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こういう視点もある。
あくまで念のため、だ。
阿修羅っぽくてイイだろ。
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林眞須美さんに公正な裁判を | 林眞須美さんを支援する会 / 林真須美
http://enzai.org/masumi_hayashi/
鈴木邦男さんの挨拶
鈴木邦男さんの話
今日は足をおはこび頂き、ありがとうございます。「なんで、お前が挨拶するんだ?」と驚いている人も多いと思いますが、ぼくも驚いています(場内笑)。ぼくは、三浦和義さんの代理にはとてもなれませんが、この事件については自分なりに疑問を持っていることもありますし、林眞須美さんの支援をしていることもありますので、そういうことを今日は話したいと思います。
実はぼくもこの事件については、長いこと疑問を持ちながらも、失礼ながら林眞須美さんのことを「怪しいな」と思っていました。それで、最初は好奇心から、眞須美さんと会ってみたいな、と思ったのです。というのも、ぼくは今まで右の人も左の人も色々な人に会っていますし、自分自身も警察に捕まったことがありますし、今でも赤報隊事件の容疑者になっています。ですから、何かしらの事件に巻き込まれた人には関心があるというか、悪い言い方かもしれませんが、興味があるんですね。
それで、実際に面会してみると、眞須美さんは明るいおばさんで、いい人でした。面会するまでは、眞須美さんがマスコミにホースで水をかけるところをテレビで観ていたりして、非常に憎々しげなおばさんというイメージを持っていたのですが、実は眞須美さんはいい人なんです。
もっとも、眞須美さんはいい人なんですが、悪い人でもある。保険金詐欺はしていたんですから。また、林さんの家にはヒ素もあった。それで、当時の和歌山にヒ素を持っていた人は他にいたとしても、カレー事件のようなことをする人は他にいるだろうか……と思ったりもした。そのように眞須美さんに会ってみても、最初は自分の中で考えがまとまらなかったんです。
しかし、よくよく考えてみると、警察というのは、このような疑わしい人を犯人に仕立て上げるのが天才的に上手いんですね。そんな胡散臭いヤツだから、捕まっても仕方ないだろうと警察は世間の人に思わせていくわけです。
それで、僕はその後も眞須美さんと面会し、和歌山で開かれた支援集会にも2回参加しました。そうした中で「やはり、眞須美さんは犯人とは違うな」と段々確信していったのです。
少なくとも、この事件は、あくまでグレーゾーンの事件ですよね。ぼくは高校の時に刑事裁判について「疑わしきは罰せず」「疑わしきは被告人の利益に」と習いましたが、それに従うなら、林眞須美さんにはそれなりに胡散臭いところがあるにしても、それだけで犯人と決めつけるわけにはいかない。眞須美さんを犯人と決めつけるだけの証拠がないなら、釈放しないといけない。そう思うようになりました。
ところで、先日の和歌山での支援集会では、甲山事件の山田悦子さんの話を聞きまして、非常に感動したことがあります。それは、「マスコミを敵にしてはいけないんだ」という話です。山田さんが話された「面倒くさくても、新聞記者には、自分の言いたいことを言わないといけないんだ」というのは、なるほどなあ、と思いましたね。
というのも、市民運動にしろ、左翼や右翼にしろ、反権力闘争をする人には、「マスコミは敵だ」という考えの人は多いのですが、しかし、世間の多くの人はカレー事件や林眞須美さんのことをマスコミを通してしか知ることはできません。また、我々もマスコミを通してしか、カレー事件や林眞須美さんのことを世間の人たちに伝えることはできません。そうであるなら、マスコミが敵か味方かというのは、場面場面で変わるでしょうけど、自分たちからマスコミを敵にする必要はない。山田さんの話を聞いて、そういうことに気づかされたのです。
