、原発の周辺以外の土地から選んでくれと懇願された結果です。 「イギリスやドイツなどで稼動している原子炉と、浜岡で採用している原子炉は根本的に違います」という中電の紋切り型の言い訳が聞こえてきそうです。それから、「浜岡原発では特に安全に注意しています」という言い訳もやめたほうが良いと思う。イギリスの原発も、安全には充分に留意して操業されていたはずだからです。
低レベル放射線被ばくによる人体への影響に関して、「一定量までなら害はない」との主張や、「低線量の被ばくは免疫を強め、健康のためになる」といった従来の馬鹿げた俗説は完全否定され、最近の研究では低線量でも発ガンのリスクは充分にあると結論づけています。 だから、どんなに微量であっても放射能は危険なのだ。その放射能が、いま現在でも排気塔から放出され続けていて空を汚し、冷却水として使用された水は海に垂れ流され、海を汚しているのです。 2010年12月4日 http://hamaoka2009.ciao.jp/newpage46.html 「内部被曝」について
“ピカドン”と原爆にうたれて人間が即死に近い状態で死ぬ。あるいは数日のうちに死ぬ。これは、強い放射線にさらされて人体内部が細胞レベルで破壊されてしまうからである。もちろん、それ以外に強い熱でヤケドを負ったり、強い爆風で吹き飛ばされたりすることも致命的になる。極端な場合は、強い熱線で瞬間的に蒸発してしまうこともある。このような、人体外部からくる放射線でやられる場合を外部被爆と肥田はいう。東海村の臨界事故(1999)で死んだ2名は、まさに、この外部被爆の純粋な形である。
それに対して、放射性のチリや液体を体内に取り込み(呼吸、経口、皮膚から)体内に沈着した放射性元素が体内で放射線を放出することによって放射線障害を起こしたり、ガンを発病したりする。これを内部被曝という。 外部被曝と内部被曝は、いずれも放射線による細胞破壊であるという点では本質は同じなのだが、実際には、大いに異なる点がある。まず、本質は同じとは言いながら
(1) 外部被曝は、外部の放射線源から出た放射線は空気中を伝わってくるから、ガンマー線や中性子線は問題になるが、アルファ線はほとんど問題にならない(空気中数oで止まってしまうから)。ベーター線(電子線)は数mは進むので、線源との距離による。 それに対して、内部被曝は体内に沈着した放射性物質が放射線を出すのだから、μm(マイクロメータ、ミクロン)単位で(場合によってはもっと狭い分子の大きさ、nm ナノメートルの単位で)影響が出る。しかも、放射線が細胞内のたとえばDNAを直接破壊して突然変異の原因になるというような場合だけでなく、放射線が水分子を壊して活性酸素を作りだし、その活性酸素が細胞に悪影響を与えるというような、何ステップかを踏んでいる場合もある。生物生理としての濃縮などを考慮する必要もある。したがって、放射線のエネルギーが小さくとも悪影響はありうる。“放射線のエネルギーが大きいほど被害も大きい”という常識は通用しない。生物体は精緻な構造をもっていて、しかも、自己修復機能などが動的に働いている。低レベルの放射能は低レベルなりの壊し方をする、と考えておくべきである。 もうひとつ、重要な点は線量測定のことである。放射線の量である。 (2) 放射線は臭いも色もないので、その存在を確認するのは、特別な計器などを必要とする。放射線の量はガイガーカウンターのような計器で計る。ところが、それは、通常ではすべて外部被曝の線量を計ることになる。 内部被曝の線量を測定することは、極めて難しい。体内にμm単位で計器のゾンデを埋めることが難しいからである。つまり、内部被曝の現象は、理念的には明瞭だが、実証するのはとても難しい。 この線量の話は、許容量のことと密着する。どれくらいの放射線に照射されても大丈夫か、という量。これの算定の基礎になるのは、ひとつ自然放射線の量、もうひとつは広島・長崎での原爆被害の例。しかし、それらはいずれも外部被曝からでてくる線量である。 外部被曝から求めた許容量を、内部被曝にも適用できるか。これは、大問題で、決着が着いていない。 (3) 外部被曝から求めた許容量を、内部被曝にそのまま適用すると、多くの場合、“健康には影響ない”となる。呼吸などで体内にとりこむ放射性チリなどは、たいてい、ごく微量だから。 そもそも、アメリカをはじめとする原子力推進を考える国家や原発会社は内部被曝という考え方そのものを認めない。内部被曝を認めない場合、広島・長崎の原爆の被害者に関して、信じられないようなつぎのような見解が公式のものとなる。1968年に日米両政府が国連に提出した「原爆被害報告」である(前掲書p66)。
被ばく者は死ぬべき者は全て死に、現在では病人は一人もいない。
こういいう驚くべきアメリカの公式見解(これが虚偽であることは明らかである)を持ちつづけなければ、劣化ウラン弾などは使用できるはずがない。アメリカ政府について驚くのは、国内の原子力施設でもこの考え方を“愚直に”まもっているようにみえることで、ハンフォード(コロラド川流域)やオークリッジ(テネシー州)などの「マンハッタン計画」を実践した施設周辺での放射性物質の漏洩・汚染はひどいものである(これらについては、「中国新聞」の秀逸な特集核時代 負の遺産で知った)。アメリカ政府は自国民に対しても自国内で多数の被曝者をつくりだしている。 乳ガンの死亡率の上昇 アメリカで上のグラフと同様の統計がとられ、1950〜89年の40年間にアメリカの白人女性の乳ガン死亡者が2倍になったことが分かった。その原因を求められてアメリカ政府は、膨大な統計資料を駆使した調査報告書を作成し乳ガンの増加は、戦後の石油産業、化学産業などの発展による大気と水の汚染など、文明の進展に伴うやむを得ない現象である。とした。
グールドは、この政府の統計処理に疑問を持ち、全米3053郡が保有していたその40年間の乳ガン死亡者数を使い、増加した郡と横這いか減少した郡とに分類して、郡ごとの動向を調べた。その結果わかったことは、けして全米一様に乳ガン死亡者が2倍になったのではなく、1319郡(43%)が増加し、1734郡(57%)では横這いか減少していたのである。つまり、明瞭に地域差があるということである。 しかも、グールドは増加している1319郡について、増加要因を探し、じつに乳ガン死亡率が、郡の所在地と原子炉の距離に相関していることを発見したのである。 原子炉から100マイル(161q)以内にある郡では乳ガン死亡者数が増加し、以遠にある郡では、横這いか減少していたのである。(なお、原著からの直接の図が公開されていて、さらに、詳しい説明もついている。High Risk Counties Within 100 Miles of Nuclear Reactors ) アメリカの3053の郡のうち1319郡は原子力施設(原子力発電所と核兵器工場、核廃棄物貯蔵所)から100マイル以内に位置している。図の黒い部分。1985〜89年のアメリカの乳ガン死亡者のうち3分の2はその郡の住民である。 原子力施設から100マイル以上離れている地域では、おそらく、40年間の医療検診やガン治療の改善によって死亡者数は横這いか減少を示すという予想通りのことが起こっていた。ところが、原子力施設から100マイル以内では乳ガン死亡者が増加していたのである。 これによって、原子力施設から乳ガンの原因物質が排出されているという蓋然性が大きいことが示されたということは出来よう。いうまでもなく、その「原因物質」は放射性物質である、といいたいところだが、状況証拠は濃厚にあっても、そのものズバリを示したわけではない。 重要なことは、これらの原子力施設でなにか事故が起こっていた、というのではないのである。そのことが、とりわけ重要なのだ。