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野鳥が世界中で大量死 無視できない感染爆発の恐れ ECO JAPAN
http://www.asyura2.com/09/nature4/msg/579.html
投稿者 ダイナモ 日時 2011 年 2 月 10 日 18:47:31: mY9T/8MdR98ug
 

http://eco.nikkeibp.co.jp/article/column/20110208/105833/


 昨年から今年にかけて、世界各地で動物や魚の大量死が発生している。さまざまな原因が挙げられているが、ここにきて強毒タイプの新型インフルエンザの疑いがでてきた。
 もともと、シベリアなどから飛来する渡り鳥がウイルスを運んできたとみられるが、研究者のなかには、すでに新型インフルエンザのウイルスが自然界に拡散して食物連鎖にまで入り込んでいるとする説もある。広く野生生物を巻き込んだ「パンデミック」(感染爆発)の可能性も無視できなくなってきた。


世界中で野生生物の大量死

 昨年末から今年にかけて世界各地で動物の大量死が報じられ、メディアや動画投稿サイトをにぎわせている。とくに、野鳥のが死体が各地で発見されている。

 昨年12月31日の午後11時30分前後から、米アーカンソー州の野生生物当局に、「空から鳥が落ちてきた」という報告が相次いで寄せられた。場所は同州の町ビービの3km2ほどの狭い範囲に限られていた。5000羽を超えるハゴロモガラス、ホシムクドリ、オオクロムクドリモドキ、コウウチョウなどが落下して死んだ。

 ルイジアナ州バトンルージュ近郊のポイントクーピー郡では約500羽の野鳥の死骸がハイウェー上に散乱していた。カリフォルニア州ソノマ郡の国道101 号線では、100羽以上のホシムクドリの死骸が見つかった。目撃者の話では、飛んでいた鳥がいきなり地上に激突し、集団自殺のようだったという。テキサス州のサイプレスクリークでは約200羽の水鳥のオオバンの死体が発見された。

 スウェーデンのフォルコオイングでは、50羽のコクマルガラスの死体が散乱していた。イタリア北部のファエンツァでは、キジバトが10〜20羽ずつまとまって落下して死んだ。ルーマニアの黒海に面したコンスタンツァでは、数百羽のクロムクドリが死んでばらばら降ってきた。

 この原因をめぐって、さまざまな仮説や憶測が流れている。異常寒波、雷雨、毒物の中毒、正月の花火、北極の地磁気の移動…。鳥類の専門家の間では「北米だけで少なくとも100億羽以上の野鳥がいて、毎年その半分ぐらいは自然死するので、まとまった死骸が見つかってもおかしくない」という冷静な意見もある。

 一方で、世界的に鳥インフルエンザが再発した時期と合致し、しかも集団の突然死が目立つので伝染病の可能性が高いとする意見もある。コンスタンツァでは数年前に鳥インフルエンザが流行しており、ふたたび流行がはじまったのではないかと住民をパニックに陥れた。


日本でも目立つ野鳥の死

 日本でも昨年暮れ以来、各地で強毒性の高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1亜型)が野鳥から検出されている。

 最初は10月に北海道稚内市でカモの糞(ふん)から見つかった。

 12月4日には、鳥取県米子市でも民家のベランダで衰弱して保護されたコハクチョウの幼鳥1羽から、同じ高病原性のウイルスが検出された。幼鳥が発見された場所は、11月末に鳥インフルエンザが発生した島根県安来市の養鶏場から、中海を挟んで東に7kmほどのところ。中海には越冬する渡り鳥のコハクチョウ約1500羽が10月以降に大陸から渡ってきたが、両者の関連は不明だ。

 さらに、今年に入って米子市内で見つかったユリカモメとキンクロハジロの死骸からも、ウイルスが検出された。鳥取大学分析したところ、安来市の養鶏場で発生した鳥インフルエンザとウイルスの遺伝子配列が酷似していた。

 衝撃的だったのは、12月21日に明らかになったナベヅルの感染だ。ナベヅルは1万羽以上が鹿児島県出水市に飛来して越冬する。国の絶滅危惧種にも指定されている。見つかった2羽の死体から高病原性鳥インフルエンザウイルスが確認された。

 1月末に高知県仁淀川町の町民運動場で弱って飛べないオシドリが見つかり、これも同じ強毒性のウイルスが見つかった。県はオシドリが見つかった半径 10km圏内の警戒レベルを引き上げた。オシドリは、環境省が指定した感染リスクが高い野鳥種として指定されている33種には入っていなかった。

 つづいて、滋賀県大津市の川でオカヨシガモの死体1羽が見つかり、やはり鳥インフルエンザだった。琵琶湖は全国有数の水鳥の飛来地であり、周辺の自治体は対策の難しさに頭を抱えている。今月7日には、山口県宇部市の公園で見つかった、死んだキンクロハジロからウイルスが検出された。

 自治体には住民から多数の野鳥の死体に関する通報が寄せられ、その対応に追われている。北海道岩見沢市内の空き地で1月末まで114羽のムクドリの死体が見つかった。感染は見つからなかったが、市は周辺を消石灰で消毒した。コウノトリやタンチョウなど、保護対象の希少な野鳥を抱えた地域では、感染を恐れて厳戒体制を布いている。