それと、これからの日本は「少しでも怪しいヤツはどんどん捕まえろ」という風潮にますますなっていくと思います。殺人の時効も15年から25年になり、「時効を撤廃しろ」という話もありますし、裁判員制度によって刑事裁判も、人民裁判のようになっていくでしょう。こうした「怪しいヤツは捕まえろ」「怪しいヤツは殺せ」という集団ヒステリーのような状況の中で、今日こういう場に集まった人だけでも冷静に考えていかないといけないと思います。
「カレー事件の犯人は林眞須美じゃないんじゃないかな」という人だけでなく、「カレー事件の犯人は林眞須美に違いない」という人も含めて、こういう集まりやシンポジウムみたいなことをやっていくだけで、もっともっと大きな広がりになっていくのではないかと思います。
かくいうぼくも、この事件についてはわからないことがまだまだあります。このあと、弁護士さんや林健治さんの話もありますので、わからないことはどんどん聞いてみればいいと思います。そうやって、みんなでクエスチョンを出し合って、林眞須美さんを救出する方向に行ければいいと思います。
ありがとうございました。
高見秀一弁護士の話
高見秀一弁護士の話
私は一審から林眞須美さんの弁護人でしたので、まずは事件と裁判の流れを簡単に説明させて頂きますが、(以下、スクリーンに事件現場の地図を写しながら)この事件が起きたのは、平成10年の7月25日のことです。それからもう10年半経ちましたけど、この「ガレージ」と書いてある所で、事件当日に自治会の人たちが夏祭りで出すために、カレーとおでんを炊いていた。カレーの鍋は2つあり、そのうち「東側に置かれていた鍋」にヒ素が入っていたのです。
そして、裁判では犯人だとされている林眞須美さんは、事件当日の午後0時20分ごろから午後1時ごろまでの間に、このガレージでカレーの見張りをしていました。その間に眞須美さんが、カレーにヒ素を入れたことになっているわけです。
ただ、この事件では、眞須美さんがカレー鍋にヒ素を入れたところを見た人は誰もいません。しかし、カレー鍋が置かれていたガレージの向かいにあるお宅の、Hさんというお嬢さんが「ガレージに眞須美さんがいて、西側のカレー鍋のフタをあけ、鍋の中をのぞき込んでいるところを見た」と証言されている。西側の鍋というのは、要するに「ヒ素が入っていなかったほうの鍋」なのですが、この証言が裁判では、眞須美さんがカレー事件の犯人であるとする重要な間接事実の1つとされているのです。
このHさんの目撃証言には色々問題があるのですが、そのうち2つの問題点について、今日はお話させてもらいます。
・眞須美さんのTシャツの色を間違った目撃証言
高見秀一弁護士の話
この証言の1つ目の問題点は、一審でHさんが眞須美さんの当日の服装について、「白いTシャツだった」と証言されていることです。というのも、事件当日に眞須美さんが着ていたのは「黒いTシャツ」だったので、ここがまず事実と違うわけです。
もっとも、裁判では、Hさんの言う通りに事件当日の眞須美さんの服装は、「白いTシャツ」だったと認定されています。そこで、眞須美さんの服装が白と黒、本当はどっちだったのか、事件当日にカレーの調理や見張り番をされた他の地域住民の方々の証言を元に検証してみます。
まず、事件発生まもない98年9月、10月のころの地域住民の方々の証言をみていくと、Mさんという方が9月17日付けと10月1日付けの警察官調書でいずれも「林の奥さんは黒っぽい服を着ていたと思います」と証言されています。このMさんという方は、事件当日の午後1時ごろにカレーの見張り番を眞須美さんと交代した人ですが、その時に眞須美さんを見た記憶に基づいて証言されているわけです。
それから、Tさんという方も、午前中にカレーやおでんの調理をしていた時に眞須美さんを見ているのですが、9月23日付けの警察官調書で「林さんが黒のTシャツ姿で、右手で子供を抱えるようにしてガレージに来たのです」と供述しておられます。また、0時20分ごろに眞須美さんとカレーの見張り番を交代したOさんという方も、10月1日付けの警察官調書で「林さんの服装は黒か紺のダボダボしたTシャツでした」と証言しておられたんです。