日常運転をしていて「原因物質」が周辺に出てきている、と考えざるを得ないのである。これは、かなり絶望的なことだ。 ここでふたたび、許容量という考え方が曲者であることを強調しておきたい。原子炉からは放射性物質の排出をゼロにおさえることは原理的に出来ない。放射性の希ガスは少量でも周辺に排出してしまう(放射性のキセノンとかネオンは気体でしかも化学的に捉まえられないので、どうしても環境に逃げてしまう)。日常的な作業でも、大量の排水のなかには、薄められた放射性物質が含まれている。それに対しては、十分に薄いので「許容量以下」で“健康被害を心配する必要はありません”というおなじみのセリフが出ることになる。操作ミスや重大事故で環境に放射性物質が散逸した場合でも、同じセリフが可能ならくり返される。つまり、ここのキーワードは濃度なのだ。 だが、どうやら上の図のグールドの研究は、許容量以下で日常運転しているのに原子炉周辺は乳ガンの危険性が高いということを示していることになりそうである。 外部被曝と内部被曝のちがいが許容量についても出てくる。内部被曝の場合は、いくら少量で弱い放射線源でも危ないのではないか、という考え方がありうる。体内にとりこまれ、体の特定の場所に濃縮して蓄積されるものがあるからである(ストロンチウムは骨に、ヨウソは甲状腺にというふうに)。つまり、内部被曝の許容量はゼロであるという考え方である。 これはECRR(欧州放射線リスク委員会)が取っている立場である。それに対してICRP(国際放射線防護委員会)は許容量を設定しようとする立場である。後者は1928年の第2回国際放射線医学会総会で設置された委員会で、主流の考え方である。肥田は次のように述べている。 人類史上、最大の人体実験ともいわれる広島・長崎への原爆投下があっても、内部被曝そのものに関しては長い間、言及されることはなかった。近年、ようやく内部被曝の存在が注目され、国際放射線防護委員会(ICRP)の見解とヨーロッパの科学者グループ、欧州放射線リスク委員会(ECRP)が出した見解がはっきりと二つに分かれるようになった。前者は内部被曝も外部被爆と同様に許容量を定め、後者は内部被曝の許容量をゼロ以外は安全でないとしている。(p124) ICRPはアメリカのエネルギー委員会の意向を受けて動いているのだが、もちろん、そう単純な話ではない。「ICRP1977年勧告」以来「放射線は合理的に達成できる限り低く」の考え方で、「同1990年勧告」はそれを踏襲している。「許容量」の問題は、原子力産業や放射線医学界などの意向とかかわる、政治的な思惑の錯綜する、素人にはよく分からない分野である。ICRPは新勧告を出そうとしており、「2006年勧告案」が示されているようだ。「しきい値」のことや、LNT説(線形性でしきい値なしの仮説)のことなどは(7.4)で扱っているが、「許容量」や「リスク論」には踏みこんでいない。 チェルノブイリ事故の影響 統計学者J.M.グールドがアメリカの女性の乳ガン死亡率が40年間で2倍になったことを説明するために前掲図に到達し、原子力施設が原因物質を出しているらしいという研究を出版・発表したのが1996年である。それに触発されて肥田舜太郎が作表した前掲グラフをみると1950年の1.7人から2000年の7.3人まで、4.3倍になっている(前掲書p115)。日本の方が、アメリカより明らかに乳ガン死亡率の増加が大きい(倍以上大きい)。 肥田はグールドと同じように、日本で原子力施設から100マイル(161q)の円を描いてみたそうである。すると、列島全体が多重の円で蔽われてしまうという。たぶん例外は沖縄と北海道東部ぐらいだろう。 上の地図はデフォルメされていて正確ではないが、感じはつかめるだろう。ようするに、グールドの考える100マイル基準で、“日本人はみな原子炉の近くに住んでいる”ということなのだ。ともかく、日本の乳ガン死亡率がアメリカの倍以上の割合で着実に増加してきたことは、グールドの100マイル基準の理論とよく合っているといえる。 次に紹介する「チェルノブイリの日本への影響」は、原子炉から出ている乳ガンの原因物質は放射性物質なんだ、と説得力を持って突きつける、もうひとつの実例である。 チェルノブイリ事故による放射能汚染が日本各地の広い範囲で確認された、と政府の放射能対策本部(本部長・河野洋平科学技術庁長官)が4日発表した。「放射能の強さは、ただちに健康へ影響を与えるものではない」としながらも、千葉市では、3日深夜から4日未明にかけて雨水1リットル当り1万3300ピコキュリーのヨウ素131の最高値を記録したのをはじめ、東京、神奈川、愛知、大阪、鳥取など15都府県で異常値を検出した。 放射性物質が体内に入ってから乳ガンを発症し死に至るまでに平均して11〜2年はかかるという。
日本の都道府県別の経年の乳ガンの死亡率が12人(10万人あたり)を超えているのは、つぎの6県だけである。青森・岩手・秋田・山形・茨城・新潟。次図は、この6県だけをプロットした乳ガン死亡率の経年変化である(肥田前掲書p118)。 (1.2)の最初のグラフと比較してみると分かるが、死亡率が6人を超えるのは1994年あたりで、全国平均も上の6県もそこまでは似たようなものである。がぜん違うのはそのあとの数年間(1996,97,98)のピークである。その数年間だけ死亡率が急に倍以上の12人を超えている。これは、チェルノブイリ事故からちょうど10〜12年であって、乳ガンの潜伏期間に相当していると考えられる。 これら6県に住む女性が不幸にもチェルノブイリからの濃厚な「死の灰」の通過地帯にあって、呼吸や水や農作物を介して放射性物質を体内に取り込んだと考えられる。その放射能は外部被曝の許容量からすると“なんら健康に影響はない”と言いうるようなものにすぎなくとも、内部被曝においては十分に乳ガンの原因物質になり得たということであろう。そう考えるのが、合理的である。 小論が乳ガン死亡率を取りあげているのは、肥田前掲書がそうしているからに過ぎず、原子炉やチェルノブイリの「死の灰」が特に乳ガンに悪い、ということではもちろんない。よく知られているように、小児の白血病や甲状腺ガンがチェルノブイリ周辺で急増して悲惨な様相を呈している(小児白血病については、(その7)で取りあげている)。 日本の乳ガン死亡率は上昇し続けている。アメリカでは元々は日本よりずっと高く20近かったが、1990年頃から下がって97年頃に日本の死亡率を下回った。アメリカは乳癌の発症率は依然として上昇しているが、死亡率は下がってきた。日本は発症率も死亡率も上昇している。なぜなのか。乳ガン検診の受診率を増やせば解決する問題なのか。どうも、そうは思えない。 乳ガンの原因として、サイトを眺め回ると、水道水・牛乳など経口の原因をあげるものがほとんどで、「近年日本における、和食軽視、食の欧米化が最大の原因と考えられていますが、 日本では乳ガンを発症する患者さんの絶対数が急速に増加しています」(良心的と思える、医師が発信している現在のガン治療の功罪から。)しかし、アメリカの乳ガン死亡率が下がりだしているのに、日本では増加を続けているという現実を前に、「食の欧米化」もないもんだ、と思う。「食の欧米化」が乳ガンの原因であることがたしかなことであるかのような言説がまかり通っているのは奇妙である。 グールドのアメリカの原子力施設近傍の例や、肥田舜太郎のチェルノブイリ事故の例は、放射性チリによる内部被曝が乳ガン死亡の原因(のひとつ)になっていることを根拠をあげて示していると思う。 http://www.ne.jp/asahi/kibono/sumika/kibo/note/naibuhibaku/naibuhibaku1.htm#10setsu 理想的な毒
放射能は見えない、臭わない、味もしない、理想的な毒です。
