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http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2013-01-20/2013012001_05_0.html
きょうの潮流
「しんぶん赤旗」 2013.01.20 日刊紙 1面
「巨人、大鵬、卵焼き」の流行語の生みの親は、評論家の堺屋太一氏でした。氏は、子どもと同じようなものが好きではしゃぐ、“子どもっぽいおとな”をからかうつもりだったらしい
▼が、氏の思惑をこえ、子どもが好きなものを並べた言葉としてすっかり根づきます。ときは1960年代初め。誠実を絵に描いたような大鵬関は、人をからかう素材になりえませんでした
▼優勝32回。大横綱・大鵬の納谷幸喜さんが亡くなりました。日本領だった樺太の生まれ。父はウクライナ人、母は日本人。5歳で終戦を迎え、母と命からがら北海道に渡ります。ソ連で迫害された父とは、以後も離れ離れでした
▼貧しく、混血のせいでいじめられた子ども時代。しかし、母に教えられます。「人はみんな平等だ。差別するんじゃない」。腹いっぱい飯が食えると入った大相撲で、つらいけいこに耐え抜きました
▼横綱・柏戸との名勝負は語り草です。休場明けの柏戸に負け、作家の石原慎太郎氏に「八百長」と書かれた時でした。身に覚えのない大鵬。彼が「つらかったろうね」と声をかけると、「うん」といってボロボロ泣く柏戸。以来2人は、厚い友情で結ばれます
▼やはり原点は、樺太からの引き揚げ船が次々沈む中で命拾いした体験なのでしょう。本紙2万号記念に、励ましをいただきました。“平和な社会をつくり、みんなが幸せにならないといけないんだと、一生懸命、報道しているわけでしょう。戦前からずっと…”。ありがとう、大鵬関。
(*記事には写真はない)柏鵬時代を迎えた大相撲、千秋楽を全勝で迎えた柏戸(右)と大鵬の両横綱の対決は寄り切りで柏戸が勝ち、全勝優勝=東京・蔵前国技館で1963年9月撮影(毎日新聞「【写真特集】第48代横綱・大鵬の軌跡」から)
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【関連記事】
「赤旗」を語る/2万号に寄せて/第四十八代横綱・大鵬 相撲博物館館長納谷幸喜さん
「しんぶん赤旗」 2006.07.23 日刊紙 1面
みんなの幸せへ一生懸命
「赤旗」は二万号ですか。続けることは大事なことですよ。おめでとうございます。がんばってください。
一九二八年創刊? 私は六十六歳で、一九四〇年生まれだから、私の生まれる前からあるんだね。
いろんな記事を書き、まとめ、毎日出し続けるってことは大変なことだ。何でも続けるということは自分とのたたかいだよ。新聞づくりも同じで根気がいる。意志が強く、ずっと続いてきたってことでしょ。陰の努力がないとできないわけだから。読むのは簡単だけどね。
■ ■
新聞は、偽りじゃなく本当にあったこと、こうなってほしいということが、いろんな人の目を通じて活字に現れてくるものでしょう。「赤旗」は、いいかげんな気持ちじゃなく、世の中が良くなるように、みんなを代表して書いていると思う。
私は相撲社会で丸五十年になります。ここまでこれたのは多くの人の支えがあってこそです。日々、感謝の心境ですね。
相撲は努力です。毎日のけいこ−−しこ、鉄砲といった基本を続けることが、いつか実を結ぶ。現役をはなれ、還暦を迎えて、協会を定年退職しても、今度は相撲博物館の館長として、相撲を後世の人に伝えていくために、やるべきことがたくさんある。勉強は続くし、一生己とのたたかいだと思っています。
若い人たちに言いたいのは、まず自分が努力するということ。今は物があふれ、何でも簡単に手に入る時代だけど、自分たちの生活を良くする努力が大事だと思う。その上で努力が報われるような保障も要求するべきでしょう。
■ ■
私の平和への原点は樺太(からふと)から命からがら引き揚げてきたこと。みんなが大変な時代でした。日本は広島、長崎の原爆など大きな犠牲を払ったし、よその国ではもっと悲惨なこともあった。こういうことを経験して、二度と繰り返してはいけないと学んだわけだから、人間みんなが幸せになれるように努力しないといけないと思うんだよ。
日本全国、各地を巡業で回ったけれど、地方によって言葉も考え方もみんな違う。でも相撲を応援しようということでは一致できるんです。同じように政治でも、いろいろ考えが違っても平和な社会をつくり、みんなが幸せにならないといけないんだということで一致できるはずです。
それを一生懸命「赤旗」はとらえて報道しているわけでしょう。戦前からずっと……。
私が審判部長をしていたとき判定がずれたことがあった。それで話し合って、間違いを指摘されたら素直に認め、正しい意見を受け入れて一本化してきたんだ。
人間の心はそれぞれ違って「なんだ赤旗か」という人もいるだろうけど、考えは違っても、いろんな意見を聞きながら、お互いの違いを認め合うということが大事だよ。認めて話し合い、一つのいい方向にもって行けばいいと思っています。
聞き手 武田祐一
なや・こうき 一九四〇年、樺太(現ロシア・サハリン)敷香町(ポロナイスク)生まれ。五六年二所ノ関部屋入門、九月初土俵。六一年九月場所後、横綱昇進。幕内優勝通算三十二回は最多。七一年五月引退、親方に。七七年脳こうそくで闘病。八〇年協会理事。二〇〇五年日本相撲協会を定年退職。現相撲博物館館長。
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<参照>
大鵬急死 2日前もテレビ観戦(日刊スポーツ)
http://www.nikkansports.com/sports/sumo/news/p-sp-tp3-20130120-1074301.html
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