また、この人たちの一審の法廷での証言をみても、TさんとMさんは眞須美さんの事件当日の服装を「黒」だと証言されています。一人だけ、Oさんが一審の法廷では眞須美さんの服装について「白っぽいTシャツでした」と証言し、捜査段階の「黒か紺」から証言が変わってしまったのですが、実はこのOさんは、証言を変遷させた理由として、法廷でこんなことを言っているのです。
「オリジナルの記憶は白だったんだけども、警察の方に調書をとられている時に、『他の人はみんな、林さんが黒のTシャツを着ていたと言っている。あなたの記憶違いじゃないか』と言われたんです。それで、みんなが黒だと言っているなら、林さんの服装が白だという私の記憶は間違いかもしれないと思って、取り調べでは黒だと言っていたんです」
つまり、眞須美さんの服装を法廷では「白」だと言ったOさんの証言によって、逆に、事件発生まもないころには地域住民のほとんどの方が眞須美さんの服装を「黒」だと証言していたことがハッキリするわけです。
・目撃者が見たのは眞須美さんではなく次女
そして、Hさんの目撃証言に関するもう1つの問題点ですが、それは、眞須美さんがカレーの鍋のフタをあけた時、首にタオルを巻いていたと証言されていることです。というのも、他の地域住民の方々は誰一人、眞須美さんが事件当日にタオルを首に巻いていたとは証言していないんです。
では、Hさんが見た「鍋をあけた人」、つまり「首にタオルを巻いていて、白いTシャツ姿だった人」は誰だったかというと、眞須美さんの次女だったのです。
というのも、次女の方は、事件発生当時にフライデーが、眞須美さんと間違って写真を誌面に掲載したほど、眞須美さんと背格好がとてもよく似ていたんですね。それで、Hさんも次女の方を眞須美さんだと間違って証言したんだと思うのです。
実際、次女の方は、「事件当日にはガレージでお母さんとずっと一緒にいた。その時に自分は白いTシャツを着ていて、首にタオルを巻いていた」と証言しています。それに、次女の方は、「お母さんと一緒にガレージにいる時にカレーの鍋のふたをあけ、味見をしました」ということを裁判が始まる前の手続から一貫して証言しているんですね。
それと、Hさんは「カレーの鍋のフタをあけた時、眞須美さんは首にタオルを巻いていた」と証言している一方で、「午後0時20分ごろに眞須美さんを最初に見た時には、首にタオルをかけていなかった」とも証言しています。
そのことから、一審判決は「最初は首にタオルを巻いていなかった被告人が、鍋のフタをあけた時に首にタオルを巻いていたのは、カレー鍋の見張り番をしていた時間帯に一度、家に帰ったからだ。その際、家にあったヒ素を持ってきたのだろう」と言外に匂わせている。
しかし、Hさんの証言を検証すると、実は事件発生まもないころの検察官調書では、「眞須美さんは、最初に見た時(つまり午後0時20分よりも前の時点)から、白っぽいTシャツに黒っぽいズボンをはいていて、首にタオルを巻いていました」と証言しています。ですから、Hさんが最初に見た時に首にタオルを巻いていなかった眞須美さんが、次にHさんが見た時は首にタオルを巻いていたとされ、そのことから眞須美さんがカレーの見張り中に一度家に帰ったとしている点も、一審判決は間違っているわけです。
小田幸児弁護士の話
小田幸児弁護士の話
私のほうからも、この事件の流れをちょっと話させて頂きますが、カレー事件は平成10年7月25日に発生し、最初は食中毒じゃないかと言われ、その次に、青酸化合物がカレーに混入されていたのではないかと言われました。さらにその後、カレーに入っていたのが青酸ではなく、実はヒ素だったと判明する流れになりました。
そして8月から、林健治さんと眞須美さんの夫婦が「怪しい」という報道がされ、10月4日に夫婦が一緒に逮捕されました。この時は夫婦二人が保険金詐欺の共犯だということで逮捕されたのですが、12月になると眞須美さんは、健治さんに対する殺人未遂でも逮捕された。そんな中で私は眞須美さんの弁護人になったのですが、眞須美さんは12月初めにカレー事件でも逮捕され、12月29日に起訴されたのです。
