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http://www.kahoku.co.jp/news/2011/12/20111205t63004.htm
日本原子力研究開発機構(原子力機構)は4日、東京電力福島第1原発から3キロの距離にある福島県大熊町役場で、水循環装置を用いた除染作業の様子を公開した。
内閣府の委託で取り組む除染技術検証の一環。鉄筋コンクリート3階の役場屋上床面に建設会社員らが高圧スプレーを用いて水を吹き付け、前後の放射線量を測った。
高圧洗浄による除染は各地で行われているが、放射性物質を含む大量の水が発生し、周辺や土中に流れ出すのが欠点。警戒区域は上下水道が使えない場所も多くあり、水循環装置を導入した。
仕組みは単純で、屋上の側溝をふさいでポンプを取り付け、床を洗い流した汚染水を回収。化学繊維のフィルターを取り付けた浄化装置に送り込み、再び洗浄に使う。6000平方メートルの屋上に対し、2立方メートルの水を用意し、効果を検証する。
この日の作業では2メートル四方の床面を10分間かけて洗浄した結果、表面線量は毎時16.45マイクロシーベルトから9.87マイクロシーベルトに下がった。ナイロンブラシや金属ブラシで床面をこすり取った上で洗い流すなどの手法も今後、併用する。
除染技術検証は警戒区域と計画的避難区域などのある12市町村が対象。建物や緑地、森林などを含むまとまった面積を除染し、生活空間の線量を下げる方策を探る。
原子力機構福島環境安全センターの中山真一副センター長(53)は「廃棄物が少なく、安全で効果的に線量を下げるデータを集め、各機関で情報共有したい」と話す。
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