非常に強い放射能で即死するような場合は、細胞破壊とくに神経系がやられるのた致命的となると考えられている。 「爆心地の近くにいる人は即死に近い状態で死にますが、それは中枢神経が侵されることによります」 これに対して、弱い放射能の場合には、その場で直ちになにかの症状が現れることがないのが普通である。 その場ではなんの症状もなく、何年も何十年も経ってからガンが発症する、しかし、“そのガンの原因が何年も前の放射能であった”と確定的にいうことはけしてできない。ガンの原因は様々あるからである。
「強い放射能」の場合は症状が即座に現れるから、それが有害であることは議論の余地はない。放射能からの防護が問題になるし、放射能の強度の測定(モニタリング)が問題になる。それに対して「弱い放射能」は、即座の症状がないから、それが有害であるかどうかについて議論が分かれる。それどころか、「ごく弱い放射能は体によい」(ホルミシス効果)という説まで出るありさまである(ラジウム温泉・ラドン温泉などは日本人に人気があるが、近頃はやりの岩盤浴でも微弱放射能を使うようである)。 まず、いまとなっては古典的な反核運動の教科書と言ってもいいゴフマンとタンプリンの『原発はなぜ、どこが危険か』(原著1971 小山内宏訳ダイヤモンド社1975)を参照する。 われわれは、細胞が放射線障害を受けてガンや白血病が発現するのは、被曝後直ちに明白になるのではないということを知らなければならない。長い潜伏期間ののにちに、悲しくもサジを投げ出さざるをえないことを悟るのだ。電離放射線の破滅的効果のほんとうのこわさを認識し理解できていなかったことを悔いることになろう。われわれは、放射線ばかりでなく他の環境汚染についても、即座の効果を期待しがちである。われわれがそれを見通せないとき、安全性に対する誤った観念が立ち上がるのである。 これらの原子力の当局者の言わんとすることは、人がたとえば5ラド(50mGy)の被曝を受けたとき、すぐには死なないではないかというかのようである。ここで問題なのは、致死的な影響が生じているかどうかではない。われわれが心配し、また、原子力発電にたずさわっているすべての人が憂慮しなければならないことは、それとはまったく異なっている。 われわれは、被曝した人がすぐにあるいは次の週に死亡したりすることを予想してはいない。ガンや白血病は5年ないし10年後に発現し、遺伝的疾病はわれわれ以降の未来世代に発生する。人間の大きな悲劇として必ず惹起する。しかし、それにもかかわらず、目を閉じたまま(当局者たちは)、“なんの影響も観察されない”といっているのだ。 「即座の効果」といっているところが、ポイントである。即死する、急に体調をわるくする、嘔吐・吐血・脱毛などの目に見える「効果」が現れる、数週間のうちに倒れやがて死に至る等々。そういう「即座の効果」がなければ、“当局者たち”から「どうだ、なんでもないだろう」と言われば、「ええ、元気です!」と答えることになる。それが、30万人にのぼったという米国の“アトミック・ソルジャー”の若い兵士たちだった。
「即座の効果」と対になる語は「遅発性(晩発性)の効果」である。何年も何十年も経ってからガンが発症するというような場合を、遅発性というのである。ところが遅発性のガンの場合には、あるガン患者のガンの原因が何年も前の放射性物質であるのか、それとも他の理由(化学物質、喫煙の習慣、遺伝的理由など)によるのか、決定するのはむずかしい。多くの場合は不可能である。 個々の患者のガンの原因を特定することはできなくても、多数の集団を観察し統計的に処理すれば、疫学的にガンの原因を推測することは可能である。 弱い放射能がまちがいなく有害であるということを膨大な資料でうらづけて反論の余地なく証明したのは、 妊婦に対するX線診断が生まれた子供の小児ガンを5割も増加させていることを示した、イギリスの女医アリス・スチュワートである。彼女の最初の論文は1956年である。その簡単な数学モデルに抵抗感を示す学者がかなりあり、その結論がなかなか認められなかったという。1970年代半ばには確乎たる定説となった。 アンリ・スチュワートの重大な成果は胎児に対するX線照射はきわめて危険であることを証明して見せたことであった。この成果の意義は、
1.低線量であっても危険である場合が確かにあること。 2.胎児に対する放射線の危険度は、大人の場合の何十倍、何百倍も高いこと。 3.即座の危険ではなくとも、明らかに危険である事例であること。遅発性の症状。 などを挙げることができるであろう。 最後に、ゴフマンの総括を掲げておこう。
被曝しても健康な子供をもった母親の割合と、被曝してガン・白血病の子供をもった母親の割合がわかれば、放射線被曝によるガン・白血病の危険度を過剰率で表すことができる。 なお、日本の医療ではCTスキャンなどX線撮影を多用する傾向があり、2004年のランセット掲載論文(A.B.de Gonzalez et.al.「 Risk of cancer from diagnostic X-rays, estimates for the UK and 14 other countries」)を、読売新聞などが「日本の癌の3.2%はX線被曝によるもの」と報道し、注目された。 低線量 一般人の許容量 1mSv/年 というのは、1年間にひとつの細胞を放射線が5回ヒットするぐらいの被曝である、というのである(ただし1Sv=1Gyとしている)。 低線量の被曝が安全であるかどうかを論議する“立派な”学会に自分は何度も出て、私は学者が次のようにいうのを少なくとも10回以上は聞いている。 1mGyの放射線を瞬間的に浴びたときに発ガンの影響があることは認めたとしよう。しかし、その同量を1年間かけてゆっくり浴びた場合は、1秒間で浴びた場合の31536000倍もゆっくりと被曝するのでそれだけ安全である(1年=31536000秒)。 これを「低線量被曝の神話」と言ってもいいだろう。ガンの発症はあるひとつの細胞のなかのある特定の染色体異常が引き起こされることによって始まる。そこを「ヒット」する放射線がありその特定の個所が破壊され、しかも生体がその破壊を修復する、ないしその細胞を“殺してしまう”(アポトーシス)ことに失敗して、その細胞がガン化して増殖しはじめることで始まる。したがって、特定の個所がヒットされることが即ガン化につながるわけではない。細胞の増殖が活発であるほどガン化が発現しやすい。しかし多くのガンは数年〜30年も時間をかけて発現する。 われわれの計算のようにある細胞を5回ヒットするような被曝であれば、そのヒットが1秒間に生じるか1年間かけて生じるかで仮にその危険度に変化があったとしても、せいぜい5倍の違いでしかない。(均一にヒットが来るとして、初めの1秒間が終わった後の2ヵ月間ほどは“ゆっくり”の方はまだ0回ヒットということがあるから。) ゴフマンはこのようにして「低線量被曝の神話」を素人にわかるような理屈でみごとに論破している。さらに議論を少し精密化して、“5回のヒットで危険度が5倍になるわけではない(変わらない)”ことを示して、1mGyを1度に浴びようが1年間かけて浴びようが危険度には変わりがないことを論証している。 細胞がヒットされ、細胞の中をベータ線が通過して電離作用などで細胞構造がミクロに破壊される。細胞の中でもガン化が始まりうるような個所は、細胞核内の染色体のある部分など、限られた特定の個所であろう。 直径20μmの細胞断面に、ベータ線がランダムに5回ヒットすると考える。この断面積は314(μm)2ですね。ガン化を誘発する特定の個所(ゴフマンは決定領域といっている)の面積を1〜2(μm)2あるいはそれ以下と見積もる。すると、その決定領域をヒットする確率は、5×(1〜2)÷314 ≒ 1/60〜1/30である。ゆえに、5回のヒットのうちで、決定領域を2度以上ヒットする可能性は非常に少ないと考えてよい。決定領域をヒットされたとしても1回だけということが圧倒的に多いのである。 1mGyの被曝を1秒間に受けても1年間かけて受けても、結局、決定領域を傷つけられるのは30個の細胞にひとつ程度だが、それも1回だけしか起こらないと考えてよい。すると、危険度には差違がないことになる。 ある程度の強度以上の放射線が生物にとって有害であることは厳然たる事実である。十分強ければ「即座の効果」(急性症状)が現れ、死に至ることもまれでない。ガン治療などに放射線を使用するのは、患部に絞った照射をおこなって、ガン細胞を破壊する手法である。
