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江草 乗の言いたい放題
2011年09月09日(金)
オニヒトデでシカ退治だぜ!
増えすぎたシカの食害に悩む観光地は多い。どうやってシカを追い払えばいいのか。なんとあのサンゴの敵であるオニヒトデを置くだけでシカは匂いをいやがって来なくなるということがわかったのである。
読売新聞の記事を引用しよう。
オニヒトデ置くだけ…鹿も撃退の可能性
徳島県牟岐町沖の大島の海に生息する世界最大級のコブハマサンゴ(愛称・千年サンゴ)の天敵で、「千年サンゴと活きるまちづくり協議会」(浅香新八郎会長)が捕獲を進めているオニヒトデが、全く加工しないまま広葉樹の根元などに置くだけで、鹿の食害防止に効果を上げる可能性が高いことが分かった。
牟岐町沖では、数年前からオニヒトデが千年サンゴを食い荒らす被害が深刻になった。そのため、町の自然財産の千年サンゴを次世代に継承しようと、今夏、同協議会を発足させた。8月には、地元のダイバーたちで組織する「もぐりんサンゴの会」が57匹のオニヒトデを駆除した。しかし、オニヒトデは鋭いトゲと毒を持ち、体の大半が水分。そのため簡単に焼却も出来ず、処分に頭を悩ませていた。
同協会では、オニヒトデの体内に含まれる成分「サポニン」が害獣の撃退に効果があることを知り、鹿の食害が深刻な同町灘の県有林、愛称「海に恋する森」で、実験することを思い立った。
同森は昨年春、同町のNPO法人「カイフネイチャーネットワーク」の会員らが整備。クヌギやアラカシなど広葉樹の苗木300本を植樹した。しかし、鹿の食害で大半が枯れ、対策に苦慮していた。
同協議会では8月17日に捕獲したオニヒトデをそのまま、森の木の近くや、柵の入口付近に置いた。5日後には、オニヒトデから強烈な腐臭が漂った。しかし、10日後には完全に乾燥。捕獲当時にはオレンジ色だったオニヒトデが白化した状態となり、異臭は消えた。その間、鹿の糞などは発見出来ず、9月に入ってからも、鹿が苗木や柵に近寄った形跡は全くないという。
同協議会は10月にもオニヒトデを駆除し、実験を続ける。浅香会長は「最初はオニヒトデの腐臭に鹿が警戒したかも知れない。白化したオニヒトデでも効果がありそうなので、さらに観察を続けたい」と話した。
(2011年9月7日15時28分 読売新聞)
植えたばかりの苗木がどんどんシカに食われてしまうわけで、なんとか排除したい。しかし猟銃で射殺するわけにもいかない。なんとかして平和的にシカと共存する方法はないものかと模索していてこのオニヒトデ作戦にたどり着いたのである。
サンゴを荒らすオニヒトデを捕獲しても捨てる場所がない。水分が焼却もできない。つまり、せっかくつかまえたオニヒトデはただの厄介者だったのである。そのオニヒトデにこの「シカ駆除」の働きがあるのならば、これまでいらなかったモノが大いに役立つわけで一石二鳥である。
シカの食害に苦しむ土地は日本中にたくさんある。たとえば長野県の美ヶ原では、高山植物がシカに食い荒らされて被害が出ているのだ。そこにオニヒトデを持って行って置けばシカの侵入を防げるかも知れない。しかし強烈な腐臭で観光客には大不評になるだろう。だから「なぜシカはオニヒトデをいやがるのか?」ということをちゃんと研究して、シカのいやがる物質を抽出し、そいつを配合したシカ排除スプレーとかを進入路に撒けばいいのである。そういう研究はされていないのだろうか。
(転写終了)
2011/09/15環境・エネルギー・天文板4
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