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オリンパス事件「自己主張」と「嫉妬」で埋め尽くされる責任追及の実態
(会員制経済情報誌『現代産業情報』2月1日号より転載)
『オリンパス』の菊川剛元会長ら旧経営陣の刑事責任追及の動きが加速する中、
金融庁と証券取引等監視委員会が監査法人から事情聴取を始めたが、「これが
あまりにも酷い」(金融筋)という。
オリンパス決算の監査は、2年前まで『あずさ監査法人』が担当。その後は
『新日本監査法人』が手掛けてきたが、金融庁の聴取に対し、両社は「自社の
監査業務は適正であった」との上申書を提出し、不正経理の責任を相手になす
りつけ、中傷しているというのだから呆れる。
『あずさ』が2年前に監査契約をオリンパスから打ち切られたのは、海外企業
買収をめぐる高額手数料を問題視したことが理由だったと『あずさ』は強調。
このため「当社の監査は損失隠しを不正に穴埋めした買収手数料に疑義がある
と指摘した。最近の監査方法こそが不適格だった」と『新日本』を批判。
これに対し『新日本』は「巨額の損失は過去20年にわたって隠されてきた。
それを監査で見抜けなかった『あずさ』にこそ大きな問題があった」と反論す
る。
金融庁はオリンパス監査法人の責任を厳しく追及する方針で、事実、過去の企
業事件ではそうしてきた。
『カネボウ』を長年監査してきた『中央青山』が、最終的に解散に追い込まれ
たことは記憶に新しい。
『あずさ』と『新日本』が二の舞を避けようと、金融庁調査に必死で対処しよ
うとしているわけだが、いかにも見苦しい。
また、両社が恐れるのは株主代表訴訟で、オリンパス株主から損害賠償請求先
に指定されるのを回避したいという思惑がある。
特に、『あずさ』は自己正当性を過剰に強調するあまり、「オリンパスは巧妙
に損失隠しを隠蔽し、それを『新日本』は見抜けなかった」との印象を残そう
と積極的にマスコミ取材を受け付けている。
報道が微に入り細に入りオリンパスの損失隠しの手法を暴いたのは、『あずさ』
が情報提供してからだ。
金融庁はそうした動きを把握したうえで、冷ややかな視線を両社に向ける。
「不正を見抜けなかったという点では両社とも同じ。双方に処分の可能性があ
る」(幹部)と、にべもない。
確かに監査法人の狡猾ともいえる立ち回りは生理的嫌悪感を誘発するが、かと
いって「お役所」がそんな偉そうなことを言える立場か、とも言っておきたく
なるのだ。
というのは、捜査を主導する東京地検特捜部に対し、証券監視委は感情的とす
ら言える反発心を剥き出しにしているからである。
「こちらは、ウッドフォード(オリンパス元社長)から告発を受けて調査を進
めていた。特捜部よりずっと早い。それを表面化した後から出てきたくせに、
特捜部は自分の都合でばかり動こうとする」
監視委関係者はこう言って検察を罵るが、本音は「損失隠し」を「粉飾決算」
として立件することへの抵抗である。
「粉飾決算を立件するにはオリンパスの資産状況の全てを調べなければならず、
莫大な労力がいる。『飛ばし』や『穴埋め』など虚偽の契約、取引のみを『偽
計』として立件するほうがはるかに楽で、監視委は簡易な調査で済む行政処分
で片付けようとしていたが、検察に否定されたから反発しているのです」(司
法記者)
蛇足ながら、警視庁も検察への怒りを露わにしている。「監視委よりも先にウ
チが内偵していた」(捜査二課筋)というのだ。
警視庁は、大王製紙元会長の特別背任事件を地検特捜部に“横取り”された経
緯があり、特に検察との関係に神経質だ。
司法記者はこうも語る。
「一方で特捜部も必至です。大阪地検特捜部の証拠改竄事件以来、東京特捜部
は目ぼしい摘発はゼロ。堺徹特捜部長も就任1年半になりますが、実績は皆無。
オリンパスでどこまで事件を伸ばせるか、正念場だと認識しているようなので
す」
オリンパスに群がる勢力の欲と保身でまみれる捜査。裁かれるオリンパスの側
に問題が多すぎるのは事実だが、裁く側の根性も汚れすぎていて、とてもまと
もな姿の刑事捜査とは言い難い。
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