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森下洋子さん(中)に、新演出のコッペリアの振り付けをする清水哲太郎さん(右)。 (野村成次撮影)(写真:産経新聞)
産経新聞 4月28日(土)15時25分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120428-00000525-san-ent
今年、舞踊歴61年を迎えるバレエダンサー、森下洋子(63)が5月、16年ぶりに新制作の「コッペリア」に主演する。美しい人形に恋した青年と、“彼女”に嫉妬する村娘の恋をコミカルに描く作品を、松山バレエ団総代表の清水哲太郎(64)が東日本大震災の発生を受けて一新。「芸術は人間を励ます」という信念のもと、大胆に読み替えて演出・振り付けする。(飯塚友子)
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「コッペリア」は森下が13歳の時、初めて全幕で主演した作品。フランスロマン派の作曲家、レオ・ドリーブの曲に合わせた人形振りが楽しい3幕を、国内外で半世紀にわたり踊り続けてきた。今回は物語の舞台を革命前年の18世紀末フランスに設定。1年前、噴火に襲われた村でスワニルダ(森下)は、まな娘コッペリアを失い引きこもってしまった哲学者、コッペリウスを、一周忌でもある復興祭に招くため奮闘する。
「コッペリウスは、村の犠牲者全員の人形を作っていた。それらは霊力で動くが、一人コッペリアだけ人形のまま。そこでスワニルダが、憧れていたコッペリアに入り込む」(清水)
2幕、コッペリアになりすましたスワニルダ(森下)が、村人の尊敬を集めていた父に発するメッセージこそ、「新制作」の核になる。「試練に立ち向かうのが人間、と教えてくれたのはお父さんではないか−と踊りで訴えます」と清水。残された家族への励ましを込めた“人形振り”を踊る森下は「いろいろなコッペリアを踊りましたがすごくハード。でも、これほど深いコッペリアに出合え幸せ」と充実の表情だ。
スワニルダを娘の再来と心を開くコッペリウス。3幕の復興祭では、彼女と青年フランツとの婚礼も行われ、村は久々の歓喜に包まれる。そこを鉄砲水が襲うが、コッペリウスは自己を顧みず周囲のため行動する村人に、希望を見いだす。
「災害で犠牲になった人の思いをどう受け継ぐか。震災後、今できるコッペリアにしたいとの思いを込めました」(清水)
広島出身で被爆者を家族に持つ森下は震災後、被災地に激励の言葉を発してきた。現在も都内へ移住を余儀なくされ、バレエを中断した福島県の小学生を無償で松山バレエ学校に受けいれる支援を続け、「芸術の力」を再確認したという。
「バレエを再開し、彼女たちは見違えるように明るくなった。芸術には人を励ます力があるんです」。60年以上踊り続けた今しか表現できないコッペリアで、再生への願いを届ける。
5月3〜5日、東京・渋谷のオーチャードホール。森下主演は3、4両日。5日は佐藤明美、山川晶子が主演。4月29日は平元久美主演(府中の森芸術劇場)。問い合わせは松山バレエ団(電)03・3408・7939。
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最終更新:4月28日(土)15時25分
産経新聞
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