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太平洋クロマグロの漁業規制開始【グリーンピース・ジャパン】
http://www.greenpeace.or.jp/press/releases/pr20091212oc_html
海洋保護区の設立は進展なし――第6回WCPFC閉幕
【タヒチ・パペーテ 12月11日(日本時間12月12日)】
第6回WCPFC(中西部太平洋まぐろ類委員会)年次会合が先ほど閉幕し、日本周辺海域を回遊する太平洋クロマグロの国際漁業管理期間による漁業規制がいよいよ始まることが決まった。
しかし、中西部太平洋では資源状態の悪化が深刻なメバチマグロやキハダマグロの漁業規制が進まず、昨年決まった巻き網禁漁区での禁漁措置が予定通り2010年1月から始まることが確認されるにとどまった。
「漁業を守れ!」と声を上げる漁師たち 国際資源管理機関による太平洋クロマグロの漁業規制が実施されるのは初めてのこと。
ただし、この措置は韓国EEZには適用されず、かつ2010年の1年間のみの措置で、明年再検討される。内容は以下の通り。
2010年において沿岸の零細漁業(ひき縄など)を除き、クロマグロを漁獲する努力量を2002−2004年水準より増やしてはならない。
その際、0−3歳の若齢魚の漁獲を2000−2004年水準より減少させることを考慮する。
今回のWCPFCに参加した国際環境NGOグリーンピース・ジャパン海洋生態系問題担当の花岡和佳男は、「太平洋クロマグロの国際資源管理機関による漁業規制が始まったことは歓迎する」としながらも、「この措置は太平洋クロマグロを過剰漁業から守るにはほど遠い。
WCPFCはこの1年以内に、より厳格な保護管理措置をまとめる必要がある」と指摘。
「韓国は国際協力の舞台に立つべきだし、総漁獲量の約70%を漁獲し(内50%強は巻き網)、約80%を消費する日本はきわめて重要な役割を担っている」と続けた。
島嶼国などは自国の漁業と資源を遠洋漁業国による過剰漁業から守るため、メバチマグロやキハダマグロが回遊する4つの公海ポケットを禁漁区に指定する必要性を訴えている。
これは海の生物多様性の保護だけでなく、台湾などのはえ縄漁船による違法操業(注1)の根絶にも効果的であり、グリーンピースも支持している。
しかし、日本が韓国、台湾、中国、フィリピンのアジア5カ国を代表して禁漁区設立の提案に強力に反対した結果、今回のWCPFCでは昨年の年次会合で決まった4つの公海ポケットのうち、2つでの巻き網の操業禁止が再確認されるにとどまった。
日本は2010年にCBD(生物多様性条約)締約国会議のホスト国となる。
CBDは海の生物多様性の保護措置として、海洋保護区の設置とグローバルネットワークの設立を2012年の目標に据えている。
「海洋保護区設置の提案について国際社会の前でまったく聞く耳を持たない日本政府代表団は、CBD開催国としての自覚が足らない」と花岡は批判し、「漁業大国や消費大国がこのような態度をとり続ける限り、マグロをはじめとする豊富な魚介類が食卓から消える日は確実に近づいている。
次の世代が魚を食べられるか、私たちの世代には管理責任がある」と強調した。
グリーンピースはCBDに対し、4つの公海ポケットが海洋保護区に指定されるべき条件に該当するとしたレポートを提出している(注2)。
世界規模で進む過剰・違法漁業が各海域で海の生物多様性を破壊し、将来の漁業と魚食を脅かす中、グリーンピースはその解決策として世界の海の40%を海洋保護区とし、ネットワークでつなぐことをめざしている。
注1:Taiwan's role in Pacific tuna fisheries - ensuring sustainable fisheries (グリーンピース・オーストラリア、英文)
注2:High Seas Enclaves of the Western and Central Pacific (グリーンピース・インターナショナル、PDFファイル1.08MB、英文)
お問い合わせ:グリーンピース・ジャパン
海洋生態系問題担当:花岡和佳男 / 広報:成澤薫
電話 03-5338-9800
Fax 03-5338-9817