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http://www.nikkei-science.com/topics/bn0911_1.html#1
100年ほど前の「賢馬ハンス」以来,科学者は動物に数学の能力があるという主張には懐疑的だ。この馬はヨーロッパの人々の前で算術などの知的作業を実演して大評判になったのだが,実は飼い主の無意識の動きを手がかりにしていた。最近では“天才オウム”のアレックスが6まで数え,足し算・引き算ができたとされるが,こうした例は特別なケースか条件づけの結果だと考えられている。 ところが最近の研究で,いろいろな動物が数を数えている例が新たにわかり,数学の能力がこれまで考えられていたよりも生物に基本的なものである可能性が示されている。ある条件下では,サルが大学生を上回る能力を示す場合もあるようだ。
ニュージーランドにあるウェリントン大学のバーンズ(Kevin C. Burns)らは,倒木に複数の穴を開け,穴ごとに違う数のゴミムシダマシの幼虫を入れて,野生のニュージーランドコマヒタキという鳥から見えるよう野生生物保護区のなかに置いて観察した結果を昨年夏のProceedings of the Royal Society B誌に発表した。鳥たちは虫の数が最も多い穴に群がっただけでなく,鳥が目を離した隙にバーンズが一部の虫を取り除くと,2倍の時間をかけて穴を検分し,いなくなった虫を探した。
ロチェスター大学のキャントロン(Jessica Cantlon)は過去5年間の一連の実験で,アカゲザルの計算能力が人間に匹敵しうることを示している。色・形・大きさがすべて同じ物体を複数個集めて組みにした2セットのうち,個数の少ないほうを選ぶ能力があることを発見した。さらに色や形,大きさを変えても,正確さや反応速度は変わらなかった。
ブラノンは,動物は言語的な数感覚は持っていない(頭のなかで「1,2,3」と数えているのではない)が,数字に頼らず物体の集合を寄せ合わせることで大雑把な計算はでき,その能力は生まれつき備わっていると考えている。この能力は「縄張りを持つ動物が大きさの異なる敵対グループに近づいたり,草食動物がそこでこれまでに食べた草の量とそれに費やした時間から,新しい場所に移動すべきかどうかを決断したりする必要性から進化したのではないか」とブラノンはみる。 |
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