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http://mikkagashi.cocolog-nifty.com/kasukadari/2011/05/post-cfa2.html
第二の北陸トンネル事故になりかねなかった石勝線事故
窓は焼け落ち・車体ゆがみ…炎上特急を搬出(2011年5月29日 読売新聞)
北海道占冠村のJR石勝線・第1ニニウトンネルで27日夜に脱線炎上した特急「スーパーおおぞら14号」が29日午後、トンネルから搬出された。
窓ガラスが焼け落ち、熱で大きくゆがんだ車体を、事故原因究明のため、JR北海道の作業員らが調べた。
JR石勝線のトンネルから運び出された、緊急停車して炎上した特急「スーパーおおぞら14号」(29日午後2時40分、北海道占冠村で)=栗原怜里撮影
NHKの朝の「おはよう日本」でこのニュースが報道され,ちょっとビックリした。昨夜27日の22:00頃に,石勝線の占冠〜新夕張を走行していた特急「スーパーおおぞら14号」の車体から白煙が上がり,しかも第1ニニウトンネル内で停車したという。乗客は,どうやら各自の判断で列車を出て,トンネル内を歩いて外に避難した模様で,乗客約250名のうち,30名が病院に搬送されたとのこと。大変な煙の中を逃げてきた乗客の方のススで真っ黒な顔と表情が,その事故の恐ろしさを物語っていた。
真っ先に,なぜトンネル内で火災が発生した列車を止めたのかに疑問を感じた。北陸トンネルの急行「きたぐに」の火災事故では,当時の規則に従ってトンネル内で列車を停車させたことで大変な規模の被害になってしまったことから,火災発生時はトンネル内に列車を止めずに,まずトンネルを脱出することがマニュアル化されたはずだ。
乗務員が車両の駆動部分の脱落のみを気にして,火災の認識がなかったのか,あるいは駆動部分が脱落したことで,列車の走行自体に問題が生じ,本来は火災の起きている車両をトンネル内で停止するのはやってはいけないことだったが,どうしてもトンネルを抜け出ることができなくなってしまったのか……,今後明らかになっていくのだろう。
事故のあった第1ニニウトンネルは,長大トンネルが連続する石勝線では,約700mと比較的短いトンネルで,それを抜けるとまたすぐに長大トンネルに入ることになる区間である。とのトンネルとトンネルの間に列車を止めるのが理想だったのか,あるいはそこでは乗客の逃げ場がなくなってしまい,被害を大きくする可能性があったのか。その場合には,短い第1ニニウトンネルで止めたことが,最善の策だった可能性もある。
車掌が避難を呼びかけるアナウンスをしなかったことも問題になるだろうが,想定外にトンネル内で停止してしまったことで,トンネルから外に出す/列車が動かないという状況で,煙の充満しているトンネル内に避難するというマニュアルの想定外の指示ができなかった可能性も考えられる。
いずれにせよ,あわや大惨事の事故である。十分な原因究明を行ってほしいものである。
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http://mikkagashi.cocolog-nifty.com/kasukadari/2011/06/jr-db37.html
JR石勝線トンネル内事故の疑問点…
特急脱線、整備不良が原因か…JR北海道本社など捜索(2011年5月31日 読売新聞)
北海道占冠村のJR石勝線・第1ニニウトンネルで特急「スーパーおおぞら14号」(6両編成)が脱線炎上した事故で、北海道警は31日午前、JR北海道本社(札幌市中央区)など数か所で、業務上過失傷害容疑での捜索を始めた。JR北海道の調べでは、推進軸とつながった減速機を、車両底部に固定する金属製のピンが外れたことで、推進軸周辺の部品が落下した可能性がある。道警は、整備不良の疑いもあるとみて、同社のマニュアルや、整備点検記録などを押収する方針。
帯広駅付近を走るキハ283系気動車
いくつかのニュースサイトをチェックしているが,捜査・調査の方針が,当初感じた疑問とは違う方向に向かっている気がしてならない。その疑問とは,「なぜ,トンネル内で停車したのか」である。
もちろん,部品脱落の原因を追及することは重要だと思う。整備不良が原因かもしれないし,設計に問題があったのかもしれない。同じ事態が生じないように同じ部品や,同様な設計になっている箇所のチェックも必要だろう。
しかし,別の部品にトラブルが生じる可能性や,乗客が持ち込んだ可燃物が煙を上げる(そこから車両火災になる)可能性だってあるのだ。そんなときに,またトンネル内で停車することはないのか。そこが第1ニニウトンネルよりも長大なトンネルだったらどうなるんだろう……。
一昨日の「第二の北陸トンネル事故になりかねなかった石勝線事故」でも書いたように,北陸トンネルの火災事故の教訓(皮肉なことに,今回の事故があった石勝線に近い狩勝実験線で車両の燃焼試験も行われた)から,列車で火災が起きたときにはいかなる場合もトンネル内では停車せず,トンネルを脱出することがマニュアル化されていたはずだった。
北陸本線のトンネル(火災事故があった北陸トンネルではない)
なぜ,トンネル内で停車したんだろう……と,モヤモヤした気分だったが,Web上に次のような記事を見つけた。
占冠村の特急事故:乗員対応、手順書通り 出火気付かず避難誘導なし(2011年5月31日 毎日新聞)
