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子供を数学好きにさせるには?(米国科学誌2012.12.31号記事転載)
http://www.asyura2.com/09/nature4/msg/856.html
投稿者 脳天気な 日時 2013 年 1 月 08 日 18:30:50: Md.C3hMjrAb3Q
 

ブログ:「法螺と戯言」より
http://blog.livedoor.jp/oibore_oobora/archives/51826732.html+++++数学を好きになるには?
 本ブログを読んでくださってる方には、子供の教育であれこれ考えておられる方も居るようですので、「子供を数学好きにするのにはどうすればよいか?」を論じた研究紹介記事をいかに転載します。
%%%%%米国科学誌2012.12.31号記事転載
http://www.scientificamerican.com/article.cfm?id=like-math-thank-your-moti&WT.mc_id=SA_DD_20121231 
Like Math? Thank Your Motivation, Not IQ
数学好きですか? そうであればそれは子供の「やる気」であって{IQ}のおかげではない!
People who were driven by their own interest improved their math skills the most. IQ or external factors such as parental pressure or grades didn't create a lasting boost
自分の興味に基づきやる気のある子が数学の力を高めるのであって、IQであるとか親の「せっつき」など外からの圧力では長持ちする向上は生まれない。By Tia Ghose and LiveScience

Looks like Tiger Mom had it half-right: Motivation to work hard and good study techniques, not IQ, lead to better math skills, a new study shows.
But there's a catch: The findings, published this month in the journal Child Development, show that keeping children's heads in the math books by force probably won't help.
The analysis of more than 3,500 German children found those who started out solidly in the middle of the pack in 5th grade could jump to the 63rd percentile by 8th grade if they were very motivated and used effective learning strategies, said lead author Kou Murayama, a psychology researcher at the University of California Los Angeles.
"The growth in math achievement was predicted by motivation and learning strategies," Murayama told LiveScience. "Given that IQ did not show this kind of effect, we think this is impressive."
タイガ・マムも、その半分引き受けていたように思える:一生懸命課題をやり遂げる、上手な勉強法習得、やる気などの動機こそが数学力を高めるのであって、IQではないと、ある研究が言う。(訳者注:タイガー・マム(Tiger Mom)とは、とくに中国のモーレツママのことを指し、彼女等はスパルタ教育を超えて、苛烈なまでに子供にエリート教育を施している。これが読者の心に火をつけた。アメリカの初等教育の凋落ぶりを苦々しく思っていた層は快哉を叫ぶ一方、それが母親のやることかと怒り心頭の読者も数多かった)。今月の雑誌(子供の発育)の中で公表された調査結果が、強制的に数学に子どもを押し付けることは恐らく助けにならないことを書いている。3,500人を超えるドイツの子供の分析で、もし子供達がやる気があり、かつ有効な学習戦略を用いるなら、5番目の等級集団の中位から出発しても、8番目の等級までに、その63%が飛躍できるだろうということが分かった、と論文の筆頭著者Kou村山(カリフォルニア・ロサンジェルスの大学の心理学研究者)が語った。「数学の学力の成長は動機づけと学習戦略によって予見された」とも村山はLiveScience誌に語った。「IQがこの種の影響を反映しないので、これは印象的であった。」

