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やっと円天という誰から見ても詐欺でしないことをやっていた波和二が逮捕された。被害は、1000億円を軽く越えている。報道によると、彼は、1970年代に既にマルチ商法で逮捕されている。そして、彼の周囲では、様々なマルチ商法が行われ、それぞれ数百億円の被害を出している。しかし、波容疑者にそう言った経歴があったという報道は、多分、今まで無かったのではないだろうか?
ウィキペディアの「波和二」のページも、2007年10月4日に出来ている。つまり、円天にからむ詐欺容疑での一斉捜索を受けた後だ。
2007年10月4日 (木) 07:20時点における版
波和二(なみ かずつぎ)は東京都新宿区に本社を置く、健康食品販売会社株式会社エル・アンド・ジー代表取締役会長。「円天」と呼ぶ疑似通貨を発行し、日本全国の不特定多数の会員から多額の「協力金」と称する出資金を集めたものの、2007年1月頃から資金繰りの悪化が明るみに出、従業員の大半を解雇、配当を現金から円天に切り替えたが、それも止まるなど企業活動は行き詰まりを見せていた。
2007年10月3日、株式会社エル・アンド・ジーは、警視庁および宮城県警、福島県警の合同捜査本部による出資法違反容疑で一斉捜索を受け、10時間に及ぶ捜査により資料をダンボール箱10000個以上を押収された。全国約5万人から1000億円を超える資金を集めたとされ、過去最大規模のマルチ商法事件に発展するおそれがある。捜査本部は最終的には詐欺容疑での立件を目指す予定。
(以上、http://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E6%B3%A2%E5%92%8C%E4%BA%8C&diff=15275546&oldid=15275441からの引用)
考えてみれば、豊田商事事件、足裏健康法などなど、多分、ごく普通に考えれば詐欺だと分かるものが、何年間も放置され、結果として被害額が100億円とか1000億円とかの単位になってやっと警察が動き出す。どれも、現物まがい商法・マルチ商法だということは、ごく初期に分かるものであるはずだ。だから、これらの犯罪は、その初期に行政(消費者センターなど)なり警察、または、マスコミ、弁護士会などが適切に動けば、かなり被害が防げるはずのものだ。ところが、現実は反対で、ひどい場合は、マスコミによってそう言った企業が新たな成功企業として紹介されたりする。
なぜこういったことが起るのかを考えると、実際に詐欺行為を働いている人たちの裏側に、そう言った詐欺の仕組み全体を考え出し、彼らを操って不当な利益の大部分を吸い出している連中がいるとしか思えない。
ライブドア事件の時、プロの投資家や一定以上の規模の企業は皆売り抜けて、損失を被ったのは一般投資家のみだと言われている。マスコミがライブドアをはやして、株価が上がる中、専門家は、ライブドアの業績がインチキだということを常識として分かっていて、株を売り抜け、一般投資家に損失を押し付ける形で、一部のものがぼろもうけをしたわけだ。
利益を得た人たちも、立場はいろいろあり、全体の仕組みを考え出したものや、単に、そう言った仕組みを実行する中で協力しただけのもの、仕組みに気がつかず単に利益を提供された人などなどだ。中には、行政やマスコミ関係の方もかなりいるのだと思う。
円天の場合も、被害者の多くは、知り合いから必ず儲かると勧誘されて出資したという方が大部分であり、初期の会員は実際にかなり儲かっているはずだ。今回、円天の初期の会員に対しては、損害賠償の責任を問うという動きがあるという。これはこれでいいと思うが、結局被害の回復はあまりされないはずだ。
民事訴訟で、行政の不作為を問うこともされていいと思うし、そう言った動きが無くても、行政やマスコミが、犯罪の初期の段階でもっと積極的に動く必要がある。これは、ごく当然のことで、これがされていないのは、行政やマスコミ、特に警察が、そう言った巨額詐欺に構造的に関わっていることの証左だと言わざるを得ない。
http://www.asahi.com/national/update/0207/TKY200902070107.htmlより引用:
円天、マルチの梁山泊 「元祖」波会長の下に結集
2009年2月7日15時0分
疑似通貨「円天」を宣伝材料に約1260億円を集めたとされる健康商品販売会社「エル・アンド・ジー(L&G)」の事件で、逮捕された同社幹部の多くは、過去に類似の商法で事件や問題になった会社にかかわっていた。会長の波和二(かずつぎ)容疑者(75)を中心に形作られたL&Gを、捜査関係者は「『マルチの元祖』の会長を頂点に、過去のノウハウを持ち寄った悪質商法のデパート」と指摘する。
警視庁などの特別捜査本部やマルチ商法の関係者によると、波容疑者は三重県尾鷲市出身で、都内の私立大学芸術学部を中退。国内初のマルチ商法とされ、70年代に社会問題化した「APOジャパン」の副社長として、排ガスを低減させるとうたって部品を販売していた。L&G営業担当社長寺嶋惇容疑者(64)は当時からの側近だ。
波、寺嶋両容疑者はAPOが破綻(はたん)する直前の73年、新たに「魔法の石で水道水がミネラルウオーターになる」と称した「ノザック」という会社を起こす。だが、波容疑者が手形詐欺事件で逮捕されたため、寺嶋容疑者は飛行船事業の会員権を売る新たな会社を設立。寺嶋容疑者のもとには、L&G営業担当副社長小寺秀樹(50)、管理部長福田博利(47)、営業部長杉本幸雄(49)の各容疑者がいた。
この時期、L&G業務担当社長の長野正良容疑者(60)は健康商品、総務・業務本部長柴田克一容疑者(65)はステンレス鍋を売るマルチ商法の会社の幹部として活動していた。
波容疑者は出所すると、寺嶋容疑者らの呼びかけで「億万長者をつくる会」との名称で活動を再開。この会に長野、柴田両容疑者と傘下の社員らが集まり、87年に設立されたのがL&Gだ。
一方、L&G設立当時の幹部がその後、別の会社でマルチ商法を手がけ、逮捕されるなどした例も多い。
「沈没船を引き揚げて財宝を換金する」との実現性のない話で約1万3千人から約537億円をだまし取ったとされる「リッチランド」の会長は、リッチランドを立ち上げるまではL&G社長だった。
病気に効くなどとうたって水をつくる機器を売り、07年5月に経済産業省から業務停止命令を受けた福岡市の健康器具販売会社の社長もL&Gの副社長だった。
2人ともAPO時代からの波容疑者の部下で、両社は紹介料などの仕組みがL&Gと似ており、重複して被害に遭った人も多いという。
「買えば買うほどもうかる」との触れ込みで1万人超から約350億円を集めたとされる経済革命倶楽部(KKC)の社長も波容疑者を慕い、L&Gに出入りしていたとの証言がある。
異質に見えるのは、L&Gの「金庫番」とされる経理部長浅倉衛容疑者(67)だ。都内の私立大を卒業後、鉄道会社に勤務。ペンション経営などの後、00年に知人の紹介でL&Gに入社した。経理部門の責任者を任され、出入金の記録を毎日、波容疑者にファクスで送っていたという。
特別捜査本部によると、浅倉容疑者は「(会員に)うその説明をした」と供述しているが、会長の波容疑者ら大半の幹部は「だましていない」と詐欺の犯意を完全否認しているという。同本部は7日、波容疑者ら22人を送検した。
以上引用終わり。