事故直後に取材に応じた「スーパーおおぞら14号」の男性車掌(60)によると、車掌は占冠村の「第1ニニウトンネル」に入る直前に異音を耳にし、男性運転士(26)に車内電話で緊急停止を要請した。異常時手順書の「異常を感じたら、ただちに列車を停止すること」との指示に沿った対応だった。
止まったのは、トンネルから約200メートル入った地点。トンネル内の処置手順は、火災発生時はトンネル内にとどまらず外に出るよう求めている。運転士は火災は把握していなかったが、煙があったため前進を試みた。だがギアが切り替わらず、車両は動かなかった。
なるほど,「火災が起きたときには,まずトンネル脱出」との整合性に疑問はあるものの,「異常発生時には,ただちに列車を停止」はマニュアル通りらしい。不幸なことに,再び列車が動くことはなかった。この対応で,若い運転士を責めることはできない。
マニュアルでは,火災は煙ではなく「炎を目視する」ことで確認することになっていたそうで,これもマニュアルの見直しが必要だと思う。不完全燃焼で煙が発生していた場合,バックドラフトで爆発的に燃え上がることもあり得ないわけではないからだ。
また,今回事故を起こした車両は「電車」ではなく,1両でも(運転台があれば)運転が可能な「ディーゼルカー」であり,編成の変更も自由にできる電気連結器付き密着連結器が付いているタイプだった。脱線して煙を上げている車両を切り離して,たとえば先頭の3両だけでトンネルを脱出することができた可能性もある(当然ながら無理だった可能性もある)。
車掌の指示ではなく,乗客が独自の判断で非常コックを開けてトンネル内を避難したことは,奇跡的に全員が助かった最大の要因ではあるが,もし先頭の3両だけでトンネルを脱出しようとした場合には,トンネル内を逃げる乗客の存在がそれを妨げる要因になる可能性もある(これでもって乗客が非常コックを開けたことを責めるつもりはない)。
列車が停止した第1ニニウトンネルは,長大トンネルが続く石勝線の中では全長約700mと比較的短いトンネルだったため,煙の中を歩いて逃げることができたが,これが次の新登川トンネル(全長約6km)だったとしたら……ちょっと寒気がしてくる。
今回は,乗客の判断によって大事故になるのを防ぐことができた。しかし,それはあくまで幸運が重なった結果だったように思う。臨機応変な対応のできない鉄道員が多いように感じられるのも,やっぱり気になる。安全管理体制の問題を乗務員マニュアルの不備の修正だけに矮小化しないでほしいと,切に願いたい。
2011年6月 1日 鉄道 | 固定リンク
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http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/296244.html
JR石勝線事故 台車の固定ピン脱落 部品散乱、脱線に(06/01 07:25)
上川管内占冠村のJR石勝線で特急列車「スーパーおおぞら」(6両編成)の乗客ら39人が軽傷を負った脱線炎上事故で、4両目の台車と駆動装置をつなぐ固定部品が脱落し、その後の脱線や火災につながったことが31日、分かった。JR北海道が同日、札幌市内の本社で記者会見し、明らかにした。道警は、この脱落は整備不良や金属疲労による破損が原因だった可能性もあるとみて調べる。<北海道新聞6月1日朝刊掲載>
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http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/295546.html
トンネル直前で脱線、出火か 石勝線特急事故 6両が全焼(05/28 16:15、05/28 16:35 更新)
【占冠】JR石勝線の上川管内占冠村の第1ニニウトンネルで27日夜、釧路発札幌行き特急スーパーおおぞら14号(乗員乗客245人)の列車内に白煙が充満して緊急停止した事故は、列車がトンネル直前で脱線して、そのまま走行し、火災が起きた可能性が高いことが28日、道警やJR北海道への取材で分かった。同社などによると、トンネル手前約300メートルから枕木に車輪の跡が付いていた。火災は6両が全焼し、約9時間半後の28日午前7時半ごろ鎮火した。道警は28日に実況見分を始めるとともに、近く業務上過失致傷容疑で同社の家宅捜索を行い、事故原因を調べる方針だ。
この事故の影響で28日も札幌−帯広・釧路間の特急20本が全面運休し、JR北海道は同日夜の往復4本については運行し、占冠−新夕張駅間をバスで代行運転する。
<北海道新聞5月28日夕刊掲載>
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http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/295437.html
占冠のトンネル内でJR特急車両から白煙 39人軽いけが(05/28 08:13、05/28 15:47 更新)
特急が煙を上げて緊急停車したトンネル付近で、担架に乗せられ搬送される乗員とみられる男性=28日午前7時55分、占冠村
【占冠】27日午後9時55分ごろ、JR石勝線の上川管内占冠村ニニウの第1ニニウトンネル(全長685メートル)付近で、走行中の釧路発札幌行き特急スーパーおおぞら14号(6両編成、乗員乗客245人)の2号車の車輪が脱線し、列車はトンネル内で緊急停止した。直後に列車内に白煙が充満、乗員乗客はトンネル外まで徒歩で避難したが、運転士1人を含む39人が煙を吸って、のどにやけどを負うなどの軽傷。道警はトンネル直前で列車が脱線して、そのまま走行し、火災が起きたとみて脱線した原因を調べている。
