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「サクシン」「サクシゾン」薬取り違え医師を書類送検…徳島(読売新聞)
徳島県鳴門市の健康保険鳴門病院で昨年11月、入院していた男性患者(当時70歳)が、抗炎症剤と名称が類似している筋弛緩(しかん)剤を誤って点滴されて死亡した医療事故で、県警は20日、薬の投与を看護師らに指示したとして、内科の女性医師(37)(休職中)を業務上過失致死容疑で書類送検した。県警は、過失が大きいとして、起訴を前提とした「厳重処分」の意見を付けた。
県警の発表などによると、女性医師は昨年11月17日午後9時40分頃、肺気腫の疑いがあり、40度近い熱があった男性患者に解熱作用もある抗炎症剤「サクシゾン」を使うつもりだったが、筋弛緩剤「サクシン」200ミリ・グラムを薬剤師や看護師に指示して、投与。翌18日未明、薬物中毒により窒息死させた疑い。
女性医師は、サクシゾンを処方しようと、端末のパソコンの電子カルテに、「サクシ」と3文字を入力、変換。画面には「サクシン」が表示されたのに、確認を怠り、誤ったまま伝えたという。同病院は、二つの薬剤を取り違えないように、約7年前からサクシゾンは置いていなかったが、この女性医師は昨年4月に着任し、事情を知らなかったという。女性医師は「薬品名を十分確認していなかった」と容疑を認めているという。
読売新聞の取材に、男性の家族は「書類送検は一つの区切り。今もつらい気持ちは変わらない」と話した。
鳴門病院はミスを認めており、事故後、外部の有識者らでつくる事故調査委員会を発足。20日午後、最終報告書を公表する。事故原因について、女性医師の過失のほかに、▽医師と薬剤師、看護師とのコミュニケーション不足▽端末のデータベースのシステム上の不備――などを盛り込むという。同病院の増田和彦病院長は「二度とこのような事故が起きないよう再発防止に取り組みたい」とのコメントを出した。
サクシンを製造販売している製薬会社は、事故防止のため、今年7月から商品名を「スキサメトニウム」と改めている。
(2009年8月20日 読売新聞)
http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20090820-OYO1T00695.htm?from=main1