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スズメバチについて
秋口はスズメバチによって刺されたという被害が出て、業者によってその巣が駆除されることが多い。しかし、ハチは一般的に言って人間にとり益虫だ。ミツバチは植物の受粉を助け、ミツバチがいなくなったら果樹栽培など成立しない農業分野は多い。
スズメバチはミツバチとは違うが、スズメバチも花粉を食べることが結構ある。ミツバチと異なるのは、スズメバチが基本的に肉食である点だ。黄色スズメバチという体長3cmから5cmほどの小型のものと黒スズメバチという10cmを超える大きさのものが一般に見られる。
人間が死亡するのはアナフィラキシーショックを起こすからで、これは以前刺された時の抗体が限度を超えて働き、そのために呼吸不全などになるためだ。だから、もともとアレルギー体質のある方以外はあまりこのショック症状にまで行くことはまずない。また、黄色スズメバチに刺されても、アナフィラキシーショックを起こすことはまれだ。普通、その危険性があるのは黒スズメバチのみだ。ただ、ハチに刺されればかなりの痛みなので、それだけでハチに対する警戒心というか、恐怖心は強いのだろう。
スズメバチは肉食で本来は他の虫の幼虫を食べる。木の葉を食害するイモムシなどが主食になる。そのため、田舎などでは黄色スズメバチの巣が玄関先や庭の木に作られるとそれを大事にして行くことが多い。黄色スズメバチの巣は大きくなると直径50cm以上になり、それを置物として居間などに飾っている家庭もある。村落によっては祭りの時に持ち寄って品評会を開き、最も立派な巣を出品した家庭を表彰することもある。
黒スズメバチは高級食材だ。成虫を唐揚げして食べる。かなりの美味だという。また、幼虫も高級食材で、炒め物にしたりして食べる。栄養価も高い。そのため黒スズメバチの巣は大きいものだと5000円以上の値段がつく。
黒スズメバチは最強の肉食昆虫で仔細に観察するとまるでベンガル虎を見ているような気になる。黄色スズメバチはメッサーシュミット(http://www.wallpaperlink.com/bin/vehicle.html)だ。黄色い機体が宙を舞うその攻撃力は素晴らしい。ともかく、実際に生きているハチたちはとても美しく、その体や動きの美しさはひとつの生命の進化形をよく表している。養蜂に使われているミツバチはとても穏やかで、愛らしい。
もともと、ハチは自ら人間を攻撃しようとはしない。たまたま巣に近付いて来たから、巣を防衛する本能が働いて攻撃する。だから、巣を見かけたら近づかないこと、ハチが服に止まったり体の周りを飛び回っても手で払ったりしないなどに注意すればまず攻撃されることはない。まして、ハチが大量に巣の外の木々の枝などに止まっていて、そこから通りががりの人間に襲いかかるなどありえない。
黒スズメバチはさすがに怖くて触れないが、ミツバチはもちろんアシナガバチや黄色スズメバチについては穏やかに手で触って草や木の枝に移してあげればいい。100%安全だとは言えないが99%程度は安全だと思う。僕自身の経験上このことは明言できる。黄色スズメバチの巣は1mぐらいなら近づいても特に攻撃してくることはない。ただし、地中に巣を作る黒スズメバチは、巣の10mほど外側には見張りのハチがいて、それよりも近づくと攻撃されることが多い。だから、黒スズメバチの巣にはともかく近づかないことだ。
いたずらに駆除するよりも、ハチとの共存を考えたらどうだろうか。少なくとも、彼らはハエや蚊のように自ら人間に害を与えてしまう存在ではないのだから。
「やれ打つな蠅が手をする足をする」という表現があるが、これらの昆虫を叩いて殺すとき、まるで「ああ無念だ」という声を彼らが出しているように感じることがある。また、自らがああやって潰されたらと想像してしまうこともある。昆虫も人間も大きな自然という存在から見れば同じようにちっぽけな存在ではないだろうか。
*6月8日の記事「近づく戦争・テロ社会、これらの動きを止めるべきでは?」から一連番号を付しています。<<786>>
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