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http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/295783.html
最後尾床下から出火か JR石勝線特急火災(05/30 08:25)
約40時間ぶりに搬出された黒く焼け焦げた事故車両。手前が最後尾の1号車=29日午後1時30分ごろ、上川管内占冠村
【占冠】上川管内占冠村のJR石勝線・第1ニニウトンネル付近で27日夜、特急列車「スーパーおおぞら14号」(6両編成)が脱線して全焼し、39人が軽傷を負った事故で、JR北海道は事故から約40時間たった29日午後、事故車両をトンネルの外に搬出した。地元消防によると、最後尾の1号車の車両の燃え方が最も激しかったことが判明。道警は出火元の特定を急ぐとともに、事故原因を詳しく調べている。
捜査関係者によると、全焼した6両のうち最後尾の車両底部の中央部の燃え方が特に激しかったという。付近には燃料タンクが配置されている。
<北海道新聞5月30日朝刊掲載>
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http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/296015.html
特急脱線 きょうにもJR北海道捜索 道警、業過致傷の疑い(05/31 08:55)
上川管内占冠村のJR石勝線で特急列車「スーパーおおぞら」の乗客ら計39人が軽傷を負った脱線炎上事故で、道警は31日にも、業務上過失致傷容疑で、札幌市中央区のJR北海道本社など数カ所を家宅捜索する方針を固めた。道警は、4両目の車体底部から「推進軸」などの部品が脱落したことが脱線や火災を引き起こしたとみており、点検整備や車両についての資料を中心に押収し、同社の安全管理体制に問題がなかったか調べる。
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http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/295900.html
停止直後に「火災」表示 運転士、本社に伝えず 避難誘導の遅れ招く?(05/30 17:03)
上川管内占冠村のJR石勝線で27日起きた特急列車「スーパーおおぞら」の脱線炎上事故で、列車がトンネル内で緊急停止した直後、運転室のモニターに「火災」を知らせる表示が出ていたことが30日、JR北海道への取材で分かった。運転士(26)はこの表示を確認していたが、マニュアルに反して同社指令センター(札幌)に連絡していなかった。同社側が火災を認知したのは緊急停止の2時間後で、運転士の対応が乗客の避難誘導の遅れにつながった可能性もある。<北海道新聞5月30日夕刊掲載>
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http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/295996.html
列車から「火災なし」と報告 JR、交信記録を公開(05/30 23:30)
上川管内占冠村のJR石勝線トンネルで27日に発生した特急スーパーおおぞら(6両編成)の脱線火災事故で、煙の充満で乗客が自主的に避難を始めた、緊急停止から約30分後の時点でも「火災発生はない」と列車から札幌市の指令センターに報告していたことが30日、JR北海道が公開した無線交信記録で明らかになった。
JR北海道は乗客への説明や避難誘導について「周知の仕方に非常に問題があったと思うので、今後検証する」とした。国土交通省北海道運輸局は、JR北海道に対する特別保安監査を29日から実施している。
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http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/296081.html
特急火災 JR北海道本社など捜索 業過致傷の疑い 道警、整備記録を押収(05/31 12:05、05/31 22:29 更新)
JR北海道本社の家宅捜索に入る道警捜査員=31日午前10時ごろ
上川管内占冠村のJR石勝線のトンネルで特急列車「スーパーおおぞら」の乗客ら39人が軽傷を負った脱線炎上事故で、富良野署と道警旭川方面本部捜査課、道警捜査1課は31日午前、業務上過失致傷容疑で、JR北海道本社(札幌)などの家宅捜索を始めた。道警は、車両の点検整備や交信記録などの資料を押収し、同社の安全管理体制や事故時の対応に問題がなかったかを調べる。
道警が家宅捜索を始めたのは札幌市中央区の同社本社のほか、男性運転士(26)が所属する同社帯広運転所(帯広市)と、事故車両の点検整備などを行っていた同社釧路運輸車両所(釧路市)。また、道警は同日午後に同社指令センター(札幌)も家宅捜索する。
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