急性症状はなくとも、ある程度の強度があれば、放射線がガンの原因になることが広く認められている。 次は、ネット上に「放射線基礎医学」の講義レジュメを公開してくれている慈恵医大・青木学のサイトからいただいたもの。ここ(なお、この講義ではGy=Svと言い切っている。X線・ガンマ線では通常Gy=Svとする) •早期障害(通常1〜2ヵ月) 赤血球減少、皮膚炎、浮腫、紅斑、放射線宿酔、不妊 •晩期障害(6ヵ月以上) 白内障、萎縮、免疫力の低下、機能低下、寿命の短縮、発ガン われわれがここで扱おうとしているのは、こういう障害が起こるレベルより、さらに低線量の放射線を受けた場合のことである。だいたいの見当をつけるために、医療などでわれわれが出会う線量を表示してみる。
事例 単位は mSv
半数が致死 4000〜6000 脱毛、皮膚の紅斑 3000 悪心、嘔吐 1000 白血球減少 250 臨床症状の出る下限 100〜200 専従者限度/年 50 CT(1回) 7〜10 消化管透視(1回) 3〜 自然放射能/年(世界平均) 2.4 一般人限度/年 1 胸部レントゲン(1枚) 0.1〜0.6 (専従者限度は5年平均で20mSvでなければいけない。なお、一般人限度の場合もそうであるが、医療行為での被曝は加えない。「リスク」は承知でレントゲン撮影など医療行為をうけ、その利益とのバランスを考えているという解釈になる) 上の表でいう「臨床症状」とは、脱毛・嘔吐・白血球減少などの症状をさしている。ある量以上の放射線を浴びれば誰でもこの症状が現れる。また、放射線の量がすくなければ、これらの症状は現れない。その意味で、これらの症状を確定的影響ということがある。 この確定的な症状以外に、確率的影響といわれる症状もある。それがガンである。 放射線にあたった人が全員ガンになるのではなく、何人かの人が「確率的」にガンを発症するのである。ある程度の強度以上では、その確率は放射線の線量に比例して増加することは知られている。 上表でいう、100〜200mSv以下では、上の意味での臨床症状が確認されていない(確定的影響が確認されていない)。この低線量の領域で、それでは確率的影響(すなわちガンの発症)はどのように考えられるか。それについては、医師・学者の間で論議のあるところで、つぎのようないくつかの立場がある。 1.ある線量以下の被曝であれば、安全である。その値が「しきい値」(閾値 threshold value)であって、それ以下であれば生体に障害は生じず、繰り返し被曝してもしきい値以下である限りまったく安全である。 ただし、しきい値は部位によって異なる可能性がある。
2.被曝量と細胞が受ける傷とは比例関係にあり、どのような微少な被曝でもそれに比例した危険が生じている。前項に対して、しきい値が存在せず・比例関係を主張するので「LNT説」(the linear no-threshold model)と呼ばれる。
3.生きている細胞には「細胞周期」があり、最初のヒットで修復作用が働きはじめる。その修復が終了する前に次のヒットがあるかどうか、などの複雑な過程がありうる。そのため、被曝量−反応の間は比例部分とより複雑な反応曲線を示す部分の“二相”に分かれる。
4.生体の細胞は傷を受けるとそれを修復しようとする。そのためごく低線量の被曝ではかえって細胞が活性化し「ホルミシス効果」が現れる。ラジウム温泉、ラドン温泉などの効用の根拠となる。
■ 「しきい値論」は、かつては確定的症状以外を否定する論理として、原子力推進派によって使われていた。現在でも不勉強な推進派サイトではそのまま掲げられていることがある。「人類は太古から自然放射能に晒されているのに、まったく無害ではないか」という論が有名である。 ■ 「LNT説」は確定的影響がでるような強度の放射線量とその症状の比例関係を、そのまま、低線量領域まで“外挿”して適用したものであると考えられる。この説を支持する学者が多いというだけでなく、ICRP(国際放射線防護委員会)がLNT説を採用していることもあって、これがいわば“世界標準”となっている。
■ 「二相説」はECRR(欧州放射線リスク委員会)が主張している。ECRRを主導していたバスビーの「Second Event theory」などが理論的な支えになっているようである。 しかし、別の意味で、次項の「ホルミシス」説も二相説の一種といえるかもしれない。
■ 「ホルミシス効果」を最初に唱えたのは、1978年当時ミズーリ大学のトーマス・D・ラッキー教授である。「生物に対して通常有害な作用を示すものが、微量であれば逆に良い作用を示す生理的刺激作用をいう」(ウイキペディアによる)。特に1980年代になって微量の放射線が細胞を活性化させるとして、さまざまな事例が挙げられている。ただ、都合の良いような例をあげただけという批判もあり、十分に説得力があるとはいいがたい。
放射線がいかに微量であっても細胞内に傷を作ることが、ホルミシス効果説の前提になっている。したがって、直接にLNT説などと敵対するというより、LNT説を打ち消すように働く細胞の能力をどう評価するかという問題である。
下の3例は、「原子力百科事典」(日本原子力振興財団という推進派のサイトだが、いちおう客観性をもたせるような書き方をしている)から引いた。自然放射能の高い地域の住民調査であるが、仮に周辺地帯より平均寿命が長いという結果が出たり、ガン患者が少ないという結果が出たりしても、それが自然放射能のホルミシス効果のためであると結論するわけにはいかない。逆の結果(平均寿命が短いなど)であっても、それの理由を自然放射能に結びつけるのは無理がある。 ガンの原因としては他の多くの要因があげられ、しかも、自然放射能・紫外線などよりずっと大きな寄与を考えるのが通説である。喫煙・食事・運動不足・遺伝・ウィルス・細菌・アルコール・環境汚染・食品添加物・汚染物質。したがって、これらの寄与要因のなかで、自然放射能の寄与を証明することは容易ではないのである。 •ブラジルの高自然放射線地域における住民の健康調査 •中国の高自然放射線地域における住民の健康調査 •インドの高自然放射線地域における住民の健康調査
