憲政史上初の検察総長重懲戒

　憲政史上初となる現職検察総長に対する重懲戒の決定が混乱の中で下された。処分は「停職2カ月」だった。法務部懲戒委員会は15日深夜まで第2回検事懲戒委員会の会議を開き、尹総長に対する処分を議決した。秋美愛（チュ・ミエ）法務部長官は早めれば16日にも懲戒委の決定の裁可を文在寅（ムン・ジェイン）大統領に求める構えとされる。

　文大統領が裁可すれば、尹総長は総長職を維持するものの、停職期間には「月城原発1号機経済性評価ねつ造事件」「青瓦台による蔚山市長選介入事件」などの懸案に関与できない「植物総長」になる。政界、法曹界からは「世論が怖くて解任はできないが、『政権に対する捜査』を座礁させるという目的を達成しようという『小細工』であり、『政治的懲戒』だ」とする批判が起きている。

　懲戒手続きの違法性も今月2日の第1回懲戒委が延期されて以降、論争の的となっていた。今回の会議の終盤には尹総長側の弁護士が懲戒委の独断的な会議運営に抗議して退場する事態が起きた。鄭漢中（チョン・ハンジュン）懲戒委員長職務代行（韓国外国語大教授）が「あす会議を再度開き、追加陳述書と最終意見陳述を行う」と言っておきながら、突然「1時間以内に最終意見陳述を求める」と言葉を変えたからだった。懲戒委は尹総長側の関係者がいない状況で重懲戒の議決を押し通した。法曹関係者は「法と規定に最も厳正でなければならない法務部が法治をほしいままにしている」と指摘した。

　尹総長側は同日も鄭漢中委員長、申成植（シン・ソンシク）大検察庁反腐敗部長に対し、忌避の申し合てを行ったが棄却された。定足数4人をどうにか上回り、懲戒委が開かれ、尹総長側が「予備委員の充員」を主張したが拒否された。尹総長側は「法務部は既に重懲戒の結論を決めている」と反発した。

　尹総長は大統領が停職を裁可すれば、直ちに裁判所に懲戒効力の一時中断を求め、執行停止申請を出す計画だ。法曹関係者は「尹総長の任期（来年7月まで）を考えると、停職2カ月は尹総長に『取り返しのつかない被害』を与えると裁判所が判断する可能性が高い」とし、「懲戒委の構成の偏り、プロセスの手続き違反、無理な懲戒事由などが問題になるだろう」と指摘した。

イ・ミンソク記者 , オ・ギョンムク記者
チョソン・ドットコム／朝鮮日報日本語版

記事入力 : 2020/12/16 07:41
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/12/16/2020121680006.html
　

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