Math on the brain 脳の中での数学
Just how innate math skills are is a controversial question. Some studies show that math skills emerge in babies, while others show that culture plays a huge role in shaping those skills.
For instance, men consistently outperform women on standardized math tests. But those differences may be due to math anxiety, or cultural influences, other studies have shown.
And in opinion surveys, people in Eastern countries often rate effort as most important to math ability, while Westerners typically say math ability is inborn.
 数学能力がどれほどに先天的であるかということは長く論議の対象となるほどの疑問であった。いくつかの研究は、数学能力が赤ん坊の中で出現すると言い、他方では、文化が巨大な役割を果たすと言う。
 例えば、男性は、概ね数学テストでは女性より良い点を取る。しかし、ある研究では、その違いは数学嫌い(すなわち文化的影響)によると分析する。また、世論調査では、東側国では、数学能力が最も重要な指標と考えるが、西側諸国では、数学能力は先天的であると考えていた。
Major improvements 主な改善
To find out which factor was more important, Murayama's team tracked about 3,500 children from Bavaria as they completed an IQ test and an assessment of their algebraic and geometric know-how from 5th grade to 10th grade.
The researchers also gave students surveys that measured intrinsic motivation to work at math by asking them to rate, on a scale of 1 to 5, how much they agreed with statements like, "I invest a lot of effort in math, because I am interested in the subject." They also reported how motivated they were by outside factors like getting good grades.
The survey also asked students how much they relied on rote memorization versus "deep-learning" strategies that had them tie their math knowledge to other areas of their life.
Not surprisingly, at the start of the study, kids with high IQs performed the best at math.
But in a vindication of exacting Tiger Moms everywhere, effective studying techniques and motivation, not IQ, predicted who had most improved their math skills by 10th grade. Kids who started out with average math abilities but were in the top 10 percent in terms of learning strategies and motivation jumped up by about 13 percentage points over the course of the study in their math abilities, Murayama said. Apathetic kids with high IQs showed no such jump.
 どの要因がより重要だったか知るために、村山のチームは、ババリア出身(南ドイツ)の約3,500人の子どもを追跡した。彼らの学力は5番目の等級から10番目の等級に分布し、IQテストおよび代数・幾何学知識ノウハウの評価がわかっていた(訳者注:ドイツの教育評価を知らないので、不正確な訳かもしれません)。そこで、研究者たちは生徒に幾つかの聞き取りをした。それは、彼らが数学をどれほどやる気になっているのかを知るためであった。それに1-5のランク付けをした。聞き取り調査では、幾つかの設問に合うものを彼らに選ばせた。例えば、「私は数学に興味があるので、一生懸命勉強した」といった類である。更に、生徒達に、良い成績を得るために外部からどれだせっつかれたかをも尋ねた。その調査は、さらに機械的暗記と深い考察戦略のどちらに頼ったかを尋ねている。深い考察が彼らの数学に限らない全般的日常生活と関わっているはずだからだ。
 驚くことではないが、研究の最初では、高いIQを持った子供は数学でも良い成績であった。
 しかし、タイガ・ママを否定するところでは、IQではなく効果的な勉強法およびやる気のある子供達が、10番目の等級ぐらいの生徒では向上していることがわかった。平均的な数学能力でスタートし、学習戦略と学習意欲という意味でトップ10%にあった子供達は、全コース終了時には数学能力が13%向上した。と、村山は言う。高IQにも拘らず意欲の無い子供にはそうした飛躍が無かった。。
Inner drive 内的衝動
Unfortunately, forcing kids to hit the books every night won't create mini-math prodigies. External factors such as parental pressure or grades didn't create a lasting boost in math ability.
"It is not a good idea to force students to learn mathematics," Murayama said.
Instead, people who were driven by their own interest improved the most. So rather than keeping Junior's nose to the grindstone, it may be more helpful for parents or teachers to show him how math ties to real life (for instance, understanding that two $3 candy bars cost $6 rather than just memorizing times tables), he said.
 残念ながら、毎晩本を開くよう子供に強いることはミニ数学才能を開花せせない。親の圧力あるいは等級付けのような外部要因は、永続的な数学能力の向上をもたらさない。
「数学を学習するよう生徒に強いることはよい考えではない」と村山は言う。そうではなく、自分の興味で勉強する子供達が、大きな向上をとげる。したがって、こつこつ働く(研磨機に鼻面つきつけて)というよりはむしろ、親または教師が生徒達にどれほど数学が実生活に関わっているかを示すことのほうが有用だろう(例えば一本2ドルの棒飴三本が6ドルであることは、掛け算の表を思い出して知るのではないのです)。  