現状は、上記の説のどれが正しいかを決する決定的な証拠がないというのが公平なところである。そこで、ICPRなどでは、結果的にもっとも安全な判断になるようにLNT説をとることにしているという。すなわち、どのような微量な放射線であっても生体に有害である、とするのである。放射線量に比例してガン化の確率は増加する。 ここで重要なのが人数×被曝線量という考え方である。1億人が1mSvの放射線を受けたとすると、積をつくって、1億 人mSvの被曝線量が存在する、というふうに考えるのである。これは、1億人の人間の細胞を総体と考え、それにひとり1mSvずつの被曝線量があったと見なしていることになる。 放射線が細胞をヒットし、そのヒットによって一定の確率で将来ガン化が誘導されると考えているのである。この細胞総体について考える発想を取れば、1億人がひとり1mSvの照射を受けた場合と1千万人がひとり10mSvの照射を受けた場合とで、将来ガン化が誘導される確率は同じであると考えられる。要するに、細胞1ヒットあたりのガン化確率が問題だから。 この人数×被曝線量について(この新しい単位について)、将来ガン化が誘導され死亡する人数を、見積もっておくのである。いろいろな見積りが提唱されているが、 ゴフマン(1981年) 1 人Sv あたり0.4人 ICRP(1990年) 1 人Sv あたり0.05人 が有名である。(1人Sv=1000人mSv である) 上の、1億人mSvなら、ゴフマンの見積りでは0.4×1億÷1000=40000人、ICPRの見積りなら、0.05×1億÷1000=5000人。1億人が年間許容量の1mSvを被曝した場合の、ガン死の見積り数である。(多すぎる見積もりと考えられるだろうか、少なすぎると考えられるだろうか。現実の日本ではガン死の割合は10万人あたり250人程度である(平成17年)。これは1億人あたりに直すと、25万人である。この25万人のうちの4万〜5千人をどう評価するか、ということだ。) もう1例、JOC臨界事故の集団被曝の評価がどれぐらいか、「美浜の会」の試算を紹介しておく。死亡・重症の直接作業者を除いたJOC作業員、周辺住民(500mまで)、消防隊員、建設作業員、事故処理従業者などの被曝の総計が7617人mSvと算定されている。詳細はこちらを参照して欲しい。 ゴフマンの見積りでは7617×0.4÷1000=3.05 ICRPの見積りでは7617×0.05÷1000=0.38
となる。 これらの数字の妥当性については議論があって当然だし、実際あるわけだが、被曝のリスクを数量化する手だてとしてこの手法そのものは認められるべきだと、わたしは思う。 「しきい値」が存在する論拠としてあげられる自然放射能について、述べておく。“自然放射能と人類は(生物は)共存しているではないか、これは自然放射能が無害であることのなによりの証拠である”という主張のことである。 自然放射能(世界平均で2.4mSv/年とされる)が存在し、人類はそれと共存しているのは事実である。ただ、この事実から「自然放射能は安全である」という結論はみちびき出すことはできない、と思う。空気の層は宇宙線を防護しているから、飛行機旅行は地上にいるときよりいくらか過剰の自然放射能の照射を受けることになる。東京−ニューヨーク間の航空機往復で0.2mSvが見積もられるという。これで問題となるのは、飛行乗務員の被曝である。彼らにとっては生涯の乗務時間がどれほどで、地上生活に比べて過剰被曝がどれほどになるか、が切実な問題である。野口邦和(日大歯学部)の航空機乗務員の宇宙放射線被曝の現状(2000)によると、 欧米路線を飛行する国際線航空機乗務員は、1年間に3mSvほどの被曝をする。 アジア路線やオーストラリア路線など低緯度地域を飛行する国際線航空機乗務員は、1年間に1.5mSvほどの被曝をする。 なお、日本より高緯度地域にある欧米諸国の国際線航空機乗務員は、1年間に5〜6mSvほどの被曝をすることがわかっている。 ICRPは1990年の勧告で、航空乗務員の被曝を「職業被曝」として位置づけるべきであることを明言している。
生物は地球史の長い時間の中で、自然放射能の増減を経験してきており、それからの“生存圧”を受けながら進化してきたものと考えられる。紫外線を防御する気体酸素が藍藻(30億年前〜)によって生成され大気中に放出され初め(20億年前〜)、オゾン層ができたのが4億年前とされている。それ以後、生物が陸上に生存可能になった。紫外線の有害性はよく知られているが、自然放射能も基本的には同様であると考えられるが、ただ、生物史において紫外線ほど決定的な役割を果たさなかった(?)というだけである。 自然放射能であろうと人工放射能であろうと、細胞内の遺伝子を損傷し、ガン化を誘発する点ではまったく区別はない。ガン化の確率はゼロではないのであり、避けうる放射能は避けた方がより安全である。 低線量被曝では触れないわけにはいかないのは、原子力施設からの排水・排気の稀釈の問題である。放射性物質を稀釈して環境に放出するならば、「健康に問題ない」というのが、原子力会社や官僚から繰り返しきかされる決まり文句である。これには色々な解釈がありうる。 •「即座の症状」あるいは「確定的影響」がないこと。その意味で“安心”して下さい、という主張。 •法定の許容量に比べて、○○分の1だから、問題ないという主張。 •微量な放射能だから、“無害”であるという主張。たとえば、「ラドン温泉の○○分の1」とか、自然放射能の○○分の1。 薄めて放出すればかまわないというのは、原子力推進派の身勝手な言い分であり、どんなに薄まっても放射能は有害であるという事実には変わりない。長寿命の放射性元素は、放出の時点で稀薄であっても、
(1)長期にわたるくりかえし放出、 (2)自然の流水・風などにより狭い地域に集まることがあること、 (3)生物による濃縮があること、 などが見過ごせない。これらの現象があるために、薄めて放出すると放出時点で“安全”なように思えても、長期間を経るとそれが巡り巡って危険な度合いにまで集まってくる可能性がある。それを、われわれは食べ物として摂取する危険性があるのである。 外部被曝と内部被曝
前節までは、低線量被曝といっても、X線照射のように「外部被曝」を主として考えてきた。(10.3)であつかったベータ線の照射についても、外部被曝をイメージしていた。自然放射能も同様である。じつは、ICRPの1990年勧告もこの立場にたっている。 だが、食べ物に含まれる放射性物質を経口摂取することは日常的に行われている(自然放射能の一部である)。人工放射能物質がそのようにして体内に取り込まれることは大いにありうることである。呼吸の際に、放射性のガス(ヨウ素など)や放射性の微粉末(劣化ウラン)を体内に入れることもありうる。体内にとりこまれた放射能物質(放射性ヨウ素)は、非放射性の安定物質(通常のヨウ素)とまったく同様にふるまうため、生体が求める栄養素や微量元素として体内の必要な個所へ行き、そこで生体の一部を構成する。構成しつつ原子核崩壊によってアルファ線やベータ線を出す。これが典型的な「内部被曝」である。 もう一つのタイプの内部被曝は、劣化ウランの微粒子(径数μm以下)が呼吸に伴って吸いこまれたような場合、気管支に付着したり、肺の器官(肺胞など)に付着したりする。この重金属粒子は体組織に取り込まれずに、気管支や肺の表面で放射線を出し続ける。もちろん、微粒子のサイズによっては体内に取り込まれることもありうる。このような、放射性の微粒子を“ホット・パーティクル”という。 1MeV程度のベータ線だと、生体内で4mm=4000μmぐらい進むことができる。つまり“飛程 range”のことである。アルファ粒子は生体細胞への相互作用(ダメージ)がもっと強く、238Uからでるアルファ粒子は4.27MeVであるが、これは約40μmしか進めない。細胞数個分である。その間に自分が持っているエネルギーを急激に周囲に与えてしまう。周囲はイオン化され化学結合が切られ、フリーラジカルが発生する。平均的イオン化エネルギーは32.5eVとされるから、その個数は 4.27MeV÷32.5eV = 1.31×105 = 13万個 これによって、細胞はダメージを受け、死ぬこともあるし、損傷を修理できる場合もある。DNAが損傷し、しかも自死(アポトーシス)せず細胞分裂する場合に、ガン化する可能性がでてくる。 いずれにせよ、こういう細胞に対する深刻なダメージが体内のごく狭い範囲に集中して生じる。これが内部被曝によるアルファ線やベータ線による被曝の特徴である。 これに対して、外部被曝の場合は、同じ当量の放射線を浴びても全身に平均化してまばらにダメージを受ける。