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大韓航空機爆破事件は、1987年11月29日、イラク・バグダッド発、アラブ首長国連邦アブダビ、タイ・バンコク経由、韓国・ソウル行きの大韓航空858便・ボーイング707型機が北朝鮮の工作員によって飛行中に爆破されたとされる航空テロ事件。乗客・乗員115人全員が死亡したとされる。この便の乗客のほとんどは中近東への出稼ぎから帰る韓国人労働者だったと言われる。
しかし、海上で爆破・墜落したとされる飛行機の残骸は、なかなか見つからず、しかも、115人いたはずの犠牲者の遺体は一人として見つかっていない。
そして、事件直前の韓国社会状況を見ると、非常に大きな疑問が沸き起こってくる。
第2次大戦終了後、北緯38度線を挟んで、朝鮮半島の北部がソ連、南部がアメリカにより占領される。1948年の韓国及び北朝鮮の独立、そしてその2年後の1950年には北朝鮮との朝鮮戦争が始まり、北朝鮮は、金日成・金正日の支配が始まる。韓国は、アメリカの実質的な占領がされていて、実質的な軍事政権が続く。初代大統領の李承晩は軍人ではなかったが、その後は朴正煕、全斗煥などの軍人出身大統領のもと、大規模な汚職や民衆弾圧が相次いだ。主な虐殺事件だけでも、保導連盟事件、済州島四・三事件、光州事件などがある。なお、1973年には金大中拉致事件が起きている。韓国の政治家で、のちに大統領となる金大中が韓国中央情報部(KCIA)により東京のホテルグランドパレスから拉致され、5日後ソウル市内の自宅前で発見された事件。
そのような中、反米、民主化を求めた運動が盛り上がり、1987年6月には、反政府デモ参加者は100万人に達した。学生だけでなく、一般市民や高校生までが参加したと言われる。そのような民主化運動の高まりの中、盧泰愚大統領候補が六・二九民主化宣言を発表する。ソウルオリンピックの成功裡終了を条件とした大統領直接選挙制の受け入れと、反体制政治家・金大中の赦免・復権を約束したもの。大統領直接選挙制導入のための憲法改正が10月27日の国民投票(賛成93.1%)で、承認され、そして、12月16日に大統領選挙が行なわる直前の11月29日に、大韓航空機爆破事件が起きるのだ。
この大統領選挙は、久しぶりに行われる、大統領を直接選ぶ選挙で、実質的には韓国成立後初めての自由選挙であったと言われる。そして、親米の盧泰愚に対し、野党候補は分裂し、金大中、金泳三、金鍾泌が出馬する。事前の予測は、金大中の勝利であったが、大韓航空機爆破事件により、反北朝鮮、反共産主義の世論が喚起され、金大中・金泳三の票が減り、盧泰愚が比較的小差で当選した。
盧泰愚 民主正義党 8,282,738 36.6
金泳三 統一民主党 6,337,581 28.0
金大中 平和民主党 6,113,375 27.0
金鍾泌 新民主共和党 1,823,067 8.1
(上の得票データは、http://ja.wikipedia.org/wiki/1987%E5%B9%B4%E5%A4%A7%E9%9F%93%E6%B0%91%E5%9B%BD%E5%A4%A7%E7%B5%B1%E9%A0%98%E9%81%B8%E6%8C%99から)
つまり、大韓航空機爆破事件は、民主化要求の高まりを受けて始めて実施される自由選挙で、反米政権が成立することを阻止するために起こされたと見ることができる。
だから、金賢姫にしても、北朝鮮スパイとするには、色々と無理がある。そもそも、150人以上を爆破して殺した犯人が、なぜ、死刑になっていないのか、少なくとも、終身刑にはされて当然だ。しかし、彼女は、今、自由人・民間人として生活している。このこと一つとっても、金賢姫は特別扱いを受けていて、とても、大韓航空機爆破事件が本当にあったとは思えない。
なお、この事件の約4年前の1983年、大韓航空機撃墜事件と言うものが起っている。これは、ソ連によりサハリン上空で大韓航空機が撃墜されたと言うものだが、やはり、乗っていたはずの269人の遺体は破片を除き全く見つからず、機体の残骸も破片しか見つからないと言うものだ。