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これまで見たことのない太陽面大爆発とCMEが発生
(訳者注) 「太陽面大爆発」というように書きましたが、要するにこれはCME(コロナ質量放出)を伴う太陽フレアのことなんですが、しかし、「大爆発」という表現がとてもよく合う、ものすごい太陽表面現象が昨日、2つの黒点の間の領域で発生しています。
▲ 丸で囲んだ黒点 1226と 1227の間あたりで発生しました。
これはもう「ものすごい」もので、下のようなものでした( NASA のソーラー・ダイナミクス・オブザーバトリーの写真より)。
太陽での爆発が、普通の場合ならある程度そのまま前方に進んでいくというのが普通なのですが、この場合、爆発したフレアが太陽の表面に向かって戻ったことにより、とんでもない範囲での大爆発に見える感じの現象となっています。
私が太陽の画像を見始めて、まだ3年くらいですが、もちろんこんな光景は、見たことがないですし、 見慣れているはずの NASA の人たち自身が大変に驚いた心境のコメントを述べているところを見ても、普通ではないことのようです。
今まで気軽に太陽フレアだのCME(コロナ質量放出)だの言ってましたけれど、「太陽活動最大期にはこんなことが起きるのか」と、刮目した次第です。
今回のCMEは地球に向いていませんので、地球自身に影響はさほどないと思ったのですが、NASA によると、日本時間で 6月9月から6月10日に地球の磁場に影響があるとのこと。ただ、今回はダイレクトではないので、影響はそれほどではないでしょうが、今後、同じようなフレアが地球にダイレクトに向いている時に発生した場合は、ある程度の覚悟は必要な気がします。
CME発生から地球到達までには2日前後かかりますので、準備はできます。
その際には、過去記事などを含めて、対処法は書きたいです。
今は驚きが強いですね。
すごい。
動画は下の本記事の中に貼っておきます。
翻訳記事は、 NASA のスペースウェザーからです。
なお、スペースウェザーの記事のタイトルは「 Radiation Storm」(放射線嵐)ですが、これは「短期間で宇宙線が夥しく増大するもの」のようで、日本の文部科学省が 2005年 2月 10日に発行した「航空機乗務員等の宇宙線被ばくに関する論点整理に対する意見」に下のようにあります。
太 陽活動が活発な時期に発生するいわゆる巨大フレアなどにおいては、短時間ではあるものの、宇宙線が飛躍的に増加するSolar Radiation Stormが発生することも事実です。米国の「NOAA」が公表した文書には、「高緯度を航行中の航空機が、スケール S5(最強度のレベル)に遭遇した場合、乗員乗客は胸部レントゲン約100回分の宇宙線を浴びる可能性がある」旨記載されています。私達はこの問題を「胎 児被曝」という観点でも大変重要な問題と捉え、強い関心を持っており、ワーキンググループでの意見表明でも指摘させていただきました。
とのことです。「胸部レントゲン約100回分の宇宙線を浴びる可能性」というのがどの程度の影響なのかわからないですが、影響の可能性はあるようですね。
M-FLARE AND RADIATION STORM
Spaceweather 2011.06.07
Mクラスの太陽フレアと放射線嵐
6月7日の午前06月41分(標準時)頃、太陽黒点 1226と 1227の磁場が結合した場所から、大きな爆発が発生した。この爆発はM2クラスのフレアを生じさせ、またS1クラスの放射線嵐と、巨大なCMEを発生させた。
NASA の太陽観測衛星ソーラー・ダイナミクス・オブザーバトリーが撮影したこの爆発の記録映像は、ソーラー・ダイナミクス・オブザーバトリーが導入されてから、最も激しくて、そして最も美しい太陽の映像のひとつとして数えられることになるだろう。
NASA のゴダード宇宙飛行センターの太陽物理学者アレックス・ヤング氏によると、これは太陽フレアが爆発後に、また太陽表面へ戻っていっていることを示しているという。
ヤング氏はこのように言う。
「私は物質がこのように太陽から放出される様子を見たことがない。誰かが空中で太陽フレアを蹴り上げているように見える! とにかく驚きだ! これは驚きなのだ!」。
映像に映る小片は、カメラの回路に強力な荷電粒子が打ち付けていることに起因する。これは、放射線嵐が発生していることを意味する。この小片は、地球の軌道上にある SOHO などの衛星のほうに進んでいく。
今回の爆発は地球の方向に向かってのものではなかったが、この爆発で地球も影響を受ける見込みだ。CMEの影響は 6月8から6月9日(日本時間で 6月9月から6月10日)となる模様で、地球の磁場に影響を与えるはずだ。
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