ダメージが分散して生じるために、低線量であれば細胞による修復が(一般には)容易である。局所同士のダメージの密度は、体積比で効くから1010程度も線量評価が違ってくることになる。 劣化ウランの微粉末が体内に入ってガンになる、というようなケースは内部被曝で扱う必要があるのだが、アメリカ政府とその意向を受けたWHOは、信じがたいことに、劣化ウランの安全性の判定をICRPの外部被曝によって計算しているのである。 従って、その放射能は「その環境下のウラニウムの自然放射線レベルに比べて無視できる」( use of DU will make a negligible contribution to the overall natural background levels of uranium in the environment)として、もっぱら、重金属としての毒性についてのみ警告している。 外部被曝と内部被曝の違いをあげてみる。 •外部被曝は、X線やガンマー線のように透過力の強い放射線によって、体外にある線源からの照射を典型と考えている。アルファ線やベータ線は、特別に皮膚に接しているような事情がなければ、外部被曝としては通常は無視できる。(透過力が強いということは、生体組織との相互作用が弱いということである。同じエネルギーなら、生体組織へのダメージが大きいほど、透過力は弱い。すぐ止まるから。)
•外部被曝は、生体に“一様”に“平均的”に照射されるような場合に適用される概念である。「全身照射」という語もそういう状況を含意している。線源が体外にあれば“外部被曝”と言って差し支えないだろうが、実際には、ある平均化された一様な放射線束に照射されるという状況にたいして使われている。ICRPなどがそうである。
•内部被曝は、単に、体内に線源が入ったというだけではない。アルファ線やベータ線が、生体内のきわめて狭い範囲の細胞に集中的にヒットし続けるという点で、生体へのダメージのあり方が外部被曝とはまったく異なる。場所的に集中しているだけでなく、時間的にも継続してヒットされる。「細胞周期」の数時間〜十数時間がとくに“敏感”にダメージが生じるとされる。
•内部被曝はスポット的に効くので、それがガン化を誘発する可能性が高い。しかも、ある程度強い放射能の粒子であればその細胞を殺してしまうのだが(ガン化さえなされない)、非常に弱い放射能を持つ場合に細胞の遺伝子を損傷するが細胞を殺さないというガン化に都合のいい状態が出現する。その細胞が増殖する機会があれば、ガンが発現するのである。
ICRP(国際放射線防護委員会)の1990年の勧告は、放射線による障害について、外部被曝を基準にモノを考えていた。この勧告は、内部被曝について正当な位置づけを与えていない。 放射線防護上関心のあるのは、一点に於ける吸収線量でなく組織・臓器にわたって平均し、線量について加重した吸収線量である。(2.2.2 等価線量)
外部被曝の許容基準を内部被曝にそのまま適用することはできないはずであるが、ICRPはそれを行っている。すぐ上で述べたことだが、ここでも再言しよう。外部被曝の許容基準で、劣化ウランの可否を検討したのである。点線源ではなく、それを巨視的な領域(組織や臓器)にわたって平均して考えるべきだ、と明言している。これは、原爆投下直後に「残留放射能は皆無である」と全世界に「ファーレル宣言」したアメリカの原子力政策の根幹に由来するものである。内部被曝が外部被曝とはまったく異なる機制によって起こることは明らかとなっているが(マンハッタン計画と原爆実戦使用の当時にどうであったかはひとまずおいて)、それを認めれば、晩発性のガン化障害が重大な意味を持つことを認めることになる。そうなれば、アメリカの20世紀後半の核兵器と原子力政策の根幹が揺らぐのである。 この、ICRPの許容基準によって、劣化ウラン弾の使用が公認された。アメリカ政府の虚偽は、いまだ生きて、その毒素を振りまきつつあるのである。 このICRP勧告(1990)に対して、ヨーロッパのECRR(欧州放射線リスク委員会)は2003年に明確な批判を展開している。ヨーロッパがアメリカ(それに追随する日本)の原子力政策とは異なった立場にあることが、こういう理論的な面からも分かる。 ECRRモデルは、ガンによる死者を61,600,000人、小児の死亡数を1,600,000人、そして胎児の死亡数を1、900,000人とする。加えて、ECRRは、全世界の核兵器の放射性降下物による被曝を受けた人びとのすべての疾病と健康状態を加え合わせて、10%の生活の質の低下をもたらしたと述べた。 ECRRの上の「勧告」は「最大許容線量」として、思い切った数字をあげている。 一般人0.1mSv、核関連者5mSv。ICRPの10分の1なのである。 自然放射能の平均値が2.4mSvなのだから、この許容線量の小ささがわかるだろう。アルファ線ただ一個が発ガンの原因になりうるのだから「放射線被曝は合理的に達成できうる限り低く保たれなければならない」のである。 このECRR勧告が出るのには、ヨーロッパにおける背景が2つあると思う。 ひとつはセラフィールド(英)の再処理工場周辺の例のように原子力施設周辺での小児白血病の顕著な増大があったこと。もう一つは、チェルノブイリ事故において、同様に小児白血病の増大があった。次表は、前者の例である。そして、該当のこどもたちの被曝量と発病の間を結ぶはずのICRPのリスク計算が数百倍以上おかしいという数値である。 核施設 発見年 ICRPとのリスク比 備考
セラフィールド(英) 1983 100〜300 再処理工場 ドーンレイ(英) 1986 100〜1000 高速実験炉、再処理施設 アルダーマストン(英) 1987 200〜1000 核兵器施設 ヒンクリーポイント(英) 1988 200〜1000 原子力発電所 クリュンメル(独) 1992 200〜1000 原子力発電所 ラアーグ(仏) 1993 100〜1000 再処理工場 ユーリッヒ(独) 1996 200〜1000 原子核研究所 ハーウェル(英) 1997 200〜1000 原子力研究所 バーセベック(スエーデン) 1998 200〜1000 原子力発電所 チェプトク() 2001 200〜1000 「ICRPとのリスク比」の意味は、ICRPが小児白血病が発症すると予測する被曝レベルの100倍〜1000倍も少ない被曝量で発病が発見されている、ということである。 ECRRは、ICRPの採用しているモデルが外部被曝によって細胞がヒットされることによってDNAなどの結合が破壊されるというもので、あたかも、「高分子材料」の脆弱化のモデルと変わらないと批判した(物理的モデルという批判)。生きている細胞は細胞周期にしたがって生命活動をしているのであり、それに対するヒットが持つ意味を生命活動のなかでとらえる必要がある、という(単独のヒットは“修復”が機能するが、数時間おいたヒットは修復機能そのものを壊す、など)。 外部被曝と内部被曝の質的な違いを前提としたECRRの論点は評価されるが、セラフィールドの場合について、被曝量のデータの検証が十分ではないという批判を今中哲二がしている(セラフィールド再処理工場からの放射能放出と白血病 )。 もう一つはチェルノブイリ事故のあとの小児白血病の問題である。山内知也の「ECRR2003勧告」の解説ECRR2003報告における新しい低線量被曝評価の考え方を参照する。“チェルノブイリ事故の影響(第12章)”というところから。
