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地球温暖化の真実はどこに?(科学技術部編集委員 吉川和輝) 日経産業新聞 http://www.asyura2.com/09/nature4/msg/383.html
http://netplus.nikkei.co.jp/ssbiz/techno/tec100210.html 地球温暖化をめぐる議論に科学的な根拠を提供、2007年にはノーベル平和賞を受けた国連の組織、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)への風当たりが強まっている。報告書にミスが見つかったのがきっかけだが、謝罪声明を出しても欧州のメディアなどに繰り返したたかれる様は、リコール問題に揺れるトヨタ自動車を連想させる。 IPCCへの批判の始まりは、07年にまとめた第4次報告書に誤りがあることが今年1月、英紙の報道で発覚したこと。温暖化の影響でヒマラヤの氷河が35年にも消失するとした記述が、環境保護団体の報告書から引用した科学的根拠のないものとわかった。「厳格な科学的手続き」を標榜(ひょうぼう)していたIPCCの姿勢に疑問符がついた。 IPCCは1月20日の声明で誤りを認めるとともに、報告書の他の部分には問題がないことを強調した。しかし英メディアらの批判の矛先は鈍らない。報告書に科学論文を根拠としていない部分がほかにあることや、ミスが最初に指摘されたときのパチャウリIPCC議長の対応の鈍さが批判されている。 オランダ政府がIPCC報告書の訂正を求めていることも分かった。国土の海水面より低い部分が実際より多く書かれているためだ。 昨年11月に英国で発覚した「クライメート(気候)ゲート事件」もIPCCの評判に影を落としている。温暖化研究で有名なイーストアングリア大学の研究者のメールが大量にネット上に流出。気温データの改ざんの疑いや、仲間内で温暖化に懐疑的な研究をIPCC報告から閉め出す相談をした様子が暴露された。IPCCの信頼性問題と同列に論じられている。 パチャウリ議長の辞任要求まで掲げ始めたメディアの厳しい論調には、トヨタの場合もそうだが、無謬(むびゅう)性が広く信じられてきた組織が問題を起こしたときの、反動のようなものがあるように思われる。 「地球温暖化は確実に進んでいる」「温暖化の主因は二酸化炭素などの人為要因である」「気温上昇の許容限度は2度」などに代表されるIPCCの見解に納得しない科学者や利害関係者はもともといる。 純粋に科学的な立場から見解を異にするケースもあるし、IPCCが懐疑的な知見を重視していないというバランスを問う立場もある。また、政治的な利害から人為的温暖化を認めない姿勢をとる場合もあり、反IPCCの立場は一様ではない。 07年のIPCC報告を受けて「温暖化の科学論争は決着した」と当時のメディアは報道し、IPCCの見解はその年のノーベル賞受賞も相まって権威が与えられ、昨年12月の気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)に向けてポスト京都議定書の国際交渉を進める道筋が引かれた。 そうした勢いに沈黙を余儀なくされてきた懐疑的な人々の声が、クライメートゲート事件、さらに今回のIPCC報告書のミスで、一挙に噴出している。COP15が失敗に終わったことも無関係ではない。メディアはこうした空気を敏感に代弁してIPCCへの批判を強めているとみられる。 英政府のジョン・ベディントン主席科学顧問は地元紙の取材に対し、「気候変動の予測には基本的に不確実性がある」として「人為的温暖化を疑う人々を敵視すべきではない」と語った。IPCCの立場に一方的にくみすることが、逆に世論の不信感を招くことを感じ取った故の発言だろう。 1月下旬の温暖化問題に関する新興国間の会議の折、中国国家発展改革委員会の解振華副主任は「気候には自然変動の要素がある。温暖化の科学には開かれた態度で臨む」と語った。中国の温暖化交渉の責任者が懐疑的な見方に言及したとして注目された。 解氏の発言の真意は明らかでないが、中国が温暖化の科学への疑問を今後ちらつかせ始めれば、ただでさえ難航している国際交渉はさらに混迷するだろう。 IPCCは第5次報告書を14年までにまとめる方針。パチャウリ議長の去就に関心が集まるのに加え、今後本格化する報告書の作成過程では、従来にない厳しい監視の目が注がれることになる。 ---------------------- その結果、国民の多くがCO2主犯説に疑問をいだき、あらゆる企業、あらゆる人々がCO2削減の意欲を失ったとしても、それはそれとして国民の選択として尊重したいと思う。 さらに言えば、世界全体がCO2主犯説は誤りだと決めつけ、CO2削減の努力を放棄することになっても、それはそれとして尊重したい。 その場合、21世紀末にはCO2濃度は1000ppmを超えるかも知れない。そのときには「新たな化石燃料生成」のプロセスが、大自然の自ずから然るしむところのメカニズムによって「点火」されることになるだろう。 そのとき、人類は大自然の一部として重要な役割を果たしたことになる訳だ。ただし、その場合、他のあらゆる生物と同様に人類はほとんど絶滅してしまうのだが。それでも人類が選択した結果であるから誰にも責任を転化することはできない。
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