ただ、この事件には、直接証拠がありません。自白もないし、犯行の目撃証言もない。そんな中で起訴の大きな後押しとなったのが、中井泉さんという鑑定人がスプリング8という最新の大型放射光施設によって鑑定を行い、「林家などから見つかったとされるヒ素」と「カレー鍋に入っていたヒ素」が同一だと結論した鑑定結果でした。
・問題が多かった鑑定人
しかし、この鑑定には色々問題があるのです。
まず第一に、鑑定人の中井さん自身に問題がありました。というのも、中井さんは、眞須美さんがまだカレー事件では起訴されてもいない時期にマスコミを集め、裁判でも最重要証拠になると思われる鑑定結果を公表している。しかも、その会見の場で「科学によって、悪事は必ず裁かれることを証明するために鑑定したんだ」みたいなことを言っているのです。鑑定結果が裁判で証拠調べもされていない時期に、眞須美さんがカレー事件の犯人だと煽るようなことを中井さんはしたわけです。
さらに鑑定の途中でも中井さんは、証拠が足りないと思うと、警察官に追加の資料を持ってこさせ、有罪の証拠が厚くなるように鑑定していた。つまり中井さんというのは、科学者として中立的に物事を判断するという資質に欠けた人だったのです。
また、この中井さんを警察に紹介した山内博さんという鑑定人にも問題がありました。というのも、この人はヒ素の専門家ということになっている人ですが、法廷で尋問してみると、「飽和」や「再結晶」などという理科の知識も理解できていなかった。それに山内さんは、証言態度も非常にいい加減だったのです。
たとえば、厚生省の調査結果をもとに証言していると山内さんが言うので、弁護人が「その調査結果を法廷に出すことはできるか?」と聞いたら、彼は「出せません」と言うんですね。そこで、次回の山内さんに対する尋問では、弁護団はその厚生省の調査結果を独自に入手し、その上で尋問したのですが、すると山内さんは、法廷に出せないと言ってはずの調査結果をカバンから取り出して、「実は……」と言い出した。山内さんはそういういい加減な人だったのです。
・再鑑定にも問題があった
中井さんの鑑定は、鑑定手法にも疑問があったので、弁護団は再鑑定を求めました。すると、裁判所が職権で谷口一雄さんと早川慎二さんという鑑定人に再鑑定やらせたのですが、この再鑑定にも問題がありました。
というのも、この谷口・早川鑑定では、最初は、林家などから発見されたヒ素と、カレーに入っていたヒ素が「同一とは言えない」という結果が出たのです。ところが、裁判所が弁護人に相談もなく、谷口さんと早川さんに鑑定のやり直しを命じたんですね。
すると、谷口さんと早川さんは今度は、「同一の可能性がある」という判断をした。そして一審判決は、中井さんの鑑定に加え、科警研の鑑定や、谷口・早川鑑定を総合的に評価し、林家などから見つかったとされるヒ素とカレーに入っていたヒ素を「同一の原料で、同一の工場で、同一の工程で、同一の機会に製造されたものだ」と結論づけてしまったのです。
・鑑定資料の発見や保管の状況にも問題
また、仮に鑑定結果が正しかったとしても、鑑定資料のヒ素の発見状況や保管状況などにも問題がありました。
たとえば、警察は98年10月13日に林家の旧宅のガレージを捜索し、ミルク缶に入ったヒ素を発見しています。ところが、この缶の底にヒ素がついていたということで、警察は翌14日にこのガレージを再捜索している。そして、缶が置かれていたとされる場所から、こぼれていたというヒ素を押収しているのです。
なぜ、警察は最初の捜索では、こぼれていたヒ素に気づかなかったのか? しかも、缶の底についていたとされるヒ素は、押収後にどこに行ったのか、まったく明らかにされていないのです。
スプリング8を使った鑑定では、きわめて微量のものが分析できるので、鑑定資料のヒ素に、ちょっとでも他のヒ素が混ざれば、どうしようもなくなります。したがって、この事件で鑑定資料となったヒ素は、他の事件の鑑定資料以上に気をつかって保管しないといけない。しかし、警察は鑑定資料のヒ素について、保管の状況を写真などで客観的に明らかにするということをやっていないし、ちゃんと保管していた様子がまったく無いんですね。
