★阿修羅♪ > 日本の事件29 > 479.html ★阿修羅♪ |
|
今こそ、取り調べの可視化を!〜足利事件から何を学ぶべきか〜 http://www.asyura2.com/09/nihon29/msg/479.html
今日は午前中に映画「おとうと」を観てから、午後には、はるばる足利事件の菅家利和さんと佐藤博史弁護士がやって来てお話をされるというので聞きに行った。 映画「おとうと」は前評判どおり封切り日の第1回目上映から満席の大入り、好調な滑り出しだ。山田洋次監督お得意の笑っては泣き、泣いては笑いの人情もの。心の中いっぱいに広がる豊かな気持ち。その気持ちをおかずにしておにぎりをぱくつきながら、集会の開かれる兵庫県弁護士会館へむかった。 事前の案内では、弁護士の佐藤博史さんとともに菅家利和さんも見えることになっていたが、都合で参加されなかった。代わって元枚方副市長で談合事件えん罪被害者の小堀隆恒さんが参加された。 集会始めに「取り調べの可視化」について富田智和弁護士が報告。富田弁護士は密室における取り調べによって取調官の筋書きどおりの作文、つまり「一人称独白形式の調書」がつくられていくと問題点を指摘し、取り調べの全面可視化の必要性を強調した。 報告によれば現在、イギリス、オーストラリア、アメリカのいくつもの州、イタリアなどの欧米諸国で可視化が実現あるいは進められている。またアジアでも香港、台湾、韓国、モンゴルでも可視化が導入、拡大されている。 我が国の場合、一部可視化が行われているだけ、全面可視化が実現されない限り問題の解決にはならない、富田弁護士はそう強調した。 今国会での可視化法案の提出は困難との報道もあるが、早急の可視化実現が望まれると結んだ。 続いて足利事件弁護団の佐藤博史弁護士が「足利事件と取り調べの可視化の必要性」と題して説明された。 足利事件に先立つ連続幼女誘拐殺人事件と真美ちゃん事件(足利事件)の説明から始まり、菅家利和さんの逮捕に至る経過が説明された――取り調べや公判での菅家さんの供述が一転二転したこと、自分の無実を訴える菅家さんの家族にあてた手紙、当時の報道記録などについて。 高裁での控訴審、最高裁での上告審につづいて地裁での再審請求でも敗北し、三連敗したときにはさすがに落ち込んだ。佐藤弁護士はそう、しみじみと述懐した。それでも気を取り直して高裁に再審請求してやっとDNAの再鑑定が認められた。法律の知識がほとんどない素人の菅家さんが早い時期から「DNAの再鑑定をしてもらえば自分の無実がわかる」と主張し、実現を願っていたもの。 この辺りからはかなり詳しく報道がなされてきたので、あまり説明の要らないところでもある。 佐藤弁護士は説明の最後に、再審公判で流された取り調べの録音について説明。テープ(全部で20数時間のうち再審公判では8時間分が再生された)を聴いて明らかに誘導が疑われる部分、威迫の部分があるのを指摘した。その上、可視化によって警察や検察が取り調べにあたって何らかの支障があったかというと、何もなかったことも指摘した。よって取り調べ側が可視化について反対するのは、取調官の筋書きどおりの作文が作れなくなるからにほかならない。 次に大阪府枚方市発注の清掃工場建設工事をめぐる談合事件汚職の共犯に問われ、一審で無罪が確定した小堀隆恒さんが、大阪地検特捜部による人権無視の取り調べを受けた経験を語った。 「ゴミ野郎、くず野郎、バカ野郎」「二度と枚方に住めないようにしてやる」などの罵声と暴言。拘置所の取り調べ室の備品を蹴り飛ばしたりして耐え難い轟音を立てる。取調中に近隣住民から「やかましいのでやめるよう」苦情が来るほどだったという。さらには「家族も同じ目に遭わせると」脅迫されたとも。 取調中に持病が悪化しておむつをつけることも余儀なくされた。屈辱に負けず、負けてなるかの一念で潔白を主張、取り調べの状況も持ち込みを許されたノートに密かに書き記し、その記述をもとにいま報告していると、抑えがたい怒りをやっと抑えての語り口だった。 最後に「えん罪を生まないためには取り調べの全面可視化が必要」と訴えた。 ======================================== 結局、裁判というものは、取り調べの際には色々微妙なニュアンスが表現された供述のうち、都合の悪い部分は一切省略して作文された供述調書を追認する場所なのだ。大方の場合、正しい意味で供述調書が吟味されることはない。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 日本の事件29掲示板
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/
since 1995
▲このページのTOPへ
★阿修羅♪ > 日本の事件29掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。 すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。 |