ギリシャにおける被曝線量は200μSvであったが小児白血病の増加は160%であった。ドイツでは100μSvであり48%の増加が認められた。ウェールズとスコットランドでは被曝線量は80μSvであったがその増加は200%以上であった。 ICRP−84では、X線による胎児期の産科での被曝によっては、約10000μSv(10mSv)の胎児線量で自然発生リスクを超える40%増加とされている。 この引用の意味は、アリス・スチュワートの研究以来の積み重ねのある胎児期のX線被曝は、1万μSvで疾病が40%増加であり、これはICRP−84がよりどころにしている数字である。ところが、チェルノブイリ事故のあとの事例では、わずか80μSvの被曝で200%以上の増加がみられた、というのである。 もし、ICRPの指針を頑なに守り、しかも、上のセラフィールドなどの被曝線量の測定値と両立させる考え方をとると、「ガン・リスクの生じるレベルの、わずか数百分の1の被曝しかしていないのだから、小児白血病の原因は原子力施設ではない」という主張となる。 白血病の小児たちは事実上、炭鉱労働者にとってのカナリアのようなものであり、放射能放出が、ガンという世界的病気の発生の原因になっていることを示唆している。世界中の政府が自ら学ばないならば、彼らの悲劇はもっと大きな不祥事となるだろう。 http://www.ne.jp/asahi/kibono/sumika/kibo/note/naibuhibaku/naibuhibaku7.htm ( ;;⌒`)) 人 ( ;;) ;;"( ) (()) ;;( ;;;⌒`) ,i (;; ( ) ( ) ロロロロロロロロロ| ̄ ̄ ̄|\ | ̄ ̄ ̄ ̄| |(_o.〉 (_o >1|:::〈._o)2|  ̄ 3| 4| | 〈. . |...〉丶;| .゚゚.j,゚゚ |`;ω;´| |; }王王ヲ |:_王{ | `ヒi. |`;ω;´| | \;|__ / | r-ヽ |`;ω;´| / / / / 10シーベルト / / / / 1シーベルト / ./ ___A___ ___A__,/ / 100ミリシーベルト (:::東電:::::::) (::::保安院::::) ./ )::::::::( ,):::::::( / /::::::::::::;\ イ:::::::::::; \ / 500マイクロシーベルト // |:::::::::::: l | ///'|:::::::::::: l | ./ | | .|:::::::::::: | | / // .|:::::::::::: | | ./ | | /:::::::::::/| | / .// ../:::::::::::/| |/ U |::::::::::/ U U |::::::::::/ .| | |::::||:::|/| |∧_∧.| | |::::||:::| ,U |::::||:::| |(゜Д゜ii|l)/ |::::||:::|./ , .| /.|: | / / .| / | | / // | | //| / .// .| | U .U 下請 U .U 風評被害を無くすために これから、福島原発を冷やすのに成功して徐々に沈静化していった後、福島県の人は農作物や魚それに土地の価格等いろいろな面で風評被害を受ける可能性があります。 それが本当のことであれば、まだ対策乗っ取りようがありますが、風評被害であれば本当に悔しいと思います。
数年前、風評被害の専門家と一緒に講演をしたことがありますその方は今回のことでもテレビでお見受けいたしました。 彼の話ですと、風評被害が発生するには一にも二にも「本当のことを言わない事による」と言っておられました。 日本ではメディアが本当のことを言わないので、日本の風評被害はほとんどメディアが原因するという研究を示していました。 確かに「風評」ということ自体が、事実と違うことですので、事実と違うことを言っているとその次に風評被害に遭うということを意味しています。 ・・・・・・・・・ 今回の福島原発でわたくしは「メディアが伝えなかったり、大きく間違ったことを伝えている」ことに3つあると思います。 一つは付近住民の被爆について「かけ算をしない」ということです。
これはすでに、このブログでは説明しましたが、1時間に10マイクロシーベルトという放射線は「安全なレベルだ」ということを繰り返していますが、それは「1時間だけそこに住んでいる場合」に限られています。 1時間で10マイクロの場合、2時間いますと20マイクロ、10時間ですと100マイクロになります。 普通「生活する」ということはその場所に1ヶ月ぐらいいますから、例えば42日ですと1時間の1000倍の時間、放射線をあびることになります。 たしかに1時間に10マイクロの放射線は1時間だけなら問題はありません。それはテレビのいう通りです。しかしそこに住んでいるとそれを1000倍にしなければならず、10ミリシーベルトになります。 放射線の基準値は一般人(赤ちゃん、妊婦を含む)が1ミリシーベルトですので、この値は明らかに一般人が1年間にあびて良いとされている値の10倍になります。 福島の多くの地域は、すでにこの値を超えています。 それでもテレビは安全だと繰り返しています。このようなウソをついていると人は政府やテレビの情報を信じることができなくなりそこに風評が発生するということになります。 「基準値を超えても安全だ」という論理はかなりおかしいのですが、もし規制値を超えても安全であっても、「基準値を超えている」ということを言わなければ、将来また同じような風評がおこるということは十分考えられます。 基準値を信用しない専門家でも「現在は基準値を超えているけども健康に問題がない」と発言すべきなのです。それは個人の責任として言ってもいいことですが、基準値は国の基準として存在するわけですから。それを言わないのは専門家ではありません。 ぜひ本当のことを言って欲しいものです。 ・・・・・・・・・ 2番目は、「すでに市民が受けた放射線」は測定することができないということです。
原子力に従事する人は、放射線をあびますから、必ず線量計やフィルムをつけて自分があびた放射線を測定します。これは厳密に守られています。 それは、一旦放射線を浴びてしまうと体の中を抜け、「遺伝子の異常」などの形で残ります。しかし、遺伝子にどのくらい障害が残ったかを測定することができません。 福島原発でも、地震のあと、作業員が原発から退避するときにでも被曝した線量を測定してから原子炉を出たと証言をしています。いかにあびた放射線の量を測定することが健康に大切かが分かります.ところが、事故が起こって以来、原発の付近に住んでいる人は、どのくらい放射線を浴びたかを測定していません。 従って、推定した計算でその人がどのくらいの放射線を浴びたかを計算するしかないのです。 テレビでは、人の衣服の周りをカウンターのようなもので測定している画像が出ますが、これはその時に衣服についている放射性物質の量を図っているだけで、本人がどのくらい被曝したかということとは無関係です。 これも間違った報道が行われています。 すでに福島原発から放射能が漏れてから7日経ちます。7日ということは168時間ですから。1時間当たりの放射線の値に168を掛けなければなりません。 例えば、原発の周りは1時間に100マイクロシーベルト、福島市では20マイクロシーベルとぐらいが続きましたから、すでに付近住民は16.8ミリシーベルと福島市の人は2マイクロシーベルトの被爆を受けたことになります。 もちろん国の基準を超えていますので、健康に影響があるとしなければなりません。さらに、大人の場合は問題がないかもしれませんが、妊婦やお子さんは大いに心配しなければならないと思います. おそらくこのことを報道しないのは、報道すると大騒ぎになるとか、線量計の数やフィルムバッチの数が足りないので、ここは隠しておこうということだと思います。 しかし、風評被害を止める意味でも事実をそのままいってそれに耐えるだけの精神力を政府は持ってもらいたいと思います。