裁判所は、スプリング8による鑑定について、「微量なものでも分析できて、信頼性が高い」と言っていますが、一方で「微量なものでも分析できる技術だからこそ、微量な量でも鑑定資料が汚染されたら結果が変わってしまう」という点は無視しているのです。
また、ヒ素は白アリ駆除などで使われていたものですが、林さん宅以外に事件発生当時、どれくらいヒ素があったのかはわかってない。ですので、この裁判では鑑定によって、林家などから発見されたヒ素と、カレー鍋に入っていたヒ素が同一だと認定されていますが、この鑑定からカレーにヒ素を入れたのが林眞須美さんだと結論づけることはできないと考えています。
河村シゲルさんの挨拶
河村シゲルさんの挨拶
ぼくが林眞須美さんの事件に関心を持つようになったのは、三浦和義さんとやっていたトークライブがキッカケでした。そのライブというのが、冤罪を訴えている人や、世間から後ろ指をさされているような人を呼び、お話を聞くという内容だったのですが、三浦さんがある時、「来月は、眞須美ちゃんのダンナさんを呼びたいんだ」と言ったんですね。
その時、ぼくは「眞須美ちゃん」というのが、林眞須美さんとすぐに結びつかなかったんですが、三浦さんが呼びたいのが林健治さんだとわかって、すぐに「じゃあ、呼ぼう」と。その時、健治さんは数十年ぶりに東京に来られたそうなんですが、東京では初めてカレー事件のことを語ってくれるとのことで、「これはいいなあ」と思ったのです。
しかし、ライブの前日になりましたら三浦さんから連絡がありまして、「腰が痛くて動けないんだ」と言う。それで急遽、三浦さんがライブに来られなくなって、ぼくは何も事前情報がないまま、ライブで林健治さんとお話することになったんです。
ぼくはそれまで、カレー事件についてはマスコミ報道でしか知らなかったので、健治さんについては、胡散臭いオジサンというイメージしかなかったし、林眞須美さんについても、ホースで水をかける怖いオバサンというイメージしかありませんでした。つまりライブでは、ネガティブな情報しか持っていない状態で、ぼくは健治さんとお話したんですね。
ところが、健治さんとお話した時、最初に印象的だったのは、健治さんの目が澄んでいるんです。それで、「風体は悪いけど、こんなに目が澄んだ男がいるんだなあ」と思いながら話を始めたら、健治さんはいきなり冒頭で、「私は悪い男です」と言うんです。
「保険金詐欺で何億も儲けて、ギャンブルでスッテンテンになるまで遊んだし、深夜に麻雀して近所にも迷惑をかけた。私は悪い男です」と、こんな話を健治さんは訥々とされたんですね。
一方で健治さんは「しかし、うちの眞須美は私とは違う。眞須美は近所で好かれていたし、眞須美のことを悪く言う人はあのへんにいないんです」ということをライブで切々と訴えられたんです。
さらに、このライブでぼくが健治さんに聞かされたのが、4人のお子さんたちが、お母さんの無実を信じて戦っているんだということです。この話にぼくは感動させられたんですが、中でも一番感動したのが、次のような話です。
眞須美さんが入っている拘置所では、ラジオのリクエスト曲をずっと流しているそうなんですが、眞須美さんがある日ラジオを聴いていたら、「今日はお母さんの誕生日なので、この曲をリクエストします」ということで、大橋純子の「シルエットロマンス」が流れたそうなんです。実はこれ、眞須美さんが大好きな曲だということで、お子さんたちがリクエストしたそうなんですが、これを聴きながら眞須美さんは拘置所でボロボロ涙を流した、と。ぼくはライブで健治さんから、こういう話を色々聞きまして、この事件に関心を持つようになったんです。
といっても、ぼくはこの事件のことはまだよく知りません。しかし、お子さんたちが一生懸命戦っているなら、眞須美さんの言葉にも耳を貸してもいいんじゃないかと思うんですね。
今日ここに来ているみなさんの中にも、まだマスコミ報道でしか事件のことを知らない人が多いと思います。ですので、今日はぜひ本当の話をお聞きになって、それでもう一度、私たちが人間として、日本人として何をしたらいいか、ということを考える機会になればいいと思っています。
