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北京当局、コペンハーゲン協定破たんに成功 - The Epoc Times
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投稿者 千早@オーストラリア 日時 2009 年 12 月 25 日 20:29:10: PzFaFdozock6I
 

(写真)コペンハーゲンで開催された国連気候変動会議(COP15)は、先進国間に怒りをもたらし、途上国間には裏切られたという失望感をもたらした。(STF/AFP/Getty Images)


北京当局、コペンハーゲン協定破たんに成功

 【大紀元日本12月24日】コペンハーゲンで開催された国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)は、法的拘束力のない「コペンハーゲン協定」に「留意する」という形で、19日にようやく幕を閉じた。同会議の数少ない勝者として中国が挙げられる。会議参加者の多くは、北京当局は自国の経済成長を阻む合意を回避するために、無理強いを発揮し、コペンハーゲン会議を系統的に打ち滅ぼしたと指摘しており、その手段に憤慨しているようだ。

 「部屋の中に怒りが溢れていた」

 コペンハーゲンから北京に戻った温家宝首相は、達成した合意について、「各方面からの多大な努力で実を結んだ結果であり、簡単なことではなかった。貴重な合意だ」と自信ある発表をした。

 温首相が言及したその「多大な努力」に関して、最後の協議に至る過程を目撃したある国の首脳が、20日付けの英紙「インディペンデント」に次のように語っている。

 「部屋の中に25カ国の首脳がいた。18日夜6時頃だった。私の右はオバマ大統領、その隣はブラウン首相、それにエチオピア総統、メキシコ大統領…中国がこの部屋にいなければ、皆、シャンペンで祝っていただろう。(交渉の行き詰まりは、)中国が超大国として頭角を現した最初の兆候かもしれない…会議の全過程において自国の利益に不利な国や政府とは関わる意図はなく、誰よりもうまくゲームを展開し、策を弄する面では米国人を上回っていた」

 同首脳によると、2050年までにCO2排出を先進国は80%、他国は50%削減するというグローバル目標の声明も、中国の主張で削除された。この数字は、既にG20で受け入れられており、英国、ドイツ、フランス、オーストラリアを含む首脳が合意している数字だった。土壇場になっての中国からの要求に、各国首脳は驚きを隠せなかった。

 「部屋の中に怒りが溢れていた。しかしその段階では、各国のリーダーは怒る以外に、なす術がなかった」

 「今世紀の地球の未来の前兆として、危機感を感じた。中国のパワーはますます強くなる。これが中国の行動規範なのであれば、前途は暗い」と同首脳は加えた。

 コペンハーゲン会議で期待されていた、途上大国にCO2排出削減を担わせるという法的拘束力のある合意は、中国が土壇場で合意要因を端から阻止することで、破綻に追い込まれた。気候変動会議において、最大の汚染国が用いた姑息な手段に対して、数人の会議参加者が同様の証言を同紙に語っている。

 同紙の報道によると、先進国が80%削減することは、世界の平均気温の上昇を2度に止めるために必須と考えられているが、中国は、2050年までには先進国になっており、その時点で成長を制限されたくないとの理由から反対していたという。

 米中間の摩擦

 20日の米紙「ニューヨークタイムズ」では、米中の緊迫関係を具体的に報道している。会議の開始前から、アメリカ側が中国側に国際的な監視システムの有効性に合意することを要請していた。中国側は、排気削減目標を発表し、法規を用いて施行するとしたが、米側の高官は、目標が低すぎること、中国国内の報告方法には信憑性が欠け、国際的な監視が必要であることを指摘していた。これに対して中国側は、「自己の主権を犠牲にしてまで、国外の実証制度を受け入れるつもりはない」と宣言していた。

 この米中間の摩擦は、18日に頂点に達した。2度にわたる首脳会談に、温首相は格下の高官を代理として出席させた。2度目の会合での代理は、さらに格下の高官だった。同日午後、主催者側が設けたオバマ=温の会合には、気候変動に関する交渉での特別代理の地位を与えられている愈青台(ユ・チンタイ)氏が出席。

 その夜、ホワイトハウス側が、オバマ=温の会合を設定し、並行して南ア、ブラジル、インドの会合を設定。ところが、定刻にホワイトハウスの代表が後者の会合に出向いたところ、温首相がすでに南ア、ブラジル、インドとの会合を進めていた。即刻、米側はオバマ大統領に報告。大統領は会議室に飛んできて、「首相、私に会う準備はできましたか?」と会合に臨んだ。

 この席で、監視や実証性などの言葉の問題も含むかなりの取り決めが行われ、これに基づく提案書をオバマ大統領が欧州諸国のグループに持ち込み、各国代表者は文句を言いながらも署名したという。

 各国の不満

 具体的な合意を破綻させたことで、中国は、自国の経済成長の妨げになるような合意を回避した。また、国際舞台における権力を誇示した。しかし、他国との同盟にヒビが入ったことは否めないと、21日付けの「フィナンシャルタイムズ」は分析する。

 英国のミリバンド気候変動・エネルギー相は、20日付けの英紙「ガーディアン」に寄稿し、50%と80%の削減合意を拒否した中国を名指しで批判。現在のEU議長国であるスウェーデンのカールグレン環境相は、「完全な失敗」と酷評を投じている。

 22日付けの「フィナンシャルタイムズ」によると、オバマ大統領が乗り込んできた会議に出席していたブラジルの政府が、発展国から途上国への財務援助が不十分な「失望的」な合意であったと表明。南アフリカの鉱業・エネルギー省ソンジカ大臣も、法的拘束力のない合意は「受け入れられない」と語る。

 途上国のスピーカーは次々と取り決めを排撃。大国と新興国のクラブが密室で合意しただけ、とみせかけの交渉過程を批判した。スーダンの代表は「協定」は貧困国にとって「ホロコースト」と表現した。

 モルディブのナシード大統領は、「古びた観念に基いて形成された政治的なグループを維持することは難しい。合意の必要がない途上大国は、規制を受けずにこれまで通りにビジネスをしていくだけ」と、発展途上国グループG77の未来に疑問を投げかけた。

 今後の行方

 オバマ大統領を支えるとも言われるシンクタンク、アメリカ進歩センター(CAP) のシニアフェロー、アンドリュー・ライト氏は、コペンハーゲンの取り決めは、気候変動の交渉における新たな政治的な分岐線を生み出したと分析する。

 温室効果ガスの主要排出国とその他の国。18日に起こった設定外の米国と、ブラジル、南アフリカ、インド、中国の4カ国(イニシャルを合わせてBASICグループと呼ばれる)の結合が、この新たな分岐線を提示している。

(編集・鶴田)


(09/12/24 08:55)  

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