息を吹き返したインフルエンザ

 毎年秋になると、カモやガンが南へ渡るためにシベリアやアラスカなどの湖沼に集まってくる。インフルエンザウイルスは、ヒト、ウマ、ブタなどそれぞれの動物に特有のものであり、渡り鳥たちも何百万年も前から鳥のインフルエンザウイルスと共存してきた。幼鳥がこのウイルスに感染すると、腸管のなかで激しく増殖して水中に排出される。それが渡りのために集まってきた多くの渡り鳥に感染し、糞とともにウイルスをまき散らすようになる。
息を吹き返したインフルエンザ

 これらのウイルスの大部分は毒性が低く、人間が感染しても症状は軽く収まる場合が多い。しかし、鳥からほかの鳥や動物へ感染が広がっていく過程で、突然変異が繰り返されるうちに、毒性の強いウイルスが出現する。これが「新型インフルエンザ」である。これまでにこのウイルスは、ガン・カモ類、シギ・チドリ類をはじめとする約170種の野鳥だけでなく、ウシ、イヌ、ネコ、ネズミなど約20種のほ乳類と、蚊、ハエなど3種の昆虫から分離されている。

 今回のウイルスはH5N1亜型だったが、約100年前に数千万人を死者を出した「スペインかぜ」の場合にはH1N1というタイプだった。57年に約100万人が死んだ「アジアかぜ」はH2N2、68〜69年の75万人の命を奪った「香港かぜ」はH3N2だった。

 ふたたび、世界にインフルエンザの流行がはじまり、感染したニワトリの大量処分も続いている。さらに、種の壁を乗り越えて他の動物にも感染を広げ、人間に感染して人から人はうつるようになると、パンデミックと呼ばれる感染爆発が起きる。

 毒性の強い高病原性鳥インフルエンザウイルスは、96年に中国広州でガチョウから検出された。その翌年には香港で人に感染して6人が死亡した。03年以後はアジアの各地で発症者が現れ、日本では04年に山口県の養鶏場で確認され、79年ぶりの上陸になった。

 昨年来、アジアの11カ国で野鳥や家禽の感染が見つかり、昨年12月には韓国から日本にかけて流行がはじまった。世界保健機関(WHO)によると、03 年以来、インドネシア、ベトナムなどで300人を超える死者を出している。WHOは、再流行がはじまったとして、5段階の警報の「3」を発令した。
 

自然界を広く汚染?

 過去の鳥インフルエンザの流行では、中国南部の農村地帯が震源地と疑われることが多かった。ここでは、ニワトリ、アヒル、ブタなどの家畜が一緒に飼われ、家畜や人に感染を繰り返すうちに種を超えて毒性の強いウイルスが生まれる環境にあるからだ。

 家畜の糞を魚の餌にすることも多く、魚の感染も広がっている。中国ではH5N1ウイルスの10種の異なったタイプ(亜型)が見つかっているが、そのうちの「9A」というタイプがとくに魚に毒性が高い。実験室でウイルスを魚に汚染させると、骨が柔らかくなってしまう現象も見つかっているが、原因はよくわからない。

 今回のニワトリや野鳥の感染も、ほとんどはその経路がわかっていない。これまでの集団感染の経験から養鶏家は警戒を強めていた。にもかかわらず、外部と完全に隔離されている密閉式の鶏舎でも発生していることから、野鳥だけが感染源とは断定しがたい。

 野鳥からニワトリにうつったというよりも、逆に野鳥がニワトリから感染したとみる方が妥当なケースもある。04年の感染のときには、京都府の養鶏場で、ニワトリからカラスへの二次感染があった。カラスが鶏舎場へ容易に入り込めたためか、放置されたニワトリの死骸をカラスがついばんだためとも考えられている。

 また、過去に例のないほど野鳥の感染が見つかっていることから、自然界に広がっているという指摘もある。ドイツのミュンヘン工科大学、ヨーゼフ・ライヒホルフ教授らは「新型インフルエンザのウイルスは、すでに食物連載に入り込んで自然界を広く汚染して可能性が高い」と発表した。

 ウイルスで汚染された鳥の糞が、魚の餌や肥料としても広く使われたことで河川や湖沼に流れ込んで、魚を汚染し、それを食べた鳥や魚粉を飼料にしている家畜にウイルスが感染したと推定している。

 国連環境計画(UNEP)の専門家は、今回のウイルスが以前に比べて格段に強い毒性を身につけており、野生生物への感染拡大の恐れを警告している。生物多様性条約会議の事務局も、ウイルスはヒョウやトラなどの大型猫類、さらにテン、イタチ、アナグマ、カワウソなどにも感染する恐れがあるとして、警戒を呼びかけている。

 近年の急激な動植物の減少や絶滅は、生息地の破壊や密猟などが原因とされているが、このウイルスが手を貸している可能性もあると、ライヒホルフ教授らは指摘する。


多種類存在する鳥インフルエンザウイルス

 鳥インフルエンザウイルスの表面には、2種類のとげ状のタンパク質、HAとNAが存在する。HAタンパク質は宿主細胞と結合するが、抗原の違いにより H1〜15の亜型に分けられる。一方、NAタンパク質はウイルスが細胞から出てくる際に必要で、N1〜7の亜型に分けられる。これらHAとNAのさまざまな組み合わせで理論的には135種のウイルスが存在する。
 

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