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鈴木宗男衆議院議員の有罪が確定しそうだ。小沢一郎氏とも関係が近い方だっただけに、民主党代表選のこの時期に最高裁による有罪判断が示されるのは、結構大きな影響があるはずだ。 鈴木氏の事件について自分はあまりよく知らない。ただ、鈴木宗男氏と対立関係にあった田中真紀子氏も共に地方を代表する議員であり、小泉純一郎政権下で公共事業削減、地方交付金削減にほぼ確実に反対されていたはずだと言うことだ。地方切り捨ての政策実現のための見せしめとして二人の対立が演出され、結果的に鈴木宗男議員の事件があったように思える。 少なくとも、鈴木宗男議員とは全く異なった巨悪が他にいる。昨年、リクルート事件を超えて戦後最大の疑獄事件となるかと言われたかんぽの宿の一括売却問題が表面化した。結局一名の逮捕者も出さず幕引きがされたが、今年の3月に会計検査院による報告書が出て、「報告書によると、公社は平成19年度までの5年間に628施設を計約1093億7600万円で売却した。これは取得額の3分の1程度だった。転売は510施設あり、4回以上転売されているものも29件あった」と指摘された。 1万円の評価額で売却され6000万円で転売された例が報道されているので、転売1回につき価格が2倍になっていると仮定してもあまり実態とかけ離れてはいないだろう。628物件を1093億円で売却したとして、1物件平均が1億7000万ぐらいだ。これが510施設で1回転売されたと仮定すると、867億円が転売益として転がり込んだ計算になる。転売は2回、3回と行われたものもあったので、合計で1000億円以上の転売益が生じたと見ていいはずだ。なお、郵政物件がいつ誰にいくらで転売されたかの調査を会計検査院が行い、その結果の公表もするはずだったのだが、その部分の文書は少なくともインターネット上では非公開になっている。 郵政物件でかなり大きなものに日本各地の市街地に作られていた郵政グラウンドがあるが、このような大きな物件についての転売情報は全く公表されていない。少なくとも評価額数億円、転売益は軽く100億円を超えていただろう。 かんぽの宿についての疑惑は鳩山邦夫が九州選出国会議員の会という会合で不用意に話題に乗せたことから表面化し、結局鳩山邦夫はほとんど疑惑について調査も事実を公表することもなく自治相を辞任してしまった。国会議員の中で最も誠実にこの問題を追及されていた保阪展人氏は衆議院選・参議院選とも落選されてしまった。 郵政民営化でこれだけの利権があったのだから、他の民営化でも同じような利権があったのではと考えることは自然だろう。1985年、プラザ合意があった年だが、この年、3公社の民営化が行われている。国鉄、専売公社、日本電信電話だ。どの民営化でも資産の売却が行われていて、かなり多くの資産が投げ売りされたと言う。 クリーンさを求めるのは当然だ。しかし、それが一部のフレームアップされた対象だけであり、その陰に、巨悪が見逃されているのだから、今の状況は明らかにおかしいと言わざるを得ない。 防衛省事務次官だった守屋氏の事件にしても、防衛省とアメリカのメーカーとの間に入って手数料を稼いでいた商社の儲けが大きいのをやめさせたと言う面がある。 派遣にしても、派遣先から払われる給与の50%以上を派遣会社が取ることがかなり多く行われているが、普通に考えて正当なものなのだろうか? 合法性について疑問を感じざるを得ない。正義、公平という言葉が、単に、植民地のそれにしかならない日が確実に近付きつつあるのではないだろうか?クリーンさが単に植民地支配に対抗するものへの処罰の道具になってしまえば、その果てにあるのは奴隷の道徳でしかない。 *6月8日の記事「近づく戦争・テロ社会、これらの動きを止めるべきでは?」から一連番号を付しています。<<150>>
クリーンさの果てに
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