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http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=aYbGmuzOI2Oc
11月8日(ブルームバーグ):
過去の買収に不透明な巨額資金を投じていたオリンパスは8日、有価証券投資などの損失処理でこの資金を活用していたと発表した。独立した第三者委員会の調査の過程で判明した。今春まで10年間トップの座にあった菊川剛氏らが責任者だとしており、必要ならば刑事告発も検討する方針。証券取引等監視委員会はすでに調査に乗り出し、金融庁や東京地検も関心を示している。
発表資料によるとオリンパスは、1990年代ごろから投資などの含み損を計上せず先送りしていた。その穴埋めに、2008年の英ジャイラス買収でのファイナンシャルアドバイザー(FA)への支払い額や国内3社の買収資金を、複数のファンドを経由するなどの方法で充てた。ブルームバーグ・ニュースの試算によると買収関連費は約1400億円。
不透明な買収関連費の存在を指摘したマイケル・ウッドフォード元社長は10月14日に解職され、オリンパスは「全ての買収は適正だ」と反論していたが、8日の発表で同氏の主張を裏付けた形。先送りに関与していたとして、財務担当の森久志副社長の解職、山田秀雄常勤監査役の辞意表明も発表。株価はストップ安(値幅制限いっぱいの下落)となり、 16年ぶりの低水準に急落した。
同社では今春にウッドフォード氏に社長職を譲った上で半年後に解職した菊川氏が、騒ぎの中で10月26日に退任。後継社長となった高山修一氏が8日に都内で会見し、含み損先送りの責任者は菊川、森、山田の3氏と説明。90年代からの不正を受け継いだこれら3氏への刑事告発を「必要であれば考える」と述べた。
金融庁や地検も
中央大学法科大学院の大杉謙一教授は、オリンパスが損失計上先送りで「有価証券報告書の虚偽記載、つまり刑事罰を問われる可能性が非常に高い」と指摘。さらに買収関連資金を含み損処理に充てたことで「当時の経営陣が特別背任に問われる可能性がある」と予想した。
証券監視委はすでに調査に着手、金融庁も関連情報の把握に努めており、違法行為があれば厳正に対処する方針だ。複数の当局者が匿名を条件に明らかにした。
東京地検の幹部も匿名で、オリンパスによる損失計上先送りには有価証券報告書虚偽記載の疑いがあると見ていることを明らかにした。同幹部はその上で、証券監視委が正式に告発する前に、地検に相談があるかもしれないと述べている。
ウッドフォード氏は8日、ブルームバーグの電話取材に対し、オリンパス経営陣がこれまでジャイラス買収などの正当性などを主張していたことは「あざけり」の対象になると強調。オリンパスは「高潔な新しい経営陣」による再建を必要としているとも述べた。
ウッドフォード氏復帰論も
買収関連費について調査を要請していたオリンパス7位株主ハリス・アソシエーツのデービッド・ヘロー最高投資責任者はこの日、電子メール によるブルームバーグの取材に対し、オリンパスの経営再建のため、ウッドフォード氏が社長に復帰すべきだとの見解を示した。
ウッドフォード氏自身は「株主の意見を聴き、次にどうするか極めて慎重に検討しなければならない」と述べている。
筆頭株主の日本生命保険は電子メールで「これまでの説明とは大きな変化があったと理解しており、不透明感を払しょくするために、説明責任をしっかり果たしてほしい」とコメントした。
オリンパス株をめぐっては、明治安田アセットマネジメントが投信保有の株式を8日に全株売却した。日生広報担当の都築彰氏は同社の対応について「個別銘柄の売買にはコメントできない」と述べている。
「会社ぐるみ」仕方ない
高山社長は8日の会見で陳謝。損失先送りは7日夕に森氏から報告を受けたと述べた。先送りの額については一部を把握しているものの、第三者委の調査に影響する可能性があり「言えない」と語った。トップが関与していたため「会社ぐるみと言われても仕方ない」としつつ、上場維持に全力を尽くす意向を強調した。
第三者委の甲斐中辰夫委員長は、高山氏が損失額を公表しなかったことに関して「市場に対する責任」も考慮し、「その判断をとやかく言うものではない」と述べている。
オリンパスが含み損解消に充てたとしているのは、ジャイラス買収でのFA支払い6億8700万ドルと国内3社の買収額734億円。FA支払いは数回に分かれ、各時点での為替レートで換算すると約670億円。
8日のオリンパス株は売り気配のまま1000円の大台を割り込み、ストップ安となる前日比300円(29%)安で取引を開始した。95年7月以来の安値。終値は取引開始と同じ734円で、ウッドフォード 氏解職の前日である10月13日の3割弱まで落ち込んだ。売買代金は315億円と国内上場株で3位。
オリンパスの損失先送り発表について、前身企業も含め1969年から09年3月期まで監査を担当したあずさ監査法人は、ファクスで「現在、事実関係を調査中」と回答。それ以降の監査を手掛ける新日本有限責任監査法人の広報担当者、湯川喜雄氏は コメントを避けている。
立命館大学経営学部の服部泰彦教授は、今回の件は簿外債務を用いる「飛ばし」のような「組織的な損失隠し」で、社会的に許されないと指摘。経営陣を総入れ替えして社外取締役増員によるチェック強化が必要と述べている。監査法人が先送りを見抜けなかった背景には、一般論として会社側との「持ちつ持たれつ」の文化があるのでは、と語った。
記事についての記者への問い合わせ先:東京 天野高志 Takashi Amano tamano6@bloomberg.net
記事に関するエディターへの問い合わせ先: 大久保義人 Yoshito Okubo yokubo1@bloomberg.net香港 Michael Tighe mtighe4@bloomberg.net
更新日時: 2011/11/08 18:23 JST
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