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大阪地裁所長オヤジ狩り国賠訴訟 不正義ただし、謝罪を
「救援新聞」2010年9月5日号3面
当時の大阪地裁所長を路上で襲い、金品を強奪したとして2人の青年と3人の少年が逮捕された大阪地裁所長オヤジ狩り事件。裁判で全員の無罪が確定した後、警察・検察の違法な取調べなどの責任を追及しようと提起した国賠訴訟が、この秋にも結審する予定です。この裁判への思いを2人の青年、岡本太志さんと藤本教史さんに聞きました。
「無実の罪で捕まった悔しい思いを放っておくわけにはいかなかったんです」―国賠訴訟をたたかう理由を岡本太志さんは話しました。
「逮捕・勾留され10カ月間、僕らはその間の人生を無駄にしました。釈放されてからも就職をするのに苦労し、生活に困りました。パトカーが止まっているのを見ると嫌な気分になったりと、精神的にも深い傷を負いました」
自分だけでなく、家族も事件の犠牲になったと話すのは藤本教史さん。
「僕が逮捕された後、父は飲めないお酒を飲むようになり、それがもとで肝臓を悪くして昨年亡くなりました。そして逮捕された他の2人兄弟の少年の母も、一人で休みなく働き続けて子どもたちを支えた結果、ガンの進行を発見するのが遅れて亡くなりました。この事件は家族も巻き込んでしまっているのです」
逃げ回る警察
矛盾する答弁
国賠裁判では、警察が密室でおこなわれた取調べの実態を証言であらためて明らかにしました。
否認を続けた藤本さんは、床に押し倒され、頭に刑事の尻を乗せられ、腕をねじ上げられる「拷問」を受けました。抗議をすると、「特高警察を知っているか。昔は取調べで死んだやつもいる」と言われました。
「このときは、本当に悔しい思いをして涙が出ました。でも、僕の無実を信じてくれている家族の顔を思い出して食いしばっていました。一人だったら自白させられていたかもしれません。少年たちは自白させられましたが、彼らに対する取調べがどれだけ過
酷で、自白せざるを得なかったか想像できました」
国賠の法廷で岡本さんの目に映ったのは、かつて罵声と暴力で自白を迫った警察官が証言台で汗を拭きしどろもどろで逃げ口上をする姿でした。
「警察官は、今でも僕らを犯人だと思っていると証言しましたが、本当は真犯人が別にいることを分かっているんです。明確なアリバイも監視カメラの映像もありましたから。自分たちの失敗を世間に知られるのを恐れてそう言っているだけで、無駄な抵抗をしている様子が僕らにもわかりました」
みんなの支え
おおきな力に
予定していた証人尋問を終え、裁判はこの秋結審を迎える予定です。刑事裁判につづいて、多くの人がこの裁判を支えています。その支援について、藤本さんはこう話しました。
「街頭宣伝をしているときに、クラブ帰りの中学生が、『応援しています。頑張ってください』と言ってくれたことがあるんです。街でも知らない人に『応援してます』と言われたりしました。国民救援会の方たちももちろんですが、無実だと分かってくれる人が支えてくれることは本当に力になります」
岡本さんも、集会などで激励の言葉を受けるのがありがたいと話します。
「署名活動をはじめ、見えないところで僕ら以上に一生懸命やってもらっているので本当にありがたいと思っています。警察と検察の不正義をただして、そして謝罪をさせたいと思います」
(要請先) 〒530−8522 大阪市北区西天満2−1−10 大阪地裁・古田徹裁判長
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警察の組織防衛、もはや犯罪/弁護団・海川直毅弁護士
法廷で証言した警察官は、「(取調べの際に)無実というなら証拠を見せろと追及した」「少年たちが話(自白)してくれなくて苦労した」と口を揃えて言いました。刑事手続きにおいては、証明責任は捜査機関の側にあるのに、まったく逆転しています。そういうことを臆面もなく法廷で言えるのは問題です。
彼らが犯人でないことは、捜査責任者は気づいたはずです。しかし、間違いを見直す回路が無く、組織をあげて突っ走るしかないという状態になったのだと思います。証言でウソをついて保身を図ったり、組織防衛するのは非常に犯罪的です。彼らに密室の取調べを任せるわけにはいきません。
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