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太陽、まもなく「冬眠」 <朝日新聞> http://www.asyura2.com/09/nature4/msg/407.html
aサロン 科学面にようこそ 太陽が「冬眠」準備に入ったらしい。国立天文台などの観測から、約11年で繰り返してきた太陽活動の周期が2割ほど長くなり、表面の磁場も観測史上最低レベルを記録したことがわかった。こうした現象は活動が弱まる直前の特徴として知られる。実際、太陽はこの数世紀、11年周期以外に、ほぼ100年ごとに活動の増減を繰り返している。ただ、そのしくみや、地球の気候への影響などはよくわかっていない。 昨年末から今年にかけて、太陽に久しぶりに現れた黒点に研究者らの話題は持ちきりになった。表面の爆発現象「フレア」も観測され始めた。この数年、100〜200年ぶりの弱さを記録した太陽活動は、ひとまず回復の兆しを見せている。 この活動再開によって、直近の太陽の活動周期が確定した。ベルギーの太陽黒点数データセンターのまとめでは、約12年7カ月。普段より1年半長い。周期が延びるのは、太陽が冬眠の時期に入る前の特徴とされる。 太陽活動はおよそ11年ごとの周期に加え、ほぼ100年ごとに活動が弱まる大きな波がある。特に1700年前後の冬眠はマウンダー極小期と呼ばれ、ほぼ70年間にわたってほとんど黒点が現れなかった。 11年周期は太陽のN極とS極が周期的に逆転するために起きる現象と解釈されているが、100年の大きな波が起きるしくみは分かっていない。ただ、近年、宇宙航空研究開発機構の人工衛星「ひので」のように高い解像度での観察が可能になり、解明が期待されている。 国立天文台の常田佐久教授は「次の周期の活動は、極めて弱いものになるのではないか。衛星で太陽を観測できるようになって初めて起きる極小期だけに、どんな現象が見えるか楽しみだ」と話す。 地球の気候へはどのように影響するか。過去には、マウンダー極小期に英国のテムズ川が凍るなど寒冷化の現象が起きた。過去1千年に起きた主な太陽活動の極小期でもおおむね、地球は寒冷化したとされている。ただ、その相関がどのようなしくみで起きたかはよくわかっていない。次に予想される極小期がどの程度の規模か、再びミニ氷河期が来るかどうかは、はっきりしないという。 地球の気候への影響で考えられる要因に日射量がある。だが、太陽活動が弱まっても日射量は0・1%ほどしか変化せず、影響は小さいと見られている。 放射線(宇宙線)量の変化もある。太陽の磁場は、太陽系外から降り注ぐ宇宙線から地球を守っている。活動低下に伴って太陽の磁場が弱まると、宇宙線量は15%ほど増えるらしい。 宇宙線には雲をつくる効果があり、宇宙線が増えると太陽光が反射されて地球が冷えるとする研究がある一方、雲をつくる効果はわずかだとの主張や、雲ができると逆に地球の熱が逃げにくくなって温暖化する説もあり、専門家の間でも意見は分かれている。 米国では今冬、東海岸のワシントンが100年ぶりの大雪に見舞われた。東京大宇宙線研究所の宮原ひろ子特任助教によると、太陽活動の弱さや宇宙線の多さも100年ぶりのレベルだった。宮原さんは「太陽活動と気候変動のつながりをさらに詳しく調べたい」と話す。 ◇木の年輪に太陽活動の痕跡 太陽活動の指標となる黒点を初めて観測したのは400年前、望遠鏡を初めて宇宙に向けたガリレオとされる。だが、それ以前の太陽活動はどうやって調べられるのか。答えは木の年輪にある。 太陽活動が低下して磁場が弱まると、太陽系外から降り注ぐ宇宙線の量が増える。放射線は、窒素にぶつかって同位体の炭素14を生む。だから、木の年輪に含まれる炭素14の量を調べれば、原理的にはその年の太陽活動の強弱が分かる。 米国の科学者が樹齢8千年の松や、化石の年輪を10年ごとに調べ、1万2千年前までさかのぼった結果、11年の短い周期以外に、90〜100年の長い波が見つかった。ほかに、さらに長い200〜300年の波や、2400年くらいの大きな波も認められたという。 宮原さんは、最近1千年の間に5回あった太陽活動の低下に注目し、屋久杉の年輪を1年単位で調べた。すると、活動が低下した時期には11年のはずの短い周期が最大13〜14年まで延び、逆に活発な時期は9〜10年だった。周期が延びると太陽が冬眠へ向かう傾向が確認できたという。 ◇ ◇ 《筆者の東山から》 太陽活動が活発だと、地球も温暖化する。木の年輪やグリーンランドの氷河の分析から、地球の気候は太陽活動と関係がありそうだということが分かってきました。20世紀の太陽活動は、ここ数千年の中でも最高レベルにあったようです。 ところが、ここ50年ほどの地球の暖まり方は、これまでの傾向よりさらに加速していました。その原因が人間の産業活動であることは明らかです。 今後数十年間、太陽活動は弱まるでしょう。気温も下がるかも知れません。それでも、太陽活動はいずれ復活します。温室効果ガスの削減はやはり必須なのです。ある研究者は「仮に気温が下がったとしても、それは省エネ技術が未熟な人類に神様が与えてくれた猶予期間、ととらえるべきだ」と語りました。
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