・・・・・・・・・ 三番目は、今後、福島原発がどのようなことになるかということを曖昧にしていることです。
確かにチェルノブイリやスリーマイル島の場合と違うので、今後どのくらいの放射能が出るのか、それともこのまま沈静化するのかわかりにくい面はあります。 しかし、この時こそ「原子炉の専門家」というのであれば、今後どのくらいのことが起こるのかということを明確に示さなければいけないと思います。 国や東京電力があれ程、懸命になって原子炉に水を注ぐ努力をしているのですから、仮に水を注ぐのが失敗した場合どうなるかということはすでにわかっているからです。 わたくしはすでにこのブログでおおよそ、このくらいの範囲になるだろうということとそれに基づく計算式を示しています。読者の方からは現実にその計算ができるホームページを作っていただいた方もおられます。 政府がやらないなら、わたくしたちで身を守らなければならないのですが、それはやがて福島県に風評をもたらすでしょう。 福島県の知事、もしくは福島の市町村の自治体の長は市民の側に立っているのですから、今後の風評被害を防止するという意味でもこの際、はっきりとした事実を市民の前に示した方がいいとわたくしは思います。 (平成23年3月19日 午前8時 執筆) http://takedanet.com/2011/03/post_3cdd.html 原発 緊急情報 3月18日午後9時、放射線速報
9時の NHK の放送で放射線の測定結果が出たので、放射線速報を出します。 報道された放射線の値は高いのに NHK とそこに出ていた東大の先生が「健康に影響がない」と間違ったことを言っていたので、少し焦りました。
・・・・・・・・・ 文科省の測定では、福島原発から北方30キロメートルで、3月17日は170マイクロシーベルト、18日は150マイクロシーベルトだった。もちろん、すべて1時間に被曝する量である. 従って、この2日間の平均的な放射線は(1時間いれば)160マイクロシーベルトであったと考えられます。 ・・・・・・・・・ 一般人が年間に被爆しても大丈夫な量は1ミリシーベルトとされていますから、1000÷160=6時間となり、福島原発の北側30キロにいる人は7時間だけそこにいたら一般人が1年間で浴びていいという。基準値を超えることになります。 これがなんで健康に影響がない数値といえるのでしょうか? 東大の専門家は何を考えているのでしょうか? それは現在の基準がおかしいと心の中で思っていることと、本当のことをいうとパニックになる可能性があるので、東大の先生のような社会の主導者は本当のことは言わなくてもよいという気持ちがあると推定されます. 例えば、放射線の作業者は年間で50ミリシーベルトの放射線暴露が認められています(一般人の50倍)。また、一度に強い放射線を浴びたときより、弱い放射線を7時間浴びた時の方がダメージが小さいという知見もあるからです。 しかしそこが間違っています。 放射線の作業をする人は健康診断もしますし、放射線の測定値もしながら作業をします。また放射線のあるところで厳し作業をする人には「妊婦や赤ちゃん」はいません。 だから、作業者は50ミリシーベルトになっていて、一般人は1ミリシーベルトなのです。国の基準には、長い期間の検討もされ、また国際的なレベルも取り入れられています。 このように非常時のときに、これまでの基準を安易に変更してはいけないのです。詳しくは調査していませんが、現在 NHK 等で専門家として出ている人たちは、実はこのような基準を決める委員会に出ていた人達なのです。 事故が起こらない時には、厳しい基準を決めて原子力が安全なように見せかけ、事故が起こると「基準は本当は厳しすぎる」というのは余りにも無責任です 福島原発から北へ50キロ程に住んでいる人たちは、1日以内に一般人が1年で浴びても良いとされる。放射線を上回る可能性があります。 「あびても良いという放射線量を超える」ということは人によっては障害が発生する可能性があると考えて正しい判断です。 自治体の市長や町長さんはNHKにごまかされることなく、数字を直視し、基準を守り、自ら正しく判断し、自分の自治体に住んでいる人たちを待避させるべきです。 ・・・・・・・・・ ところで、わたくしが心配していた福島市は、ここ3日で20マイクロ,17マイクロ、13マイクロと幸い、低めになっています.どうも風向きが少し南になってきたのでは無いかと思います。 明日はやや高気圧が太平洋に来て温かくなる予想ですので、その影響かも知れません. でも、1000÷17(3日間の平均)=59時間(2日半)ですから、福島に3日以上居住している人はすでに1年間で許容される放射線に暴露されたことになります。 従って、もしも自治体が福島市の市民は1年間で許容される放射線以上に浴びてはいけないと判断するならば、そろそろ避難する必要が生じています。 幸いなことに、福岡から南の茨城栃木千葉東京埼玉神奈川等の放射線量は、かなり減ってきました。これから見ると風の向きが北東から日風もしくはやや南風に変わったと考えられます。 この地域はおおよそ0.1マイクロシーベルトを下回りましたから、当面の危険は少なくなったといえるでしょう。 ・・・・・・・・・ 昨日あたりから福島県を中心に、比較的高い放射線が観測されてきたことから、「強い放射線を浴びるなら危ないが、この程度の放射線を長く浴びるのなら大丈夫だ」というコメントを専門家がするようになりました。 わたくしのブログにも人間には放射線に対する防御力があり、強い放射線を短時間に浴びるよりも、間歇的に放射線を浴びれば、人体がその損傷を回復してくれると書きました。 しかし、一方で、わたくしは計算ではそれをあまり使っていません。 というのは、このような事故のときには、学問的にも定量的にもハッキリしていない解釈はできるだけ避けて、まず第1に今まで決めてきた数値を参考にするということではないかと思います。 放射線の基準は、あくまでも1年あたりこのくらい被曝してもいいとか、このくらいの総量なら白血病になる確率があるとか、そのように決まっています。 従って、1ヶ月の間に被曝するなら大丈夫とか、1年間ならそんな量は問題にならないというような新しい考えを持ち込むのは間違っていると思います。 ・・・・・・・・・ 最後に、昨日から今日にかけて多くの皆様から大変、有用な資料をいただきました。これらを有効に活かしてネットという武器を使いながら、できるだけデータや判断の方法を書いていきたいと思います。 メールの中には具体的な場所を示して、そこに何日ぐらい住んでいても大丈夫かという質問が多いのですが、残念ながらお1人お1人の計算をする時間がとれません。 できましたら簡単な計算ですから、付近で測定されているデータを1日ぐらい平均してそれを計算されることをおすすめします。 例えば、1マイクロシーベルトですと、それを1000倍してください。1マイクロシーベルトなら1000倍で1ミリシーベルトになり、一般人が平均的に1年間で被爆する限度になります。 またその値が10ミリシーベル(もともとの測定値が10マイクロシーベルト)を超えるようでしたら、付近の人や自治体と相談をして退避するかどうかを検討されたらいいと思います。 福島原発は次第に落ち着いているようです。だから、決して不安になることはありませんが、しっかり計算をしてご自分でご判断されることが重要かと思います。 申し訳ありません. (平成23年3月18日 午後10時、執筆) http://takedanet.com/2011/03/14_9fe6.html 東北地方太平洋沖地震 各地放射線量モニタリング情報 http://wiki.livedoor.jp/ok2222/
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