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5月5日20時47分配信 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090505-00000560-san-soci
障害者団体向けの割引郵便制度を悪用した郵便法違反事件は、上場会社を含む多くの企業がコスト削減のため不正に手を染め、結果、売上高が2倍以上になったり、東証2部上場を果たした企業を生み出した。その一方で、通常1通120円の料金を8円にまで割り引いた同制度は単体の収支では赤字。一般の郵便料金で埋め合わされており、今回の事件は特定企業に郵便料金が食い物にされた形だ。大阪地検特捜部は6日に逮捕者10人全員を同法違反罪で起訴する方針。
逮捕容疑となった大手家電量販会社「ベスト電器」(福岡市)のダイレクトメール(DM)約215万通すべてに使われていたのが、開くと巨大なチラシになる封筒「レスポン君」。印刷・通販大手「ウイルコ」(石川県白山市)が開発したが、コストが高く、当初は思うように普及しなかったという。
関係者によると、そこに目をつけた大阪市西区の広告代理店「新生企業」(現・伸正)が平成16年10月、ウイルコに「障害者団体の定期刊行物を同封して低料第三種郵便物制度を利用すればコスト高を吸収できる」と営業をかけ提携に成功。「格安DMで広告費を圧縮できる」とウイルコから広告代理店「博報堂エルグ」(福岡市)、さらにベスト電器に紹介され、一連の不正取引が始まった。
新生企業はその後、売上高を2倍以上に伸ばすなど急成長、ウイルコは東証2部上場を果たした。一方、ベスト電器などは17年8月〜20年2月、計1190万通のDMを発送、正規料金との差額約13億円の支払いを免れていた。
特捜部はこのうち、19年2月に発送された約215万通、約2億4300万円分の支払いを免れた容疑で、ウイルコ前会長の若林和芳(57)やベスト電器元販売促進部長、久保俊晴(51)、博報堂エルグ執行役員、板垣信行(47)ら10容疑者を先月逮捕した。
捜査関係者によると、特捜部は10容疑者全員を、勾留(こうりゅう)期限の6日にも郵便法違反罪で起訴。逮捕容疑の約2億4300万円分に加え、その後に発送された約350万通、約4億円分も合わせて立件するという。
また、郵便事業会社側が不正を認識しながらDMの発送を承認していた疑いが強まっており、特捜部は大型連休明けにも、同社幹部らの立件に向けて強制捜査に乗り出し、事件の全容解明を進める。