ご家族の挨拶
林健治さん拶
林健治さんの挨拶
はじめまして。今日は和歌山から出てきました林健治です。
今日は、初めての東京集会ということで、これだけ多くの方が参加してくれるとは、夢にも思っていませんでした。それで、いつもの集会ではすっと当たり前のように前に出てくるんですが、今日は足がすっと前に出てきませんで、緊張もしています。
最高裁の口頭弁論の期日が今月24日に決まり、今は大変厳しい状況なのですが、屈することなく前に進んでいかないことには、この事件は風化してしまうので、子供と一緒に一日千秋の思いで過ごしています。今後とも、みなさまには支援のほど、よろしくお願い致します。
それで、今日は長男と三女が同席していまして、みなさまにお礼と挨拶がしたいということなので、よろしくお願いします。
ご長男の挨拶
今日はありがとうございます。長男の××です。
ぼくは事件が起きた当時、小学5年生ということで、ほとんど事件のことは把握できていない状況でした。しかし、父が出所しまして、このような支援集会を重ねるうちにちょっとずつではありますが、事件のことが理解できてきまして、微々たるものですけども、母を助ける力を集めていきたいと思っています。
家族の力だけではどうしようもないので、どうかみなさんの力を借りたいと思っています。よろしくお願いします。
ご三女の挨拶
今日はありがとうございます。三女の××です。
私は当時4才だったので、何も覚えていませんが、お母さんが一日でも早く戻ってきて欲しいので、これからもお母さんの支援、よろしくお願いします。
林眞須美さんのメッセージ
2月24日、最高裁第三小法廷で午後3時からの口頭弁論を前にして、初めての東京集会に、本日は多忙な中、大勢の方々にご参加いただきまして感謝の気持ちでいっぱいです。本当に心より感謝申しあげます。
本日ご参加の皆様にお願いしたいことがあります。
皆さんが裁判官になったと考えてみてください。皆さんがそうなったら私に死刑判決を下しますか?何か証拠はありますか?
私は犯人ではないので何もありません。何もないはずです。
私はカレー事件の犯人ではないのです。ですから、私は何としてでも無罪判決を勝ちとらねばという強い決意で、毎日毎日を過ごしています。
とはいえ、獄中の私にできることなんて何もないのです。
弁護士の先生方には、上告審を手弁当で闘っていただいています。
また、支援者の方々や、集会にご参加してくださっている方々など多くの皆様が、無収入のボランティアで、私や4人の子供たちを力強く支えていくださっていることが、私の心の支えになっています。
どうか真犯人の方は、一刻も早く名乗り出てください。私は毎日今日か明日かと、今か今かと待ち続けてすごしています。
本日は、長女と次女は仕事の都合で参加できませんでしたが、主人と長男、三女が参加しています。
思い返せば、私が逮捕された平成10年10月4日は、当時小学5年生の長男の運動会の日でした。長女 中三、次女 中二、三女はまだ4歳でした。
日本中のマスコミが家に押しかけ、テレビも生中継で、頭上には耳が壊れてしまいそうなくらいの大騒音のヘリコプターが、10機以上も飛んでいる戦争状態のような中で、取り残されてしまった4人の子供たちは、どんなに不安な思いであったのかと思うだけで、私はいつも息が詰まり、胸が張り裂けそうになります。
子供たちは、父も母もいない中で、日本中の誰もが敵としか思えない中で、私たちはもうこの4人しか信じられる人はいないんだと、兄弟で力をあわせながら成長してきてくれました。
長男が高校生の時にはバスケットクラブに入り、一日も休まずに練習に励み、二年生の時にはキャプテンとして、過ごしていた時に、近畿大会で長男のシュートが決まったときに、「死刑囚の子」と野次が飛んだということを、主人の手記を雑誌で読んで初めて知りました。
この時のことが長男にとっては今までの人生で一番つらかったことだそうで、彼はその時に笑顔で返したそうですが、私はこのことを知って以来、半年間は情けなくて、心身ともにボロボロでなき続ける毎日でした。