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コメント
 
01. 2013年1月13日 15:14:05 : uUMFy4AyxU
SF映画「MIB」では、夜中に物理の本を持った女の子が射殺のターゲットだったからな?。

02. 2013年1月15日 12:24:16 : E4bT3Bpr2w

>親の圧力あるいは等級付けのような外部要因は、永続的な数学能力の向上をもたらさない。

偏差値、偏差値って騒ぐくせに、その正確な定義を知らない親、多そうだよなぁw


03. 2013年1月15日 13:19:49 : Pj82T22SRI

>数学好きですか? そうであればそれは子供の「やる気」であって{IQ}のおかげではない

数すら理解できないような、低IQでは、どうにもならないし

知能が高ければ、別に意欲がなくても、必要性を理解すれば、習得できる


そして強い「やる気」は、数学を理解できる知能(IQ)がなければ育たないから

数学者として大成するような人は、知能(IQ)と意欲(EQ)、両方ある


04. お蔭様で髀肉の嘆 2013年2月04日 19:23:46 : AypV6.bR8DvP2 : no31X615y2
>>01 「MIB」= Men In Black、懐かしいw
>物理の本を持った女の子

あれは女の子の着包みを付けた宇宙人だったですね。その物理の本が上下逆さまだったのを私は見逃さなかった。w


05. お蔭様で髀肉の嘆 2013年2月04日 20:21:43 : AypV6.bR8DvP2 : no31X615y2
Men In Black は続編があったとは知らず、シリーズ第3作が劇場公開日 2012年5月25日だったそうで、田舎暮らしで全く知りませんでした。

***子供を数学好きにさせるには?***
高校時代に数学と物理学とが深く関係していることを気付く生徒は全体の何割くらいるでしょうか。
縦割り教育の弊害で物理学・数学の連携が図れていなく、物理学を奇妙な屁理屈で教えようとするものだから生徒が物理学を嫌いになる傾向があるのはまだまだ改善されていないのではないでしょうか。
5〜6年前に大学受験を控えた高校生の家庭教師をした際に学校の教科書を見せてもらいましたが、相変わらずの縦割り学習方法で、物理と数学が見事に何の関連もないような教え方をしており残念な思いがしました。
等速円運動など恰好の材料であり、位置(x,y)を時間の関数で表現して、時間で1階・2階微分して速度(vx,vy)と加速度(ax,ay)が時間の関数としてどう表現されるかを教えてやれば数学と物理学が密接な関係にあるのを理解できるはずなんですが、これを生徒に理解させるのが大変でした。数学と物理学は何の関係もないと頭が洗脳されていて、なかなか理解してくれないのですよ\(^O^)/お手上げ。
それと数学で積分を習っているのだから、保存力場での力の距離積分がポテンシャルを導いてくれることを教えてやれば機械的にも理解が深まる筈ですが、変な小理屈でポテンシャルを教えようとしていますから、公式の丸暗記重視で、公式を導き出す過程を教えていないから理解が深まらず、生徒が面白く思わないのも当然です。
それと数学で複素数の計算を教えますが、それが何の役に立つのか生徒は知らないままです。物理学で周期的な運動するものは三角関数だけで教えようとしますが、もう高校の時点でガウス平面とオイラー定理を教えて、振動する運動体の特性を複素表現で記述する方法をさっさと教えた方が良いのではと思います。電気の交流回路のインピーダンスを複素表現で教えて、このように複素計算が行われるのだと教えれば、数学の複素数計算が何のためなのか理解が深まるでしょうに。
文部省は何をやってんですかね。w


06. 2013年2月05日 00:30:47 : d1INYqu1to

>高校の時点でガウス平面とオイラー定理を教えて、振動する運動体の特性を複素表現で記述する方法をさっさと教えた方が良いのではと思います。

ガウス平面はともかく、オイラー定理となると解析学の初歩的な知識が必要になるから「さっさと教えた方が良い」というのはどうだろうかなぁ。

教師にばれないように使えばいいんですよ。僕は中学の頃に微積分を、高校の頃にベクトル解析をばれないように使ってた。そりゃあ便利だったよw


07. お蔭様で髀肉の嘆 2013年2月05日 17:24:31 : AypV6.bR8DvP2 : no31X615y2
>>05,>>06 間違えました。w
「オイラー定理」じゃなくて「オイラー公式」でした。

