http://www.asyura2.com/09/nature4/msg/600.html
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http://www.gizmodo.jp/2011/03/nasaphotoshop.html
Photoshopで合成といっても、ねつ造ではありません。
ハッブル宇宙望遠鏡は、これまでたくさんの美しい宇宙画像(これとかこれとか)を我々に届けてくれています。が、じつはこれらの画像は、ただハッブルがパチリと撮ったものではないんです。ハッブルに搭載されている別々のカメラで複数の白黒画像を撮り、それらをデジタル合成したものなんです。以下の動画で、画像が合成されていく様子が公開されています。
この動画は、大熊座にあるNGC3982渦状銀河の画像が作られる様子で、ハッブルの3つのカメラで撮影された7つのグレイスケール画像を組み合わせて作られていきます。複数の画像の大きさを合わせたり、向きをそろえたり、余計なピクセルを消したり、色処理したりといったさまざまな手間がかけられていて、全部で約10時間が費やされています。
ちなみにこれは、PhotoshopでRAWファイルを処理するのとはまったく別物です。ハッブルで撮影された元データは全て白黒ですが、不可視光線も可視光線と同様に記録されています。動画にあるように、色は研究者が見せたいポイントが見えやすいよう、適切な色を付けています。
またもちろん、加工しているからといって、画像がニセモノということではありません。ただ、我々の目に「見えない」ものも、ハッブルには見えているので、我々が宇宙船で近づいて見に行っても、これらの画像とまったく同じ光景ではない場合もありえます。どういうことでしょう?
一連の画像処理では、ハッブルが捉えた生データを人間が見えるフォーマットに変換しています。人間の目では、光の波長のごく一部、約390〜750ナノメートルしか見えません。でも、ハッブルは波長の短い紫外線も、波長の長い近赤外線も見えます。つまり、我々の肉眼よりもディテールまで見ることができるんです。
ハッブルで撮影した画像を処理する場合、肉眼以上のディテールを含む情報をどう見せるか、研究者が選ぶ必要があります。下の3パターンの画像はそれぞれ別の対象を別の方法で色処理しています。
いちばん左のNatural color(自然色)モードの画像は銀河 ESO 510-G13(加工処理のプロセスはこちら)ですが、これは「人間が宇宙船で近づいたときにこう見えるだろう」という見せ方にしています。真ん中のRepresentative(代表)モードは土星で、肉眼では見えない赤外線を可視化しています。いちばん右のEnhanced(拡張)モードのものはキャッツアイ星雲ですが、この画像の赤、青、緑はそれぞれ水素原子や酸素原子、窒素イオンが発する光を表しています。この処理によって、肉眼では見えない星雲の構造が見えてくるわけです。
数々の美麗フォトの背景には、こんな技もあったんですね!
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