そのような中でも、この子供たちは母親である私への手紙は、何ひとつとして自分たちのつらいことや不平不満は言わずに、けなげにも私を励ましてくれるものばかりでした。
私は親バカです。
私はこの、愛しくてかわいくてたまらないこの4人の子供たちのためなら、何でも、少しでもできることはしてあげたいとの思いで、机の上の写真立ての子供たちの笑顔のVサインを、46時中目にしてすごしてきました。
本日は、こんな私にそれまでは、私のことをママと呼んでいた子供たちが、この時初めてお母さんと書いて、平成11年5月13日の初公判の前に、4人の子供の連名で送ってきてくれた手紙を紹介させていただきたいと思います。
「お母さんへ。
5月13日の初公判で、いよいよ裁判が始まりますね。
私たち4人は、毎日元気ですごしています。安心してください。
新聞、ニュース、雑誌等のマスコミは、本当にひどいことを書いたり言ってますが、世界中のみんなが敵になっても、私たち4人はいつもお母さんのことを信じています。
どんなにつらく、何十年かかったとしても、私たちは待ち続けてます。
世界でたった一人のお母さん。どんなにつらくて苦しくても、私たちがいることを忘れないでください。負けないでください。裁判に勝ってください。裁判で勝ってお母さんが帰ってくるまで、何十年でも私たちは待ってます。
お母さん泣かないでください。必ず勝ってください。お母さんに会える日を楽しみにしてます。体に気をつけて頑張ってください。離れて初めての母の日です。
おかあさん。どうもありがとうございます。」
私は、このわが子たちの力強い成長に答えるためにも、一日も一刻も早く子供たちのもとへ帰りたいのです。
どうか皆様、本当の裁判のことを知ってください。お力をお貸しください。
なにとぞお願いいたします。
平成21年2月13日
林 眞須美
山際永三さんの挨拶
山際永三さんの挨拶
今日はみなさん、ご苦労様でした。もう何も申し上げることはありませんが、裁判員制度がもうすぐ始まる中で林眞須美さんの事件、その前の三浦和義さんの事件のような法廷が冷静さを失い、合理的な判断ができないような環境で行われる裁判の怖さ、裁判官だけでなく、出てくる証人や証拠がマスコミ情報で汚されている裁判の怖さを今日もつくづく感じた次第です。
我々はもうちょっと冷静にならねばならないと思いますし、裁判はもっと厳密であって欲しいと思います。みなさん、そのために力を尽くしましょう。よろしくお願いします。
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asyura's keijban log [世紀末を超える★阿修羅♪掲示板LOG320(980730-980804)]
No 3148 奮ス 碓嘶爪筋ー 8月2日(日)20時37分
タイトル 悲愴!凄惨カリー
<青酸カレー>
被害者からヒ素も検出 混入の可能性も 和歌山
和歌山市の青酸カレー事件を捜査中の
和歌山東署捜査本部は2日、
被害者が自宅に持ち帰ったカレー容器のトレーと、
被害者の胃の内容物からヒ素を検出した、と発表した。
同事件では、青酸化合物がこれまで検出されていたが、
ヒ素も同じく混入された可能性があるとみて調べている。
[AULOS]
<被害者の胃の内容物からヒ素を検出>青酸カレー事件
青酸カレー事件で和歌山県警捜査本部は2日、
被害者の胃の内容物となべ底のカレーからヒ素を検出。
ヒ素は、死亡した林大貴君(10)が家に持ち帰ったカレーのトレーと、
死亡した谷中孝寿(64)の胃の内容物から検出。
捜査本部は、青酸と共にヒ素も混入された可能性があるとみて捜査。
「麻痺(あさひ).com」
<><><>
ヒ素と高純度の青酸化合物・・・過ぎたるはなお及ばざるが如し。
こんなマニアックな劇薬を簡単に入手出来うる人物は
案外、簡単に特定されるかもしれない。やはり学生なのか?
それにしても、これで捕まるなら大間抜けであろう。
http://www.asyura2.com/bdlog/asyura4/keiji320.htm