オイラー公式は厳密には級数展開などの解析学の初歩的な知識が必要ですが、手っ取り早くガウス平面によって簡単に幾何学的に理解させるのも可能だと思います。


08. お蔭様で髀肉の嘆 2013年2月05日 17:38:59 : AypV6.bR8DvP2 : no31X615y2
そして、虚数単位iの平方根まで教えてあげるとなお面白いでしょう。w
平方根は単純に角度を半分(45度)にすれば良く、三乗根は角度を3分の1にするだけですから不思議でびっくりする筈で興味を示すと思います。
興味を示した学生は将来の有望な数学者の可能性もあるのではと思います。
今の日本の数学・物理学の教育はそういう芽を摘んでしまって残念な状況です。

09. 2013年2月05日 18:12:21 : trY2KTQMKc
上でなされている議論に同意します。かねがね、物理現象の理解で、わざわざ難しく事を説明せねばならないのかと思っていました。

以下はブログ:法螺と戯言よりの転載です。
http://blog.livedoor.jp/oibore_oobora/archives/51302025.html 
先日、高三受験生に交流理論の話を訊かれました。私の大昔の受験体験の苦い思い出の一つが交流理論でした。大学の一二年生の時に学ぶ交流理論は大変すっきりしています。違いは、複素数表示、もっと言うならば、オイラの公式を使うか否かにあります。高校の物理教育ではオイラの公式を避けて説明するので、インピーダンス、共振などの説明をわざわざ複雑にしているように思っていました。ついでに付け加えると、高三では既に微積分を学習しているのに、物理でその手法を積極的に使って現象の理解を助けると言う記述が無いんですね。これも不満ですね。
 そこで、オイラの公式を説明するにあたり、歴史の勉強にもなるだろうと、オイラの生きた時代(1707ー1783)から説明しようと思ったわけです。歴史は時の流れですから、時空間で捉えなおすと得心する事が多いのです。オイラの亡くなった年の6年後がフランス革命です。オイラは当時ロシアのエカテリナ女帝のお抱えの数学者でした。サンクトペテルブルグのモスクワ・ホテルの道路をはさんで反対側にある広大な墓地に墓があります。生まれた年は、日本で大きな事件がありました。富士山が噴火し裾野の中央部辺りが大崩落を起したのです。いわゆる「宝永の噴火」です。この噴火の4年前(1703)の12月に元禄の大地震が江戸を襲いました。マグニチュードが8.1と見積もられていますから、大正の関東大地震よりも大きいものでした。この地震に先立つ9ヶ月前の3月に大石内蔵助率いる赤穂浪士47名(46名)が、幾つかの大名の江戸屋敷で切腹しています。この日は浅野内匠頭の三回忌であったわけです。当時、元禄大地震は、幕府による赤穂浪士への無慈悲な処置への天罰と庶民は語ったとつたえられています。この災厄から逃れるために時の幕府は「元禄」から「宝永」に改元したのです。しかし、その効も無く4年後には富士山の噴火となったのです。
 と、ここまで話せば、偉大な数学者オイラと『忠臣蔵』を結びつけたのですから、彼の高校生にはさぞかし印象が残ったであろうと、顔の表情を窺ったのですが、感動の面持ちはありません。心配になって、「忠臣蔵、四十七士って、知ってる?」と尋ねると、「知らない」というわけです。私、膝の力がどっと抜け、床に転びそうになりました。


10. 2013年2月05日 22:19:01 : ynSQvzTlvk

>等速円運動など恰好の材料であり、位置(x,y)を時間の関数で表現して、時間で1階・2階微分して速度(vx,vy)と加速度(ax,ay)が時間の関数としてどう表現されるかを教えてやれば数学と物理学が密接な関係にあるのを理解できるはずなんですが、これを生徒に理解させるのが大変でした。

>それと数学で積分を習っているのだから、保存力場での力の距離積分がポテンシャルを導いてくれることを教えてやれば機械的にも理解が深まる筈ですが、変な小理屈でポテンシャルを教えようとしていますから、公式の丸暗記重視で、公式を導き出す過程を教えていないから理解が深まらず、生徒が面白く思わないのも当然です。

自分は高校の時、等速円運動は微分で、ポテンシャルは積分で教わりましたが、今は違うのですか? だとすれば驚きです。


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